ゼルダの伝説『時のオカリナ』ナビィに転生したと思ったら、肉便器だった件 作:はくびしん
byデクの樹様
読まなくても死なない回2
『父さん!!父さん!!助けて!!』
日向を浴びながらうたた寝しようとしてたら、馬鹿息子の声が聞こえてきた。
正直面倒臭いから無視しようかなぁと、思ったがあまりにも必死に呼び掛けてくるから思わず「あんだよ」と返事してしまい本当の面倒がやってきた。
『ナビィが、ナビィが可愛いんだけど!!!!』
殺してやろうかな?
本気で殺意が湧いた。
オレは聖人君子ではない。そりゃ、無闇矢鱈に毒を撒き散らすつもりもないけど、だからと言って救いの神になるなんて真っ平だ。そういうのは前世だけで十分。何回世界救ったと思ってんだ、かったりぃ。
「うるっせぇんだよ、クソガキ。ペット自慢か、こら。のろけんなら他所でやれ」
『で、でも!オレ知らなくって!』
「あぁん!?何がどう知れねぇんだよ、面倒臭ぇ!用件を言え用件を!オレのお昼寝タイムを邪魔した罪は重いぞこら。くっだんねぇ話だったら、削いでやっからな!!」
『ナビィが人になれるなんて知らなくて!オレ、ナビィの事、好きになっちゃったんだけど!!どうしたらいいの!?』
OH・・・。
おいおいおい。ダチ公、何してんのお前。
子供に何をしたの?え、えろ?エロしたの?
ずるい。オレも混ぜて欲しかった。
━━━いや、やっぱいいや。よくよく考えたら今は兎も角、前世男やんあいつ。オレは精神的ホモも許さない、真のフェミニトだから無理だわ。ホモは消毒だヒャッハーーー!!男の娘~~?それも消毒だぁーー!
まぁ、それよりも問題はリンクか。
好いた惚れたに関わると碌な事にならねぇから、上手い具合にすかして聞かねぇと。なんか飛んでくる念話がピンク色でヤバイからな。なんだこれ。こんなん出来んだ、念話って。
「さきに一つだけ確認しとくぞ」
『う、うん!父さん!』
「人の時だけ?お前の好きなの」
『え、えと、ね。最初はそうだったんだけど、でもその、妖精の姿の時も可愛くて見えてきたっていうか、いや、元から可愛いとは思ってたけど、その・・・』
どうしよう、ほんまもんやないですか。
オレはなんて業の深いもん作っちまったんだ・・・。
やっぱり年端もいかねぇ子供にセックスのやり方ぶちこんだり、女のこましかた教えたり、性癖の数々を語って聞かせたりすんのは早かったか。どうしよ。話し相手が欲しかっただけで、そんなつもりは無かったのに。え?本当だよ?リンクのおこぼれを貰おうとか、そんな気なかったよ?樹だけに。
いや、でも、まぁ、良いか。
性癖ってひとそれぞれだし。
それに相手はあのダチ公だし。
なんか上手くやってくれんだろ。
「健闘を祈る!」
『父さん!そんな事言わないで協力してよ!!じゃないと、オレに変な事教えたのナビィに言うからね!!』
「父さんに任せんしゃい!!街に繰り出したら二百人くらい落とせる、立派なジゴロに育ててやるぜぇ!!」
『父さんのそういう所、オレ好きだよ』
すまんダチ公。
逝ってくれ。
それから暫く寝る前にリンクにエロ講座を開く事になった。と言っても実践経験のないオレにまともな事を教えられる訳もなく、ほとんどエロ本からの流用だったりする。
教えながらこれはあかんと思ってたけど、他に出来る事もないから仕方ない。
そんな風に半分諦めて過ごしていると、不意に集落の方ならただならぬエロの波動を感じた。あまりに強大なエロの波動に、あるはずのない息子がおっきする感覚にとらわれ叫んでしまう。
「━━━━!!集落の方で、ただならぬエロの気配を感じる!!わしも混ぜてぇぇぇぇぇ!!」
だが、その叫びは虚しく空に吸い込まれる。
なにもエロれない。悲しい、凹む。
少し落ち込んでから、あのエロの波動がなんだったのか考えた。最初に思い付いたのはサリア達女の子ズの事だったが、すぐにないなと思いその考えを捨てる。
だってあいつら、性欲どころか恋愛感情とかないんだぜ。おまんこも存在しないし。そもそも生殖器がないんだよなぁ。
一度エロエロな娘にしてやろうかと教育しようとした事があったんだが、あえなく失敗に終った。だって責める為の物が無いんだもん。乳首もないんだよ、あいつら。あるのは尻の穴だけ。無理だよ、オレアナル趣味はないもん。
男達も同様、性欲なんて欠片もない。
なら誰か。
ナビィぇ。
「やっちまったなぁ」
ダチ公のあられもない姿を想像し、罪悪感に襲われた。
そして少しだけ興奮した。えっちぃ、良いよね。
そして後でからかおうと思った。
少ししたら興奮した様子のリンクから『やったよ父さん』と感謝の言葉を頂いた。以前適当に教えた『女子大生家庭教師をショタ子が貪るたった一つの冴えた方法』略して『ショタ冴え』というふざけたエロ漫画で、初めてショタ子と女子大生家庭教師がエロな雰囲気になった「おまんことお尻の穴って何が違うんですか、教えて先生!」をそのままやったらしい。
ナビィの馬鹿。そんな、見え透いた罠に掛からないでよ。罪悪感が凄いじゃないか。
あと、このたったオチンチンどうしてくれるよ!!貴女が抜いてよね!もう!
上手くいって味をしめたのか、リンクは『ショタ冴え』の続きを聞いてきた。あくまでフィクションのお話なので、このまま実行していって成功するかは怪しい。いくらナビィが流されやすいアホ子だったとしても、元はまともな思考を持った人間。羞恥とかは人並みにあると思うから、それを刺激し過ぎるのは逆効果な場合もある。人にもよるけど。
けれどまぁ、リンクがその話ばかり聞いてくるから仕方ない。
それから暫くして、オレの懸念は見事に当たった。
やり過ぎてナビィに泣かれたらしい。
ザマァ。
オレを差し置いて一人でエロを嗜もうとするからそうなるのだ。若さゆえの暴走だろうが、オレを差し置いた奴の責任だ。エロの報告を出来ないリンクに用はない。
その日は恨み言をいうリンクの念話を完全遮断して寝た。エロの夢を見た。
「デクの樹様。以前教えてくれた事、復習したいから付き合って下さい。付き合ってくれなかったら、ナビィに話します」
そうサリアに脅された。
ナビィに話すとか、止めて。あの子絶対怒るもん。枝葉が削がれちゃう、大事な枝葉が削がれちゃうから。
でもな、ここで教えたらオレの罪、もっと凄い事になるし・・・。
「リンクに変な事教えたの、デクの樹様ですよね」
「フォーフォフォフォ。サリアよ、勿論喜んで教え直すとしよう。一刻の間、人を発情させる魔法も授けようぞ」
「ありがとう、デクの樹様」
すまん、ナビィ。
オレは無力だ。
・・・・いやぁ、女の子同士とか、たまらんな。
それからリンクを呼び出してダンジョンに挑ませたり、愚痴を聞いてやったり、四十八手を伝授したり、リンクの留守を狙ったサリアとナビィのエロ波動を感じ取ったり、サリアにチンコつけろって言われたり色々あった。
リンクは嫌がられたのが尾を引いたのか中々奥手になってしまっていて進展は中々無かった。端からみると完全に両思いなんだから、多少強引でも一発やれば墜ちるだろうと思って心配はなかったけど。
ナビィはナビィで、使命だとか種族だとか気にして素直になれないようだった。どうせリンクが本気を出せば受け身になるだろうから、無駄な抵抗でしかないけど。
まったく基本アホ子なのに、こういう時ばかり臆病で残念なダチ公だ。
けど、そんな馬鹿達を心配すんのも今日で終わりだ。
空に立ち上った強大なエロ波動。
きっとリンクとナビィがイタしたんだろう。
ちゃんと出来たか分からないが、熱いパトスが心配ないと教えてくれる。
「はぁ、世話のかかる奴等だぜ」
前世の記憶を思い出してから今日まで、オレは全力で生きた。木だから出来る事は限られていたけど、やりたい事はやり尽くしてきた。
後悔の無いように。
オレは体内に感じる奴の気配に集中する。
もうじきオレの力では抑えられないようになるだろう。体力が残ってる内に、次を準備する必要がある。
「はぁ、ガラじゃねえんだよなぁ」
前世のオレはもっと自分中心的な奴だった。
自分がよければ他なんてどうでも良い。
そういう奴だった。
親に当たり散らしたり、画面の向こう側にいる見たこともない奴を罵倒したり、ほんと録でもない奴だった。
だから、いつも一人ぼっちだった。別にそれを寂しいと思った事はなかったけど、でも、死ぬその時くらい誰かに看取られたいと思ってもしまった。
我が儘だなぁと我ながら思うが、そう思ってしまったのだから仕方ない。
だから今世で記憶が甦った時、やり直そうと思った。
せめて看取ってくれる人が出来るようにと。
でもすぐに疲れた。
だって話し方重いんだもん。
ないわ。世間話すらまともに出来ない、ジジイの話方って辛いわ。
そして不意に漏らした愚痴。
でもそれがオレの始まりだった。
「何言ってんだよ、あんた。情けないわ」
ノーパンしゃぶしゃぶに言葉が返ってきた。
視線を向ければ一匹の妖精がいた。
いまだ相棒が決まらない、妖精ナビィが。
「おまっ、え、まさか前世の記憶とかねぇ?」
言葉が崩れてるのも気にしないで話し掛けた。
何故だか心が踊るような気持ちになった。
「え?記憶・・・あ、まって、何か思い出せそう。なんだってけ、あれ?リア充・・・爆発・・・ざまぁ・・・めしうま」
「なんて単語思い出してんだよ、流石に草生えるわ」
口にされた単語で、何となくオレと同じ臭いを感じ、サブカル好きなら知ってそうな言葉を探して口にする。
「こほん・・・対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』。今までの454カスール改造弾使用ではなく、初の専用弾使用銃です。全長39cm、重量16kg、装弾数6発、もはや人類では扱えない代物です。専用弾、13mm炸裂徹鋼弾」
枝葉の一つを銃に見立てナビィの前につきだす。
するとじっとナビィの目がオレを見つめてきた。
そして、口にした。
「弾殻は?」
オレは思い出しながら続きを口にする。
「純銀製、マケドニウム加工弾殻」
「装薬は?」
「マーベルス化学薬筒、NNA9」
「弾頭は?炸薬式か?水銀か?」
「法儀式済み、水銀弾頭でございます」
「パーフェクトだ、ウォルター」
「感謝の極み」
どちらともなく笑った。
「マニアック過ぎるわっ!!よく言えたな!?」
「うるっせぇよ!でもお前だって答えきったじゃねぇーか!おたくぅ!おっ、たっ、くぅ!!」
「うぜぇぇぇーーー!!デクの樹様ってこんな奴だったのかよ!初めてあんた見た時の感動返せ!!」
「感動したっ!(迫真)」
「ふるっ!いつの物真似だよ!!てか、お前が感動してどうすんだよ!?」
やっぱりこいつはオレと同じだ。
前世の話をして、趣味の話をして、この世界の話をして、オレたちは沢山の時を過ごした。
そしていつしか、オレはナビィを友達だと思うようになっていた。
ナビィと友達になってから、オレの回りは少しずつ人が増えていった。サリア達はよく様子を見にきてくれるようになったし、ミドは供え物を持ってきてくれた。他のコキリ族も何かとオレの元にきて、色々な話をしてくれた。
それは少し鬱陶しくあったが、楽しくもあった。
そして思った。
前世のオレは、ずっと寂しかったんだって。
気づかないようにしてたんだ。頑張れなかったから。
分からないふりをしていたんだ。耐えられないから。
オレは生まれ変わって、沢山の人に囲まれて、大切な家族が出来て、大事な友達が出来て、今更オレの事を知った。あの狭い部屋の中で、オレが何が欲しくて、どうなりたかったのか。
沢山、この世界にきてから大切が増えた。
前は何とも思わなかったのに、今は死ぬのが怖くてしょうがない。
でも、決めた事だ。オレが。
逃げる気になれば、逃げられた。
何もかも失う覚悟があれば、いつでも。
そうしなかったのは、オレがオレの命より、あいつらを大事だと思ったからだ。
森なんてどうでも良いけど、そこに暮らすオレのガキ共が必要とするなら幾らでも頑張ってやれる。
大事な馬鹿息子と、オレに世界をくれた友達の明るい未来を作る為なら幾らでも頑張ってやれる。
「さぁてと、あと一晩だけだ。頑張れよ、オレの体。今夜だけは、あのバカップルの為に時間をくれてやらねぇとな。はぁ、たくよ、はぜろ」
来世にワンちゃんダイブする為。
善行をつんでハーレムチャンスを掴めむ為。
オレは最後の夜に挑んだ。
次回予告
ゴーマ、リンクさんに絡まれる