ゼルダの伝説『時のオカリナ』ナビィに転生したと思ったら、肉便器だった件 作:はくびしん
おれは自分に正直な生きるぞジョジョーーー!!
主人公リンクの家にやってきた私は、ぐっすりと眠るリンクの上でどうやって起こすかを検討していた。
一、大声。
二、エレクリトリックサンダースピントルネード。
三、ボディプレス。
四、パチンコ連射。
五、無空波
うん、迷う。
個人的にはドラゴンインストールからのタイランレイブ、締めにナパームデスを打ち込みたいのだが、これをやったら確実に死ぬのでやれない。やるわけにはいかない。本編始まる前に主人公死ぬとか、駄目やん。
しかしどうするか。
大声というのは在り来たりだし、ボディプレスも普通。パチンコ連射もいまいち。
となるとエレクリトリックサンダースピントルネードか無空波になるのだが・・・無空波もなんやかんや必殺の奥義だからな。
エレクリトリックサンダースピントルネードにしとくか。
こうしてエレクリトリックサンダースピントルネードで最初の出会いを交わした私ナビィ。リンク君に暫く口も聞いてもらえなかったのは言うまでもない。
衝撃の出会いを果たしてから一年。
話してくれない事件をへて、私は今、主人公リンクといつも一緒にいる相棒になっていた。
寝るときも一緒、遊ぶときも一緒、トイレの時も一緒━━━
「ナビィ、しづらいよ」
「お構い無く」
「かまうんだよ、凄く」
トイレの時は一緒じゃない。
けど、チンコは見てやった。英雄だった。
しかしリンクは面白い。
何が面白いかというと、その類い稀な運動能力と奇想天外な発想力がだ。
まだまだ幼いというのに、リンクは大人より早く走る。自分より大きい岩も動かす。そして驚く程タフだ。この間崖から落としてみたが、たんこぶだけで済ませていた。流石ハイラルを救う英雄。つおい。
それに頭の回転も恐ろしく早い。
その上、子供特有の柔軟性を持ち合わせているお蔭か、迷路だの謎解きだのに滅法強く、試しにまよいの森に突っ込んでみたが半日もしないで戻ってきたりした。
人によっては一生出られないというのに、━━恐ろしい子っ!
そんなある日、ふと思った。
こんだけ頭良ければ、自分とコキリ族の違いに気づくんじゃないかな?と。
それとなしに聞いてみると、案の定リンクはサリア達と自分が違う存在であることを何となしに理解していた。
これを聞いて原作リンクがあまり葛藤もなく外へと行った理由が分かったような気がした。
原作リンクは口にしないまでも、自分がコキリ族とは違う事を理解していたのだろう。そしてその違い故に、ずっとここにいられない事も理解していたのだ。
どれだけの思いがあって、原作リンクは旅立ったのだろう。ゲームをやっているだけの私は知らなかった。気づこうとも思わなかった。
今更になってあの旅立ちがどれだけ特別な思いが乗ったものだったのか、それを思うだけで私の胸は、目頭は、どうしようもなく熱くなってしまう。
「ナビィ?」
心配そうに此方を覗き込んでくるリンクに、私は大丈夫だと強く羽ばたいて見せた。
この子に心配されるようでは私もまだまだだなと、自嘲気味な笑いが溢れてしまう。
私は考える。
どうしたら方が、リンクにとって一番良いのか。
嘘を教えて、今を誤魔化すのは簡単だ。
でもそれはきっと、リンクを馬鹿にする行為だ。
この子は知っている。
自分がこの場所に相応しくない事を。
いずれここを離れる日が来る事を。
それならば、私はこの子に道を与えよう。
知ってる限り、今伝えてよい限りのそれを教えて、彼に選ばせてあげよう。
それはきっと辛い事や苦しい事と向き合う事になる。子供の彼には重い真実になるかも知れないけれど、嘘を教えて嘘の未来を与えてしまうよりきっと良い筈だ。
彼が立ち止まってしまったら私が手を貸せばいい。
彼が泣いてしまったら私が慰めればいい。
その為に、私は強くなったのだから。
私はリンクに今教えてよい限りのそれを伝えた。
種族の違いやここにきた経緯、それ以外にも沢山。
全部を聞き終えたリンクは私に一つだけ聞いてきた。
「ナビィは、オレが森を離れたらどうなるの」
何を言われてるのか分からず首を捻ってしまう。
寂しそうなリンクを眺めていると━━━そういう事かとやっと気づいた。
リンクは私がコキリ族としか相棒にならないと思っているのだ。確かに種族の違いや文化の違いを考えれば、森という唯一の繋がりがなくなったコキリ族でないリンクに私がついてくるとは思わないだろう。部外者も部外者なのだから。
けれど、実際は違う。
私とコキリ族についている妖精とでは、役割も備えている能力も別なのだ。分かりやすく言えば、カレーライスとハヤシライスくらい違う。
まず挙げられるのが自由度。
彼等は一生をコキリ族の側か森で過ごす事しか出来ないのにも関わらず、私は一人でも世界を自由に飛べる。実際、リンクなしでも世界を巡っていた。
次点で挙げられるのは個としての自我。
コキリ族をサポートする妖精達は総じて自我が弱い。個というよりは、森の一部としての意識が強いのだ。その為彼等に個性という物はないし、言葉は話さず思念だけで他者とやり取りをする。しかもそのやり取りというのが、ぼんやりとしたイメージを送るだけの物だったりする。ぺらぺらと思い付きで喋る私とは大違いだ。
まぁ、そんな細かい事教えても理解は出来ないだろうから今は言わないでおく。なんのかんの言ってもリンクはまだ子供だ。難しい言葉より、分かりやすい言葉で伝えるとしよう。
私はリンク君の頬に体を擦り付けながら言ってあげる。
「大丈夫。私はいつも一緒にいるよ」
その言葉を聞いたリンクはとても嬉しそうに笑ってくれた。それで良い。子供は笑顔が一番だもの。
それからリンクはいつか来るであろう外に出る日に向けて準備を始めた。準備の殆どが私が教えた事ではあったけど、全部リンク自身が決めてやっていた。
体を鍛え、知識を学び、心を育てた。
私は彼の先生として人に変身して剣術の稽古をつけてあげたり、勉強を教えたり、文化を教えたり色々やった。覚えのいいリンクの先生はやっていて面白かった。
あ、初めて人の姿に変身した時は、リンクは死ぬほど驚いてたよ。
そんな風にリンクの先生として過ごしていたある日。
リンクがある事に興味を持った。
「ねぇ、ナビィ」
「ん?何?」
「コキリの皆はデクの樹様から産まれたんだよね?」
「そうだね。産んでる姿は流石に見た事ないけど」
「なら、オレはどうやって産まれてきたの?」
あ、ああ。うん。
まぁ、そうだよね。
疑問に思うよね、うん。
「ナビィ?」
可愛く首を傾げるリンク。
どうやって教えたものかと、とても悩む。
流石にそのまま、というのはあれか。
うむむ。
「えっと、そのいいよ。やっぱり。変な事聞いてごめん、ナビィ」
リンクが空気を読んで聞くのを止めてしまった。
大人の都合で子供の好奇心を殺してしまうのは忍びない。むむむ。
それなら仕方ないか。いずれ知ることになるだろうし、知らないで何処かでやらかすよりはマシ・・・という事にしとこう。
「わ、分かった。教えてあげるよ」
「本当に!」
「本当、本当。とは言え流石に外で話すのはアレかなぁ。皆に聞かせるような話でもないし・・・。取り合えず家に入ろうか。そこで教えるよ」
「うん!」
そうして良かれと思って始めた性教育。
それが肉便器への第一歩だと言うことを、その時の私は欠片も予想していなかった。
◇◇◇
デク「━━━━!!集落の方で、ただならぬエロの気配を感じる!!わしも混ぜてぇぇぇぇぇ!!」
次回予告
はじめの一発
デュエルスタンバイ!