※この作品はR-18です。

メアリスケルターカップリング集(R-18)   作:サイエンティスト

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 ねこねここねこ(後編)の続きに当たるR-18のお話です。
 獣耳ついてる女の子って良いよね。ロリっ子だとなお良し。
 ちなみに最近ウサ耳つけた(恐らく自前)可愛いロリっ子キャラが新たに好きな獣耳キャラに加わりました。身長120センチ程度のロリっ子悪魔なのにバニーの格好、更にはジトっとした目付き。カレーが大好きとのことなので私がカレーを作って食べさせてあげたいです。どろっとした白いカレーを、ね……。




ねこねここねこ(R-18)

 灯りを消して薄闇の満ちる部屋の中。ジャックの見下ろす先にはベッドに仰向けの親指姫が縮こまっている。

 装いは可愛らしい薄めのネグリジェ。頭には一対のツインテールの他、一対の猫耳。非情に愛くるしくも倒錯的な魅力を放つ姿。おまけにその丸い翠の瞳は普段以上の恥じらいに揺れていて実に堪らない。お互いにもう何度も同じ事を経験しているというのに、ジャックの方は抑えがたい昂ぶりに息を呑んでしまった。

 

「それじゃあ、脱がすからね……」

「にゃあ……」

 

 真っ赤な顔でこくりと頷き、可愛らしい鳴き声を零す親指姫。

 本当に今回は猫真似を続けながらのエッチをさせてくれるらしい。果たしてあの根っからの天邪鬼であった親指姫が、ジャックのためにこんなおかしなプレイをするようになるとは一体誰が信じただろうか。いや、間違いなく誰も信じなかったに違いない。

 そんな事実に一つ苦笑しつつ、親指姫のネグリジェを脱がしにかかる。いつも通り丸い肩を通して、ずり降ろす形で。

 胸元が露になりかけると親指姫は華奢な腕で仄かな膨らみを覆い隠し、俯きがちに恥ずかしがる。曝け出された薄桃色のショーツを降ろすと、縮こまりながらもう片方の腕で覆い隠す。

 何度かそういう経験をしてもやはり恥じらいは抜けないらしい。とはいえジャックとしては別に不満など無いし、むしろその反応の初々しさと可愛らしさに胸が苦しくなりそうなくらい興奮を覚えさせられる。本当に親指姫は反則的なくらい可愛らしい。

 

「にゃあぁぁぁ……!」

 

 リボンと猫耳以外の身に着けていたもの全てを剥ぎ取られ、縮こまって自らの身体を隠す。

 恥じらいで耳まで真っ赤に染まりながらも猫真似は止めない固い意志と、ジャックへの愛情。そして頭の上の猫耳と鳴き声で演出される可愛らしさ。それらだけでもすでに胸が苦しいくらいに高鳴っているというのに、一糸纏わぬ身体は溜息が出るほどに綺麗でとても悩ましい。

 

「親指姫、猫は身体を隠したりしないよ? むしろ仰向けでお腹を見せたりするんだから」

「にゃっ!?」

 

 だから隠さず見せて欲しかった。

 何だか鬼畜なことを言っている気もするが今の親指姫は猫になりきっている。猫は服なんて着ていないし、身体を隠したりもしない。むしろ信頼している相手の前ではお腹を見せることだってある。ジャックの指摘は何らおかしいものではなかった。

 

「……にゃ、あ……」

 

 それを親指姫も理解したのだろう。驚きに丸くしていた目を恥ずかしげに細めながら、身体を覆い隠していた手を退けてくれた。

 上半身の慎ましやかな白い膨らみと桃色の突起、そして下半身の滑らかな肌と一筋の線が露になり、否応無くジャックの興奮を掻き立てる。更に親指姫は退けた手を肩の高さまで持って行き、しっかり両方とも招くような手つきにしてくれた。ついさっきまでは可愛い様子としか思えなかったのに、今はこれすらも興奮を掻き立てる誘惑にしか見えない。

 

「本当に可愛くて綺麗だよ、親指姫……」

「にゃぁ……」

 

 その赤い髪を梳くように撫でてあげると、途端に微笑みに幸せが灯る。

 撫でられて喜ぶとは正に猫そっくりだ。それならもっといっぱい撫でて喜ばせてあげなければ。ジャックは親指姫の頭を撫でていた右手を静かに下ろし、その胸元へと持って行った。

 

「みゃっ……!」

 

 指先が小さな膨らみに触れた途端、びくっと身体を震わせる親指姫。

 それでもしっかり両手は招く形のままで、本当にジャックを楽しませてあげたいという気持ちがひしひしと伝わってくる。もちろんその気持ちを無碍にする気などない。親指姫の健気な想い通り、存分に楽しむことを心に決めていた。

 

「にゃっ……んっ……みゃ、ぁ……」

 

 可愛らしい鳴き声の零れる唇に自分の唇を重ね、静かに解き解しながら舌を交える。その間に右手は撫でるから揉むへと動きを変え、柔らかな胸の感触と滑らかさをしっかり堪能していく。

 その間にも親指姫はキスの合間に唾液混じりの喘ぎを零し、幸福と快感に瞳を細めていた。

 

「にゃっ! じゃ、ジャックっ、そこ、はっ……!」

 

 しかし胸元から別の場所に指を滑らせたことで、その瞳は若干の混乱に見開かれた。猫真似を止めてしまうほどの混乱に。

 だがジャックはそこまでおかしいことはしていない。いや、むしろ初めての時にしなかったことの方がおかしいだろう。

 

「ダメだよ、親指姫。猫は人の言葉を喋ったりはしないよ?」

「あ、にゃっ……! にゃああぁぁ……!」

 

 なので猫真似を止めてしまったことを笑いかけて注意しつつ、細い脚の根元付近を指で静かに摩っていく。やはり酷く鬼畜な気がしたものの抗議の声は上がらず、代わりに戸惑いを含んだ喘ぎが上がる。

 初めての時は優しげな言葉を謳いつつ結局は自分の欲望優先になり、親指姫に必要以上に辛い思いをさせてしまった。なので二度目からはジャックの身体を受け入れる準備をしっかりさせてあげている。もっともまだまだ青二才のジャックには完璧に準備をさせることなどできそうにないが。

 

「んにゃっ!? にゃ、うぅぅ……!」

 

 口付けの箇所を唇から首筋へと移す。やはりまだ慣れていない愛で方のせいか戸惑いがちの喘ぎを零す親指姫。しかしその唇から零れる吐息はとても熱を帯びていて悩ましく、ちゃんと感じてくれていることがジャックにも分かった。

 だからこそジャックは愛でるのを止めず、更に深く踏み込んでいく。白い首筋を舌先でくすぐり、両脚の間の滑らかな肌を摩る。

 

「にゃ、あぁ……! じゃ、ジャックぅ……!」

 

 びくびくと震え、またもジャックの名がその緩んだ口元から零れる。

 しっかり猫真似しながらも名前を呼ぶことに疑問を抱き顔を上げると、嬉しいことに親指姫の表情は気持ち良さそうに蕩けていた。しかしそれなら何故名前を呼んだのだろうか。

 

「親指姫、どうしてちゃんと鳴き真似してくれてるのに名前を呼んだの? もしかしてこれはちょっと嫌だったかな……?」

「にゃ、あぁぁ……」

 

 不安になって右手で摩るのを止めて尋ねるものの、親指姫は首を横に振る。涙目ではあるがそれは自らを襲う快感や幸福のせいなのだろう。

 止めて欲しいから名前を呼んだのでないなら、もう理由はたった一つしかない。

 

「……じゃあ、ただ僕の名前を呼びたくなっただけなんだね。ついキスしたくなるみたいに」

「にゃあぁ……」

 

 少し躊躇いを見せた後、今度は首が縦に振られる。

 どうもジャックへの愛しさについ名前を口にしてしまっただけらしい。単純ゆえに気持ちは痛いほどに分かった。ジャックだって親指姫が愛しくなって頭を撫でたりキスしたりなど日常茶飯事なのだから。

 

「……あははっ。本当に可愛いなぁ、親指姫は。うん、僕も君に名前を呼んでもらえると嬉しいから、名前だけなら好きに喋って良いよ?」

「ジャック……にゃっ!?」

 

 再び名前を呼ばれた所で、もう一度右手を動かし白い肌を撫で摩る。同時に仄かな膨らみへと舌を這わせ、白い肌にうっすら浮かぶ汗を舐め取っていく。もちろん耳で瑞々しい鳴き声を楽しみながら。

 

「あ、にゃっ……! にゃあ、あぁ……!」

 

 仄かな膨らみの頂点で桃色に染まって縮こまっている部分を唇で挟み、口付けを交わすように触れ合わせる。時折吸い付き舌先で小突いて苛める度、反抗心を表わすかのようにそれは徐々に固さを帯びていった。

 しかしそれは実際に反抗しているわけではなく、親指姫がジャックの行為にしっかり感じてくれているということ。その証拠に変化は胸元だけに留まらず、脚の付け根を弄くる指にも暖かな滑りが纏わりついてきていた。

 

「じゃ、ジャック……! ジャックぅ……! にゃあぁぁぁ……!」

 

 膨らみから顔を上げて表情を確かめると、こちらも蕩けていて悩ましさに溢れてきている。翠の瞳は夢心地に染まっているというのに、両手はまだ言いつけ通りしっかりと猫真似を維持していた。

 たぶん今のジャックは興奮で若干おかしくなっているのだろう。確かな愛と想いを感じる所作だと言うのに、どこまでその所作を続けてくれるかが気になってしまった。

 

「ごめんね。何言ってるか全然分かんないや……でも凄く可愛いよ、親指姫。もっと鳴き声聞かせて欲しいな……」

「――んにゃっ!?」

 

 しっかりと滑りが纏わりついた一本の指先で、親指姫の身体の中へ続く入り口を弄る。場所は勿論両脚の付け根の間。そこから少しずつ指先を潜り込ませ、生々しい温もりの中で静かに指先を蠢かす。激しさは不要だと言うことは一度失敗したのでちゃんと心得ていた。

 

「みゃ、にゃっ、みゃああぁぁぁぅぅ……!」

 

 動きは大人しめでも親指姫は悩ましい鳴き声を上げ、湧き上がる感覚を堪えるように悶えながら首を振る。揺れる猫耳と二本の赤い尻尾は可愛らしく、裸の身体を震えさせて悶える姿は実に艶かしい。

 興奮に荒々しくなりそうな動きを抑えながらジャックは舌で胸元を、指で下腹部の内側を弄くっていった。その身体が一際激しく震えるまで。

 

「あっ、にゃぁ! みゃ、う、にゃにゃぁ――っ!」

 

 そして噛み殺した鳴き声と共に、幾度かの痙攣を経て力を失う小柄な身体。表情を覗き込むと汗の雫が伝わるその頬は恥じらいと確かな快感に緩んでいた。どうやらジャックのやり方でしっかり気持ち良くなってくれたらしい。

 

「にゃぁ……ジャックぅ……」

「……うん。僕も、もう我慢できないよ……」

 

 涙の浮かぶ切ない瞳で名を口にされ、何を言わんとしているのか自然と理解できた。

 自分の全てを色んな方法で愛して欲しいという願いを抱いている親指姫だ。きっとお互いに繋がりたくて堪らないのだろう。瑞々しい喘ぎと悩ましい姿、素晴らしい感触に辛抱堪らないジャックと同じく。

 

「にゃあぅ……」

「あ、親指姫……?」

 

 どことなく切ない鳴き声を上げると、身体を起してこちらに背を向ける親指姫。何をする気なのか分からず首を傾げるジャックだったが、揺れる猫耳を目にしてすぐにその意図を理解した。

 人なら押し倒したり向かい合ったりと様々な体勢で愛し合うことができるものの、今の親指姫は人ではなく猫。猫の場合は愛し合うというか交尾だが、向かい合ったりはせず後ろから押し倒した格好になる。健気にもそこを忠実に再現するつもりらしい。明らかにこの猫プレイを楽しんでしまっているジャックのために。

 

「そっか。ここも猫っぽくしてくれるんだね、僕のために……」

「ウゥゥゥゥ……」

 

 そうして自ら四つん這いとなり、丸いお尻をこちらに向けてくれる。恥じらいを堪える唸りを上げ顔を真っ赤にしながらも、愛するジャックを楽しませるために。

 その想いを喜んで受け取り、すでに狭苦しさで辛くなっていた下腹部をズボンから曝け出した。そして親指姫の細い腰に両手を添えて準備を整える。

 

「じゃあ、いくよ……?」

「にゃぁ……」

 

 念のためにそれを伝えると、可愛らしい鳴き声を零して頷く親指姫。シーツをぎゅっと握り締めて目蓋を固く閉ざしたのをその丸い肩越しに確認してから、ジャックはその腰を手前に引き寄せた。

 

「んにゃぁ! にゃっ、ああ、にゃあぁぁ……!」

 

 身体の一部が生暖かいものの間を這いずり潜り込んでいく得もいわれぬ感覚。両手の下で上がるのはすでに苦痛の無い、呂律が回らなくなっているほどの快感が滲んだ喘ぎ。それも猫の鳴き真似が混ざった途轍もなく嫌らしい喘ぎだ。

 

「……可愛い……可愛いよ、親指姫……」

「にゃあぁぁぁ……! ジャックぅ……!」

 

 腰を打ちつけながらその可愛らしさを伝えていくと、親指姫の身体はこちらの動きとは無関係に震え、同時にジャックの身体の一部を襲う圧迫感と快感が増す。

 恐らくはジャックの可愛いという言葉だけでどうしようもない快感を覚えてしまっているのだろう。自分のためにこんな恥ずかしい真似をしてくれているのだから、その気持ちに報いるために何度も口にして気持ち良くさせてあげなくては。

 

「可愛いよ、親指姫……君が罰ゲームを始めた時から、本当はずっとこんなことしたいって思ってたくらい……可愛い……」

「じゃ、ジャックぅ……! にゃあうぅぅぅ……!」

 

 獣の交尾が如く小柄な身体を後ろから犯し、その可愛らしさを幾度も言葉で伝えていく。

 酷く敏感な身体の内を突かれ掻き回される感覚からか、それとも自らにかけられる可愛いという褒め言葉のせいか。親指姫は喜悦の滲んだ鳴き声を上げて悶え、やがて両手で身体を支えられずに崩れ落ちた。

 

「にゃ、ああぁぁ……! うにゃあぁぁぁぁ……!」

 

 それでも猫の鳴き真似は決して止めない。ジャックが腰を掴んでいるせいで膝を支えにしてお尻を突き出している様な嫌らしい体勢となってしまっているのに。快感と興奮に細まり涙を零す翠の瞳を肩越しにこちらへ向けて。

 

「お、親指……姫……!」

 

 その酷く扇情的な様が興奮と快感を堪らなく掻き立てる。

 特に刺激されるのは征服感と背徳感。体勢と親指姫が涙を零している様も相まって、背後から力ずくで捻じ伏せ犯しているような錯覚を覚えてしまう。それも相手はただの女の子ではない。メルヒェン相手に一騎当千の戦いを繰り広げられるほどの強さを持つ血式少女だ。おまけにかなり小柄で見た目幼い女の子。そこに猫耳を付けて鳴き真似している事実も加わるのだから堪らない。

 

「あっ、にゃっ! にゃ、あ、あぁぁぁ……!」

 

 やがて親指姫は怯えたように激しく身体を悶えさせ始める。もちろんそれはジャックと繋がりあっていることを嫌がっているのではなく、身体の内で湧き上がり弾けそうな快感への反応。

 故にジャックは逃がさないよう更に強く腰を掴み、より激しく腰を打ちつけていった。自らもすでに限界が近かったから。

 

「っ、う……! 親指姫っ!」

「うにゃ、あああぁ――にゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 全身を駆け抜ける愛しさと快感を弾けさせ、親指姫の中へと送り込む。同じ感覚を自分以上に感じてくれたのだろう。両手の下で小柄な身体が幾度も痙攣し、鳥肌が立つほど甘ったるい悲鳴が上がった。その幼くも意志の強い面差しを恍惚に染め上げて。

 

「はぁ……! はぁ……! ジャッ、クぅ……!」

 

 掴んでいた腰を離すと親指姫の身体はベッドに横たわり、丸まり縮こまった状態となる。息を荒げて白い肌に汗の雫を散らし、脚の根元近くから血液ではないジャックの体液を溢れさせながら。そしてもちろん、頭には赤い髪の間から猫耳。

 

「うぅ……親指姫、本当に可愛すぎるよ……」

 

 可愛すぎるし、艶かしすぎる。それこそすぐに元気を取り戻してしまうほどに。

 

「ま、まだ、鳴き真似……続けなきゃ、ダメ……?」

「うん……できれば、続けて欲しいな……」

 

 その丸まった子猫のような身体に覆い被さり、どことなく戸惑いのある顔を覗きこんでお願いする。ジャックのためとはいえやはりこんなおかしなプレイには多少思うところがあるらしい。このお願いにはほんのちょっとだけ眉を寄せて考えていた。

 

「い、いっぱい、言ってくれる……? さっきみたいに、可愛いって……」

 

 しばしの後にその口から零れたのは、期待の滲む愛らしい問い。

 何だかんだで本当は甘えん坊な親指姫。頭を撫でられるのも抱きしめられるのも、可愛がられるのは本当に大好きなのだ。特に愛するジャックに可愛がってもらうのが。

 

「うん……凄く可愛いよ、親指姫……他の男に見せたくないくらい……」

「あっ! う、にゃ、にゃああぁぁぁ……!」

 

 望み通り今の可愛らしさを口にして、ジャックは親指姫の胸元に顔を埋める。そうして喜びの鳴き声を上げる子猫の肌に舌を這わせ、もう一度深く味わっていった。さしずめ毛づくろいをする猫のように、何度も何度も執拗に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ジャック、あんた実は変態だったのね」

「うっ……!」

 

 子猫をたっぷり心行くまで愛でた後、幸せに浸る穏やかな時間。

 そんな時間は乱れた呼吸を整えた親指姫の第一声により終わりを迎え、ジャックの心は最愛の人からの軽蔑と罵倒に酷く痛んだ。ちょっぴり涙が出そうなくらい。

 

「ケダモノでロリコンなのは分かってたけど、この上にゃーにゃー言う女の子に興奮する変態とか。大人しい顔してるって思ってたけど、人って見かけによらないのね……」

「ううっ……ケダモノのロリコンの変態でごめん……」

 

 たぶんどれも否定できないし、否定しても信じてもらえないので謝るしかなかった。

 親指姫に愛想を尽かされてしまったらたぶん立ち直れない。あっという間に性的な話題に慣れてしまった赤ずきんたちと違ってジャックの心は酷く脆いのだ。故にジャックはちょっとした不安と罰の悪さをシーツを目深に被ることで堪えた。

 

「誰も謝れなんて言ってないわよ。ちょっとあんたの趣味嗜好が嫌な意味で気になるけど、あんたに不満があるわけじゃないし。それにあんたは普段は行き過ぎなくらい優しいし、こういう時はそれくらいがちょうど良いかもね」

「ほ、本当に? 君はこんな僕に愛想尽かしたりしない?」

「言ってやったじゃない、忘れたの? 絶対愛想尽かしたりしないわよ。あんたがどんなんでも愛してやるから安心しなさい」

 

 シーツから目元だけを覗かせて親指姫の表情を見ると、そこにはジャックへの愛しさを溢れさせる微笑みがあった。

 ただしどこか嫌らしい笑みというか、微妙に優越感を感じる微笑みだった。まるでジャックの弱みをまた一つ握ったとでも言う感じの。

 

「そ、そっか……良かった」

「だけどその代わり、浮気は絶対ダメだからね! お、女の方から誘われたって絶対ダメよ!」

「あははっ、親指姫は心配性だね。そんなことありえないから大丈夫だよ」

 

 こっちの不安は解消されたのでシーツからちゃんと顔を出すと、逆に何故か向こうは不安を無理やり抑え付けるような口調で付け足してくる。

 愛して止まない女の子がここにいるのに浮気など考えたことも無いし、そもそも女の子の方から誘われるという展開はもっと考えたことが無い。親指姫は変な所で心配性だ。

 なので今度はこっちが微笑みかけて不安を払ってあげる番だったが、あまり親指姫の表情は晴れなかった。

 

「あんたはちょっと楽観的すぎだっての……よくこんな鈍いのとくっつけたわね、私……」

「え、鈍いってなんのこと?」

「な、何でもないわ。それよりジャック、あんたもこれつけてみなさい。きっと似合うわよ?」

「あ、やっぱり僕にも付けさせる気なんだ……」

 

 そう言って親指姫が差し出してくるのはもちろん猫耳つきのカチューシャ。

 公衆の面前でジャックの髪を可愛らしいリボンで結んだ親指姫だ。同じ可愛らしいもので二人きりなら付けるよう強制してくるのは当然と言える。まあ二人きりな以上ジャックにはあまり抵抗はなかった。

 

「ど、どうかな……?」

 

 素直に受け取り、頭に被せて感想を求める。

 ちょっと照れ臭いし自分の姿は見えないのでどんな有様になってるかは不明だが、感覚的にはリボンの時よりはマシな気がした。

 

「く、くくっ……ふっ、ふふ……!」

 

 しかし面白さは前と遜色ないらしい。親指姫は口元を押さえて必死に笑いを噛み殺していた。笑い出すにはあと一押し、というところ。

 

「……にゃあ!」

「――ぷっ! あははははははははっ! やっぱあんたそういうの似合ってるわジャック! 最高よそれ! あははははははっ!」

 

 なので可愛く一声鳴いて後押しすると、堪えきれずにお腹を抱えて笑い転げ始めた。ツインテールと丸見えのお尻を揺らし、ちらちらと慎ましい膨らみを晒しながら。

 

(どうしよう……僕も今ちょっと猫になりたいな……)

 

 あまりにも無防備に過ぎるその姿にイケナイ想いを抱いてしまうジャック。具体的にはその胸に飛び込み、猫のようにペロペロと色んな所を舐め回したいという想いだ。

 どうも一旦愛し合うと親指姫は無防備になるというか、油断しきっている節がある。まあこれはジャックへの愛と信頼の証でもあるのだろうが。

 

「これなら赤姉たちも満足してくれるわね! ジャック、あんた明日の朝その格好で皆の前に顔出しなさい! きっと皆笑い転げるわよ!」

「ええっ!? 嫌だよそんなの!」

 

 邪な気持ちを抱いた罰だとでも言うような無情な命令を下され、もちろんジャックは全力で拒否した。リボンをつけたまま帰ってきた時も皆に散々からかわれたのだから今回も同様の結果になるのは想像に難くない。

 

「悪いけどあんたに拒否権は無いわよ。その猫耳を手に入れるために赤姉と取引したんだから。明日ジャックにこれ付けさせて、私と同じ目にあってもらうってね!」

「ど、どうして勝手に僕を取引材料に使ってるの!? せめて一言断ってからにして!」

「良いじゃない別に。大体あんたのためにそれ貰ったんだから。私は別にいらなかったけど、あんたが凄く嬉しそうだったから……」

「あ……そ、そう、なんだ……」

 

 頬を染めてそんなことを言われてはもう責めることはできなかった。

 もの凄く嬉しかったのは確かだし、さっきはこれ以上ないほどに楽しませてもらった。あれだけ幸せな思いをさせてもらったのだから、ただで済まそうなどと考えるのはさすがに虫が良すぎたのかもしれない。

 

「ほ、本当に君と同じことしないといけないの……?」

「じゃなきゃ返せって言われるわよ。それに……あんただって、これはまだ手元に置いておきたいでしょ?」

「え? 手元にって……も、もしかして……」

 

 どうしようもない期待を覚え、自然と胸が高鳴ってしまう。それも当然。この猫耳を手元に置いておく理由など一つしかないのだから。

 

「……た、たまになら、また今夜みたいなことしてやっても良いわよ?」

(え、ええっ!? つ、つまりまたあんな風に可愛い子猫になってくれるってこと……!?)

 

 恥じらいつつの親指姫の言葉にジャックはかつてない戦慄を覚えた。

 何故なら『今夜みたいな』ということはその状態でのエッチも含む。更にそういうプレイを受け入れてくれるということは、猫耳以外もアリだということ。手に入れることができたなら尻尾とか首輪とか肉球付きのグローブだって身に着けてくれるはず。いや、ひょっとすると猫耳以外の耳だってアリかもしれない。つまり一時の恥を忍べばそんな夢のような幸せが待ち受けているのだ。

 

「ま、まあ嫌ならこれっきりってことに――」

「うん、分かった。僕、頑張るよ!」

 

 それならもう喜んで受け入れる以外に選択肢などあるわけがない。ジャックは親指姫が言い終わるのを待たずに答えた。 

 

「ず、ずいぶん食い気味に言うわね……やっぱちょっと引くわ……」

 

 そしてあまりにも食い気味かつ意気込み過ぎだったため、さしもの親指姫もちょっと引いていた。

 

「だ、だって仕方ないよ……さっきまでの親指姫、いつもよりも可愛くてエッチな感じがしたし……」

「ふーん……こんなの付けてにゃーにゃー言っただけでそんな変わるもんなの? 本当男って良く分かんない……」

 

 不思議そうに首を傾げながらジャックの頭の猫耳を取り、じっと眺める親指姫。ジャックが女心を分からないように親指姫も男心が分からないらしい。とんでもない破壊力で危険なくらい可愛らしくなるというのに。

 

「……にゃあにゃあ! にゃーん!」

(ああっ、ダメだよ親指姫! そんなことされたらまた我慢できなくなっちゃうよ……!)

 

 そして分からないから遊び半分で猫耳をつけ、胸に飛び込んで甘えてくる。甘い鳴き声を零しながら、すりすりと頬擦りして。

 できればもうちょっと自分の魅力を考えて欲しい。腕の中でたっぷり甘えてくる子猫を抱きしめつつ、ジャックは湧き上がる劣情を抑え込もうと必死に頑張るのだった。

 まあ結局は我慢できずにもう一度致し、再び変態と罵られる結果になってしまったのだが。

 

 

 

 





 実はまだ一度もこの手のプレイのエッチ話を書いていなかったという謎。今まで書いたエッチな話は15個くらいあるのに不思議……。

 ちなみに今回のこのお話でジャック×親指姫の話の書き溜めがなくなりました。やっぱり2延期の悲しみに任せて早く投稿しちゃうんじゃなかったか……。
 でもまだ書きたいお話(ジェノサイドエッチとか)はあるのでぼちぼち書いていきます。しかしひとまずはクリミナルの方かな……。


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