※この作品はR-18です。

メアリスケルターカップリング集(R-18)   作:サイエンティスト

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 タイトルで分かりますが以前から言及していたジェノサイドエッチのお話。
 もっとMの方向けの内容に仕上がるかと思いきやそうでもありませんでした。まあ二人は愛し合っているので暴力的なことにはならないですからね、うん。




ジェノサイドエッチ

 

 

 一週間ほど前、ジャックは赤ずきんたちに下された罰ゲームにより愛する親指姫に鬼畜に振舞うことを余儀なくされた。

 何だか酷く胃が痛む一日であったが、努力の甲斐あってか演技だと見抜かれることも無く過ごすことができた。もし親指姫に見抜かれていたら追加の罰ゲームがあったので、見抜かれずに済んでジャックとしては本当に嬉しい限りである。

 ただジャックの鬼畜ぶりが相当腹に据えかねたらしく、親指姫が仕返しを決意するというハプニングもあった。まあ仕返しされても仕方ないくらい酷いことをしたのは事実なので、ジャックも特に止める気は無かったし、むしろ甘んじて受けるつもりである。

 とはいえどんな仕返しが来るのか四六時中身構えていても疲れるだけだ。なのでジャックはそのことについてはあまり考えないようにしていた。そのおかげで一週間経つ頃には仕返しのことなど半ば忘れていて、完全に普段どおりの日々を過ごしていた。

 

「……えっ?」

 

 だが今夜は普段とは異なる夜だった。

 入浴を済ませて洗面所から出たジャックは、その決定的に異なる光景を目にして絶句した。理由はもちろん光景に対する驚愕だが、実はちょっとだけ恐怖もあった。

 

「あはっ、あはははは! 待ってたわよ、ジャックぅ……! あんたが上がってくるのを……!」

 

 何故なら部屋の中にいたのは、ジェノサイド化してだいぶ弾けた笑みを浮かべている親指姫だったから。真夜中にジャックの部屋へ押しかけ、ベッドに押し倒して皆の前でディープキスまでかましてきたほど大胆でぶっ飛んだことをする状態の。

 

「え、えっと……どうしてまたジェノサイド化してるの……? もう素直になったんだから、そういうのは必要ないよね……?」

 

 白いツインテールを揺らし歩み寄ってくる親指姫から何となく後退りするジャックだが、後ろはすぐに洗面所の扉。あっというまに背中がぶつかってしまったので、今度はそのまま部屋の隅へ壁伝いに後退る。

 別に命の危機を感じたりしているわけではない。だいぶ危ない様子だがジェノサイド化した親指姫は頭の中がジャックへの愛情でいっぱいだ。暴力性が増していても危害を加えられる可能性など万に一つも無い。問題は別の何かをもの凄く激しく加えられる可能性がありそうなところ。

 

「確かにその通りだけど、今回はどうしてもこの状態じゃないといけないのよ。私の目的を達成するために、ね……」

 

 ジェノサイド化している割には極めて静かな口調。それがまるで嵐の前の静けさのように思えるのは考えすぎではないはずだ。爛々とピンクに輝く瞳はまるで得物を狙う獣の如き鋭さでジャックを射抜き、その口から零れる荒々しい吐息は胸の内の昂ぶりを必死に抑え込んでいるような激しさなのだから。

 

「あ……」

 

 やがて部屋の隅に辿り着き、ついに逃げ場がなくなってしまう。もう一度壁伝いに逃げ出そうにも親指姫が左右の壁に両手をつき、腕で逃げ場を塞いでくる。立場が逆ならともかく塞いでいるのはだいぶ小柄な女の子なのだから、男なら苦もなく突破できる状況だ。

 ただしそれは相手が普通の女の子の場合。今ジャックの逃げ道を塞いでいるのは素手でメルヒェンを引き裂き、叩き潰し、捻り殺すことのできるほどの身体能力を持つジェノサイド化した血式少女だ。今の親指姫がちょっとその気になればひ弱なジャックなど原型も残らない。いっそのことメルヒェンを相手取った方がまだ現実的なくらいだ。

 

「ジャックぅ……あんた随分と私にゲスな真似をして弄んでくれたじゃない? パンツ見せろとか命令したり、お尻を叩いてきたり色々と。その仕返し、させてもらうわよ?」

「し、仕返しって……わざわざジェノサイド化までして、一体何をする気なの……?」

「初心なふりなんてしてんじゃないわよ。ケダモノのあんたなら説明なんてしなくたって分かるでしょ?」

 

 妖しくピンクに光る瞳を細め、ニヤリと笑う親指姫。その恐ろしくもどこか妖艶に映る表情を見て、ジャックはごくりと息を呑む。

 そして同時に正直な反応をしてしまう下腹部の変化を隠そうと若干前屈みになるのだが、残念ながらこの距離と身長差では全く意味が無かった。隠せないズボンの盛り上がりを眺め、親指姫は満足気な笑みを浮かべていた。

 

「素直じゃなかった頃の私に何一つ文句も言わず怒りもしなかったあんたに対して、鬼畜に振舞ったって意味が無いのは分かってんのよ。だったらいっそのこと逆方向に突き抜けるしかないじゃない」

(あ、もしかしてこの前言ってた逆方向っていうのはまさか……)

 

 怯えと期待が入り混じった複雑な感情で恋人を見下ろすジャック。

 最近の親指姫はとても素直になってきているが、ジェノサイド化した親指姫は普段よりも更に素直で正直、そして積極的で大胆だ。逆方向に突き抜けることに拘るのなら、わざわざジェノサイド化する理由も理解できなくはなかった。

 

「今夜はあんたを全力で愛してやるわよ、ジャック? 手加減なんてしないから覚悟しなさい」

「うわっ!?」

 

 予想通りの言葉を口にした親指姫は、あろうことかジャックの身体を軽々と抱え上げた。しかもよりにもよってお姫様抱っこで。

 女の子、それもかなり小柄で自分よりも小さい子にお姫様抱っこされるというのは、ジャックも男としてかなり辛いものがあった。

 

「さて、と。力づくも簡単だけど邪魔されたくないし縛り付けておくわね」

「ええっ!? し、縛るって……一体僕に何をするつもりなの!?」

 

 ベッドに運ばれたジャックは仰向けで寝かされ、何故か両腕をベッドの枠に縛られていく。もちろん抵抗はしたが相手はジェノサイド化した血式少女。捕まれた腕は振り解くどころかぴくりとも動かせなかった。

 

「だから愛してやんのよ、全力で。痛いことはしないから安心しなさい。最っ高に気持ち良くしてあげるわ……!」

「……っ」

 

 不気味に輝くピンク色の瞳で見下ろし、妖しい笑いを浮かべる恋人の姿にまたしてもごくりと息を呑んでしまうジャック。もちろんそれは恐怖ではなく、興奮や期待といった感情から。

 確かに親指姫は途轍もなく素直になったし、愛情表現だって素直にしてくれる。だが恥じらいは捨てきれないのかベッドの上での身体を用いた愛情表現はわりと控えめなのだ。端的に言えば受身であることが多い。

 しかし今、ジャックを見下ろす親指姫はジェノサイド化している。本人が素直になっていない時にも関わらず、皆の前で容赦なくディープキスをかましてきたくらいに素直で愛情に溢れている状態だ。ならばこの状態では果たしてどんなことをしてくれるのか。それを考えるとジャックは胸の高鳴りと下腹部の反応を抑えられなかった。

 

「ちょっと、まだ何にもしてないのにどんだけ大きくしてんのよ? あんたって本当にケダモノねぇ?」

「う、うぅっ……」

 

 そして両腕を縛られているが故に隠せないズボンの盛り上がりを見られ、嘲笑にも似た笑みを投げかけられる。

 まだ直接見られているわけでも無いのに恥ずかしいことこの上なく感じるのは、やはり親指姫が普段の状態ではないからだろう。普段なら一番恥ずかしがるのは親指姫の方なのだから。

 

「すぐにスッキリさせてやるから少しだけ待ってなさい。先に私がしたいことをさせてもらうわ」

 

 そう言って親指姫がどこからともなく取り出したのは、怪しげなピンク色の液体が封入された試験管。それがメルヒェンの血液なのは考えるまでも無いことだ。たぶん以前と同じようにジェノサイド化を持続させるために飲むのだろう。

 コルクを親指一本で弾く恋人の姿を眺めつつ、ジャックはそう考えたのだが――

 

「ほら、口開けなさいジャック。別に身体に害はないから」

「えっ!? ぼ、僕が飲むの!?」

 

 ――あろうことか親指姫はその試験管をジャックの口元に近づけてきた。

 縛り付けられた時点で予想はしていたが、まさかSM的なプレイをするつもりなのだろうか。さすがにその相手がジェノサイド化した恋人だとかなり怖い。

 

「あんたが飲む必要は無いっての。ただ口に溜めててくれればそれで良いのよ、ほら」

「ん……っ……」

 

 だがそういう意図は無かったらしく、試験管を傾けて存外優しくメルヒェンの血液を口の中へと垂らしこんでくる。

 咥内に広がる甘さに思わずそのまま飲み込みたくなってしまうものの、これはメルヒェンの血液だ。ジャックが飲んでも意味は無いし、何よりちょっと抵抗があって躊躇われる。

 

(あ、もしかして僕に血を口に含ませたのって……)

 

 そこまで考えてジャックは親指姫が何をしたいのか理解した。覚えているだけでもやたらに深い触れ合いを望んできたジェノサイド状態の親指姫だ。恐らくジャックにメルヒェンの血液を口に含ませたのは――

 

「んっ……ちゅ……ぁ、ん……」

 

 ――ジャックと深い口付けを行いながら、メルヒェンの血液を摂取するため。

 その予想が正しかったのは親指姫が貪るように唇を重ね、舌を絡ませてきたことで証明された。比喩的な甘く深い口付けではなく、文字通りの甘く深い口付け。広がる甘みの中で絡みついてくる小さな舌。

 あまりにも卑猥で猟奇的な口付けだったものの、元々血式少年も血式少女も血みどろには慣れっこだ。故に甘さ漂うディープな口付けにジャックは苦しいほどの胸の高鳴りを覚えていた。

 

「ふぁ……ほら、もう一口よ……」

 

 ジャックの口の中に注がれたメルヒェンの血液を飲み干し、追加の血液を注いでくる親指姫。

 最初は直接ジャックの咥内へと注いできたものの、結局それだけでは我慢できなくなったのだろう。おもむろに自ら血液を口に含むと、深い口付けに乗せて咥内へと注ぎ込んできた。そうして一度ジャックの咥内を経由し、ジャックの唾液を混ぜてから飲み干していく。

 

「んっ……っ、ちゅ……ふぁ……!」

 

 あまりにも過激で卑猥な口付けであるが、当の親指姫は完全に夢心地の表情だ。ジャックの咥内の血液を一心不乱に飲み干し、頬や首筋に零れた血液も丹念に舐め取っている。

 キスだけでもここまで過激極まるものだというのに、ここからジャックは親指姫に全力で愛されてしまうのだ。果たして一体何をどこまでされてしまうのか、微かな怯えはあったが大いなる期待は胸の中で更に強さを増していた。

 

「ふぅ……補給もしたし、そろそろ始めようじゃない。あんたの方ももうすっかり準備万端みたいだしね。本当にケダモノね、あんたは」

「うぅっ……!」

 

 元々身体は反応を示していたが、今やズボンが窮屈で痛みさえ感じるほどの興奮を示していた。あれだけ過激なキスを加えられれば当然かもしれないが、やはり普段は受身気味の親指姫に嘲笑われるのは何とも言えない悔しさと恥じらいを覚えてしまう。

 とはいえどんな感情を抱こうともジェノサイド化した血式少女が相手な上、両手を縛られていては反撃や仕返しなどできるわけもない。なのでジャックにできるのは自らの腹部に跨り、不気味に光るピンクの瞳で見下ろしてくる恋人を精一杯の悔しさを込めて睨みつけることだけだった。

 

「何よ、その目は? ああ、もしかして早く私の裸が見たいってこと? 全く、しょうがないわねぇ……」

「っ……!」

 

 しかし親指姫が可愛らしいネグリジェをあっさり脱ぎ捨てたことで、精一杯の悔しさを込めた視線はあっというまに釘付けにされた。

 就寝用のラフな服装だけありブラはしていなかったらしく、ネグリジェの下から表れたのは華奢な肉体、そして先端が桃色に尖った仄かな膨らみ。その柔らかさと美しさを幾度も味わわせてもらっているジャックだからこそ、曝け出された肌から目を逸らすことは出来なかった。

 

「……ジャックぅ? あんたもの凄いケダモノの目してるわよ? そんなに私の小さい胸が好きなわけぇ?」

 

 おまけに普段は恥ずかしがりでも今はジェノサイド化しているせいなのか、腰を捻るように身体を揺らしてむしろ膨らみを様々な角度から見せ付けてくる。それもニヤニヤと嫌らしく笑いながら。

 その艶かしさ溢れる様子と姿は最早完全に別人であり、まるで初めてベッドで抱き合った時のような初心な興奮が湧き上がってくるほど強烈だった。思わずただただ無言で眺めごくりと息を呑んでしまうほどだ。

 そんな反応がだいぶお気に召したのだろう。親指姫は嫌らしい笑いをより一層深めた。

 

「ほら、言ってみなさいよジャック? 僕は小さな胸が大好きです、って? そして私のことを愛してる、って?」

「わっ!? お、親指姫……!」

 

 そして妙に甘ったるい声音で問いを投げかけながら、身を乗り出して胸元をジャックの顔面に擦り付けてくる。顔中を撫でる小さくも柔らかな膨らみ、唇を小突く桃色の突起。

 反射的にしゃぶり付きたくなるのは男としては仕方の無いことだろうが、親指姫はそれを許す気は無かったらしい。小さな膨らみを咥え込もうとジャックが口を開けた時には、あっさりと身体を起していた。

 

「あはっ。こんな小さい胸にしゃぶりつこうなんて、本当にあんたは貧乳が好きなロリコンねぇ? ほら、正直に言いなさいよ。正直に言ったら好きなだけしゃぶらせてあげるわよ?」

 

 そして挑発的な笑みを浮かべてじっと瞳を覗きこんでくる。その様子は本当に別人のようだ。普段の親指姫なら胸を小さいと言おうものならそれが事実でも怒られてしまうはずだというのに。

 しかし今の親指姫はジェノサイド化しているためか、性格だけでなく物の考え方も微妙に異なるらしい。ならば怒られないことを期待して言うしかない。

 

「ぼ、僕は……小さな胸が大好きな、ロリコンです……」

「あはっ! ついに認めたわね、ジャックぅ? それで、私のことはどう思ってんの?」

「もちろん、凄く愛してるよ……こ、これで、良いよね?」

 

 欲望に負けて言われた通りの言葉を口にし、その恥ずかしさに顔が火照ってくるジャック。様子や行動から考えるにどのみち言わなければ言うまで焦らされたのだろうから、従ったのは賢明な判断だと思いたい。

 

「ふふっ。良く言ったわね、ジャック……私もあんたを愛してるわよ。それじゃあご褒美をあげようじゃない?」

「――っ」

 

 ニヤリと笑い、親指姫は再び胸元を顔に摺り寄せてくる。すでに興奮に昂ぶっていたジャックは堪えきれず、唇を突付く桃色の突起に仄かな膨らみごと齧り付いた。

 無論それだけで満足できるわけもなく、キスするように何度も齧り付き、音が響くほど深く吸い付き、舌で舐めまわして味わっていく。

 

「んっ……! あはっ、こんな小さな胸に欲情するとかどんだけケダモノなのよあんたは。こんな奴が私の恋人だなんて最低ね?」

 

 欲望を抑えられないジャックに対し、そんな嘆きを零す親指姫。

 しかし言葉とは裏腹に声音は喜びに満ち溢れていて、快感を覚えているかのごとく呼吸も荒い。おまけにジャックの頭をしっかりかき抱くというおまけつき。口では色々言っているものの、自分が抱く愛情には微塵も変化が無いらしい。

 なのでジャックはもう何も考えず、親指姫の仄かな膨らみを心行くまで味わい尽くしていった。それこそ舌が痺れてくるくらいにひたすらに。

 

「はぁっ……親指姫……」

「もう満足したみたいね、ジャック。だったら今度はこっちのケダモノを何とかしてあげようじゃない」

 

 しゃぶりつくのを止めた所、親指姫は身体を起してジャックのズボンを脱がしにかかる。恥じらいは感じるものの抵抗など無意味だし、何より今は期待やその他の感情の方が大きい。

 なのでジャックは大人しくズボンも下着も降ろされ、興奮にそそり立つ下腹部のモノを容赦なく曝け出させられた。

 

「こんな子供みたいな身体にここまで大きくして興奮するだなんて、やっぱあんたはロリコンね?」

「う、ぅ……あんまり見ないでよぉ……」

 

 激しい興奮を示している下腹部を眺めながらニヤニヤと笑う親指姫。

 嘲笑半分喜び半分といった感じの笑顔だが恥ずかしいことに変わりは無く、ジャックは半ば諦めの境地に至りつつ視線を逸らす。確かに親指姫の見た目やエッチなことをする頻度を考えれば、ロリコン扱いは実に妥当だと言えるのだから。

 

「何恥ずかしがってんのよ、もの凄いケダモノの癖して。ロリコンで貧乳好きのあんたなんかこうしてやる!」

「えっ? う、うわっ!?」

 

 恥じらいに視線を逸らしていた所、突如下腹部に暖かな感触が広がり驚いて視線を戻すジャック。瞳に映ったのは何と自らの胸部をジャックの下腹部に擦り付ける親指姫の姿であった。

 

「えっ!? な、何やってるの親指姫!?」

「見りゃ分かるでしょ、これくらい。普通はネムみたいな胸の大きな子がやるもんらしいけど、あんたならこっちの方が好きなんでしょ?」

 

 至極当然のような口調で言いつつ、ジャックの半身を自らの手と胸部で挟み身体で扱いていく親指姫。

 恐らくはグレーテルから借りたその手の本から得た知識を実践しているのだろう。普段やってくれなかったのは胸の小ささを気にしていたからに違いない。

 

「え、そ、それは……っ!」

「ほら、もう何か出てきたじゃない。こんな小さな胸でイキそうになるとか恥ずかしくないわけ?」

 

 答えに迷っていると徐々に快感が昂ぶってきて、半身の先端から透明な液体として漏れ出て行く。

 親指姫の胸は控えめに言ってもかなり小さいので柔らかさはほとんど感じられないものの、愛する少女が自分の胸を使って扱く姿は相当な興奮を覚えさせる光景だ。しかも両手で胸骨に押し付ける形で扱いてるためか、固めの感触が妙に気持ち良かった。

 

「んっ、ちゅ……ふぁ……」

「うあっ! お、親指、姫……!」

 

 おまけに扱きながらも先端に口付け、漏れ出た液体を舐め取るように舌を這わせてくる。敏感な所を刺激されて変な声を出してしまうジャックを、親指姫は舌を蠢かせながら満足気な笑みを浮かべて眺めていた。まるで自分の小さな胸に喘がされているジャックの姿が愉快で堪らないとでも言うように。

 

「ん……ふふっ……良い顔してるわよぉ、ジャックぅ……?」

「っ、く……!」

 

 そんな台詞を楽しそうに零しながら、胸を擦り付ける動きを一段と速める親指姫。

 胸で扱かれるのは初めての体験でとても新鮮な刺激だというのに、今夜はジェノサイド化しているせいで親指姫の様子まで丸っきり異なる。

 まるで別人のように積極的に攻めてくる恋人の淫らな姿を前にして、ジャックはすぐに興奮を抑えきれなくなった。

 

「う、あぁぁ……!!」

「んっ……ふふっ、ずいぶんいっぱい出したわねぇ。どうよ、ジャック? こんな小さな胸でイカされた気分は? 悔しい? それとも嬉しい?」

 

 迸った白い興奮で胸や口元を汚した親指姫が、ニヤニヤ笑いつつそんな問いを投げかけてくる。それも指先で拭った白濁の汚れをペロペロと嫌らしく舐めながら。

 別にマゾ的な性癖は持っていないはずなのだが、ジャックとしては悔しいどころかむしろ胸の高鳴りを感じていた。

 

「ほらぁ、素直に言いなさいよ? 素直に言ったらもっと気持ち良くしてあげるわよ?」

「う、嬉しい、です……」

 

 快感の余韻と猫なで声に唆され、自然と本音を口走ってしまうジャック。

 今の親指姫は一見して妙にサディスティックにも思えるが、別段痛みを加えるようなことはしてこない。むしろジャックに問いを投げかけてくる時はやたらに甘えた声を出しているし、ジェノサイド化していても案外問題は無いようだ。少なくとも今のところは。

 

「ふふっ。正直に言えたわね、ジャックぅ? そんな素直で可愛いあんたはご褒美にもっと気持ち良くしてあげないとね?」

 

 ニヤリと笑いながら身体を起し、膝立ちになる親指姫。今まではベッドに寝そべった状態だったので分からなかったものの、まだ唯一身に着けている下着であるショーツはすでにグショグショに濡れていた。

 これは親指姫も性的に興奮していると考えるべきなのかもしれないが、性的興奮を覚えているにしてはかなり猟奇的な笑みを浮かべている上、瞳が不気味にピンクに光っているのでいまいち信じきれなかった。

 

「ほら、あんたのせいでこんなになってんだからね? 今夜はたっぷり責任取ってもらうわよ?」

「っ、うぁ……!」

 

 だが信じきれなくともそれは間違いなく事実。その証明に親指姫はジャックの腰の上に跨ると、何の躊躇も焦らしも無く腰を降ろしてきた。興奮に未だ硬く滾っているジャックの下腹のモノが、瞬く間に根元まで入り込んでしまうほどに。

 

「あははっ! どうよジャック、気持ち良いでしょ!?」

 

 そしてどことなく恐怖を誘う笑いを零しながら自ら激しく腰を上下させ、あまつさえ甘ったるい声でそんなことを聞いてくる。真っ白なツインテールが宙を乱舞し、仄かな膨らみが僅かとはいえ揺れ動くほど激しく、艶かしい姿を晒しながら。

 

「う、あっ! ま、待って、親指姫……っ!」

 

 だがジャックにはその姿を楽しむほどの余裕は無かった。何故なら下腹部を襲う快感が普段とは桁違いだったからだ。

 今の親指姫はジェノサイド化しているため、身体能力は普段の比では無い。その違いは当然今の動きにも表れている。腰を上下させる動きはジャックがする時よりも激しく鋭く、下腹部の締め付けも尋常ではない。予想外の快感に堪えきれず、ジャックはまたしてもすぐに達してしまった。

 

「うあっ、ああぁぁ!!」

「んっ……!」

 

 下腹部から熱いものが抜け出ていく感覚に恍惚の呻きを零してしまうが、親指姫の方は多少身体を震わせただけ。お腹の中に大量の熱いものを注がれても小さく嬌声を上げただけで呼吸一つ乱していなかった。ジャックの方は迎えた余韻と興奮に肩で息をしているというのに、向こうは何ら堪えていないらしい。

 

「あはっ。何よ、もうイったわけ? だらしない奴ねぇ……またすぐイカせてあげるから喜びなさい」

 

 嘲笑にも似た微笑みを浮かべると、親指姫は腰を上げてジャックとの繋がりを一旦断ち切る。溢れた白い液体が細い太股を伝っているがやはり何ら堪えた様子は無い。恐らくジェノサイド化しているせいで体力も跳ね上がっているのだろう。

 

「っと。その前に飲んどかないとね」

 

 そしてジェノサイド化を維持するためか、再びメルヒェンの血液を摂取しようと試験管の栓を開ける。

 だが何故か口をつける寸前で動きを止め、視線をジャックの下腹部へ向けてきた。多少は大人しくなったものの、恋人の普段と異なる艶姿に未だいきり立つ半身へと。理由は良く分からないがジャックはその視線に嫌なものを感じ、怖気を覚えた。

 

「せっかくだし、こういうのもアリよね? あんただってこっちの方が嬉しいでしょ?」

「えっ――うあっ!?」

 

 予感は見事的中し、親指姫は試験管の血液をあろうことかジャックの半身へと垂らしてきた。

 保存用のためか冷たい血液は興奮により熱を帯びた患部には殊更堪え、一瞬にして縮み上がりそうになってしまう。実際ちょっと縮み上がったものの、結果的には全く問題なかった。

 

「ん……ちゅっ……ふぁ……!」

「う、あぁ……!」

 

 何故なら親指姫が再び半身に舌を這わせ、強烈な刺激を与えてきたから。

 先ほどは単にジャックを気持ち良くさせるためのものであったため動き自体は大人しめであったが、今はどちらかといえば捕食行動に近い。半身を濡らす白とピンクの滑った液体を余さず舐め取り恍惚の笑みを浮かべる姿は、猟奇的でありながらも非常に淫靡なものであった。愛する恋人がさもおいしそうに舌を這わせ頬張りしゃぶりつく堪らない姿は、瞬く間にジャックの半身に活力を与えてきた。

 

「この甘苦い感じ、結構癖になる味ね。前に食べたことがあるチョコみたいだわ。血はまだまだいっぱいあるし、私が満足するまでたっぷり味わわせてもらわよ、ジャックぅ?」

「っ!?」

 

 そして再びジャックに跨り、激しく腰を上下させる親指姫。

 ジェノサイド化していても問題無さそうという考えは大間違いだった。ジャックはそれをこの時はっきりと理解し、同時に自分を待ち受ける運命をも完全に理解した。すなわち、一滴残らず絞りつくされるという恐ろしい末路を。

 

「く、うぅ……! お、親指姫……ゆ、許して……!」

「何言ってんのよ、ジャック。私は別に怒ってなんていないわよ? むしろあんたのこと誰よりも愛してるわ。ずっとずっと、一緒に生きていきたいくらいにね」

 

 込み上げる快感を必死に堪えながら懇願すると、返ってきたのは驚くほどに穏やかな声、そして情熱的な愛の言葉。

 普段ならジャックも嬉しくなって愛の言葉を返し、辛抱溜まらずそのまま襲いかかってもおかしくない。そう、普段なら。

 

「愛してるわよ、ジャック。だから――死ぬほど気持ち良くしてあげる。勃たなくなっても無理やり勃たせてあげるから、安心して私に身を任せなさい?」

「あ……あ……」

 

 だが今の親指姫は普段とは異なり、ジェノサイド化している状態。疲労ではなく興奮に息を荒げ、爛々とピンクに輝く瞳で見下ろしてくる恋人の姿には、残念ながら愛しさよりももっと別の感情が湧き出てきた。

 尤も両手を縛められている上、相手がメルヒェンを素手で撲殺できるジェノサイド化した血式少女ではどうしようもない。故に抵抗が無意味な以上、待ち受けている結末は一つだけ。

 

「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 長い長い夜の始まりにジャックは悲鳴を上げたものの、当然ながら親指姫が途中で止めてくれることなどなかった。まあ止める気がないのは元より、ジャックの悲鳴が全く苦痛や悲哀を含んでいなかったことも、きっと理由の一つだろう。

 そんなわけでジャックは親指姫のジェノサイド化が解けるまで、徹底的に絞り尽くされることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……う、うぅ……」

 

 何やら騒がしい声を耳にして、ジャックは深い眠りから目を覚ました。

 ただ目覚めたは良いが目蓋どころか身体全体が鉛のように重く、全く思うように動かせない。下手をすると貧血で倒れた時よりも身体が重かった。

 一体何故そこまで身体が重いのか。眠りにつく前に何があったのか。それを思い出すために記憶を辿ろうとしたジャックだが――

 

「……あっ」

 

 ――自分の身体を見下ろしたことで、全ての原因を理解し思い出した。

 何故ならそこにはジャックの身体をベッド代わりにしてすやすやと寝息を立てている親指姫の姿があったからだ。ただしその顔や胸元、両の手の平を白とピンクのマーブル模様に染めたかなりどぎつい姿が。

 

(ああ、うん。そっか。昨夜はジェノサイド化した親指姫に――い、いや、考えるのは止めよう!)

 

 思わず昨夜の出来事の全てを回想しそうになったので、怖気を感じながら咄嗟に思考を打ち切る。

 昨夜の出来事はできれば悪い夢だったことにしたい。そう切実に願ってしまうくらい、ジャックは容赦なく搾り取られたのだ。半身から活力が無くなれば親指姫が胸や手や舌を使って無理やり取り戻し搾り取る、そしてまた元気が無くなれば同じ方法で元気付けて、という悪夢のようなループを繰り返して。

 結局そのループが終わったのは親指姫が用意していたメルヒェンの血液が全て無くなり、ジェノサイド化が解けるまでであった。やっと悪夢のループが終わった安堵と一滴残らず絞り取られた疲労から、ジャックは元に戻った親指姫の反応を見る前に意識が落ちてしまったのである。

 ただ今現在色々なもので顔や身体を汚した状態で眠りこけている姿を見るに、親指姫も即座に寝落ちしたに違いない。何と言っても一晩中ジャックからあの手この手で搾り取っていたのだから。

 

(――って、あれ? ちょっと待った。眠ったのが朝方なら今は何時? ていうか、凄く深く眠ってたはずなのにどうして僕は目を覚ましたの?)

 

 不意にそこへ思い至り、かつてない危機感を覚えて急速に冴えていくジャックの頭。

 そう、疲労困憊で精根尽き果てて寝落ちしたのが朝方なら、数時間程度で自然に目が覚めることなどありえない。何か眠りを妨げる理由があったと考える方が自然だ。

 しかしそんな原因になりそうなものは部屋の中にはどこにも無い。親指姫は完全にぐっすり眠っているから起されたわけでもないし、目覚ましがうるさく鳴っているわけでもない。となれば必然、その要因になるものは部屋の中ではなく外にあるわけで――

 

「おーい、ジャック! 親指! いるなら返事しなってば! 二人とも大丈夫なんだよね!?」

 

 ――部屋の扉を叩く音と外からかけられる大声、それがジャックの目を覚まさせた原因であった。

 

(ま、マズイ! これは本当にマズイよ、親指姫!)

 

 酷く心配そうな赤ずきんの声に戦慄を覚え、どうすべきか内心かなりの焦りを抱きつつ考える。

 恐らく赤ずきんはいつまで経ってもジャックたちが部屋から出てこないため、心配になって様子を見に来たのだろう。ジャックと親指姫の関係やアレコレも知っているとはいえ、さすがに事前に何も知らせず昼になっても顔すら見せなくては心配になってしまうのも分かる。だからわざわざ大丈夫かどうかを尋ねているに違いない。

 とはいえ赤ずきんのことだ。いつまでも返事を返さなければ何かあったのかと扉を蹴り開けてでも確実に部屋に踏み入ってくるだろう。

 

「だ、大丈夫だよ、赤ずきんさん! 僕も親指姫もちょっと寝坊しちゃっただけだから! 心配しないで!?」

「おっと、ちゃんといるじゃん。良かった、何回呼びかけても返事が無いからそろそろ扉を蹴破ろうかと思ってたところだよ」

(あ、危なかった……目が覚めて本当に良かった……)

 

 声を張り上げて返事を返したところ、やはりそんな恐ろしい行動を取る気だったことが分かり、何とか事前に防げて安堵を覚えるジャック。

 もしもジャックが呼びかけに気付かなかったなら、扉を蹴破って入ってきた赤ずきんはもの凄い光景を目にすることになっただろう。さすがにそんな光景は見せたくないし、見られたくも無い。

 

「ごめんなさい、ジャック。もうお昼なのにあなたがいつまでも起きてこないから、少し心配になって……その、お邪魔だったかしら?」

「じゃ、邪魔なんかじゃないよ。心配してくれてありがとう、アリス。本当にちょっと寝坊しちゃっただけだから」

 

 どうやらアリスも一緒にいるようで、扉の向こうからはどこか不安そうな声が聞こえてきた。声音に含まれる恥じらいから察する辺り、邪魔をしたかどうかという言葉は睡眠を妨げたかという意味ではないはずである。

 何にせよ朝まで搾り取られて身体が全く動かせない、などと言うことができるわけもない。なのでジャックはあくまでも寝坊と言い張った。

 

「そ、そう。それなら良いのだけれど……」

「こんな時間までぐっすり寝てるなんて、あんたたちは相当夜更かししてたみたいだね。一体何をしていたのかなぁ、あんたたちは?」

「あ、あはは……」

 

 ただし二人とも全く信じていないらしい。アリスの声音には隠し切れない疑いが滲んでいるし、赤ずきんの声音には明らかに面白がっているとしか思えない笑いが含まれている。

 とはいえまさか今ジャックが全裸でベッドに両手を縛られた状態で、親指姫の方は身体がピンクと白の斑模様に染まった状態とは夢にも思わないだろう。

 

「部屋の中でイチャつくのは別に構わないけどさ、食事時くらいには顔出しなよ。ちゃんと食べてしっかり栄養つけないと夜更かしだって捗らないよ? 皆待ってるから早く来なって」

「う、うん。すぐ行くから、二人とも先に行っててよ」

 

 ベッドで愛し合うにもしっかり栄養を付けた方が良い、という意味の遠回しかつ余計なお世話。

 しかしジャックは余計な口答えはせずに頷いた。万が一赤ずきんの機嫌を損ねて部屋に入られでもしたら一生の恥になりそうな光景を見られてしまう。一生の恥になる声は初めての夜に聞かれてしまったものの、だからといって開き直る気は毛頭無かった。

 

「ちゃんとすぐに来なよ? もし来なかったら扉を蹴破って引きずってでも連れてくからね?」

「早く皆でお昼にしましょう? 親指姫が目を覚まさないようならジャックだけでも構わないわ」

 

 思い思いの言葉と遠ざかる足音を残し、二人は部屋の前から去っていく。

 何とか切り抜けたことに多少の安堵を覚えるが、状況は全く好転していない。皆のところに顔を出そうにもジャックは身体が疲弊しきって動かないし、動いたとしても両手が縛られていてベッドから出られない。とりあえずは何が何でも親指姫に目を覚ましてもらわなくては。

 

「親指姫、起きて! お願いだから早く起きて!」

 

 必死に呼びかけ、何とか自分の身体を揺すって刺激を与える。

 これで目を覚まさなかったらもう手の施しようが無いというかお手上げ状態だが、幸いにも効果はあったらしい。親指姫は小さく眉を震わせ、ゆっくりと目蓋を開いた。

 

「ん……ん、う……ジャックぅ……?」

「親指姫! 良かった、目が覚めたなら早くこれを外して! さもないと赤ずきんさんが来ちゃうから!」

「はぁ? 何であんた両手縛られてんの? ていうか私、何かお腹が凄い重いんだけど――って何よ、このピンクと白の汚れ……?」

 

 両手をベッド枠に縛られているジャックの姿を見て怪訝な顔をする親指姫。その瞳は次いで自らの腹部に降ろされ、胸元の乾いたピンクと白の斑模様を発見する。

 数秒ほど首を傾げていたものの、やがて昨夜の自分の行動を思い出したのだろう。親指姫の愛らしい面差しは少しずつ、だが確実にそうそう見られないほど真っ赤に染まっていった。

 

「……っ!!」

「ああっ!? 待って親指姫! せめてロープ解いてから行って!?」

 

 そして羞恥心に耐え切れなくなったらしく、裸のまま洗面所に駆け込んで行ってしまう。しかもジャックの両手を縛るロープはそのままで。

 結局幾ら呼びかけても親指姫は出てきてくれなかったため、やがて訪れた赤ずきんが扉を蹴り開けて部屋に入り、一緒に来ていたアリスと共にジャックの無様な痴態を見てしまったのはまた別の話である。

 

 

 




 ジェノサイド化した親指姫に絞りつくされて干からびるジャック。造血の応用で頑張って欲しいけど原理が違うから無理なんですよねぇ……。
 一応親指姫のシリーズはこれで完結というところです。また親指姫で書きたい話がある時はたぶんハーレムの方で書きます。しかし一年くらいで書き終わるなんて結構早かったなぁ……。

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