※この作品はR-18です。

北郷当代記   作:KKS

24 / 95
十(風)

「愛紗、鈴々のことお願いできるかな。よっと」

 

 関羽に背中の眠り姫を預け、一刀は軍旗についての話を続ける。この時代であれば一般的にイメージされるのは姓や国名から取って記したものであるが、彼の思い描いているものはそうではない。

 古くは大八洲(おおやしま)の戦乱を駆け抜けた先祖伝来の十文字旗。それこそが、これからの自分たちの戦いを見守ってくれるにふさわしいものだと一刀は思っている。

 

「それでさ、俺の考えているのはこんな感じ。わかる?」

 

「これは……、なんでしょう? まさか落書きなどではないとは思いますが」

 

 落ちていた木の棒を手に取り、一刀は地面に丸と十字を組み合わせた紋様を描いてみせた。郭嘉と徐晃はそれにどういった意味があるのかわからず、揃って首をひねる。

 

(まる)十字(じゅうじ)。これが北郷家の代々使ってきた家の紋なんだ。こういうのが一家にひとつあるのが、俺の国では当たり前でね」

 

「……なんだか、かっこいいかも」

 

 自家の家紋を描いたことで、一刀は久しぶりに郷愁に心を揺らされていた。ふと長年使い慣れた部屋の間取りなどを想起してしまうだけでも、なんとなく鼻先がむず痒くなってしまいそうな気配でもあり。

 だが追いすがってくるそれらを振り払い、ここでのやるべきことに集中する。

 

徐公明(じょこうめい)にそう言ってもらえれば、うちのご先祖様たちも喜んでくれるんじゃないかな。……ま、それは置いといて軍旗にまつわる話しなんだけど、北郷の大本に島津って家があるんだ」

 

 十字紋といえば、有名所の最たるものに北郷家の分岐元でもある島津家がある。その始まりは鎌倉期までさかのぼり、日向(ひゅうが)国島津荘に領地を得たことに由来していた。そうして島津家は初代忠久(ただひさ)以来、深く薩摩一帯に根ざし続けることとなる。

 また、北郷家が誕生したのは島津家四代の時分で、その六男に資忠(すけただ)という男がいた。

 資忠が頭角を表したのは日本が南朝北朝に別れて争っていた頃でもあり、彼が足利尊氏(あしかがたかうじ)に従って武功を上げた結果与えられたのが北郷の地である。それより資忠は地名から取って北郷を名乗り、北郷家は九州の雄島津家の一翼を担うことになっていく。

 戦国期に入って、島津の十字紋の勇名はさらに天下へ轟いていくこととなる。領土の拡大を続けた彼らは、同じく九州の覇権を争っていた大友(おおとも)龍造寺(りゅうぞうじ)諸氏を破り、ついに九州制覇の念願は達成されるかと思われた。

 しかし、その前に立ちはだかったのが関白豊臣秀吉(とよとみひでよし)である。いかに精強で鳴らした島津軍とはいえ、秀吉が編成した未曾有(みぞう)の天下軍の前にやむなく旗を巻く結果となってしまったのであった。

 それでも前哨戦においては天下軍に大打撃を与えるなど、やはり島津は一筋縄ではいかないという印象を強く残す。

 北郷家はこの時特に秀吉に対して強く反抗の構えを見せ、根白坂(ねじろざか)の戦いでの奮戦やその後の籠城戦など、島津分家としての意地を強く示したのであった。

 そして太閤となった秀吉が敢行した唐入(からい)りにおいて、島津軍は退却戦の中で(みん)の大軍相手にも奮戦している。劣勢の最中島津軍七千の兵で数万を有する明軍を撃破したことは、十文字旗の勇猛さを大陸にまで轟かせるには充分といえる戦果なのであった。

 一刀がそのような話しをかいつまんで聞かせると、郭嘉と徐晃は合点がいったというようにしきりに頷く。途中戻ってきた関羽も興味津々といった有様であり、もう一度始めから聞きたそうにしていた。

 

「なるほど。その十字紋にそのような由来があるのはよいことですね。合わせて、いまの話しを喧伝していくのもありかもしれません」

 

 天の御遣いという不思議な存在に合わせて、様々な逸話をまことしやかに浸透させていく。そうすれば、今後なにかと上手く利用できるのではないかというのが郭嘉の考えである。

 

「その辺りについては任せるよ。旗を作るならもっと詳細を詰めておきたいし、中に戻ろうか」

 

 天幕に戻った一刀はその後、程昱や楽進たちを混じえて十字紋について語って聞かせる。彼女らはそれぞれ違った反応を見せたが、十文字旗を軍の象徴とすることで意見は一致したのであった。

 

 

 

 

 

 

 翌日。どこか愛着すらでてきた陣を撤去し、一刀ら北郷軍は幽州へと移動を開始していた。

 先陣は以前のように、関羽と張飛を中心とした関家軍である。そこに幾らか新規の人員を加え、その数は三百五十となっている。

 関家軍の後方、北郷軍第二陣を率いるのは大斧の威容が光る徐晃。こちらも関家軍と同数の手勢となっており、この二つの部隊が戦いの折には主力として運用されることになる。

 さらに軍の最後方となる殿軍には、楽進の指揮する二百が控えていた。この部隊はいわば一刀の親衛隊であり、部隊を編成する上で楽進が望んで就任したものである。また、彼女は意気込みを示すためにもこの部隊のことを「天衛兵(てんえいへい)」と呼称する許しを得ていた。

 

「そこ、遅れているぞ。行軍中とはいえ、気を抜かずに励め!」

 

「……凪ちゃん、すごい気合の入りようなのー」

 

「せやなあ。隊長はんについて来た手前、ウチらも頑張らんと凪にどやされるで」

 

 隊を受け持った楽進はやる気に満ち溢れており、配下の兵たちもその気迫に同調していくように練度を高めていく。その姿は、長く友誼を結んだ仲である李典と于禁も感化されるほどであった。

 そして、中陣では大将たる一刀直属の百人が粛々と歩を進めている。最終防衛線ともなる直属部隊には村出身の人間も多く、それは一刀への忠誠心を買われてのことでもあった。

 そんな彼らは万を越す大軍ではないとはいえ、千人規模の軍勢である。冀州の南端から目標である北平まではおよそ二十日ほどかかるため、その道のりで軍旗の制作も進めていく。

 

「北郷さまは、あんまり緊張ってしないほうなのかな? これだけ兵隊さんに囲まれてると、なんだか関係ないわたしまで力んじゃって……」

 

「ん……? あ、ああ、そうだね。まだ平気だけど、規模の大きな敵と遭遇したらさすがに緊張するんじゃないかな」

 

 馬上で劉備と会話する一刀の様子は、どことなくぎこちない。彼女はそれを移動による疲労感のためかと思い、少し心配そうに見つめる。

 

「風が同乗したいなどと言うから、一刀さまがお疲れになっているのでは? この数日、ずっとそうではないですか」

 

「えー? 風は……んっ、……ご主君さまの参軍(さんぐん)なのですから、常にお側にいてお話相手になるのは当然だと思うのですよお」

 

 参軍とは、軍事においての参謀役のようなものであった。この場においては、程昱と郭嘉がその役職に当てはまる。

 郭嘉の言うように、馬上の一刀の膝上には程昱がちょこんと跨っているのだ。その行動について指摘されると、程昱はよりぴたりと背中を一刀に寄せた。

 明らかに郭嘉をからかってのことであるが、その吐息にはかすかに女の色香が混在している。それをごまかすように、彼女はわざとらしく口元を隠してにやついて見せた。

 

「あれあれー? 稟ちゃんもしかして羨ましいのですかあ? どうしてもと言われれば、お譲りしないこともありませんけどー」

 

「あなたという人はいつもいつも……! わたしをそうまでして怒らせたいのならば構いませんが、飴を買えなくなっても知りませんからね」

 

 まさに売り言葉に買い言葉である。今にも程昱から「えー。それはさすがにひどいのですよー」という泣き言が聞こえてくるようだ。

 

「……ほんと、稟ちゃんと風ちゃんってすごく仲がいいんだね。わたしから見ても、なんかいいなあって思えちゃうもん」

 

 劉備の言葉や雰囲気には、多少の刺々しい空気ですら打ち消してしまう力がある。郭嘉はやれやれと首を振ると、乗馬の手綱をぐっと握った。

 

「んんっ……。少し、先陣の様子でも見て参りましょう。一刀さまも、あまり無理はなされないようになさってください」

 

 郭嘉が馬腹を蹴ると、その背中がどんどん遠くなっていく。一刀はそれを見送ると、にこやかでいる劉備に目で礼を送った。

 

「風も、桃香のこういうところは見習ったほうがいいかもね。……っと」

 

 一刀が胸に抱いた程昱に声をかけようとしたところ、馬が足元の石を避けようとしたために大きめの振動が起きる。その反動で程昱の軽い身体はとすんと跳ね、どういうわけか彼女は口をハの形に開けて天を仰いだ。

 

「ひゃ……う……! いきなりこんなオイタをされたら……、ん……んっ……」

 

「ふ、風ちゃん……? 北郷さま、いまのそんなにすごかったの?」

 

 いきなり艶がかった声で鳴いた程昱に、劉備は驚いたようである。

 

「うーんどうだろ。すごかったといえばすごかったのかな、ねえ風?」

 

 一刀の意地悪な視線を受けてなお、程昱はぷるぷると身体を震わせていた。それはまるで、体内深くを一刀の肉棒で突かれた時の兆候のようでもある。

 彼女が尻の位置を直した時、かすかにねちょりとした音がする。勿論そこまで劉備に聞こえているわけではないが、一刀には程昱がどのような状態にあるか手に取るようにわかっていた。

 

「くうっ……ん……。なんでも、ないですからどうかご心配なく……う」

 

「……だってさ、桃香。ところで、公孫……伯珪殿っていうのはどんな人なの? まさか乱暴だったりしないよね」

 

 三国志演義などでは劉備の友人として描かれる公孫賛であるが、その実案外野心家で粗暴な人物であったともいわれている。一刀はあの趙雲が曲がりなりにも仕えているのだから大丈夫だと思っているが、その人となりを知るには劉備に尋ねてしまうのが最も確実だった。

 一刀からそう聞かれた劉備は、しかし「うーん」と何度か首を捻ってしまう。段々不安となってきた彼が声をかけようとしたところ、ぱっと顔を上げた劉備がどことなく申し訳なさそうな表情を作っていた。

 

「乱暴、なんてことは全然ないから安心していいよ! 白蓮ちゃん…………えっと、これは真名だからね?」

 

 わたわたとしながら劉備が断りを入れてくる。そんなところからも仲の深さがうかがえるようで、一刀は微笑ましく思う。

 その一方で腰の力が抜けたようにくったりとした程昱は、どうにも思考の足りない瞳を劉備にただ向けているだけのようでもあった。

 

「とにかく白蓮ちゃんはね、すっごく普通な人なの!」

 

「……おいおい姉ちゃん。……ひゃうっ…………、言うに事欠いて悪口はいけねえなあ……あぅ……」

 

 程昱は無理をして宝譿に喋らせようとするも、余計に余裕のなさが露呈するばかりである。一刀は幼子をあやすようにその頭を撫でると、視線を反論したげな劉備のほうに戻す。

 

「そ、そんなに悪口みたいだったかなあ……? わたしが言いたかったのは、白蓮ちゃんはなんでも普通にこなせてすごいなあってことで……」

 

「あはは……、始めからそう表現してくれるとわかりやすかったかな。伯珪殿がどんな人なのか、俺も実際会うのを楽しみにしておくよ…………って風」

 

 膝の上で程昱がなにをごそごそとしているのかと思い一刀が見てみると、彼女はなんと服の胸元をはだけだしている。その内に隠されていた肌は赤みを増しており、男をこれでもかというほどに誘う。

 

「さっきからそれはもう熱くなってしまってえ……。ご主君さまだって、それは同じなのではないのですかあ……?」

 

 その言葉尻には、どうにも力がない。先の嬌声と合わせて益々不安げになっていく劉備を横目に、一刀は死角から程昱の尻をそっと撫でる。

 なにかが這いずるような彼の指使いに、程昱の敏感になった肌はぞくりと鳥肌を立てた。一刀がそのまま股の内側まで食指を伸ばすと、結合部から漏れた愛液で指がぬめる。

 

「風のおまんこ、さっきからとろとろになってるね。このままだと、桃香にいやらしい子だってバレてしまうかも」

 

 程昱にだけ聞こえるように、一刀は耳元でぼそぼそと喋りかけていく。言葉責めをされた彼女は切なそうに膣内を締め上げ、頬をふくらませて一刀に抗議の意を示す。

 実はというと先ほどからここまで、馬に揺られながら程昱は挿入の快感に耐えていた。馬上で密かに交わった二人は、周囲を気にかけながらも後ろ暗い情欲を貪っている。

 これが真の騎乗位などと馬鹿馬鹿しいことを言うわけではないが、馬が前進する度に微妙な刺激が発生するのだから、挿れられている方にはたまらない。

 

(とんとん、とんとんっておちんちん当たると気持ちよくて……。風の頭のなか、ぐちゃぐちゃになってしまいそうなのですよお……)

 

 公衆の面前である手前、いくら欲しくとも口づけをねだるわけにもいかないのである。イキたくてもイケないような微妙なテンポで膣内を小突かれながら、程昱は薄い唇を噛み締めた。

 なにも辛いのは彼女だけではなく、一刀とて延々と焦らされているような感覚である。いつか理性の糸が焼き切れて、馬上でこれでもかというくらい少女の柔肉を抉ってしまうのではないかと冷や冷やしていた。

 

「風ちゃん、お顔真っ赤だけどほんとに平気なの? しんどいのなら、早めに休憩したほうが……」

 

 劉備が心配して、程昱の顔を覗き込む。その額にはじんわりと汗が浮き、紅色に染まった頬と合わせれば体調不良のようにも見えないことはない。

 

「……………………ぐう」

 

 快楽に歪む姿を見られまいと、程昱は下を向いて眠ったふりをしている。あまり近寄られては、肉棒との結合部からにじみ出る性臭で気づかれてしまうのではないかと程昱は危惧しているのだ。

 それほどまでに長時間交わり続けているそこは粘液に溢れており、強い刺激に飢え続けている。

 

「こんなところで寝たら危ないよ、風」

 

 座る位置を直す素振りをしながら、一刀は内部を亀頭でぐりっと持ち上げた。途端程昱は目を覚まし、驚いた反動で宝譿が落ちそうになる。

 

「くは……う……、はあっ…………。や、やはりそろそろ、一休み……んっ……入れたほうがよろしいかもしれませんねえ。兵の皆さんも、疲れが……ひゃうっ…………たまってきている頃でしょうし……」

 

「うんうん、そうしよ! わたし、凪ちゃんに知らせてくるね!」

 

 嬉々として馬を逆方向へと旋回させる劉備に、一刀はくぐもった声で「ああ」と返した。

 

「――ひゃあ……きゅううぅう…………!!!」

 

 二人して人気のない場所へ移動する間、一刀の片腕で支えられた程昱は腰を馬上で振りまくっている。あまりに無遠慮な腰使いに、一刀も馬もぐうぐうと低い声で唸りを上げてしまう始末であった。

 ぎゅうぎゅうに締め上げた膣壁で絞り上げられ、彼女の最奥で亀頭の尿道口がパクパクと喘ぐ。

 

「風のなか気持ちよすぎて、もう………………ぐううううううっ」

 

 射精と同時に一刀が手綱を引いたために、馬がいななきを上げる。そのいななきに負けないほどの量の熱塊をぶちまけられ、程昱は背を弓反りに仰け反らせた。

 

「きたあ……!!! お兄さんの精液、ずーっと欲しかったのですよお…………くひゅうううぅうう……!!!!!」

 

「すごっ……。おまんこの中ぞりぞりって、俺のちんこしゃぶってるみたいだ……くっ」

 

 貪欲に一刀の精を飲み干すと、程昱はふうっと息を吐きながら身体を弛緩させていく。蕩けて下がった眉は満足気であり、尻を小さく振って余韻を楽しむ程度の調子が戻ってきている。

 ようやく木陰に着くと、一刀は脇を抱えるようにして膝上の程昱のことを降ろしてやった。やはり騎乗の疲れもあったのか、彼女は腕を掴んでぐーっと伸びをしている。

 

「さてさて。それでは休憩ついでに、おちんちんのお掃除でもしてあげるのですよー」

 

 地面に降り立った一刀がぶら下げたままのモノを、程昱は腰を折ってぱくりと咥える。休憩ついでというのは冗談ではなかったようで、いつぞやの如く彼女は飴と肉棒の味を交互に楽しんでいた。

 残滓の浮いた亀頭の表面はもちろん、その奉仕の対象は彼女の愛液でべとべとになった竿やタマにまで至る。

 

「ふぉうれふかあー? ちゅぱ……っ……ちゅる……」

 

「舐めるの前よりずっと上手くなってるね……。いいよ、そのまま続けて」

 

 タマを丁寧に舐め回し、程昱は太い部分を伝って裏筋まで一筆書きに舌を這わす。溝に残った汚れを掻き取るようになぞった頃には、硬度を取り戻した肉棒が天を向いてそびえ立っていた。

 その姿をうっとりとした視線で観察しながら、彼女は飴を口に含む。そんな飴を食べる様子にすら妄想を膨らませ、一刀は奉仕の再開を待つのである。

 

「こうして、飴をぺろぺろしているときも……はむ。どうすればお兄さんに気持ちよくなっていただけるか……れろ……考えているのですよお」

 

 突然の告白に意識を奪われる一刀を尻目に、程昱はその口内で肉棒の先を包むこむ。凝り固まった肉竿を指でほぐしながら、亀頭を頬の裏側の粘膜に擦り付けるという行為。

 一刀が気持ちよさに膝を震わせると、程昱はにんまりと笑って喉の奥にまで張ったものを迎えた。

 

「こんなのはどうですかねー。んぐっ……ん…………じゅう…………こほっ……!」

 

「あんまり無理したら駄目だよ? 風の口のなかだけでも、めちゃくちゃ気持ちいいんだから」

 

「むー、そう言っていただけるのは嬉しいのですけどねえ。あむっ……ぺちゃ…………じゅうううぅうううううううう」

 

 慣れていないそのやり方には苦戦しているようであるが、挑戦的な瞳はまだ諦めたくないと言っているようでもある。そして楽な場所まで肉棒を引き抜くと、その先を音を立てながら下品に吸い上げていく。

 いきなりの強烈な吸引であり、亀頭の先からはぬるぬるのカウパーが染み出していた。

 髪を撫でる一刀の手がうなじをくすぐると、程昱はそれが射精をしたいというサインだと受け止める。

 

「ちゅぱっ……。お好きなところにどうぞと言ってあげたいのはやまやまなのですが、さすがにいま服を汚してしまうのはまずいのですよ。んれろ…………なので、このまま風のお口のなかにたくさんびゅるびゅるしちゃってください。じゅぽ…………ちゅうぅううううう…………じゅる」

 

 口内での吐精を求めて、程昱は奉仕のペースを早めていく。巻き付くような舌に、竿を根本から絞り上げる指使い。そのどれもが、一刀にとてつもない快楽を与えている。

 そして興奮しているのは彼女も同様であり、開いた陰部からは注ぎ込まれた精液が垂れだしているのであった。 

 

「風のしてくれること、全部気持ちいい……。そろそろ、出してもいいかな」

 

「ふぁい……、ろうぞ……。ちゅぽっ……じゅぽ……、わたしのお口…………とろとろにひてくらふぁい……」

 

 急ピッチで駆け上がっていく精液を、一刀は寸でのところで堰き止めている。我慢していることで亀頭のエラは限界まで張り出し、太い血管が竿に浮き出す。

 程昱はそれを指でぷにぷにとかわいがりながら、尿道口を集中的に舌先で責めた。するとカウパーに混じる精の味が一段と濃くなり、射精へのカウントダウンが近づいていく。

 

「いくよ風……! しっかり、受け止めて…………くうっ!!!」

 

「んぶっ……!? んううううううぅううううっ…………!!!」

 

 一刀本人ですら、どこにこれほどの量の精液を溜め込んでいるのだろうと疑問に思ってしまう。そのような粘る濁流を口内、そして喉の奥に直接びしゃびしゃとぶっかけられ、程昱は悶絶しそうになりながらも飲み下していく。

 

「んぐっ…………ごきゅっ……ちゅう…………けほっ……。こくっ……こくっ……」

 

 胃の中が孕んでしまうのではないかと錯覚するほどの多量の精液。それをどうにか捌き切った彼女は、なんとも息苦しそうに何度も喉を動かしている。

 一刀の精は量だけでなく粘度においても特筆すべきものがあり、程昱はゼリー状のそれをくちゅくちゅと歯で噛み切るようにして口内に残ったものを処理するのであった。

 

「ふうっ……、ごちそうさまでしたあ……」

 

「ああ、どういたしまして。すごくよかったよ、風。でも、そろそろ戻ろうか」

 

 手巾(しゅきん)で口元を拭う程昱には、どこか大人っぽい色気が見え隠れしている。またひとつ彼女の魅力を発見してしまったことに、一刀は密かに勝ち誇ったような気分を味わっていた。

 

「はいー。また稟ちゃんがご機嫌斜めになってはいけませんし、そうしましょうか」

 

 二人は来た時と同じく、身を寄せ合って馬に同乗する。一刀が何気なしに程昱を抱きしめて綺羅びやかな金髪に顔を埋めると、彼女はいやいやと身を捩って逃げるような動きをとった。

 

「風の髪の香り、なんだか癖になってしまいそうだよ」

 

「それってちょっと、変態さんみたいなのですよお」

 

 馬を走らせながら、一刀は胸元から来る華やいだような香りを楽しんでいる。そこから得られるのは安心、はたまた情愛の衝動であろうか。

 穏やかな波が去ったあと、大きな波乱が巻き起こるのはこの世の定めでもいうべきか。

 一刀たちにも、闘いのときが迫っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。