街へと続く門の柱に背を預け、少女は幼さの残る瞳で空を見上げていた。つがいなのであろうか、二羽の鳥が仲睦まじく軌跡を描いている。
「まだかな……お兄ちゃん……」
思い出されるのは、あの日のこと。少女の待ち人は、最初「そこ」から現れたのである。
別に、鳥のごとく優雅に飛んでいたわけではない。ただ重力に引かれて、為す術もなく落下してきただけなのではあるが。
「香風、お待たせ」
「……あ、お兄ちゃん」
珍しくフランチェスカの制服以外の格好で現れた一刀を、徐晃は好奇心のつまった瞳で見つめている。一刀は少女の若紫色の髪をくしゃりと撫でると、腰を折って目線を下げた。
「たまにはいつもの格好以外もいいだろう? なにせ、今日は香風とデートに出かけるんだからな」
「でーと……? お兄ちゃん、なにそれ?」
えんじ色の着物を袂を直しつつ、一刀はひとつ咳払いしてから小さな恋人の手をとる。
徐晃は言葉の意味を不思議に思いながらも、一刀の手を嬉しげにきゅっと握り返したのだった。
「デートっていうのは、好きな人と楽しい時間を過ごしに行くって意味だよ」
「好きなひと……。お兄ちゃんは、シャンのこと……好き?」
爛漫そうな視線で一刀を捉え、徐晃はゆっくりとした口調でそう尋ねる。
端からすれば年の離れた兄妹にしか見えない二人ではあるが、芽生えた感情は大人のそれとなんら変わらない。だからこそ一刀も、濁すことなく正面から応えることができるのだ。
「もちろん。ご褒美って体裁はとってるけど、俺もこんな風にしていられるのは嬉しいんだから。いままでシャンと二人だけっていう機会はあんまりなかったし、今日は楽しもう」
はっきりそうだとわかっていることでも、実際に口にするのとしないのとではやはり違う。
「えへへ……。シャンも、お兄ちゃんのこと、すきー」
一刀の腕に小動物よろしく頬ずりをしながら、徐晃は胸を高鳴らせている。ずっとこの人と触れ合っていたい。そんな感情すら、少女の中には生まれつつあった。
そうしてしばらく片腕に苦にならない重みを感じながら、一刀は店の立ち並んでいるほうへと歩きだしたのである。
茶店での休憩などを挟みつつ何軒か店をのぞいて回っていた二人だったが、気づけばもう太陽が一番高い位置にあがっていた。
隣を歩く少女からかわいらしい腹の虫の鳴き声を聞いた一刀は、昼食をとれそうな店がないか周辺を見回す。するとその場に、見知った顔があることに気がついたのである。
「あっ、お兄ちゃん! もしかして、これからお昼ご飯食べに行くの!? 鈴々、もうお腹ぺこぺこなのだ!」
満面の笑みで一刀に抱きつく張飛のことを、徐晃は片腕を死守しながら少々むっとした表情で見やっていた。
普段ならば気のおけない友人ではあるが、いまの張飛は一刀の独占権を侵略する強大な敵なのである。とはいえことさらに邪険にしたいわけでもないし、張飛は純粋に腹が減っているだけのようでもあった。
「そうだな……。じゃあ、あそこの店でラーメンでも食べよっか。香風も、それでいいか?」
徐晃が質問にこくりと首を縦に振ると、一刀は苦笑しながら飯店のほうへ足を進める。
店内はなかなか繁盛している雰囲気であり、扉を開けるとうまそうなスープの香りがすぐに食欲を刺激してくるほどであった。ちょうど空きがあったカウンターに一刀を中心にして三人で腰掛けると、張飛はさっそく片手を高く掲げて店主を呼ぶ。
「おっちゃんおっちゃん! 超特大ラーメンひとつちょうだい! チャーシューも大盛りね!」
一瞬の迷いもなく注文を伝える赤毛の少女に、一刀は菜譜を見てから考えようとした自分がひどく浅はかであったように思えてしまう。店主は「あいよ!」と威勢よく張飛の注文を了承すると、連れである他の二人の顔色をうかがっている。
「えーっと、なら俺は……ラーメン普通の大きさで。香風はなにがいい?」
急かされて我ながらつまらない注文をしたと一刀は心中で舌打ちしたが、後悔先に立たずというやつであった。
対して徐晃は、なにやら菜譜の一部をじっと見つめながら思案をしている。そこにはどうやら、期間限定のメニューが記されているようであった。
「シャンは……、この激辛ラーメンでいい」
「香風、そんな辛そうなもの大丈夫なのか? いきなりそこまで攻めなくっても……」
「まえに、ここの激辛を凪がおいしいっていってたの思い出した。辛いけど、しっかりうまみがあるって」
楽進の辛さの基準というのは、明らかに常人とはかけ離れている。そのことを承知しているだけに一刀は徐晃の判断を制止したくてたまらなかったが、少女はもう激辛ラーメンを食べる気満々な様子なのだ。
心配そのものな一刀が小声で「小さめね」と念を押すと、店主のほうもわかっているようでにんまりと笑って鍋をお玉でカンっと打つ。
こういう気配りができるからこそ人気を保っていられるのだろうなと一刀は感心し、手際よく作られていく料理の出来上がりを待つのであった。
「――ずるるるるっ! じゅる、ずずずずずっ!」
豪快に音を立てながら麺をすすり上げ、張飛は山盛りの具材も口に運んでいく。巨大といっていい大きさの器に食らいつく姿はまさに圧巻であり、一刀はまたもや燕人張飛の凄まじさを見せつけられる格好となっている。
「ふー、ふー。あむっ……、ちゅるっ……」
それとは対照的に、徐晃は赤く染まったスープから細い麺を持ち上げ、ちゅるちゅると少量ずつ飲み込んでいくのであった。
「ふうっ!? ん-! んー!」
店主が気を利かせて控えめにしてくれたのはいいものの、それでも少女にとっては抜群な辛さなのであろう。
徐晃は少し食べては水を飲むといったことを繰り返し、かわいらしい反面手助けしてやったほうがいいのだろうかと一刀は自分の麺をすすりながら思っていた。
「香風、大丈夫? きついなら、あんまり無理しないほうが……」
「けほっ、けほっ……。ううん……、シャンはへーき。ちょっと辛いけど、ちゃんとたべられるから」
むしろそのように聞かれたことで闘争心に火がついたのか、徐晃は先程よりもペースをあげて食べ始めたのである。それに比例してどんどん水もおかわりしていき、器を空にする頃にはポッコリと腹部がふくらんでいるほどであった。
「はあ……、おいしかったのだあ……。ねえねえお兄ちゃん、肉まんも包んでもらってもいい?」
とんでもない量のラーメンを平らげたというのに、張飛の胃袋はまだ満足していないようでお土産を一刀にねだる。多少財布の中身に余裕があるため一刀が追加の注文をしてやると、少女は心から嬉しそうに破顔したのであった。
「そういえば、なにか忘れているような気がするのだ……」
店を出てすぐに、肉まんの入った袋を抱えた張飛がそのようなことを言い出した。そうは言っても一刀には思い当たる節はなく、徐晃もわからないといったように小首を傾げている。
店内で忘れ物でもしたのかと思い一刀が中に戻ろうとしたところ、張飛は近づいてくる人影にびくりと肩を震わせた。
「鈴々! こんなところにいたのか!」
現れた人影の正体は、武具を身に着けた楽進その人であった。声を荒らげていることから少女が怒っているのは明白であり、そのことで一刀にも段々と事情が飲み込めてきている。
「まったく、少し目を離しただけなのにこの有様だ……。隊長、鈴々を引き渡していただいてもよろしいでしょうか」
「どうぞお好きに、ってね。鈴々、今日は警邏の途中だったんだな」
近頃公孫賛の統治への協力として、数日ごとにこうして北郷軍のほうからも見回りの将を派遣しているのだ。
張飛は本日その任に当たっていたのであるが、なにも起こらないことが退屈であったためについ楽進に隠れて寄り道をしていたのである。
「鈴々……、お仕事はちゃんとがんばらないとだめ。がんばったら、お兄ちゃんからご褒美をもらってもいい」
今日のデートへ至った経緯を遡ってみれば、徐晃も大して胸を張っていいような内訳ではない。しかしそれはそれ、と横に置いておけるのが徐公明の豪胆なところである。
「うーん、わかったのだ……。お兄ちゃん、香風、こんどは一緒に遊ぼうね!」
どうやら張飛は気持ちを切り替えたようであり、お詫びの印にではないが楽進に肉まんを手渡すと警邏の任務に戻っていった。徐晃は手をひらひらとさせて友人を見送ると、再び一刀の手をとって顔を見上げる。
「いこう、お兄ちゃん……? シャン、でーとの続き……もっとしてみたい」
「よし、それじゃあ次はどこに行こうか。時間一杯まで、しっかり満喫しないとな」
目的なくぶらぶらと歩いているだけでも、共に過ごす時間が心地いい。
ポッコリふくれた水腹をさする徐晃は、いまだその過ちに気がついてはいなかったのである。
それからどのくらい時間が経ったのであろうか。賑やかな街の景色を眺めていた一刀は、隣を歩く少女の様子がどこかおかしいことに気がついた。
「香風、どうかしたのか? さっきから、なんだかおかしいけど」
一刀が歩みを止めると、同じように徐晃もそこで留まる。そうしている間も徐晃は膝をもじもじと摺り合せており、その様子はどことなく落ち着かない。
もしや具合悪くなったのではないかと一刀は心配したのであったが、どうやらそういった訳でもないらしい。
「シャン、うう……」
徐晃の口から言葉が出かかって、恥ずかしそうにまた戻っていく。
「大丈夫。なんだって聞いてあげるから」
一刀が膝に手を置いて目線の高さを合わせると、意を決したのか徐晃は耳もとに口を近づける。
――あのね。シャン……、おしっこ……したくなってきたかも。
ようやく出てきたもじもじの理由に、一刀は「そういうことか」と溜飲を下した。
徐晃からしてみれば一大事ではあったが、それはいわばただの生理現象でありなんらおかしくないことである。
どうしようかと少し頭をひねったのち、一刀は少女を連れて人気のなさそうな路地裏へ入っていった。
「緊急だから、その辺で隠れてさせてもらおう。嫌だとは思うけど、ちょっとだけ我慢してくれ」
野外で放尿するしかないという一刀の提案に、徐晃は下腹部をびくっと震わせる。そこにはとびっきりの羞恥心と、誰かに見られてしまうかもしれないという一種の興奮が入り混じっていた。
「あっ……」
しかし困ったことに、たどり着いた行き止まりの先には一組の男女の姿があったのである。そちらはそちらでいかがわしいことを始めようとしているようであり、女のほうが男にすがるようにして唇を求めている最中であった。
「いいな……。あんな風にお兄ちゃんと、ちゅーって……してみたい」
一刀が移動をしようとした矢先、徐晃はカップルの口づけを羨ましそうに見つめてそうぽつりと呟いた。
男女は二人の存在を知ってからも、まるで見せつけるようにして濃厚にキスを交わしているのである。
「香風がしたいのなら、俺はかまわないよ。おしっこ、我慢できそう?」
「うん、できる。ちゅーのこと考えてたら、とまっちゃったのかも」
徐晃を壁の方にして、一刀は潤った小さな唇を指で撫でる。一旦そちらの方向に舵が切られてしまえば、この色好みの英雄はどこまでも突っ走ってしまう
懸命に身長の差を埋めようとつま先立ちになった徐晃の身体を支え、一刀は唇を近寄せる。今日一番の胸の高鳴りを、徐晃は目を閉じながら感じていた。
「好きだよ、シャン」
「シャンも、大好き……。んっ、ちゅっ、ちゅう……」
粘膜を重ね合わせれば、すぐに気持ちが昂ぶってしまう。知らない人間に見られているということも、ふたりの興奮を高めるスパイスとなっていることは言うまでもない。
「ねえ、あっちもすごいわね……」
子供っぽい体型の徐晃が餌をほしがる小鳥のように一刀の唇にしゃぶりついている様子を見て、先客の男女も競争心を煽られているようである。
ねっとりと舌を絡ませあう二人は見るからに背徳的であり、みるみるうちに路地裏の仄暗い世界を支配していく。
「お兄ちゃん……、もっとお……。ちゅうってしてると、頭がぼーっとしてくるみたい……」
「香風の口のなか、少しぴりぴりしてるね。そんなのなくなってしまうくらい、たくさん舐めてあげるから」
たどたどしく動く徐晃の舌をつかまえて、強く吸い上げながらその口内を犯す。口の中を一刀の味で塗り替えられていくごとに、徐晃の敏感な身体は雄の子種を欲して疼きだしていた。
「ちゅぷ、ちゅぷ……っ、んっ、はあっ……」
多少の恥じらいはまだ残ってはいるものの、少女の淫靡な部分が一刀のことを求めてやまない。
幼い秘裂を覆った下着は、口づけだけでもうねっとりと湿り始めていたのである。
「お兄ちゃん、シャンのおまた、前みたいに気持ちよくして……?」
二人の間を繋いでいた唾液の糸がぷつりと切れたのと同時に、徐晃は両手でスカートをまくると一刀に対してそう懇願した。
少女の脳裏に蘇ったのは、いつかの川遊びで味わった快感。あの時の経験は、いまでも色濃く残っている。
「いいよ。シャンのいやらしいおまんこ、ぺろぺろってしてあげる」
一刀は徐晃の足元にしゃがみ込むと、雌の匂いの染み付いた小さな下着をするすると脱がせていく。
知らない男に少女の肌を見られるのは少々癪なことではあったが、己の口で塞ぎ隠してしまえばいい話である。そのように考えた一刀はいち早く形のきれいな秘裂に口づけると、襞をほぐすように舌を差し込んでいった。
「すごいな、香風。まだ口づけをしただけなのに、もうこんなにぐっしょり濡らして……」
「だって、お兄ちゃんが、すごいから……。シャンのからだ、さっきからぽわぽわってなってて……」
奥からいくらでも溢れてくる甘い蜜を舌ですくい取り、一刀は徐晃の感度のよい身体をさらに高ぶらせていく。
幼い膣内はまるで肉棒を受け入れているかのように舌をきゅうきゅうと締め付け、それと連動するように贅肉のない腹部が浮き沈みする。
「きもち……いい……! お兄ちゃんの舌が、シャンのおまたのなか……にゅるにゅるって動いて……!」
目をぱちぱちとさせながら、徐晃は与えられる快楽を必死に受け止めていた。自身でも制御不能なほどに秘裂から愛液をしとどに垂らし、少女は絶頂の感覚を追い求めて男の頭を抱く。
「かわいいよ、香風。俺にもっと、気持ちよくなっているところを見せてくれ……!」
一刀はべとべとになった膣口から舌を抜くと、代わりに指をずぶりと侵入させていった。そして口では、控えめながらぷっくりとした陰核を勢いよく吸い上げたのである。
「ふみゃあああああぁああああっ……!? ひあっ……、そこ……だめっ……!? お兄ちゃん、シャン……もう……!」
「好きなだけイッていいよ。時間はまだまだたくさんあるんだから」
襲いかかる快感の波に抗えず、徐晃はあえなく身体をびくびくと震わせていく。
忘れかけていた衝動が甦ったのは、ちょうどその時だったのである。
「ひゃわっ……んんっ!? いや……っ、おしっこ……でちゃうううぅうううう……!?」
ぞわりと少女の肌が粟立ったかと思うと、恥ずかしさのこもった叫びが一刀の耳朶を打った。
挿入された一刀の指をぐいぐいと締め上げる一方で、絶頂で緩んだ膀胱は限界までためこんでいた小水を堪えきれずついに吐き出してしまったのである。
鉄砲水のごとく押し寄せた徐晃の噴水に驚いたものの、一刀は引き寄せられるように尿道に口づけていく。そしてそこから湧き出る甘露な液体を、余すことなく飲み干していくのであった。
「おしっこ、とまらない……!? でもこれ、すごくきもちいい……!」
我慢に我慢を重ねた尿意を絶頂と共に発散させたことで、徐晃はその悦楽の虜となってしまっている。ごくごくと喉を鳴らして液体をとりこんでいく一刀もそれは同じことであり、興奮は最高潮に達しつつあった。
「すげえなあいつ……。小便まで飲んじまうのかよ」
「なによ、あんたもしてみたいっていうの?」
一刀たちの痴態を横目にしながら、先客の男女は互いの身体を愛撫しあっている。こうなると羞恥よりもおかしな対抗心が生まれきており、負けてなるものかという思いで男は己の女の肌を吸った。
「んふわあっ……、ひああぁああっ……! んんっ、まだでちゃう……!」
徐晃がぶるぶるっと大きく身体を震わせると、残留していた小水がぴゅるぴゅると一刀の口内を撃つ。
飲尿を楽しみながらも一刀はひくついた膣内を指で責め続けており、徐晃はたまらないといった表情で快感に染まった喘ぎを発しているのである。
「んぐっ……こくっ……こくっ……」
「びくびく、とまらない!? お兄ちゃん……、お兄ちゃん……!」
むせ返りそうなくらい女の匂いを顔中に浴び、一刀は袴の内側で剛直を痛いほどいきり立たせていた。
とろとろに出来上がった徐晃の幼裂に、もうすぐ自身のものを突き入れることができる。そう考えただけでも、一刀は得も言われぬ性的興奮に脳内を牛耳られてしまうようであった。
「――ふうっ、はあっ、はふう……。お兄ちゃん、シャン……すごく気持ちよかった……」
「そうみたいだね。でもこれから、もっとすごいことしちゃうよ?」
一刀は濡れた口元を袖で拭うと、焦点の定まらない徐晃の唇を再び塞ぐ。
「ちゅるっ……、ぺちょ……。もっと? シャン、もっと気持ちいいこと教えてほしい」
この少女には、もとからこうした行為の素養が備わっていたのであろう。
かわいらしい笑みのなかには淫らさが見え隠れしており、その視線は一刀の心を大きく乱していくのであった。
「俺のちんちん、香風のいやらしい穴のなかに入れるからね。こんなにおまんこぐしょぐしょになってるし、多少キツくても簡単に入ってしまいそうだ」
一刀は緩慢な動作で袴から剛直を取り出し、亀頭に浮かんだ粘っこい先走りを徐晃の肌になすりつける。その様子を見つめる徐晃の瞳は色めき立っており、これから行われる情交に心を躍らせているのであった。