北郷一刀を、涼州
洛陽近郊に滞在するようになってから、半月ほど経った頃の出来事だった。
都からやってきた文官が、朝廷からの命だといって書簡を手渡してきたのである。文官の傍らには、呂布の姿もあった。
よく知らない人間からしてみれば、天の御遣いというのは恐ろしかったのだろう。それに文官は呂布のことを、何進の飼い犬かなにかだと勘違いしているのかもしれない。表面的には従っているから、北郷の陣に行くには丁度いい用心棒になると考えたのだろう。
朝廷が懐柔ともとれる動きを見せたのも、無理はない。ただの義勇軍が兵三千を擁し、董卓と共に十万の黄巾軍を打ち破ったのである。
このまま放っておけば、手の届かない範囲でさらに力をつける可能性すらあるかもしれない。そのように一刀のことを危険視した朝廷は、地方の郡に封じ込めてしまうことを思いついた。
いくら天の御遣いといえども、漢の支配下に組み込んでしまえばそれまでだろうと高をくくっているのである。
それに涼州は、董卓の影響が色濃い地域でもあった。一刀がなにか間違いを起こせば、その責任のすべてを董卓に押し付けてやればいい。むしろ、そうなれば黄巾軍討伐の功績をなかったことにすらできる。打診する地域の選定については、そのような意図すら含まれてのことだった。
「少し、時間をいただきたい。いきなりのことですから、配下たちとも相談をしたいのです」
横柄な態度で椅子に腰掛けていた文官に、一刀はそのように返答した。
正直にいえば、いまこの時期に洛陽を離れたくはなかった。漢陽郡に赴任してしまえば、董卓との連携もすぐには取れなくなってしまうからだ。
腐敗した朝廷を正し、まともな
「よいでしょう。しかし、あまり長引かせることはできませんぞ。こちらとしては、色よい返事を期待しておりますがね」
二、三日で回答するようにと言い残し、文官は帰っていった。呂布もそれに同行していく。騎馬のあげる土煙を見ながら、一刀はどうするべきか思案を重ねていた。
「お兄ちゃん、国をもらえるのに嬉しくないのだ?」
「ちょっと、複雑な気分だな。せめて洛陽の近辺なら、悪い話ではないんだけど」
腰に抱きついてくる張飛の頭を擦りながら、一刀は董卓の陣地のほうを見た。
確かに土地を得られること自体は、歓迎すべきことだった。兵たちを真っ当に養うことができるようになるし、さらに数を増やすことも検討できるのである。
これまで拠って立つ地がなかったことで、苦労してきた部分もある。だから張飛が不思議に感じるのも、当然のことではあった。
「沙和たちは、隊長さんが決めたことに従うだけなの。どっちを選んでも、文句は言わないよ」
「そうそう! 一刀の行くところに、ちぃたちも行くだけなんだから! だから、心配しなくってもいいよ」
「……あんたら、ほんまにずっと付いてくる気なんか?」
背中に張宝の慎ましやかな胸の柔らかさを感じ、一刀は苦笑いを浮かべている。馬元義を討伐した後も、張三姉妹は変わらず北郷軍と行動していた。
三人がいてくれるだけで、陣内の雰囲気は明るさを保つことができている。関羽らによる厳しい調練が鞭であれば、三姉妹の歌は兵たちにとっての飴のようなものなのだ。
「えー? そんなの当たり前だよー。あのとき一刀がいてくれなかったら、わたしたち今頃むちゃくちゃにされてたかもしれないんだもん。れんほーちゃんも、そうだよね?」
「わたし……? ま、まあ、そうかもしれないわね。一刀さんには、大きな借りがあるもの。だからできるだけ、力になりたいとは思っているわ。もちろん、芸のほうも頑張るつもりだけどね」
「もー、人和は素直じゃないんだから。とにかく、ちぃたちの考えはそういうこと!」
「あー、はいはい……。ほんまに、隊長はんは罪なお人やなあ」
ストレートに好意を表す姉ふたりに比べれば、張梁は控えめに意見を述べただけだった。とはいえ、その気持に偽りはない。人前でそういうことを主張するのは、この末妹はあまり得意ではないのである。
「風と稟が、早く帰ってきてくれればいいのですが。まさか参軍の留守を狙って、使者を出したとは思えませんし」
「うん、さすがにそこまでの考えはないだろうな。まあ、遅くとも明日には戻ることだろうから」
程昱と郭嘉のどちらも、いまは陣内にいなかった。都で情報収集をしてくるというので、朝から関羽と徐晃を連れて出ていったきりである。
「それじゃあー、ちぃと楽しいことしながら待ってようよー。一刀も、たまってるんじゃない?」
魅力的な声色で、張宝はそう囁いた。身体が、さらに密着していく。肌の触れている部分が、熱くなっていくようだった。
段々と一刀の下腹部に力が籠もっていくのを感じたのか、張飛は少し恥ずかしそうに下を向いている。こんな時でなければ、すぐさま臨戦態勢に入ったはずである。
「素晴らしい提案ではあるけど、それはまた今度にしよう。ごめんな、地和」
「むう……、しょうがないなあ……。それならちぃたち、歌の練習をしてくるね。行こう、お姉ちゃん、人和」
「うん。またあとでねっ、一刀!」
「あっ、待って……。一刀さん、わたしも失礼します」
三人を見送ると、一刀は自分の陣屋へ引き返していった。
しばらく、誰も交えずに考えを巡らせた。
夜。結局、まだ考えは纏まってはいなかった。
日が落ちる直前の時刻となって、郭嘉と徐晃だけが帰ってきた。他の二人はどうしたのかと一刀が問うと、どうやら呂布の
都に戻ったときに、たまたま出会ったのだろう。以前から時間が合えば
「申し訳ありません、一刀さま。せめて風だけでも、連れて帰ってくるべきでした」
「ん……、構わないよ。どの道、明日には戻っていることだろうしね。それに、稟とこうしてくっついていれば、いい考えも浮かんでくるかもしれないだろ?」
「そうなるように、わたしも善処いたします。ですから今宵は、あまり昂ぶらせないでくださいね」
そういって、郭嘉は両足をもぞもぞと動かした。肉付きのよい
陣屋の寝床で横になり、二人は向かい合って会話していた。心身を交わらせるためには、衣服など邪魔でしかなかった。
肌がしっかりと触れている分だけ、気持ちが透き通っていくのである。
「漢陽郡は、この洛陽から二千里(約八百キロ)ほど離れている土地です。朝廷は、一刀さまを中央から遠ざけようとしているのかもしれませんね。それだけ、我らと月殿が挙げた武功が大きかった、という話しでもありますが」
「二千里か、それは遠いな……。これからだっていう時だから、余計にもどかしい」
相槌を打つ代わりに、郭嘉は指で一刀の耳に触れていた。閨を共にしているのは自分であるはずなのに、男の心は別のところへ向かってしまっている。
相談の内容がそうである故に致し方ないことではあったが、もどかしいものはもどかしいのである。
「すまない、稟。俺にもっと力があれば、こんなことで悩む必要もないだろうに」
「軍の問題は、一刀さまだけの問題ではありません。我らも同じように悩みを背負い、乗り越えていかなくてはなりません。だから、こうして頼っていただけるのは、嬉しいことなのですよ?」
目と目が合う。そこに引力が存在しているかのように、ふたりの唇は合わさっていった。舌は使わない。薄い表皮だけを撫でるように、唇で啄んだ。いまは、そのくらいが丁度よかったのである。
「いつもは激しく求められることが多いから、今日の稟は違った魅力があるよ」
「なんです? 普段のわたしはそれほどまでに淫乱だと、そう仰せになるのですか?」
「悪い意味で言ったんじゃないよ。それだけ俺の欲望を、稟がいつも受け入れてくれてるってことだろう? そういうことなら、
「ふふっ、そういうことにしておきましょうか。……話しを戻しても、よろしいですか?」
「ああ、続けてくれ」
「土地を得ることについては、どう思われているのでしょうか。風などであれば、すぐにでも賛成しそうではありますが」
「放浪軍のまま、三千の兵を抱え続けるのは厳しいかもしれない。そういう意味なら、俺も賛成だ。涼州に行けば、これまでよりいい馬も手に入るだろう。騎兵をよく養っておけば、中央に戻るときも進軍が楽になる」
一刀の考えを、郭嘉は肯定した。遠ざけられるということは、それだけ自由に力をつけられるということでもあった。国の貧富によって限りはあったが、これから先を考えれば必要なことともいえよう。
「そうですね。そのようにお考えになるほうが、よろしいかと存じます。それにもしこの話を断れば、官軍に我らを攻める口実を与えかねません」
「そう、か……。黄巾にこれだけ苦労させられているんだ。邪魔な芽は早めに潰しておこう、そう考えるようになるのが当然か。そうなってしまえば、月たちにも大きな迷惑がかかるかもしれない」
「一刀さまのお考えになった通りかと。現状を鑑みれば、提案を受け入れることが我らに取って最上の策なのです。ましてや、あちらから郡ひとつをくれるというのですから、ここは乗ってやるべきでしょう」
郭嘉は話を受けるべきだと断言した。確かに、そうなのである。洛陽には、数万の兵が駐屯している。漢室に対する謀反の恐れあり、と兵を差し向けられてしまえば、すり潰されることは目に見えていた。
董卓と歩調を合わせることも大事ではあったが、一刀の持つ勢力を強くしていくべきである。なによりその一点を、郭嘉は重要視しているのだ。
「わかった、みんなにもそのように伝えよう。月にも直接、俺が会って話しをしてくる。……助かったよ、稟。気持ちが少し、軽くなった」
「一刀さまをお支えすることが、参軍であるわたしの役目ですから。それにしても……、ふふっ、こちらが固くなりだしたのは、お心が固まったせいなのですか?」
呆れたように笑う郭嘉の指が、勃起した男根を突っついている。そのことでより血流が増し、逆に指を押し返していくほどであった。
膨れ上がった剛直が、郭嘉の柔らかな腹肉を押し上げている。
「きっと、そこも稟に解されたがっているんじゃないかな。もう少し、触れてみて」
「はい……。こんな感じで、んっ……、よろしいでしょうか。熱いです……。熱くて、鉄のように硬い。一刀さまの芯が疼いてしまっているのを、強く感じてしまいます」
一刀の言葉に従って、郭嘉の五本の指が熱く灼けた芯棒を包んでいった。浮き出た血管を指の腹で潰し、張り出た傘の部分をきゅうっ、と絞り上げていく。
「気持ちいいよ、稟」
「あっ……、一刀さまっ……。んむっ、ちゅっ、ううっ」
唇を重ねる。相談事はもう終わった。いまからは、郭嘉を愛するために動くつもりなのである。
むっちりとした抱き心地のいい尻に手をやる。弾力を確かめるように、指を沈み込ませていった。
「一刀さまに触れていただいて、ちゅぷ、身体が悦んでしまっているのです……。お願いですから……、もっと深いところまで……」
「稟がどうされたいのかは、よく知ってるよ。でも今夜は、あまり昂ぶらせるなと釘を差されている」
「あんなもの、言葉の綾ですから……。本当は一刀さまの指で、かき回されたくてしかたないんです……!」
「そこまでお願いされたんじゃ、断るわけにもいかないか。稟にも、たくさん気持ちよくなってもらいたいからな」
尻肉を揉んでいた手を動かして、閉じられた膣口を開いていく。体温よりも、少し熱い。ねっとりとした媚肉が、指を歓迎してくれているようだった。
要望通りに、強く大きくかき回していく。先程まで冷静に現況を語っていた郭嘉の口から、淫らに振るえる喘ぎ声がもれている。
「一刀さまの指、気持ちいい……っ。わたしのおまんこの壁、ぐりぐりっていじめてるのお……」
「興奮してくれてるんだね、稟。手の動きまで、激しくなってるよ」
「んっ、はあっ……。だって、自分ではどうすることもできないのです。愛するあなたさまに、このようにしてもらえて……、んああっ……」
「嬉しいんだよ、俺だって。こうして稟が、自分の手で乱れてくれている。だから、いくらでもいやらしくなってくれたっていい」
互いの性器を責め立てながら、身体を擦り合わせていった。混ざり合う。分泌された汗と汁が、肌の上で躍っている。
マーキングのようだ。亀頭から染み出る透明な液をすくい取り、郭嘉は自身の胸や腹に塗りつけていった。心身ともに一刀のものであるということを、強く表現したいのだろう。
一刀を独占することなど、夢のまた夢であった。ならばこうして、自らを男の匂いで染め上げていくしかない。倒錯のなかで、郭嘉はそう思っていたのである。
「表面に塗るだけで、満足なんてできないだろ? 稟の奥深くにまで、しっかり証を残してあげるから」
「あうっ、んんっ……、一刀さまあ……! わたしの準備は、もう出来ていますから、だから……っ」
「声まで震わせて、いやらしい子だ。だけど、大好きだよ」
大好きだ。一刀がそう耳打ちしただけで、郭嘉は僅かに達してしまったようである。濡れそぼった膣内から指を抜き、体勢を変えていく。
郭嘉を持ち上げて自分が下になると、一刀は腰を動かして敏感になった陰核を刺激した。
「挿れてしまっても、よろしいのでしょうか……? このように逞しいおちんぽを見せつけられたのでは、我慢できそうにもありません」
「いいよ、稟の好きなようにすればいい。ぐちょぐちょになった俺だけのおまんこ、しっかり味わわせてもらうよ」
「はい……っ! それでは、くうっ……、あああぁああああぁあああっ……!」
愛液で満たされた膣肉が、ずるりと大きな男根を呑み込んでいった。きつすぎることも、緩すぎることもない。膣内の感触は、自身のかたちにぴったりと馴染んでいる。
そのことによって、弱い部分を的確に刺激されてしまっているのだろう。腰を落とした郭嘉は、しばらく身動きすることも出来ずに悶え続けていた。絶頂したことによって、襞のついた肉が微妙に震えを起こしている。それだけでも、かなりの気持ちよさがあった。
俯いた郭嘉の胸を揉みしだきながら、一刀はゆるりと待ち続けた。篝火に照らされた女体は、見ているだけで興奮を誘うのである。
「稟、落ち着いた?」
「あ……、は……いい……。申し訳ありません、挿れただけだというのに、取り乱してしまって」
「そんなこと、気にしなくていい。稟がかわいくイッてるところなら、ずっと見ていられる自信があるよ」
「お戯れを……。ん……くっ、あっ、んんっ、うああっ……!」
「次は一緒に気持ちよくなる番だ。稟の奥に、たくさん精液だしてあげないとね。そうだろう?」
「ええ、ください……、一刀さまの精液。おまんこしっかり締めて、んくっ……、気持ちよくして差し上げますからあ……!」
行き場を求めて、郭嘉の両手が彷徨っている。しっかりと握り、指を絡ませた。
雌の匂いを放つ女体が、上下に動き出している。粘液を撹拌する音。少し漏らしてしまったのかと見間違うほど、陰部のまわりは濡れている。
快楽によって、郭嘉の怜悧な眉が歪んでいく。汗ばんだ肌が、艶めかしい。
「いいぞ稟、その調子だ。俺もそろそろ、動いていこうか」
「んっ、はっ、はあっ……! すごいです、一刀さまっ。突き上げられるの、気持ちいい……っ。奥の奥まで、しっかり当たって……しまうのです……!」
「おまんこ全体が、ぐちょぐちょになってるみたいだな。最高の居心地だよ、稟」
「一刀さまがお悦びになられているのが、よくわかります。最初よりずっと硬くなっていて、くうっ……、子宮まで……、犯されているようで……っ」
一心不乱に身体を動かし、郭嘉は精を搾り取ろうとしている。
滑りを帯びた膣肉が、何層にも分かれて圧力をかけてきているようだった。自然と、体温が上昇していく。
突き上げる度に、陰部からは愛液の飛沫があがっていた。
宙空に揺れる乳房。房事の熱で曇るレンズ。そのなにもかもが、高揚感を与えてくれる。
「かわいいよ、稟……」
「ううっ、あうっ、すうう……、はあああぁあああっ!」
淫靡に声が震えている。粟立つ肌は、絶頂の近づきを知らせているようでもあった。
膣内を突くペースを加速させていく。下腹部からは、既に甘美な痺れが伝わってきていた。
尿管を蠢く精液を押し留め、歯を食いしばって肉を抉る。
「そろそろ、限界みたいだ……っ。出すよ、稟のなかに……!」
「あっ、はあっ、はあっ、……。いつでも、平気です……。わたしも、もう……、イキそうですから……っ!」
「ああ、稟……。ぐっ、う……ああっ!」
亀頭から精液を飛び散らせたまま、絡みつく膣内を進む。奥にあたったところで、一点に注ぎ込むように押し付けていった。
「出ています……! 一刀さまの精液、すごい勢いで……っ。んああぁああっ! わたしの子宮のなか、びゅるびゅるって射精されてえ……!」
「まだ……、止まらないっ! 稟の中が気持ちよすぎて、いくらでも出せそうだ」
「はあ……ううっ、すごいのお……! 一刀さまのせーえきで、おまんこ溺れてしまいます……ううぅうううううううぅううう……!?」
心地よい倦怠感に身を任せて、一刀と郭嘉はしばらく折り重なるようにして抱き合っていた。
満たされている。性欲はいくらか失ってしまったが、その分幸福な感情が心を占めている。
「きれいに、いたしますね……。はあ……、むうっ、んちゅ、れろ」
雑多な匂いを放つ行為後の男根を、郭嘉は口内で清めていく。喉奥まで招き入れ、すかさず舌を巻きつける。再度膨張の姿勢を見せる雄の象徴を、実に美味そうに頬張っていた。
上半身を起こした一刀は、労いを込めて忠臣の髪を撫でている。さすがに息が辛くなってきたのか、郭嘉は一度男根から口を離した。
「とても、いやらしいですね。一刀さまの濃い匂いがして、たまりません……」
「下の口からあれだけ飲んだっていうのに、稟は欲張りなんだな」
「誰だって、こうするに決まっています……。それに一度出したぐらいで、んむっ、ちゅばっ……、収まるようなモノをお持ちではないでしょう? いまだって、こんなに嬉しそうに大きくされているではありませんか」
「当然。稟にこうまでされて、大きくしないほうが失礼っていうもんだ」
柔らかな微笑み。郭嘉の方も、いい具合に欲望を発散することができたのだろう。
あまり間隔を空けすぎては、いつまた妄想が爆発するかわかったものではない。肝心なときにそうなってしまわぬよう気をつけてやるのも、ある意味では主君の仕事ともいえる。
「頼もしいですね、それは。どこまで続けられるか、試してみましょうか」
「稟が言うと、冗談に聞こえないって……。なにごとも、過ぎたるは猶及ばざるが如し、だろう?」
「論語ですか。まさかこのような房事の最中に言葉を使われてしまうとは、
睾丸をしゃぶられている。肉竿への愛撫も抜かりはない。ぬちゅぬちゅと音を立てながら、片手できっちりと扱かれている。
こういう部分においてもさすがは郭奉考だな、と一刀は表情を崩した。
「む……、そこでどうして笑われるのです。どうせならば、蕩けた表情をお見せくださいませ。ちゅっ、ちゅっ……、んはあっ、んぶうっ……」
「気にしなくたっていい。こんなにも稟に尽くしてもらえて、幸せだなって思えただけだから」
「そ、そうですか……。ならばわたしも、油断なくご奉仕しなければなりませんね。んっ、ちゅる……、裏筋が、ぴくってしていますよ? ここが、よろしいのでしょうか」
「ああ、最高だな。稟のスケベな舌遣いで、俺のチンコも喜んでいるよ」
他愛もない会話が重なっていく。深まりつつある夜を、人肌の温もりと共に過ごした。
漢陽郡の、太守となる。そう決めたからには、全力であたるつもりだった。
土地を治めることになるのだから、これまでとは違った苦労もあるはずである。それでも、自分には頼りになる仲間たちがいるのだ。
「これからも頼むぞ、稟」
「ふぁい? ……んっ、もちろんです」
奉仕を中断して、郭嘉が返答した。なにを当たり前のことを。不審げな瞳が、そう語っている。
大きく頷いた一刀は、また郭嘉の髪を撫で始めた。粘つくような口淫の音だけが、陣屋に響いている。