季節としては春を迎えているが、冷えた風が土煙を巻き上げている。街道を行く旅人が、思わず手を擦り合わせていた。
その近く。三千余の軍勢が、粛々と進軍している。なびく旗は、北郷十字。その十文字の大旗印のもとに、北郷一刀はいた。
「稟たちは、涼州に行ったことはあるのか」
「いえ。機会があれば回ってみようかと考えていましたが、想像していたよりも早くあなたさまにお仕えしてしまったものですから」
「稟ちゃんたちって、曹操さんのところに行こうと思ってたんだよね?」
確認するように発せられた劉備の言葉に、郭嘉は頷いた。寒風が気になったのだろうか、一刀は鼻の下あたりを手で擦っている。
「そうなのですよー。あのお方は、間違いなく当代の傑物として後世にまで語り継がれることでしょう。もっとも、ご主君さまが曹操さん以上の器になってくださることを、風は密かに期待しているのですけどねー」
どこが密かになんだ、と一刀は苦笑してしまう。しかし、これより先も勢力を拡大していくのであれば、曹操が障壁となって立ちはだかるのは明らかなのである。
それに董卓の理想を後押しするためには、さらに大きな力を持たなくてはならないだろう。
「だそうだよ、ご主人様? でもでも、稟ちゃんと風ちゃんがご主人様のお側にいないだなんて、わたし想像もつかないんだもん。凪ちゃんだって、そう思うよね?」
「わたし、ですか? でも……、そうかもしれませんね。あの場に風がいなければ、一刀さんが旗揚げをすることなんて、自分は考えることもなかったのでしょうね」
かつての光景を思い返して、楽進は程昱のほうを向いた。
指を一本口もとに立て、内緒だというように程昱は微笑する。あの折の会談については、一刀に知らせたことはなかった。結局、自然と天の御遣いは必要とされることになったのである。
「風?」
「いえいえ、ご主君さまはどうかお気になさらずー。ちょっとした決起集会をしていた、と思っていただければよろしいかと。ねっ、稟ちゃん?」
少し釈然としていないようだったが、郭嘉の首肯を見て一刀はとりあえず納得したようだった。
「ところで稟、
「元々、
それにかわる役職として州牧を発案したのが、帝の縁者でもある
また、自ら
「へー、そんなにすごいお方なんだねえ。馬騰さんの軍と一緒に進んでいれば、ご主人様の後ろにはこんなすごい人がいるんだぞー、って周りに知らせることができる。そういうことでいいのかな?」
「はいー、桃香ちゃん大正解なのですよー。賞品として飴を進呈したいところなのですが、なにぶん手持ちがあまりないので今回はどうかご勘弁ください」
長い旅路になるからと洛陽で大量に飴を購入していたようだったが、それすらもう心もとないようである。残念そうな劉備だったが、自身の考えが正しかったことについては素直に嬉しそうだった。
現在の馬騰は、
「馬家の人たちと顔を合わせるのも、楽しみだな」
「それは、どういった意味合いなのでしょうか。女性に目がない隊長のことですから、自分としてはつい気になってしまいます」
「うう、最近手厳しいな、凪……。というか、そんなわけないだろう」
「えー、そうなのですかー? それはそれで、風としては嬉しいような、悲しいようなー?」
馬上での会話は、賑やかに弾んでいた。
号令。朝焼けと同時に動き出していたから、兵たちにも疲労の色がでてきている。別段、急ぐ必要があるわけでもない。太陽が高くなった頃を見計らい、一刀は全軍に小休止を命じた。
ただし、いまでは帝が洛陽で暮らしているため、長安にかつてのような繁栄はなかった。
歴史の流れを辿れば、いずれ董卓がここに行き着くことがあるのかもしれない。そんなことを考えていると、知らず知らずのうちに表情が険しくなってしまっていたのだろう。
袖が引かれる。もはや安心感さえ与えてくれる、飴の甘い香りがしている。見上げる程昱の肩を抱き、平気だと一刀は告げた。
「そうですか。でしたら、せっかく渭水にいることですし、釣りでもしてみましょうかー?」
「この河で釣りといえば、かの
呂尚。周の
一刀にとっての太公望に、自分はなってみせよう。そのように、程昱は意気込んでいるのかもしれない。
「むー、なんですか愛紗ちゃん。風の顔を見て、なんでにやにやされているのですかあ?」
「いや、すまない。なんというか……、ご主人様ならお分かりになるでしょう?」
飴の棒を竿に見立てて、釣りの真似事をしている程昱。本人は、至って真剣そのものである。
その様子を見た関羽は、なにやら笑いをこらえているようでもあった。
「ん……、そうだね。風が釣りなんてしていたら、きっとすぐに居眠りしてしまうんだろうな。……それはそれで、かわいいとは思うけど」
「あうう……。ふむう………………、ぐう……」
「おいおい。ここで寝てしまっては、ご主人様に素通りされてしまうのではないか? 文王だって、
「おおっ……!? それは、一大事なのですよー。風はもうご主君さまの肉奴隷同然ですから、そばでお仕えしないわけにはいきません。これはもう、宿命といってもよろしいかと」
一刀の手を握り、程昱は不敵に微笑んでいる。
持っていた飴をちろりと舐めあげる姿は、どこか挑発的でもあった。カラフルな表面が唾液で濡れ、舌の通った跡をあらわしている。
「んむー、れろ、ちゅぱ……」
まるで恋人の肉竿に奉仕しているかのように、ざらつく舌が飴の上を行き来していた。握ったままの手が熱い。
程昱の動きで察してしまったのだろう、関羽はスカートの端をつかんで居心地が悪そうにしている。しかし、気にはなっているらしい。咎めなければならないと思いながらも、女としての
「んふふー。どうかされましたかあ、ご主君さま? それに愛紗ちゃんも……んむっ、ぺちょ……、風はただ、飴をぺろぺろしているだけなのですがー?」
「あ、あの……、ご主人様……、その……」
関羽の目が、あなたから誘ってほしいと訴えてきている。この場で自分からそういったことをしたいとは、なかなか言いづらいのだろう。その手を取り、場所を変えることを一刀は提案した。
「んっ、ぷあっ、じゅるうっ……」
「愛紗ちゃんもお堅いようにみえて、おちんちんさんが大好きなんですねー。こんなにおいしそうに咥えてしまうなんて、風もびっくりなのですよ」
じゅるる、じゅるる、と唾液の音が激しく鳴っている。関羽は口内をしっかりと潤わし、恥ずかしげもなく青空の下で男根をすすっている。長い黒髪が揺れ、上下に頭が律動する。一刀の下半身は、さらにいきり立っていった。
木陰に移動したからといって、周囲すべてが覆われているわけではない。むしろそこに、関羽は興奮を感じているのではないか。欲望に塗れた口淫の様子をのんびりと傍観しつつ、程昱はそんなことを考えていた。
「なんだ、風は見ているだけで、してくれないのか?」
「いえいえー。ご主君さまの立派なものを見せつけられて、風が我慢できるとでもー? 先端のところは愛紗ちゃんにおまかせして、風はこっちのこりこりをいじめてみましょうか」
木に背を預けている一刀の股ぐらにしゃがみこみ、程昱は張りのある
「ご主君さまの大切な子種がつまった袋ですから、優しく、優しく……。ん、ちゅる……、んんっ。味も濃くって、あむぅ……」
「じゅぷ……、じゅるっ……。ご主人様、気持ちよくなって……いただけているのでしょうか」
「きっと、愛紗ちゃんのお口ですごく感じておられるのだと思いますよー? 袋がぱんぱんになっていますから、それはもうおびただしい量の精液を準備されていることでしょうし」
程昱の頭を、一刀は軽く撫でる。関羽によって与えられるダイレクトな快楽もたまらなかったが、程昱からのじんわりとした責めもまた心地よかった。
口から引き抜かれた男根が、天を隆々と指している。それを関羽はうっとりとした視線で見つめ、自ら陰部を慰めているようだった。
「今日中にもう少し進んでおきたいのですが、愛紗ちゃんはお口だけで満足できそうですかあ?」
「んっ……!? も、もちろん、不満などあるはずがない……ッ。んはあっ……」
「そうですかー? くふふっ……、さすがに愛紗ちゃんも、おまんこに精液をためたまま、赤兎には乗りたくないですもんねえ」
にやっと口角を上げた程昱が、衣服に包まれていても主張の激しい関羽の乳房を手で掴んだ。まさか、いきなり自分が愛撫される側になるとは考えていなかったはずである。
服の上から乳首をかりかりと爪で引っかかれると、股間をいじる指の速度も上がっていく。羞恥と共に強烈な快感を得ることで、関羽の凛々しい面は淫欲に染まっていった。
「風におっぱい触られて、気持ちいいんだ?」
「い、いえ、そんな……っ。あっ、んんっ、くうっ……」
「いいよ、愛紗はそのままで。おまんこたくさんいじりながら、気持ちよくなってくれればいい。俺の方は、勝手にやらせてもらうから」
関羽の背筋が、被虐的な感情でぞくりと震える。
愛しい女の乱れた姿を見て、少しいじめてみたいという思いが顔を出してしまっているのだろう。受け身に回っていた一刀は剛直を握り、先端を使って関羽の頬をぐにぐにと突いている。
自分はこれからどうされてしまうのだろう、という思いが、余計に関羽の興奮を高まらせていった。
「どうやら、ご主君さまのやる気に火がついてしまったようですねえ。おちんちんさんも、心なしかまた大きくなっているような気がします」
「やっ……、風、またそのように……!? うあっ、くうっ、感じさせられてしまう……、風の指で……え」
数滴の雫が、背の低い草を濡らしている。かき混ぜられた膣口は涎を垂らし、間隙を埋められたがっているようだった。広がった媚肉が、切なげに赤く色づいている。
「愛紗、しっかり口を窄めておくんだ。いまからここに、挿れていくよ」
唇を性器に見立て、粘つく潤滑液を塗りつけていく。僅かに緊張気味な関羽の視線に、思わず腰が震えてしまった。
きつい窄まりを割り開き、挿入していく。出迎えに来た舌といくらか戯れ、抽送を開始していった。
「んっ、んぐっ……、けほっ……。じゅぷ、ずるっ、もごっ……!?」
「おおー。愛紗ちゃんのお口をおまんこみたいに扱うとは、さすがはご主君さまなのですよ。見ているだけで、風も興奮してしまいます」
大きなストロークでゆっくりと、関羽の口腔を穿っていく。一突きするごとに相手を征服しているという実感が湧き出て、快感に変わっていった。
乱雑に扱われて興奮する関羽を見ていて我慢ができなくなったのか、程昱は一刀に愛撫を求めて身体を擦り合わせている。
「あっ、んんっ……。ご主君さまの指、はいってますう……。風のおまんこも、気持ちいいって言っているのですよお」
「ふー、ふうっ、んむっ……じゅぷっ……」
関羽の喉奥まで亀頭で責めながら、程昱の女陰を指で拡張していった。興奮で、脳髄が焼ききれそうになってしまいそうになる。苦しそうに鼻で呼吸しながらも、関羽は自慰の手を止めることができないようだった。ぐちゅぐちゅという粘液をかき混ぜる淫らな音が、耳に届いていた。
「最高だよ、愛紗。その様子だと、まだ足りないんだろう? もっと、早くしていくよ」
「んごっ……!? むうっ……、ん、んん……、んぐうっ……!?」
後頭部を掴みながら、遠慮なく腰を打ち付けていった。目の端に浮かぶ歓喜の涙が、なによりも感じている証左なのである。赤みのさした頬が、もっとしてほしいと願っているように見えていた。
愛液を次々に地面に零しながら、なお関羽の指は動き続けている。一刀に激しく突かれている様を想像してしまっているのだろう。ガクガクと、情けなく内股が揺れていた。
「風も、風にも……もっとしてください……! いやらしい指使いで、気持ちいいところコリコリってされたいのです……! ご主君さまの手で、もっと……!」
「可愛い声、俺もいっぱい聞きたいな。我慢しなくていい。いくらでも、いじってあげるよ」
「は……いぃいい……! んっ、あう……、すごいのです……よお。風の身体、どんどん熱くなってえ!」
快楽が勝っているせいで、立っていることすら辛くなってきたのかもしれない。一刀の腕に掴まったまま、程昱は何度も嬌声を発していた。
「ごひゅ……じんしゃまあ……! んぶっ、くうっ、じゅるるっ……」
「あっ、ひあっ……。こんなの、もうだめなのです……!? イキます、イッてしまいますう……!?」
どちらともに、もう限界が来ているようだった。
その様子を見た一刀は口角をあげ、最後の仕上げに突入していった。射精が近づいてさらに大きくなった男根で口腔を犯し、我慢汁を飛び散らせていく。精液が欲しくてたまらないのか、関羽はその分泌液を必死に吸い上げていた。
「愛紗の奥に、種付けするからな……! いくぞ、ぐっ……ああッ、でる……ううっ……!」
びゅくっ、びゅくっ、と口内で脈打つ男根が暴れまわっていた。強烈な濁流となって、精液が喉奥に直接注ぎ込まれていく。気をやるかどうかのギリギリのところで、関羽はそれを甘受していた。
「ふわっ……!? ん、んあう……、ひゃうぅうううううう……!?」
射精すると同時に、程昱の充血した肉芽を摘み上げていく。ぐりぐりと磨り潰すように刺激したことで、相当な快楽が突き抜けているのだろう。手に感じる体温はかなり高く、絶頂でほとばしった愛液が手首にまでかかっている。
「ふおっ、ちゅばっ……、じゅるう……。んっ……!? んっ、んふううぅうううう……!?」
男根で口内を制圧されたまま快楽の余韻に浸っていた関羽だったが、その表情が突然青くなった。何事か発しているようだったが、どれも言葉としては成立することはなかった。
下腹部が震える。潤滑液ではないなにかが飛び出し、さっと地面を濡らしていった。
「ふふっ。なんだ愛紗、お漏らししてしまうくらい気持ちよかったのか」
「ふー、ふうっ……!? んぐっ……っ、んおっ……♡」
じょぼじょぼ、と下品なくらい音を立てて、黄金色の液体はとどまることなく尿道から吹き出していく。
止めたくとも、自分ではどうすることもできない。理性の栓が抜けてしまったのだろう。放尿によって、足下には水たまりができつつあった。
「愛紗、落ち着いた?」
「え、ええ……。申し訳ありません、あのような姿をお見せしてしまうなどと……」
「悶えまくる愛紗も、可愛いかったよ? でも、俺もやりすぎたかもな。悪かったよ」
疲れ果てた様子の二人の頭を膝に乗せ、一刀は穏やかに笑った。興奮が高まりすぎると、どうにもやりすぎてしまう節がある。冷静になって思い返してみると、酷い行いをしてしまった、という反省の感情がふつふつと湧いてきたのである。
「そんな、ご主人様に謝罪していただくほどのことではありません。わたしだって、楽しんでいたことは事実ですし……」
「んー、愛紗ちゃんがこういっているのですから、別によろしいのではー? それにご主君さまはいつの日か天下を左右なされるお方なのですから、激情のひとつやふたつ、抱えていても当然だと思うのですよ。庶人に危害を加えてしまうのならともかく、こうして風たちに性欲をぶつけられるくらいどうってことありません」
「……風の言う通りです。ご主人様が獣欲に駆られたのであれば、それをどうにかして差し上げるのも我らの役目なのでしょう。……ですが、これからは郡を治められる立場となられるのですから、周囲の目には一層お気をつけください」
外での行為を注意をする関羽の声は、弱々しいものだった。今回に関しては、おのれにも一因があることを自覚しているのだろう。
「できるだけ、気をつけるとしよう」
それはきっと無理でしょうねー、と程昱が茶々を入れている。その脇腹をくすぐりながら、一刀は小さく息を吐いた。
「お兄ちゃーん、どこなのだー? 愛紗と風も、ごはん食べないのなら鈴々がもらっちゃうよー?」
「隊長、聞こえていたら返事をしてください。そろそろ、出発になりますから」
張飛と楽進の声を聞いて、もうそこまで時間が経ってしまったのかと驚いてしまう。これにはのんびりとしていた関羽と程昱も身体を起こし、ぽんぽん、と衣服についた汚れを払っていた。
「こっちだよ、鈴々、凪。いま行くから、三人分残しておいてくれないか」
つぎの休憩となると、日が没してからになってしまうだろう。腹になにか入れておかなければ、途中で辛い思いをすることは必定だった。
あわよくば、余った分まで食べてしまおうとしていたようである。少しばかり残念そうな張飛と手をつないで、一刀は淫事の現場を後にしたのだった。