ある年のある日のこと。
魔人レオンハルトはその話を聞いた。
「――西の森で魔物が殺されてる?」
魔王城にある会議室。
その話を出してきたのは、集まってきていた魔人カミーラの使徒である七星と、カミーラ軍の魔物大将軍であるヴラドだ。
彼らはレオンハルトの確認の言葉に頷くと、口々にその話を続ける。
「ええ。元々そういう噂はあったのですが……」
「……つい先日、西の魔物の森近くに作った駐屯地が一日で壊滅的被害を受けました」
口に出しづらいのか、大将軍であるヴラドは沈痛な面持ちでそれを口にする。
そして対応に追われていたのだろう、疲労の色が濃く、先程からしきりに息を吐いている。
そんな相手に追い打ちをかけるようであれだが、聞くべきことは聞かなくてはならない。レオンハルトは彼らに目を向け、
「……魔人はいなかったのか?」
「……いえ、いたのですが――」
そこでヴラドは今度こそ言葉を止める。それほどに憚られることなのか。
レオンハルトがにわかにそれを察していると、ヴラドの言葉を引き継ぐように七星が口を開き、
「……いましたが、それでも敗走したそうです」
「……魔人が負けたのか?」
思わず目を細めて問う。それほどに信じられない事だった。
強大な実力と各種能力。無敵結界という絶対の防御を持つ魔人が負けるということは、通常では考えられない事態だ。
だが七星とヴラドの様子は真剣そのもので冗談を言っているような雰囲気ではない。その迫真振りが、真実であることを強調する。
「無敵結界があるので傷は無かったそうですが……逆に傷をつけることも出来なかったそうです」
「そして今なお、その魔物は森を徘徊し魔物を屠り続けている様子で……それで、その……カミーラ様にどうにか出来ないかとご相談したのですが……」
「……それで?」
何となく、答えを察しながらレオンハルトが先を促す。
すると七星が軽く頭を下げながら、
「……レオンハルト様に任せるように、と……」
「……なので、如何でしょうか……?」
「なるほどな……」
溜息を漏らしながら状況を理解する。
つまりこの二人は普通の魔人ではどうにも出来ない相手に、カミーラへの出陣を願い出たのだが、気まぐれか何かで断られ、代わりに自分へと白羽の矢を立ててここにやって来たと、
……全く……カミーラのやつは……!
あいつ、ひょっとして面倒なことは全部こちらに任せれば解決してくれるとでも思ってるんじゃないだろうな。生憎自分は便利屋でも何でも屋でも無いんだぞ。
と、内心苛立ちを募らせるも、カミーラにそれを言っても聞かないであろうことは分かってる。今更だ。
それに今回は仕事の事であるだけマシだ。なので頭を抱えつつも、こちらとカミーラの間で板挟みになってる可哀想な二人を見て、
「……分かった。俺が出る」
問題の解決の為に動くことを決めたのだった。
「――というわけで、今日はある魔物退治だ」
「……それは分かりましたけどー」
空の上で、レオンハルトは自分の使徒であるペールにその旨を説明した。
しかし何故か、行くと決まった時からペールは不満そうに軽く頬を膨らませており、むーむーと唸っている。
そんなペールは、半目でこちらを見ると拗ねたように口を尖らせ、
「……もうちょっと、ピクニック的な平和なのが良かったのに。こういうヤバそうな時は私とか、運が無いですよう」
「……言っておくが、一応仕事だからな?」
「分かってますよー……」
注意しておくも、あからさまにテンションが落ちているペール。
そもそもこの間、一人だけ留守番だったので今回は連れていってやろうと思ったのだが、どうやらお気に召さないらしい。
レオンハルトは一応フォローしてやろうと、軽く息を吐いてから、
「だが今回、お前は何もしなくていい」
「えっ?」
いいんですか、と半信半疑で聞いてくるペールに再度強調するように頷く。それに、
「というより、動いてもらっては困る。何しろ、魔人でも倒せないような奴が相手だからな」
「? じゃあ何で私を連れてきたんですか?」
という至極尤もな問いに、レオンハルトは笑みで、こう告げた。
「……少し長くなるかもしれないからな。生活する上での世話は全部お前に任せる」
「!」
その言葉を耳にしたペールが、意味を正しく受け取り、目を見開かせると、ややあって顔を綻ばせて、
「……もうっ! レオンハルト様ってばー、そういうことなら最初に言ってくださいよう。それなら大歓迎というかー、ここまで不機嫌オーラ出したのが損じゃないですかっ」
言ってペールは忙しなく、顔をニヤけさせながらこちらに近づいて身を寄せてくる。これだけで掌を返したように喜ぶ自分の使徒に呆れつつも、頭を撫でてやり、
「……だが、あくまでも仕事が優先だからな。空いてる時間があれば相手してやる」
「はーい! 了解ですよ! 炊事洗濯お料理。そして夜のお世話まで……このペールにお任せあれ!」
ぐっ、と拳を握り、得意気な笑顔を浮かべるペールに苦笑していると、下から、
「――もうすぐ着くが……もう何度も言っているが、身体の上で猥談をするな」
「……悪いな。家の色ボケ使徒のせいだ」
「えっ、私ですか!? 違いますよう、私は普通の話してます。レオンハルト様やライゼンさんがエロいから、エロい話に聞こえてくるんですよ? 何、もといナニを想像してるんですかぁーーー?」
「……ライゼン。これ、落とすから拾うなよ?」
「うむ、了解した」
「え、いや、ちょっ、な、ななな何をする気ですか!? たまに訓練とか言って迷宮に潜らされたりはしますけど、高所落下訓練は駄目ですよ!? 普通に死ねますし!」
こちらのやり取りと、実際に首根っこを掴んできたことにわたわたと慌てはじめたペールに、レオンハルトとライゼンは二人で首を捻り、
「? 俺は落ちても大丈夫だけどな」
「? 落ちるくらいなら特に問題は無かろう」
「じ、人外と一緒にしないでください! 常人はこの高さから落ちたら死にますよう!?」
いや、お前も一応人外だろ……、と二人でツッコミの声を作りつつ、ライゼンは徐々に高度を下ろし、魔物の森に降り立った。
魔物の森。
大陸西側。位置的にはカラーの森から少し南西にいった場所に広がる森林地帯である。
多くの魔物がひしめき合うこの場所は、一応ではあるが魔軍の支配地域であり、最近は“ミダラナツリー”と呼ばれる場所にツリー都市を築き、カミーラの城が建てられ、カミーラ軍もそこに駐留している。
その森の中で、突如として地鳴りが起こった。
「――――」
それは、大柄な何かが魔物を踏み潰し、その凄まじい脚力で地面を震脚するような形で揺らしたものだ。
踏み潰された魔物はその重量もあってか粉々に踏み潰されてしまい、地面には赤い血が流れるのみで魔物の影も形もない。跡形もなく踏み潰されてしまったのだ。
しかしそれでもその影は止まることはない。次なる魔物を見つけると大柄な身体に似合わない凄まじい速度で近づき、魔物を殴りつける。それだけで魔物は吹き飛び、全身の骨や身体を粉々にされて息絶える。
彼は魔物にとっての死神であった。
生まれてからずっと、この森を彷徨い歩き、ただ魔物を狩り続けることに生を費やす。
彼の親も、その親も、そしてこれから生まれてくるであろう子供も、そうやって魔物を狩ることに生涯を懸けて生きていくのだ。
その存在の名前は、
「――お前がトッポスか」
「!」
トッポス。そう呼んだのは、一体の魔人であった。
鋭い双眸でその魔物、トッポスを睨みつけるのは、魔人レオンハルト。
魔人の最高位である魔人筆頭であり、魔軍を統括、指揮する魔軍参謀である彼は、トッポスの前に進み出て声を掛けた。
「……なるほど。デカいし、強そうだな。これなら――」
と、口に続けようとした時、トッポスは徐ろに腕を振った。
「――っ!」
体長3メートルから4メートルほどの巨体。筋肉質なその腕から放たれるパンチは、それだけで大気を震わせ、魔人を吹き飛ばす。
無敵結界という絶対防御があり、傷こそは無くても関係ない。岩をも粉々に砕く破壊力。その衝撃で、レオンハルトは吹き飛び、木々を薙ぎ倒しながら転がった。
それを上空から見ていた使徒が心配して声を上げるも、
「――ク、クク、やるじゃねぇか……」
それが既に聞こえていないのか、レオンハルトは顔を抑えながらゆっくりと立ち上がる。
「なるほどな……こりゃあ良い……」
トッポスを見るその表情には、既に喜悦の色が混じっており、
「テメェみたいな化け物相手なら……俺も久々に楽しめそうだ……!」
「……!」
しかしトッポスはそれを聞くことなく再び拳を振るい、
「おおっと!」
しかし躱される。
後ろに向かって跳び、再び距離を取ったレオンハルトは、その行動にも笑い混じりに、
「クク、おいおい、つれねぇなあ? いきなり仕掛けてくるとはよぉ……」
「…………」
トッポスは口を開かない。
だがレオンハルトの方はそのやり取りそのものを楽しんでいるのか、なおも口端を歪めながら、肩を竦め、
「……つまんねぇ御託が聞きたくねえか?」
それならよ、と低い声で、
「そろそろおっ始めるか。――“オル=フェイル”!」
名を呼びながら空間から身の丈ほどある蒼の魔剣を引き抜き、レオンハルトはそれを自然に構える。
全身から魔人の闘気、達人としての剣気。その二つが混ざりあい赤いオーラが陽炎のように揺らめき、地面や木々を揺らし、地の底で蠢くような音がその場に響き渡る。
レオンハルトの赤い瞳が煌めき、トッポスを映すと、
「――今の俺がどこまで出来るか……試させてもらおうかッ!!」
「――ヒアウィゴー!」
戦意を滾らせ、仕掛けるのは大陸の支配者である魔人の中にあって最強と称される魔人――レオンハルト。
甲高い声で喋り、迎え撃つは第二世代モンスター。世界に一体だけ存在する最強の生物――トッポス。
後に天災ともうたわれるその戦いは、大地の激震とともに始まった。
大地はひび割れ、森は薙ぎ倒され、岩山を破壊しながらその戦いは続く。
「クハハ、これはどうだッ!」
レオンハルトが魔剣を薙ぐように振るい、宙を走る斬撃を振るうと、
「……!」
トッポスは周囲の木々が真っ二つになるほどの斬撃を身体で受け止め、そのまま直進して拳を振るう。
「食らいなッ!」
レオンハルトが足に力を込め、瞬時にトッポスの懐に潜り込むと、そのまま同時斬撃を三つ、腹から胸にかけて叩き込む。
しかしそれでもトッポスは、身体に薄い切り傷を作るのみで、足を振り上げてレオンハルトを蹴り飛ばそうとする。それを剣で防御し、刀身の腹を滑らせるようにして受け流したレオンハルトは身を弾き、トッポスの背中に回ると再び全力の斬撃でトッポスを吹き飛ばす。
剣と拳がぶつかり合えば、衝撃の余波で地面が割れ、遠くにあるものが斬れ落ちるような戦い。
必然的に周囲にいたはずの生物は全て、その場から逃げるように離れている。
そんな中、ライゼンの背に乗ったまま上空で主が戦うのを見ていたペールは、軽く引き気味に、
「……えー……何か急にバケモンバトル始まったんですけど、ペールちゃん、これ、どうしたらいいですかね……」
「……大人しく見ていれば良いのではないか?」
「いやまぁ、そうなんですけど――って、うわっ!? 急に岩が飛んで……!?」
巨大な岩が上空に跳ね上がってきたのを見てペールが驚愕の声を上げる。
しかしそれを見たライゼンは、飛んできた岩に向かって首を上げると、
「……ふんっ!」
叩き落とすように頭突きをして岩を砕いた。おおっ、とペールが驚き、
「……それにしても、レオンハルト様のあの戦闘狂状態、久し振りに見ましたねぇ……うわぁ、超楽しそう……」
「……確かに楽しそうだな」
二人が見る先、木々が薙ぎ倒され更地というか荒地になっていく地面で、レオンハルトは口を大開きにして笑っている。
既に戦闘が始まって数時間経つが、ずっとあの状態だ。疲れないのかな、とペールが素朴な疑問を抱いていると、
「……うむ、本当に楽しそうだな……」
不意にライゼンが、再度の呟きをし、
「……ううむ……」
何やらうずうずとし始めた。ペールが半目でライゼンの顔の方をじっと見る。
「…………」
「……なぁ、ペールよ」
「……何ですか?」
うむ……、とライゼンは前置きし、言いづらそうに小声で、
「その、だな……混じってきても――」
「駄目ですっ!!」
食い気味で、ペールはそれを止めた。
ライゼンはその答えに残念そうに息を吐くと、
「……もう少し考えてくれても良いのではないか?」
「駄目に決まってます! そうなったら私を守る人――もといドラゴンがいなくなるじゃないですか!」
「それなら、背中に乗ったままでも構わんが」
「もっと駄目です!! 何を寝ぼけたこと言ってるんですか!? あんなとこに混ざったら一瞬であの岩みたいに粉々にされる自信ありますよ私!」
「むぅ、しかしだな……」
断固として拒否するペールに、しかしドラゴンとしての血が騒ぐのか、ライゼンがなおも食い下がろうとする。よっぽど戦いたいらしい。
だが、ペールはべしべしとライゼンの背中を叩きながら、
「それに! あのままでもやばいのに、あそこにライゼンさんまで混ざったらいよいよ森が無くなっちゃいますよう!」
「……もういっそのこと全部更地にしてしまうのはどうだ? それなら俺も手伝えるぞ」
「アホなこと言わないでくださいっ! 自然を何だと思ってるんですか!?」
全くもう、と、ペールがぷんぷんと怒り腕を組む。
ライゼンも渋々ながら、未だに残念そうに、そして羨ましそうに戦闘の模様を見ているが、一応頷き、滞空を維持する。
だが途中、ペールは何かに気づいたように、
「……この戦い、いつ終わるんでしょう?」
「む? んん、そうだな。両者体力も気力も有り余り、しかも傷も殆ど付いておらんからな……」
うむ、と、ライゼンは頷き、
「少なくとも、一日や二日では終わらないことは確かだ」
「……なるほど。ということは――」
と、ペールは頬に人差し指を当て、ん? と眉をひそめると、
「……あれ? 私とレオンハルト様のエロエロな生活は?」
「……エロエロはさておくとして、んっ、とりあえず、あの様子では夜通し続きそうだな」
「……つまり」
つまり、
「――結局、台無しになったってことじゃないですかあ!?」
頭を抱え、白目を剥くペールの叫びが、魔物の森上空に木霊した。
――その戦いはライゼンの言う通り、一日や二日では終わらなかった。
三日、四日、五日、六日……一週間が経過しても戦いは終わらない。
「ハーハッハッハッ! さぁ、もっと俺を愉しませろッ!!」
「……!」
無尽蔵の体力と耐久力を持つトッポスに、同じく魔人として桁違いの体力を持つレオンハルト。
その戦いは一向に止まる様子がなく、昼夜問わず一日中続けられた。
一週間が過ぎ、二週間が経っても戦いは終わらず、森の一部が完全に更地になった。
二週間が過ぎ、三週間が経つと、山の一部が抉れていた。
そして一ヶ月が経つと、
「――それで、まだ戦ってるの?」
「戦ってますねぇ……」
「ううむ、混ざりたい……」
途中、何度か帰ったりしていたペールとライゼンだが、そのうち様子を見に来たハンティやキャロルなども一緒に、その戦闘を観察していた。
既に戦闘をしているその地の環境は滅茶苦茶になっているが、それでもなお戦闘は続いており、
「レオンハルト様ー! 頑張って下さいましー!」
メガホンを片手に応援をしているキャロルの視線の先で、レオンハルトはトッポスに剣を振るう。
もう何十どころか、何百、千を越える刃を叩き込んだが、未だにトッポスの身体には小さい切り傷以外の傷が出来ない。
だが、やがて、とうとう、
「――あ」
誰かが、もしくは複数人が、あ、と声を漏らした。
皆が注目する視線の中心。レオンハルトとトッポスの戦闘の決着がたった今着いたのだ。
ゆっくりと、トッポスの巨体が地面に落ちていき、
「…………!」
重低音と振動を響かせて、地面に倒れた。
それを遠くから見て、
「あれ? レオンハルト勝った?」
「勝ったっぽいですけど……何か急に倒れましたね、あの大きいの」
ハンティが薄めで確認するように言うと、ペールも同意する。そんな中、キャロルだけは疑ってないようで、
「レオンハルト様の勝ちですわ! ほら、ライゼンさん! 早くレオンハルト様の元に!」
「お、おお……そうだな」
キャロルの言葉に頷いたライゼンが、翼を羽ばたかせてレオンハルトの近くに降り立っていく。既に更地になった中心地に難なく着陸すると、皆は一斉にライゼンの背から降りて、
「レオンハルト様! おめでとうございますわ!」
「最後、何やったの?」
「やーーーーーっと、終わりましたね……。と、それじゃあ早く帰りましょう! 私、ぶっちゃけ言って疲れました!」
無言でトッポスを見続けるレオンハルトに近づき、声を掛ける。
しかし何やら様子がおかしいようで、
「……あー、納得いかねぇ……」
「へ?」
レオンハルトが不機嫌そうな声で呟く。
その言葉に疑問し、首を傾げる中で、キャロルが代表して、
「何が納得いきませんでしたの、レオンハルト様?」
「……斬れなかった」
と、レオンハルトはキャロルの質問にまず短く答え、
「殺すつもりだったが……気絶させることしか出来なかった」
続けてそう説明した。
悔しそうな表情で言ったレオンハルトに、ハンティは呆れ顔でトッポスを指差しながら
「……いやまあ、倒せたならいいんじゃない? それ、とんでもない化け物っぽいし」
「……いや駄目だ。斬れなかったからな。良くて引き分けか……」
そこで大きく息を吐くレオンハルト。一ヶ月の戦いで蓄積した疲労や、熱くなった頭を冷ますように、魔剣を空間に収めながら、
「……とりあえず、役目は最低限果たした。だがトッポスの行動範囲に施設を置くと被害が馬鹿にならないだろう。建設予定の駐屯地は取り止めだ、キャロル」
「はい、了解しましたわ。それと、お水です」
「ああ」
手帳にそれを書き込み、同時に懐から取り出した水筒をレオンハルトに差し出す。
水筒を受け取り、即座にそれを喉に流し込んでいくレオンハルトは、水分補給を行いつつ、
「トッポスを普通に相手にするのは得策じゃないな。――俺みたいな戦いたい奴ならともかく」
「つまり馬鹿以外は戦うなってこと?」
ハンティが軽くからかうように言うと、レオンハルトは頷きを返し、
「ああ、そうだな。ハンティももう少し強くなったら戦うといい。……というか戦わせてやるから覚悟しとけ」
「はぁっ!? ちょっと、それは勘弁……」
「あー……疲れたし腹減ったな。帰ったら少し休むか……?」
「レオンハルト様、その……言い辛いのですが……」
ハンティを無視し、ライゼンの方に向かって歩くレオンハルトは頭を掻きながらキャロルが眉を落とした表情を見て、
「……どうせ仕事が溜まってるんだろ? 分かってる。まぁ、休むのは一日だけだな。とりあえず、頭にだけ入れておくから道中で報告しろ」
「……はい! レオンハルト様が少しでも休めるように迅速に報告しますわ!」
「……じゃあ、帰ったら色々とお世話しますね!」
レオンハルトの両側に付いた使徒二人。
そして無視された挙げ句後々にとんでもない試練が課せられること知って呆然とするハンティに、ライゼンが首を向けると、
「うむ、実は俺も今度戦ってみようと思うのだが……どれだけ早く倒せるか競争でもするか?」
「するか!!」
ハンティのツッコミが響き、レオンハルト達は帰路に就いた。
――その少し後、
「…………」
むくり、と徐ろに起き上がったトッポスは、
「…………」
軽く身体の土を手で払うと、周囲を見渡し、そして森の方に、何事も無かったかのように歩き去っていった。
そうしてしばらくすると、再びトッポスに襲われた魔物の悲鳴が森の中に響き渡った。
~教えて、スラル先生~
スラル「はい。突然始まりましたこのコーナー。このコーナーでは、本編に出てきたあれこれを解説するコーナーです」
レオンハルト「……いるか? このコーナー」
スラル「え、だって原作知らない子も見てくれてるみたいだし……い、一応ね!」
レオンハルト「わかったわかった。それじゃあやってみろよ」
スラル「うん。――ということで今回はトッポスね。魔物を狩ることだけを生きがいにしてる第二世代モンスター。特徴は……某任○堂の顔の配管工に似た容姿と――」
レオンハルト「アホみたいに強いってことだな」
スラル「そうね。原作だと、身体を岩山に括り付けられてもそのまま動けるくらい怪力だったし、城を引っ張ったまま魔物を倒しまくってたわ」
レオンハルト「魔人が束になっても倒しきるのは無理とかいうチートキャラだな」
スラル「後、子育てしながら戦ったりもするのよね」
レオンハルト「そうらしいな――ってやっぱこれ、いつもとやってること変わんなくねぇか?」
スラル「そ、そういうこと言っちゃ駄目!」
ラウネア「…………(関係ないけどマ○オストーリーが1番好き)」