レオンハルトは、その剣で仕事を成したと思った。
視界に映る月餅の身体を、確かに両断した上、振り切った剣から感じる手応えも、確かに“殺した”と判断を出来る。
しかしだからこそ、起きた結果に眉を顰めざるを得なかった。
「おおおおおおッ!!」
「……ふん」
それを言うより速く、石丸が一瞬の加速で肉薄してくる。
振り下される剣を剣で防ぎ、鍔迫り合いのような形になる。近く、距離で顔を合わせた石丸が血相を変えた表情で、
「一生の不覚……! 腹心を眼の前でみすみす死なせてしまうとは……!」
憤り、それも、自分の情けなさに対する感情を間近で聞いて思わず息を入れてしまう。剣に力を込め、
「……仲間思いなのはいいが、よく見ろ」
「何!? ――ぐっ……!」
石丸を強引に吹き飛ばし、月餅の近くにまで移動させてやる。そこには死体ではなく、
「っ、はぁ……はぁ……!」
「月餅!? 生きていたか!」
「……なん、とか……」
地面に手を付き、胸を強く抑えて蹲る月餅がいた。石丸が驚愕し、生きていることを喜ぶ中、レオンハルトは剣に付いた血を払い、
「確かに斬り捨てたはずだが――さすがは悪魔だ。魂を複数持っていたか?」
「っ……!」
月餅が強くこちらを睨む。その言葉に石丸が眉間に皺を寄せ、
「……どういうことだ?」
「そのままの意味だ。そいつの正体は悪魔。それもかなりの地位にある第三階級の悪魔だ」
「! き、さま……! 何故それを……!?」
「……さてな。生憎俺は、ナイチサ様に命じられただけだ。藤原家討伐と、悪魔月餅の討滅をな」
問いかけの意味は分かる。だが、今回のこれはあくまでも今回の戦争は魔王ナイチサに命じられてのこと。石丸に関しては自分の趣味でしかない。悪魔の知識も、ナイチサに教えてもらったのは事実。それ以上を言う気はない。
月餅の問いに答え、目的を告げてやったところでレオンハルトは、だが、と、
「片方の用事は
ゆえに仕事はほぼ終わりを迎える。
その前にレオンハルトは石丸に剣を突き付けながら問いかけた。勝負の再開の前に、
「そいつはお前を騙して藤原家の元に潜伏し、魂を回収するために今日まで暗躍し続けてきた。謂わば戦いの元凶だ。そして、俺達の戦いを邪魔した無粋な奴でもある」
だから、
「そいつを見捨てろ。そして、改めて戦いを始めるぞ。俺とお前の間に、“それ”は必要ない」
致命傷を浴びて地面に手を付いた月餅は、対峙するレオンハルトの問いを聞いていた。
石丸に明かした真実。それを聞いて、石丸は黙りこくっている。やはり、
……もはやこれまでか。
魔人を倒そうと隙を伺い、不意を打った結果がこのザマだ。魔人の強さは正しく理解していたつもりだし、石丸の成長の為、とも思っていたが、
「欲張りは、良くないな……」
敵は強大であった。高位の悪魔である自分がたった一手で致命傷にまで追い込まれるほどに。
そして、魂を集めるためとはいえ地上でやり過ぎた。
石丸に仕え、しかし主君も周りの仲間も皆騙してきた。今回の戦いも、元はと言えば自分が欲を出したせいである。自分のせいで魔人を敵に回し多くの人間を死なせ、このような危機に陥っている。正に自業自得。人を弄ぶ悪魔にはお似合いの結末だと思う。
一つ、心残りがあるとすれば、
「……月餅を見捨てろ、か……」
彼の顔がこちらを向く。
藤原石丸。
己が仕え、人ながら主と認めた男。
彼がこの後、どうなるか。その結末くらいのものだ。
……何を馬鹿な。魔人との力の差は歴然。勝てるはずがない。
そう。客観的に考えれば、石丸が魔人レオンハルト相手に勝てるはずがない。
なのに、何か起こしてくれそうなその佇まい。
彼ならばと、そう考えている自分に可笑しなものを感じてしまう。
だが数日前、同じ様に戦えば“負ける”と見ていた魔人ザビエルを、死闘の末に石丸は倒してしまった。その奇跡の感動は未だ胸に残っている。
だからこそ、石丸を見届けたい。しかし、邪魔となるなら、
「……石丸様……」
月餅はその覚悟を決める。
一度邪魔をした身。これ以上、お荷物になるくらいならば、
「……先程の話は、全て本当です。儂は悪魔――」
「――――
「…………は」
不意に被せるような石丸の言葉が耳に入り、思考が止まる。
聞き間違いじゃないだろうか、と確認を取る。
「い、今なんと……?」
「だから知っておると言ったのだ。悪魔とは思わなかったが、人ではないだろうとな」
人外の存在だとは思っていたと、石丸はあっけからんと言う。
「いや、単純に人の気配が感じられないような気がしたのと、ミッチーがそうではないかと色々と裏で調べていたようなのだがな。やはり人ではないらしいと、そのような結果になったのだ」
「は……」
二の句が出てこない。
だが、主の言葉を疑うのは良くないが、とても信じられない。もし本当であるならば、
「あ、あり得ませぬ……! もしそうであるなら、何故に人外の者を側近にするという暴挙を……!」
何故だ、と問う。
「何故、藤原家の……御身の重要なものを儂に任せるなど……! 能力があったとしても、迎え入れることに危険があるとは考えなかったのですか……!」
何故自分は、そこまで重用されたのか。
生まれた疑問に対し、石丸は即座に答えた。
「信頼出来そうだったからだ」
「っ、しかし、儂は人外の悪魔で――」
「人外だから何だと言う。黒部にもそういうつもりか? あれも妖怪であるぞ」
言われた言葉にぐっと怯み、
「……黒部殿は石丸様と戦い、正面から信頼を勝ち取りました。儂のような得体の知れない輩とは違い――」
「同じだ、馬鹿者め」
「――――」
即座に斬って捨てられる。
よいか? と呆れたような様子で、石丸はこちらに近づいてきた。そして、顔の翁の面を掴むと、
「っ、何を……!」
「……ほう。これがお前の顔か」
それを剥がし、顔を露わにされる。
人ではない化け物の顔。複眼や触手が生えており、悪魔の中でも醜悪で恐ろしい顔つきだ。
それを見て、石丸は笑った。
「――ははは、ようやくお前の顔を見ることが出来た」
「……! な、何故……」
自分のことが恐ろしくないのか。恐れずとも、気持ち悪いと思わないのか。
だが石丸は、
「何故? いや、何十年と付いてきてくれた重鎮の顔も知らないというのは、些か寂しいだろう。うむ、中々個性的でいいではないか」
「石丸、様……」
ああ、と。月餅は思い出した。
こういう人であったと。
どんな相手にも臆せず、十人中十人が恐れるような化け物相手でも気さくに接する。どんな状況であろうとそれを楽しみ、勝ちきった後に、戦った相手を仲間にしてしまう。
領民相手にも対等に接することを喜び、どんなに偉い相手でも身分が低い相手であっても同じ土俵に立って話をする。老若男女、種族を問わない人徳。王の器。そんな石丸だからこそ、月餅は――
「……儂は、儂の目的のために、石丸様に接近したのですぞ。そのために、多くの人を犠牲にして……」
だからこそ、自分が許せないのだと。
そう言ったつもりだった。
しかし石丸は首をひねり、
「? 別に構わんだろう。誰にだって目的はある。それを言ってしまえば、俺とて此奴との戦いに望み、今なお多くの人に迷惑を掛けてると言える」
「…………」
レオンハルトを指して言う。それに対し、魔人は静観を貫いている。まるで石丸の答えを待つかのように。
石丸は周囲、多くの人間が戦う現状を見ながら、
「俺は帝だが、多くの人に支えられているし、同時に導く義務があろう。俺が夢を見せ、俺の夢を叶え、他の多くの人間の夢を叶えるために戦う。それはお前とて例外ではない」
「!」
その言葉は、石丸の王としての言葉。
JAPANの盟主である帝。人類を統一した王の言葉。
だが同時に、石丸という男の胸に秘めた言葉だ。
だから、石丸は笑って言う。不敵に笑ってみせ、
「俺には、叶えたい夢がある。やりこともたくさんある。他の者達だって皆そうだろう。やりたいことや、叶えたいもの、守りたいものが多くあるはずだ。ならば――」
言う。それは他者への気遣いではない石丸の在り方だ。
「お前らのやりたいことを俺に教えろ。俺がそれを叶えてやる。どうしようもない敵がいるなら倒してやる。そうでなくても手伝ってやる。夢を見ることすら厳しい世の中だと言うならば、それを変えてやる」
だから、と。石丸は月餅を見た。
他の多くの者達と同じ様に手を差し伸べ、
「俺にはお前達の力が必要だ。その夢を一緒に叶えるために、俺に付いてこい」
そして支えてくれと。石丸は己の想いを言い切った。
月餅は、その言葉を深く飲み込んだ。
……儂の夢、か……。
考えたこともないことだ。魂の集収は悪魔としての使命。階級を上げることを目的としていたはずだが、それも義務感に近いものであって“夢”とは程遠い。
だが、
「……付いていきましょう」
上司には申し訳ないが、これよりは自分は、真の意味で石丸様のために仕える。
今更遅いかもしれないが、
「儂の運命、石丸様にお任せ致します……!」
「――応! 任せておけ!」
そうして正面を向いた石丸の後ろ姿を見て思ったのだ。
今は、主君を支えることこそ、我が望み。
その先にある光景を見たい。それこそが、自分の夢だと。
それが伝わったかは解らない。だがきっと伝わってるのだろうと、月餅は石丸を見て確信した。
「……なるほどな」
正面、魔人が小さく呟いた。
石丸にその鋭い視線を向け、
「お前は“夢を叶える”と、そう言ったな?」
「ああ。だから、月餅はやらせん。こいつは俺に必要な男だ」
剣を構え、立ち塞がる石丸にレオンハルトが目を細めた。
依然として厳しい状況であるのは変わらない。強引に突破されて殺される可能性だってある。先程の技は、石丸であっても防ぎきれないだろう。使わないと言っているのが救いだが、気が変わらないとも限らないのだ。
「……お前のその信念とも言うべき強い意志。そしてその願いは、俺としても理解出来るところだ」
だからこそ、とレオンハルトは剣を構える。
「その在り方自体は認めてやってもいい。だが――」
レオンハルトは揺るぎない意志を秘めた赤い瞳を向けて言う。
「俺の目的と重なった時点で、その夢を叶えることは出来ん」
「……ああ、
石丸が応じた。理解を秘めた瞳で言う。不思議と月餅にも理解出来た。それは、
……相容れない、ということか。
詳しい事情や、かの魔人が何を目的としているか、その行動原理が何かは解らない。
だが、石丸と近い部分で生きているのだろう。そして、だからこそ認めるわけにはいかないのだろう。
ゆえに二人が戦うのは必然。極めて自然で、当然の帰結であった。
「来い――」
「行くぞ――!」
二人の言葉が終わるよりも速く、石丸は行った。
レオンハルトの正面、常人では理解が及ばない仕掛けを以って、
「……!」
二人の剣戟は始まった。
剣による線が幾重にも見えていた。
その一刀一刀が必殺の一撃。並の人間は疎か、鬼や魔物ですら両断せしめる。人間としては脅威の力と技。それが石丸の剣であった。
だがそのどれもを、レオンハルトは難なく捌いていく。
一つ一つ丁寧に、まるで手ほどきをするかの如く剣での防御を行う。自然体の構えは、好きに打ってこいと言外に示しており、更には最初に宣言したように、全ての行動を石丸より一瞬遅れて行っていた。
しかしそれでもなお、レオンハルトの剣は石丸の剣に追いついてくる。
石丸が最速で放った剣も、遅れて始動した剣が余裕を保たせた上で弾かれる。リーチの上でもレオンハルトのほうが上回っており、その分間合いを詰めることも石丸は行うが、それすらも卓越した剣技によって防御された。
「……どうした? その程度か」
「……!」
まだまだ、と石丸は行動で答えた。
レオンハルトの剣の反撃、それを読み切ることに成功すると半歩距離を制することに成功した。下段からの切り上げに対し、紙一重でそれを回避する。
そして回避した瞬間。反撃に出した剣が引き戻される前に石丸は技を放つ。
「“紅蓮焔“……ッ!」
同時に斬撃を繰り出す大技。
一度に四刀という限界を越えた剣技だ。回避は不可能。防御も不可能。無敵結界の存在はあっても、衝撃自体は食らうという。であれば全くの無意味ではない。
だが、レオンハルトは反撃の剣を引き戻すと同時に、回転するように剣を横に一閃。たったそれだけの大振りな技は、しかし石丸の剣を全て弾き返す。
「その程度なら夢を見ることも、勝つことも出来んぞ……!」
「っ……!」
懐への突きをギリギリのところで逸す。そのまま続けて放たれる攻撃は、防御のための反撃。こちらよりも一瞬遅く放ったが、追い抜いた斬撃がそのまま攻撃に、“先々の先”のようになり、攻撃の始点、出掛かりで潰される。
結果、相手の剣に押し込まれてしまいながら、石丸は耐え忍ぶ。
……今は、“見”の時間だ……!
見ることも、また戦いである。相手の太刀筋や動きの癖。技などを完璧に見てしまえば、勝負は容易となる。必然的に読み合いにも勝てるため、戦う上ではかなり重要なことだ。
特に相手は魔人。“流水”のような相手の攻撃を跳ね返す技には必須であり、これが出来なくては勝ちの可能性すらない。力や技で負けているなら、それ以外の部分で補わなくては勝てないのだ。だからこそ、
「……手加減したこと、後悔させてやるぞ――」
「……!」
石丸は、それを成功させる。
レオンハルトの剣に対し、静かに、流れる水の如き返し技。
「“流水”――」
石丸はその技を用いて、レオンハルトの剣の一刀を跳ね返した。
成功させたはずのそれ。感覚はそう言っている。
だが、レオンハルトは無傷だった。
「防がれた……?」
手応えはあったが、実際には斬られておらず、レオンハルトはそこにいた。こちらを見据え、
「流石に上手い。――が、その技は誰が見せてやったか忘れたか?」
レオンハルトは言う。
「俺が使う技だ。当然、その対処法、返し技も知っている」
それは過去に自分が作った技。そのどれもが、伝説となって伝わっているという。
石丸が“流水”と呼ぶその技も、かつてレオンハルトが仮面の男として石丸達の前に表れ、最後の打ち合いの際に放った技なのだ。
やはり、と石丸が、
「――あの仮面の男はお前か! 随分と変わった趣味だな!」
「……俺の趣味ではない……!」
気持ち強めに、石丸の剣を弾き返す。あれはキャロルやペールから、姿を隠すならこれが似合うと渡されたものだ。
終わってから恥ずかしかった思い出であり、それを蒸し返されて苛立つが、問題はそこではない。勝負の中に於いての話だ。
「俺の技を使えるのであれば、おそらく才能としては互角だろう」
しかしレオンハルトは剣を袈裟に振りながら、石丸の剣を経験とそこから来る読みによって返す。その意味は、
「だが俺は、お前が生まれる千年以上前から剣を積み重ねてきた。戦いの経験に於いても、俺を越える奴はそういない」
「だから勝てないと? それは解らんだろう!」
いいや、解る。何故なら、
「お前の剣の道。そこは俺がかつて通った道でもある。そこから幾つもの壁を越えて、俺は今の位置まで剣を極めた」
無論、極めきったとは思わない。
それは己の可能性を狭めてしまう。未だ見ぬ極限。未知の理が眠っているかもしれない。人は、やれば何だって出来るのだ。
そして事実として石丸の遙か先の場所に、自分は立っているのだと。
「俺達の様な狂人にとって、死地は成長の機会に他ならない。お前もザビエルとの戦いで強くなったのだろう」
「…………」
以前見た実力よりも遥かに強くなっている。剣を合わせるとそれはより鮮明に感じられる。その差もはっきりと解る。故に、
「だが、まだ足りん」
――俺を倒すには足りない。
「お前がこの戦いでどれだけ成長出来るかは知らないが……壁を一つ二つ越えたところで、俺はそこにはいない」
己がいる場所は遙か先だ。
それを見せつけるように、レオンハルトは剣を振る。
「ならば、十でも二十でも越えてやろう……!」
しかし石丸は折れない。
「お前を越える……!」
迷いなく越えてみせると断言する石丸に、口の端を僅かに上げて、
「よく言った。ならば、ここからは少し気張れ」
剣を握る力を強め、レオンハルトは闘気を溢れ出させる。
思うのは先程の石丸の言葉。
……皆の夢を叶える、か。
まさか似たようなことを考えていようとはな、とレオンハルトは内心で笑みを作る。やはり石丸とは馬が合うのかもしれない。奴の考えは自分としても大いに賛同出来るものだ。
だが似てはいても、己のやり方とは根本的な部分で違う。
自分はそのためなら何でもやる覚悟がある。必要とあらばこの手を罪無き者の血に染めても厭わない。
その上で、大切な者や救える者は出来る限り救ってみせる。
だが、想うだけでは夢は叶わない。
叶えるには“勝ち”続けるしかない。
そのための“力”だ。暴力だけじゃない。あらゆることに対応するための能力や力。
その中で最も重要なのが己自身の強さであるのだと、レオンハルトは知っていたし、何よりも立場の部分で自分達は相容れない。
レオンハルトは魔人として、そして何よりも大切な者達のためにも負けるわけにはいかないし、彼らを殺さなくてはならない。
その手向けとして、出来る限りの力を見せて殺してやる。それこそが敵の戦士に対する礼儀であると、レオンハルトは更に力を出すことを決めた。
「――少し、“本気”を見せてやる」
藤原石丸は、視界であるものを確認した。それは、
……剣の光が強くなったか!?
魔人レオンハルトの持つ魔剣。紅くなったその煌めきが更に強く輝いている。
それだけではなく、レオンハルトの闘気と混ざり合って物理的な圧力となり、周囲の空気が歪んで見えてくる。
レオンハルトは魔剣を大上段に構えると、身体を捻り、力を溜めた上で腕を振り下ろした。
「“震天”……!」
「……!」
瞬間、石丸は本能に従い受け止めることをやめ、地面に倒れた月餅を拾って右側に駆けた。
レオンハルトの魔剣が凄まじい勢いで振り下ろされ、地面を叩く。
その時、戦場にいる誰もがある現象を感じた。
「……!?」
石丸達がいる場において起きた現象は、レオンハルトがその手に持つ魔剣で大地を百メートルほど
だが戦場の大部分では、レオンハルトの必殺技の副次的な現象として彼らがいる場所を中心とした震動が発生した。
それは、
「地震か……!?」
紛れもない――“地震”であった。
それを機に戦場の中心で行われる戦いは、より一層激化した。
~教えてスラル先生~
スラル「というわけで今日は魂についてよ」
レオンハルト「また面倒そうな物を……」
スラル「しょうがないでしょ。よく解んない人もいるかもだし。――というわけで魂っていうのはこの世界を構成する基本物質よ。実は大陸なんかも魂で出来てるの」
レオンハルト「人の魂も普通に“魂”だけどな」
スラル「その辺りちょっとややこしいから今回は省くけど、生物の身体に入ってるのも普通の魂ね。基本は一人一個なんだけど、天使や悪魔。そしてドラゴンなんかは魂を複数持ってたりするの」
レオンハルト「確か魔王も複数持ってるんだよな」
スラル「そうよ。実は魔王は複数の魂を持っていて、魔人を作る際はその魂を分け与えて作るのよ。魔人が使徒を作る際も同様。だから魂のない生物や死体でも魔人や使徒に出来るの」
レオンハルト「後は……勇者とかも特殊だな」
スラル「勇者はまた今度出てくるから割愛するけど、また面倒なシステムなのよね。勇者自身の魂のシステムもおかしいけど、問題は例のアレね」
レオンハルト「ほんと面倒だからな。……とりあえずこんなものか」
スラル「うん、というわけで今回はここまでね。魂については全部説明しようとすると1話丸々魂の話とか出来るからちょっとずつ小出しにしていきますってことで。――それじゃあまた次回に会いましょう!」