人類の希望、勇者アキラが魔王ジルに為す術もなく敗北してしばらく。
各地の人間牧場は容赦なく人間を苦しめ続け、その扱いを日常のものとしていた。
そして野良では、魔物の目を盗みながら身を寄せ合い、怯えて生きるしか無い人間達。
そんな時代のそんな環境において、この時代に生まれた一人の男は、その全てを“どーでもいい”と称し、思うがままに生きていた。
「――……あぁ……? もう朝か……」
岩山の影に隠れるようにして作られた閑散とした人間の村。その小屋の中で、一人の青年が目を覚ます。
目元を隠すほどの長さの暗い紫色の髪を適当に掻き回し、欠伸をしながらその身をベッドから起こす。古ぼけたものしかないが、毛布があるだけでも上等だ。他の家具も、軒並み質素だが、この時代の人間の暮らしにしては並以上の生活を送れている様子が窺える。
男が使っているねぐらだが、その小屋も、家具も、全ては適当にそこらからかっぱらってきたものだ。
家具を売ってる親切な店など、存在しない。それどころか、店なんてものもかなり珍しいものだ。時折やってくる、なんたら商会の行商人とやらが、数少ない貴重な食料などを売りに来る場合もあるが、基本は自分達で調達するしかない。
野良の人間の暮らしなど、そんなものなのだ。餓死する者も多い。誰もが生きることに必死なのだ。
だがそんな中にあって、この青年――レイ・ガットホンは、特に焦ることも不安に駆られた様子もなく、面倒そうに起き上がって、そこらを見渡して呟いた。
「……メシがねェな」
生きるためには必要不可欠な食料がない。
それは死活問題であったが、レイは特に何も思うでもなく、腹が空いたから、という己の本能と欲求に従って何の気なしに外に出る。
「さぁて……」
荒野の岩山に隠れるようにして建てられた人間の村。その離れに建てられた小屋から出てきたレイは、朝日を鬱陶しく思いながら村へと降りていく。
今の時間であれば夜のうちに外に行っていた奴らが帰ってくるころだろうと。
そして案の定、レイの求める類の者はいた。
「はぁ、なんとか手に入れられたな……」
「これでまたしばらくは保つ……」
何名かの男たち。彼らの手には、何かが入った大きめの袋がある。
それはおそらく、食料であることがレイには分かった。
だから、レイは何も憚ることなくそれを実行に移す。彼らの背に近づき、
「おい」
「え……っ、レイ……さん」
男達がレイに気づく。会いたくない人物に会ってしまったかの様に引き攣った表情を浮かべつつも、下手に出るような怯えた表情でレイの顔色を窺う。
「ど、どうしたんですか、レイさん?」
「……分かってンだろ。――食料だ。寄越せ」
それ以外に、己がお前らに声を掛ける理由などありはしないと言った風に、レイは貴重な食料を寄越せと男達に言う。
そんな横暴な振る舞いに、しかし男達は怒ることはなく、やはり顔色を窺うように告げた。
「で、でも……これは、村の人たちの分もあって……」
村の人たちの為に危険を冒してまで取ってきたという食料を、全て渡すわけにはいかないと、男はレイに訴える。
しかしレイはその答えに鼻を鳴らし、
「ふん。だったらお前らだけでここを守ってみるか?」
「それは……」
男達が言い淀む。レイはそんな彼らの反応を鼻白みながら、
「魔物を追い返す代わりに、食料を寄越すって言ったのはお前らだろうが」
と、レイの口から告げられたものは事実であった。
だからこそ、男達はそれに言い返す道理がない。
しかし感情からか、空腹状態であるという本能からか、男達は胸の内に黒いものが湧き上がる。
確かに食料を分けるとは言ったが、毎日の様にきっちり一人分の食料を取られてはたまったものではない。
レイ一人が1食に食べる分で、ここの人間は3食以上は平気で保たせることが出来るのだ。
この時代の一食分と言えば、それが通常のものである。レイのように腹いっぱいに食べられることなど、あり得ないのだ。
だからだろうか。男達は衝動的に、レイを害することを決めて、媚びるような笑みを見せる。
いつでも懐のナイフに手を伸ばせるようにしながら、
「……分かりました。食料を――って、あれ? レイさん、後ろに何か落ちてますよ?」
「あん?」
男が指を指した先を、レイが身体を半身にして視線で追いかける。その顔が、こちらから逸れた瞬間だ。
「――っ!」
男はレイの心臓目掛けてナイフを突き刺そうとした。
だが、
「――バレバレなんだよ雑魚共……!」
「なっ……!? がっ!!」
襲いかかってきた瞬間に振り返ったレイの拳が、男の顔面を直撃する。
顔面の骨を砕きながら数メートルほど吹き飛ばされた男の一人に、もう一人の男も焦って得物を抜こうとするが、
「おっ……らぁっ!」
「か、はっ……!?」
その前に首根っこを掴んで自分の元に引き寄せたレイは、もう一人の男をそのまま反対の手で殴り倒し、倒れた男を思い切り蹴りつける。
痛みと衝撃で完全にダウンした男達を見下ろし、レイは苛ついた様に吐き捨てる。
「ケッ、つまんねェ騙し討ちなんかしやがって……やるならもうちっとマシな挑み方しやがれ」
この程度じゃ熱くなることも出来ないと、レイは男の手から落ちた食料を手に取りながら怠さを感じて息を吐く。
「クズ共が……これじゃあ、俺の方が騙された間抜けだな」
求めるばかりで、群れるクズに悪態をつく。この男だけではない、
食料程度なら自分でも取ってこれるが、レイは己を利用しようとしているだけのクズに踊らされた自分にも自嘲する。
レイ・ガットホンには、生まれながらに力があった。
周囲を顧みず、我を通せるだけの力があった。
人間にしては異常な力を持つレイの強さは、人間だろうが魔物だろうが問題にせず、好き勝手振る舞うことが出来る。
そして本人も、我を抑えるような気質でもなく、頼まれたからと無償の奉仕を行うような性格でもなく、愛想もない。
周囲の人間はレイの秀ですぎる力を恐れ、彼から距離を取った。
しかしそれも、レイは問題としない。
孤立しようがレイは生きられる。それを問題にしないだけの力がある。
強すぎる力に怯える周囲の方がくだらない雑魚なのだと、彼は思っていた。
偶然にも魔物に襲われている村を、ただ暴れたいからという理由で魔物を殴り殺して助け、まるで英雄の様に祭り上げられたが、それを鬱陶しく思い、食料をくれるというので何となく少し居着いてみた。
しかし彼らは、レイの力を利用しようとしていただけであった。
ここのところ、魔物が村を襲ってはいなかったため、もう必要ないと判断したのだろうか。とにかく邪魔者だと思ったのだろう。
村の人間はレイのことを皆恐れているし、疎ましく思っている。それは彼らの視線や態度から垣間見えた。
「――くだらねェ」
そんな思惑に乗ってやる必要なんてない。自分はやりたいようにやるだけだ。
生きるために必要なのは力だけである。それは特に教養のないレイであっても分かる単純な現実だった。
世界は魔物で溢れかえっており、人間は彼らに飼われるか、隠れながら生きるしか無い生き物だ。以前耳にした話だと、数十年前まで、レイが生まれる少し前までは、人間も国というのを持ち、魔物と戦争して覇を争っていたというが、それが本当か嘘かすらどうでもいい。
少なくとも今、レイが知る世界では、力が全てだった。
腹を満たしたければ自分で取ってくるか、他者から奪うしかない。どちらも力が必要不可欠であり、中にはここと同じ様な隠れ里などで交渉や金、物々交換などをして手に入れることも出来るが、それも能力や知恵がある者だけであり、より確実なのは力の方だ。
他者から奪うことなんて、当たり前のことなのだ。レイもそうやって生きている。
飯を奪い、気に入らない相手を潰し、ヤリたい女がいれば襲う――それが普通の世界だ。
別に欲が強い方ではないレイだが、やりたいことをやるだけであり、それらを抑える理由も気分もなかったのだ。
「……ふん……ここもつまらねェな」
レイは独り言を呟き、早々にこの村を出ることを決める。
食料を取りに来たその足で村から出ていくが、ねぐらに戻って持っていく物など一つもないし、必要になればそこらで取ってくるだけだ。
僅かに向けられる視線を受けながら、レイは袋から適当に取り出した黒くて固いパンを取り出して口に含む。
不味くもないが、別段美味というわけでもない味だが、これでも人間が食べるものにしてはかなり上等なものだ。そこらの得体の知れない草を食べることだってあるし、人間牧場から盗んでくるようなものは、これまた得体の知れない固形物だったりする。
以前手に入れた、冒険者用の携帯食料なども、よく分からない食感とよく分からない味のものばかりだった。
しかしそれらを不味いと言えるだけの舌を、今の人間は持ち合わせていなかった。
もう少し上等な隠れ里にでも行けばマシなものが食えるかもしれないし、何か幸運があって、もしくは数十年前を知る老人などであれば、以前食べていたような料理の味を知り、今の時代に食べるものを、“不味い”と評することが出来るのかも知れない。
レイが食べている黒パンは、どこで手に入れたものかは分からないものの、かなり上等なものの一つで、レイにとっても食えない味ではないと思わせるほどではあった。
しかしレイは、飯の味などどうでもいいと、同時に思う。
彼の心に常にあるのは――“退屈”だった。
……つまらねェ。
胸の内を占める“渇き”と退屈。そして沸々と湧いてくる苛立ちに、レイは年がら年中、苛まれていた。
そしてだからこそ、こうも思う。――暴れたい、と。
レイがその退屈を紛らわせることの出来る唯一のものが、己の力を存分に振るうこと。
即ち――戦いだった。
故に彼は駆り立てられるように、何もない荒野を一人で歩き出して、退屈を紛らわせるための相手と機会を探す。
切っ掛けや相手は何だっていい。
ただ暴れられればそれで構わない。やりがいのある相手であればなお良い。
以前に相手した強いモンスターや、人間の冒険者との戦いを思い出してその衝動を高めていく。
襲いかかってきた相手や、目が合った相手をブチのめしてしまえばいい。
些細な切っ掛けでも、彼の中で燻っている苛立ちを、怒りに燃え立たせるのには充分なのだ。
だからこそ、彼は魔物兵の集団を見つけた時、自然と笑みを浮かべてしまう。
「はははは! おら、逃げろ逃げろ!」
「魔物様を楽しませてみやがれ!」
それは魔王の配下である魔軍の兵。彼らが行うのは、この時代では珍しくもない――“人狩り”だ。
普段は人間牧場にいる人間達を魔物達は虐げているが、それをつまらなく思ったのか、より活きの良い獲物で愉しみたいのか、魔物兵達は野良の人間達を探して追い詰める人狩りに、少なからず精を出すようになった。
「うああっ! あがっ、ひっ! やめ、やめてくれぇぇぇ……!」
「いや、ひぎ、うぐっ、いや、いやぁ……!」
レイの視界の中では魔物兵の集団が人間を囲むようにして襲い、男が拷問され、女が犯されている。
それらを助けるつもりなど、微塵もない。
だが、魔物兵の集団というのは、今のレイにとって都合のいい相手であった。
故にレイは、無造作に、気配を隠すでもなく、ずかずかと自然に近づいていく。
「……ん? おっ。こっちにも人間がいるじゃねぇか」
「え? ああ、本当だ。へへ、追い回して……って、おい。なんか普通に近づいてくるぞ?」
「逃げないのか? ……ひょっとして頭イッちゃってる系の奴じゃないか?」
「えぇー、それなら俺はパスだな。狂った人間虐めてもつまんないし……」
「探せば牧場に幾らでもいるからなぁ……まあ、大体勝手に死ぬんだけどよ」
「狂っちまうと反応も鈍いしな。放置してようぜ」
「ま、そうだな。それか、やりたいやつが勝手にやるだろ」
と、魔物兵達はレイが近づいてくるのを見ても特に戦闘態勢を取るわけでもなく、他の人間を虐待する方に戻っていった。
彼らの反応は、人間が変わった動物を見つけた時のものに似ていた。
こちらを見ても逃げようともしない変わった個体。だからこそ、関わっても楽しくないだろうと魔物兵達は無視する。
しかしそのレイという動物は、人間の中でも、とびきり凶暴な――猛獣だった。
「ぐあああっ……っ!?」
「! 何だ?」
「悲鳴か?」
次の瞬間、魔物兵が殴り飛ばされ、即座に絶命する。
魔物隊長や魔物兵が何事かと未だ事態を把握していない様子で、断末魔の方向を見ると、
「へっ……ちったぁ、楽しませろよ」
と、魔物兵を殴り飛ばしたレイが、前髪の奥の眼光を、魔物達に向ける。
そして、取り出した櫛で、前髪をかき上げて戦闘の邪魔にならないように、全力を出せるようにすると、
「――――叩き潰してやる!」
「っ……!?」
魔物兵達は、単身で突っ込んでくるレイとの戦闘に、不意打ち気味に突入した。
――レオンハルトシティ。
魔物兵達が行き交う大通りから少し外れた路地に、魔物兵達に人気のお店があった。
大衆食堂、“食仙人”。このお店は日頃から多くの魔物兵達が気に入られている知る人ぞ知る名店であり、レオンハルト軍が発行しているレストランガイド、“ミシュランブック”にもお勧めのお店として乗っており、あのグルメ魔人、ガルティアも星二つを付けるほどの人気店なのだ。
普段は常連と新規客で溢れるその店内は、しかし今は、閑散としており、カウンターに二人の人影があるのみであった。
人の形をした二人は、人であって人ではない。魔の気配を色濃く漂わせる二人は、この店を貸し切りにした魔人であった。
「――ああ? 兵がやられてんのか?」
「ああ……というか、お前のところの兵だけどな」
と、カウンターで大量の料理を並べて食事をするのは、褐色の肌に紋様が目立つ緑髪の青年、魔人ガルティア。
そして幾つかの料理を摘みながら、珍しく酒を飲むのは、短く切り揃えられた金髪に、鋭い目つきから赤い眼光を覗かせている魔人、レオンハルト。
二人は特に理由もないが、たまにこうして何となく飲みに出かけることがあるのだが、そこで不意に、レオンハルトから情報が齎された。
レオンハルトとしてはそれを言うついでに誘った様な部分もあるが、そうとは知らずにガルティアが軽い調子で驚き、何気ない様子で料理を口に運びながら呟く。
「マジかよ。全然知らなかったな……」
「おい」
何で知らないんだ、と呆れる様にレオンハルトが責める視線をガルティアに向ける。ガルティアは気にした様子もなく、笑みを浮かべ、
「つっても、ここ数日はこっちにいたからなぁ……そんくらいの出来事だろ?」
「まあ、そうだが……にしても何で俺の方が先に知るんだ……普通、お前のとこにまず報告が行くだろ」
と、レオンハルトは半ば嘆くように指摘する。ただでさえレオンハルトは忙しいのに、何故ガルティアのところの兵の報告がこっちに来るのかと。
しかしガルティアは思い出そうとするように声を上げ、
「あーーー……そりゃあれだな」
「? あれってなんだ?」
再度問うような言葉に、ガルティアは頷く。あっさりと、
「なんかあったら報告はレオンハルトの方に送っとけって命令したから……」
「ふざけんなよテメェ!?」
レオンハルトが瞬間的に怒る。厨房の奥でガシャン、と食器を落とすような音が聞こえたが、それに構うこと無くレオンハルトはガルティアに詰め寄る。
「俺がどんだけ忙しいか分かってんだろ!? 自分のとこの事件くらい自分で把握しとけ!」
「あー、悪い。前に長いこと城に来た時に伝えちまっててな。レオンハルトに伝えてくれれば、ついでに俺にも伝わるかと思ってよ。それ、無効にするの忘れてた」
さしものガルティアも、レオンハルトの剣幕に若干目を逸らして苦笑混じりに謝る。それを聞いてレオンハルトも、まだ若干イライラとしながら、
「……とにかく、お前にやってもらうからな、その仕事」
「その人間を殺せって?」
情報を聞いたガルティアが軽い調子で問いかける。魔人の世界にとって、誰ぞを殺すなどの命令や仕事は日常茶飯事であり、今更両者の間でそのことで引っかかりはしない。
気になることがあるとすれば、その人間がかなり強いらしいってことくらいだ。それこそ、兵では敵わず、何度も人狩りの部隊がその人間を殺そうとしているが、いつまで経っても捕まらないくらいには。
だからこそ、遂にはその命令が出されたのだ。
「……ジル様からの命令でな。その人間を捕らえて眼の前に引きずり出せ、ってな。そのための采配を任されたんだが……それをお前にやってもらう」
「ってことは捕らえろってことか」
魔王ジルからの命令。魔人達を従える女王から直々の命令で、その人間を捕らえろと告げられた今、そのために動かないわけにはいかず、それが実現しないわけにはいかない。
魔王の命令は絶対。言ったことは、必ず叶えるし、叶うものだ。
魔人筆頭、魔軍参謀として、レオンハルトはそれを叶えるために最善を尽くさなければならない。
故にガルティアにそれを頼んだのだが、ガルティアは顎に手を当てながら、
「まあ、いいけどよー……それなら暴れたくてしょうがないレキシントンとかノスにやらせればいいんじゃねぇか?」
「暴れたがりだからやらせたくねぇ。ノスなんかは忠実に従うだろうが、レキシントンだと、仕事の最中に滅茶苦茶やりそうだからな……」
「あぁ、なるほどな」
レキシントンなどは暇そうで暴れたそうにしているが、それだけに人間を間違って殺してしまわないか不安でしょうがない上、仕事をきっちりこなしてくれなさそうで任せたくない。
ノスはジルの命令なら素直に従うだろうが、レオンハルトは道理に従ってガルティアに任せることにしたのだ。
「へっ……まあ、俺の管轄内で起きたことなら、俺がやるのが筋に違いねぇな」
「そういうことだ……はぁ……なんでジルは俺ばっかり……他の奴にしろよ……」
レオンハルトが酒を煽りながらそう結論付ける。
どうにもストレスが溜まっているのか、いつもより飲むペースが早い上、ブツブツと愚痴を呟いている。
酒を飲むことも少ないレオンハルトがこれだけ飲むとなると、やはりそういうことなのだろうとガルティアは思う。
大体自分と飲む時は愚痴なんかも多いが、最近は特に苦労があるようだった。
だから、というわけでもないが、ガルティアは食事を取りながら肩を鳴らして何の気なしに言う。
「……ま、お前も忙しそうだしなあ。結構やる奴みたいだし、たまには腹ごなしに動くとするか」
「そうしてくれ……いや、ほんと頼むぞ」
頼むから逃してくれるな、というため息付きの言葉に、ガルティアは強いと噂の人間を思い、楽しげに唇を歪ませて頷く。
「任せろ。これ食ったら行く」
「……お前にしては行動が早いな。それ食ったら行くんだな?」
と、レオンハルトが訝しむように確認を取る。
するとガルティアはその場で動きを止めて考え込み、
「……やっぱ後数軒――いや、数十軒回って、最後に城で飯食ってからでいいか?」
「――いいから早く行けッ!」
レオンハルトの素の怒りの声が室内に木霊する。
――ガルティアは己の友人から頼まれた仕事をこなすため、その日のうちに自分の軍を率いて、目当ての人間を探し始めた。
スラル「分かってたけど、チンピラというか不良感凄いわね……」
レオンハルト「普通に考えたら直ぐに死にそうなかませ役だけどな」
ザビエル「ふっ……このような小物、直ぐに死ぬであろうな……」
ギリなんとか「調子に乗っておりますな」
ヴラド「ふははははっ! 調子に乗って生き延びられるほど、この世界は甘くはないぞ!」
スラル「…………ツッコむべき?」
ナイチサ「――蒙昧の罪により死刑」
レオンハルト「もう死んでるのにまた殺すのか……(困惑)」
クエタプノ「……? それくらいよくあることですよね?」
スラル「…………やっぱりツッコむべき?」
ハンティ「ツッコミ過ぎると何故かボケキャラと組まされることになるから止めたほうがいいよ(白目)」
スラル「ああ……」
ラウネア「…………(次回もビリビリ。次回はビリビリするかも)」