「よいしょっと……さて、それじゃあ次は白兎の様子を見に行かないとね……」
立ち上がり伸びをし、そう独り言を呟くのはレオンハルトの使徒であるハンティだった。
彼女は主のレオンハルトから幾つか任された仕事を順番にこなすために文字通り、東奔西走していた。
ホ・ラガという人物や何名かの人間を他の使徒達とともに探し回り、それが終わったら一度報告に戻り、それからレキシントンが人狩りを行うところを監視し、それが終わったらJAPANでイヴや藤吉郎と共に冒険に出ている白兎の様子を見に行く。
瞬間移動という便利な魔法を使えるハンティは、この手の連絡役や偵察といった任務をよく任されるのだが、その中でも今日は特に忙しいし、面倒な仕事も多い。特に、
……レキシントンには苦労させられたね……。
今日の仕事の中ではレキシントンの監視が中々に面倒だった。
レキシントンが人狩りを行った村に、レオンハルトがリストに挙げた人間がいたので、それを守るために人知れず山の中に入ってくる魔物兵や鬼を魔法や結界で遠ざけるなどしていたのだ。
それが中々に面倒かつ地味な作業だった。とはいえ一応は人助けの仕事なので手を抜くことも出来ない。
……どうせなら、レキシントンに喧嘩でもふっかけて注意を逸らすとかすればよかったかな。
それなら村そのものを救えた気もしたが、他の人間は放置しろ、との命令なのでそれは無理だ。なので後で個人的にレキシントン――はマズいから、アトランタ辺りをボコろう。会う度にからかってくるし、そろそろメッタメタのボコボコにぶん殴っておきたい。
それくらい、最近の仕事はフラストレーションが溜まるのだ。
研究や警備、人間街の管理など、その手の仕事はもはや慣れてしまったが、牧場関係の仕事や人狩りなんかを見てると苛立ちは募るし、戦闘関係の仕事がないのも身体が鈍ってしょうがない。
魔王ジルの治世は様々な意味で最悪なものだ。これなら一代前のナイチサの時代の方がマシに感じてしまう。昔は人間相手の戦争など気が進まなかったものだが、こんな牧場経営なんてするくらいなら戦争した方がマシだ、と、闘争に満ちていた昔を懐かしんでしまうくらいには、今の時代は生きにくい時代だ。
もっとも、人間にとってはどっちがいいかなんて微妙なところだとは思うが、個人的には、人間にとっても昔の方が自由に生きられたと思う。戦争ばかりの厳しい時代ではあったが、それでも今よりは自由や充実があったはずだ。
……考えてもしょうがないことだけど。
と、ハンティは頭を振る。魔王の意向で、その時代の世界の方向性というものは決まるのだ。
ドラゴンがまだ数多く生きていた時代ならともかく、魔王を脅かせる生物は今の世界に存在しないこともあって、魔王の意向こそが世界の絶対的な法となる。逆らう奴は死ぬだけだ。
その事実を分からされてはいるものの、それがあってもあんな奴に従わなければならないというのは溜息が漏れる思いだ。
……この後の相手は、良い感じの相手であることを願うよ。
レオンハルトではないが、それこそ自分の趣味として何か楽しめることがないと気が滅入ってしょうがない。カラーの里が平和だったり、模擬戦なんかも行える分、精神的な安定は図れるが、それでもたまには新しい相手と戦いたいものだ。レオンハルトとかライゼンは燃える相手ではあるが、どっちも化け物過ぎてムカつく時がある。終わった後にスッキリもするが、悔しさみたいなのも沸々と湧いてくるので“戦いたい欲”が結果的に収まらないのだ。
レオンハルトは相変わらずの無茶苦茶剣術が破れないし、ライゼンはあのインチキ装甲が突破出来ない。どちらもやりがいはあるが、通じなかった時のフラストレーションが半端ないのだ。
なので、この後任されている白兎の様子見と連絡を終えれば、次の仕事はそれなりに愉しめそうなので期待している。久々の新しい未知の相手だ。
「えっと、白兎の場所は――」
と、ハンティは瞬間移動でアドミラル空間に移動し、時が止まった世界で白兎達を探す。
JAPANにいることは確認しているし、魔法で探知することも出来る。そうでなくとも瞬間移動中に探していれば、相手はその場から動かないのでいつかは見つかる筈だ。
そうして、しばらくJAPANを歩き回って探していると、
「――あ、いたいた」
道中を行く白兎達を見つけた。イヴや藤吉郎もすぐ近くにいる。
そう思い、瞬間移動を解こうとして――ハンティは不意に、それを視界に入れた。
「…………は?」
ハンティが間の抜けた声を上げる。だが、それも致し方ない。
白兎達一行の中に、ハンティは見覚えのある人物がいることに気づいた。
褐色の肌に大きめの煙管を持つ人形の異形。それは約700年前、ハンティとある戦争で戦った人物。それは、
「……戯骸……?」
魔人ザビエルの使徒、戯骸こと朱雀。
ハンティとも親交のある人物が、白兎達に混じって旅をしていたことに、ハンティは脳への理解が少し遅れてしまった。
はぐれ使徒の戯骸を友達認定し、仲間を増やした白兎達は、山を降りて冒険を続けていた。
「――それで、なんか目的の場所とかあんのか?」
煙管から炎を吹き出しながらそう問いかける戯骸。明らかに異形ではあるが、人間ということで誤魔化すか、使役している妖怪ということにでもすることにした。JAPANには陰陽道という鬼なんかを調伏、使役して操る技術があるらしいし、そういうことでもおかしくはないだろうと、
「特にありませんが、何か面白い冒険がしたいです」
「……漠然としてんなぁ。まあ、いいけどよ」
「すみません……」
白兎が堂々と目的がないことを伝えると、戯骸が一瞬間を置きながらもからからと笑う。何故か代わりにイヴが謝罪をしながらも、一行はJAPANの街道をゆっくりと歩いていく。
しかし特にやることがあるわけでもないので、周囲の警戒だけは一応しつつ、呑気に会話を行っていた。
だがその途中、不意に声が響いた。
「――――戯骸!」
「あ? ――おおっ!?」
「あ、ハンティさん!」
それはその場にいる全員にとって聞き覚えのある声であり、正面に突然現れた女性の声でもあったが、彼女を知っている者であれば、気配もなく突然現れたことに対する驚きはない。
しかしそれでも驚いたのは、ハンティが現れた瞬間、戯骸に向かって斬りかかったからだ。
故に白兎がその彼女――ハンティの名を宙に響かせた瞬間、それを確認した戯骸はそれに目を剥き、先程藤吉郎に会った時のように驚きながらも、煙管を器用に回して不意打ち気味のハンティの剣を防ぐ。
「おお、ハンティじゃねえか!? ハハッ、久しぶりだなあ! 出会うなり、斬りかかってくるたぁ、変わってねぇなあ! 懐かしくなるぜ!」
「久しぶりなんて呑気に言ってんじゃないよ! あんた、何でこんなところに……! 生き返ったのはまだしも、何で白兎達と一緒にいるのさ!?」
「まあ、それは成り行きというか、お前さんの主の娘のせいだな」
「っ! しかもそんなことまで……!」
「ああ……やっぱり怒られそう……」
ハンティの反応に、イヴが頭を抱えて白兎の後ろに隠れる。何気に白兎がレオンハルトの娘である事実がバレてしまっていることがどうしたものかと悩ましいものであったのだ。
それよりハンティが有無を言わさず戯骸と戦う意志を見せているので、悪意はないと弁解しとかなければ、と思うも、
「私のお友達です!」
「えっ?」
……は、白兎さん!? そんな急に言うのは……!
端的に、しかも何故か自信満々に前に進み出て、戯骸を指し示すように両手を上げながら紹介した白兎に、イヴが白目を剥く。それだけ言っても何が何だか分からない気がするのだが、ハンティは訝しみつつも、一度戦闘態勢を止めて、
「お友達って……戯骸が?」
「はい! 火の鳥は格好いいのでお友達になって貰いました!」
「……戯骸、あんた……」
「おいおい、変な疑いを持つなよ。白兎の言う通りだし、何の企みも下心もないぜ。それに、俺の趣味は知ってんだろ?」
「っ……ああ……そういえばそうだったね……」
何故か“戯骸の趣味”という語句を聞いて、ハンティがげんなりしたように頭を抱える。
観察力や洞察力に長けるイヴは、そのハンティの様子から戯骸の趣味が少し特殊であることを見抜いたが、それが何なのかは分からなかった。
前の文脈から察するに、下心が絶対にないだろうと証明出来るような趣味なのだろう。そう考えると……実は子供好きとかで物凄い優しかったりするのだろうか?
しかしそうだとすると、ハンティがげんなりする意味が分からない、とイヴは首を傾げる。よっぽどの事ではあるのだろうが、
「というわけでハンティさん! 戯骸さんも私の冒険の旅の仲間に加えますので! その様に父上に伝えておいて下さい!」
そんなイヴの思考を待たずに、白兎はやはり、ふふん、と友達を自慢するように胸を張ってハンティに告げる。ハンティは何とも言えない迷った様な表情になり、
「……う、うーん……まぁ、戯骸なら……良いかもだけど……レオンハルトがなんて言うか……」
「ま、そりゃそうだよな」
「父上は関係ないです! お友達は自分で選びますので!」
「いや、そうは言ってもねぇ……あたしからはちょっと何とも……レオンハルトは親馬鹿だし……なんて言うか読めないねぇ……」
呆気らかんと納得してる様子の戯骸に対し、白兎は親は関係ないと憤ったようにハンティに言いつける。ハンティも困ったように額を押さえていると、何かを思いついた白兎が静かな声で、
「……でしたらハンティさん。冒険が終わるまでは戯骸さんのことを報告しないで下さい。帰った時に、私が直接説明しますので」
「いやぁ、さすがにそれは――」
「じゃないと、父上に言いつけて暫くの間戦闘禁止にします」
「あたしは何も見てないね、うん」
「……それでいいんですかハンティさん……?」
見事な変わり身の速さに、イヴがやんわりとツッコミを入れる。使徒的に命令違反はどうなのだろうと思うのだが、ハンティは冷や汗を僅かに垂らしながらも笑みを向け、
「ま、まぁ、戯骸ならレオンハルトも認めるとは思うよ……多分。後、勝手に気づかれる分にはあたしは知らないからね?」
「はい、それでいいです。――というわけで、これで父上に何か言われることもなく、冒険が続けられますね!」
「お、おおう……お前、強引だなあ……」
結構頑固なんですよ……、と内心でイヴが言っておく。小声でも、異常聴覚を持つ白兎には聞かれてしまうので、言葉には気をつけなければならない。これくらいで怒ることはないだろうが、納得いかないことを言うと、長々と話して論破しようとするので今回は自重した。
とはいえ、戯骸が一緒ともなると色々と頼もしいというか、戦闘面でも期待が持てそうな上に、暴漢なんかを追い払えそうなので重宝しそうだ。
自分達は見た目的に、か弱そうな少女二人なので、人間に襲われたりすることも多い。白兎があっさりと斬り捨ててしまうのだが、戦わずに済むに越したことはないのだ。
だからイヴ的にはありだと考えていると、ハンティが軽く息を吐いた。
「……ま、それはじゃあいいよ。戯骸には今度色々と聞かせて貰ったりするとして……」
「まあ、それはしゃーねえな。俺としてもけじめはつけとかねぇとだしよ」
と、戯骸が頷く。それにハンティも頷いたところで、続く用件を彼女は告げてきた。
「後は定期報告と連絡だけど、異常は戯骸以外は無さそうだし、こちらから告げるよ。――ちょっとの間、この先にある人間牧場付近には近づかないように」
「? 何かあったんですか?」
「まあちょっとね。危ない妖怪が出没してるから、近づかない方がいいかなって」
「危ない妖怪?」
と、今度はイヴが首を傾げる。白兎も同じ様に首を傾げ、“それってどんな妖怪ですか?”と質問を重ねると、ハンティは何故かいい笑顔と共に、
「何だか人間を殺して回ってるとかいう危ない妖怪でね。人間牧場の人間にも被害が出てて困ってるから、それをどうにかするって話が出てるんだよね。まあ、レオンハルトが来るか、もしくは先に被害が出るようなら先にあたしがちょいとね……やってみるのも面白そうだよね」
「ほお、強い妖怪ねぇ……まあ妖怪ってのは中々に厄介だからなあ」
戯骸が何かを思い出すように言うと、その次に声を発したのは、口角を上げた白兎だった。
「――それ、いいですね」
「いい……って、何が?」
「あ、嫌な予感が……」
付き合いの長いイヴが、白兎の不敵さを感じる様子に嫌な予感を感じて表情を歪める。
そして予想通りと言うべきか、白兎は皆の耳にはっきり伝えるように堂々とした声と表情で、
「――その妖怪、私が何とかしてみせます!」
「きー!」
右手を前に出すポーズを取って、肩に乗る藤吉郎と共に決め台詞の様に言い放ったが、他の3人は無言となり、少しの間を置いてそれぞれの表情で、
「やっぱりそういうこと言うんですよね……白兎さんは……」
「ハハハッ、やっぱりおもしれえじゃねぇか!」
「……いやぁ……さすがにそれは止めて欲しいんだけどね…………あたしとしてもちょっと……」
イヴが頭を抱えて笑いながら涙を流す中、戯骸は呑気に笑っているし、ハンティは苦笑しながらも戦闘狂を発症しているのか、出来れば自分がやりたいと言わんばかりの苦言を呈している。
しかしこの場において止めてくれるのはハンティだけなので、それに期待していると、
「なら、ハンティさんも一緒に殺りましょう。それなら、父上の到着を待たずに確実に相手出来ますよ」
「主の娘に命令されたらしょうがないよね、うん。しょうがないしょうがない。先に問題を解決しようとするのも主のためだしね」
「うう……ハンティさん……」
頼みの綱はあっさりと自分の欲を取っていった。解せぬ。やはり使徒としてどうかと思うが、変に自分を納得させて解決してる辺りで、イヴは泣きたくなる。
自分一人が人間ということをこの人外連中は分かっているのだろうか。魔人ハーフに使徒3体に、か弱い人間一人。人間にしては強いとは言っても、危ないことには変わりないのだが、
「うきー!」
「藤吉郎さん……ありがとうございます……」
四つん這いになって落ち込む自分に対し、藤吉郎がこちらの手をぽんぽんと叩いて励ましてくれる。“自分が付いてますぜ!”みたいなことを心で言っていたので、やはり味方はこのさるぼぼだけなのだが、
……でも、藤吉郎さんじゃ、そんなに頼りにならないんですよね……。
と、そんなことを思ってしまうが、さすがに口には出せないので掌で顔を隠して影で嘆いておく。
しくしくと落ち込むこちらを無視して、話は進み、
「具体的にはどんな妖怪なんですか?」
「それが分からないらしくてさ。嵐の様な雷を落として人間達を殺しては去っていく妖怪で、なんでも他の妖怪も従え始めてるとか何とか……魔物将軍が部隊を率いて迎撃に出たけど、それらしき妖怪の姿は見つけられなかったみたいだね」
「そりゃあ、強そうだな」
「雷の嵐に妖怪の軍勢……ふふん、これは雷斬りを達成した妖怪退治の英雄として名を馳せる好機ですね。滾ります」
「人間的にとってもキツそうな依頼なんですけど……」
「ええ、頑張りましょうね、イヴさん!」
「……ええ、そうですね……」
イヴが小声でそう言うも、白兎から有り難い励ましの言葉を頂く。そういう意味で言ったわけじゃないんですけど。
「ちょうどいい機会だし、イヴもこれで腕上げなよ。危なくなったらあたしも……というか、白兎が守ってくれるだろうしね」
「そうですよ、イヴさん! 私の友達に手を出す奴はぶっ殺なので安心してください!」
「……まあ、それはお願いします……」
魔法の師の一人でもあるハンティから背中を叩かれて激励を受け、白兎からも刀を手に、頼もしい言葉をまた頂く。いや、確かにパーティには恵まれているのでマシではあるのだが、最初の冒険で妖怪軍団と戦うとかハード過ぎる気がする。
……レオンハルト様がさっさと来てくれたりしませんかね……。
最強の魔人の出来るだけ早めの到着を願いながら、イヴは先頭を行く白兎に続いて、強い妖怪とやらを倒すための道中を、足取り重く進んだ。
「……何故か嫌な予感がするな……」
件の人里から戻ってきたレオンハルトは、その足で今度はJAPANへと向かっている最中だった。
だがその途中、妙に嫌な予感を感じて背筋が寒くなる。
……こういう時は碌なことが起こらないと決まっている。用心しておくか……。
今までの経験上、こういった悪寒には石橋を叩いて渡るくらいの慎重さが必要となる。これからやることを考えると、レオンハルトは特に嫌な想像をした。
……白兎達に何かあったか?
JAPANに冒険に出ている自分の娘に何かあったのだろうか、と心配になってしまう。
しかしハンティに様子を見に行かせてはいるし、何かあれば瞬間移動で教えてくれるだろうし、保険を掛けてはいる。大丈夫だとは思うが、やはり分身でもついて行かせるべきだったかと思うが、それは白兎に拒否されたので結局は信じるしかない。
しかし、そちらではないとなると、もうひとつの事案だろうかと、
……JAPANの人間を殺して回る妖怪か……まったく、どこの誰だか知らないが面倒なことを起こしやがって……。
人間牧場の人間も含めてJAPANの人間を殺して回っている厄介な妖怪騒ぎがあると聞いて、レオンハルトはその対処をするべくこの忙しい中でJAPANへと向かっていた。
どうにも魔物将軍らでは対処出来ないほどであるらしく、一応は自分の管轄であるため、自分にお鉢が回ってきたのだ。
ついでに白兎の様子を見に行けるかもしれないのは良いことだが、最近の時間の使い方を鑑みるに、その余裕があるかは微妙なところだし、その妖怪にどれだけ時間が掛かるかは分からない。
倒すのは一瞬で終わらせることも可能だが、見つけ出すのに時間が掛かるかもしれないし、時間が掛かればそれだけ、スケジュールが厳しくなる。
特に最近は、仕事以外のやらなければならないことで時間を取られているため、遊んでいる暇が少ないし、使徒も動かしているため、仕事が溜まってしまっている。
なのでこんな時に騒ぎを起こしてくれた妖怪には、頭を抱えたくなる思いだ。相手が未知数なのも相まって、面倒過ぎるものであり、
……とにかく、急ぐか……。
内心の憂いを溜息に変えて、レオンハルトは真っ直ぐJAPANへと向かっていった。
JAPANの山中。
そこに集まっているのはJAPANにのみ存在する異形の存在――妖怪だ。
様々な種類の、厄介な特性や人間を越える強さを持つ彼らは、大小様々な悪戯や悪事を働き、鬼と地震に並んでJAPANの民の悩みの種であった。
だが、そんな彼ら妖怪の中でも特に強大な力を持つ妖怪が、その中心にいた。
自由気ままに生きる妖怪達が率いられるようなことは、かつて妖怪王であった黒部以外には存在し得なかった。
かの妖怪王ほどの強さを持つ妖怪が、今まで現れなかった為である。
だがそれも、今までの話。今はそれだけの力を持つ妖怪が存在した。
「――――準備はよいか? ……では、行くぞ」
強大な妖気を立ち昇らせ、九本の尾を持つ
今度こそ討伐依頼? 妖怪と戦います。いやー、一体どんな妖怪なんだろうなー(棒)