※この作品はR-18です。

魔軍参謀の憂鬱   作:黒岩

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ちょっと間章的な話しなので分量あっても内容薄いかも? 次回からもレオンハルトのこういうアレなところをちょっとずつ挟みながら、エターナルヒーローと魔人の初遭遇話になるかな?


前哨戦

 魔物に支配される世界。

 魔王城がその世界の中心。権威の象徴だとすれば、その街は世界で最も重要な場所だ。

 ――レオンハルトシティ。

 魔軍の宰相に等しい魔人が治めるその街は、名実ともに世界一栄えている都市であり、多くの魔物がその街に居住し、また観光として訪れる魔物も多い一大都市である。

 建ち並ぶ食事処、屋台などの手軽に食べれる大衆店から、会員制の高級店まで、魔物界では珍しく、それでいて需要のある美食の街として知られ、劇場やスポーツ施設、街の外れには世界でも最大級の牧場であるレオンハルト直営人間牧場が存在し、娯楽の中心としても知られている観光都市であり、最強の魔人が治めていることから、治安が行き届いており、世界一安全な街でもある。

 その中には魔軍の重要施設も存在する。魔物将軍らが詰める司令部や各種会議場、訓練場や部署毎に設けられた事務所のような場所まで。

 その一つに、一般の将兵の立ち入りが許されない部署がある。

 ”情報部”と称されるその場所は、魔物将軍らであれば存在こそ知っているものの、どんな活動をしているか知っているものは少ない。知ってはいても断片的なものであり、どんな情報を取り扱っているかは知りえないものだ。

 だが出入りしている者達は確かにいる。魔物兵が時折その場に入っていくのだ。

 情報部専用の建物。だがそこは、内部の者達、真実を知る者達にとってはこう呼称されていた。

 ――“キリング商会本部”。大陸各地で活動している商会の本拠地であるそこに出入りするのは、まねしたやライカンスロープといった変身能力を持つ魔物だ。

 彼らは皆、人間や魔物兵など様々な姿に扮して、大陸中に散らばって活動し、諜報活動を行っている。

 情報収集、工作などを日常としているそこは、平時である現在も精力的に活動している様子であり、その証拠に、とある一室では魔物兵に扮したライカンスロープがある報告をそこにいる責任者達に届けていた。

 

「――その情報は確かなのか?」

 

「はっ……間違いないかと。リー様」

 

「…………ふむ」

 

 ライカンスロープから報告を受けるのは、赤い軍服を身につけた渋い中年男性の様な見た目の魔物。魔人レオンハルトの使徒であるリーであり、彼は今、代表者である使徒キャロルの代わりにこのキリング商会本部に詰めていた。

 レオンハルト軍という組織のおおよその仕事――牧場経営や各種訓練、士官の人事など様々な業務に携わるリーは、同じく様々な仕事に関わり、特に主からキリング商会の采配を任されているキャロルの補佐として、諜報活動にも従事しているのだ。

 もっとも、主であるレオンハルトは秘密主義な部分もあり、個人的な仕事などは魔軍を介さずに使徒に任せることも多いため、四体の使徒はそれぞれ大なり小なり、諜報活動を行っていたりもするが、組織的な情報収集を担当しているのはキャロルとリーであった。彼らは諜報とそれぞれキャロルが総務と経営、リーが工作と補給を担当しているのである

 使徒によって大まかではあるが担当が決まっており、ハンティなどは街の警備と魔法研究、ペールは内務、街の運営などを主に担当している。

 戦時になれば誰もが将として動くことにはなるし、他の仕事を手伝うことも多いが、概ね平時としての割り振りはこれが適当であった。

 それぞれに任せられた仕事はそこそこの量があり、大変なものではあるが、リーはそれを苦労とは感じない。

 主のために働けること自体が幸福であり、主がやることに関わっていられることが至福の時であるからだ。

 それに、これくらいで大変と言ってはならない。何故なら、

 ……レオンハルト様は、これ以上に大変なのだからな。

 リーはそのことを憂う。己の主であるレオンハルトの仕事量は魔軍参謀と魔人筆頭という二つの役職を兼任しているだけあり、膨大な量だ。

 先程あげた全ての業務にレオンハルトは携わり、時には口出しし、最終的な書類を全て確認しているし、レオンハルト軍だけでなく、その担当は魔軍全体でもあるのだ。

 各軍から集まってくる報告を確認することは勿論だが、潤滑な魔軍運営を維持し続けるのは並大抵のことではない。配下の魔人の管理なども仕事の内だし、魔王の命令に関しては言わずもがな。時には他の魔人の仕事を代わりに仕上げることもある。

 そしてその上で、レオンハルトには人付き合いにも手を抜くことなく、予定ややるべきことが詰まっており、一年中365日、忙しい毎日を過ごしているのだ。

 故にリーは憂い、そして思う。少しでも、その負担を軽減して差し上げなければ、と。

 この報告も出来ることならレオンハルトに伝えることなく、自分達で処理して差し上げたいくらいだが、それは出来ない。レオンハルトから厳命されているのだ。”例の件に関する報告は、例えどんな小さなことだろうと必ず報告しろ”と。

 

「……ご苦労。私はこの情報をレオンハルト様にお伝えしに行く。お前は暫く休んで構わない」

 

「はっ、ありがとうございます! ……あ、あと、一つよろしいでしょうか?」

 

「……何だ?」

 

 配下のライカンスロープに問う。何やら緊張している様子だが、どうかしたのかと思っていると、

 

「……忙しいリー様にこのようなことを口にするのは大変恐縮ではあるのですが……その……も、もしお時間があれば、一緒に食事など如何でしょうかっ!?」

 

「…………」

 

 ライカンスロープに勢いよくそのように言われ、リーは珍しく言葉を用意してなかったようで、押し黙ってしまう。

 予想外の言葉だ。食事の誘い自体は今まで部下の魔物将軍らから良くあったものだが、これは察するにどうなのだと考え、

 

「…………悪いが今は忙しい。また今度誘ってくれないか」

 

「……は、はい。畏まりました。……失礼します……」

 

 結局のところ、使徒であるリーは命令を守ることを選んだ。配下のライカンスロープに休暇を取るように告げて下がらせる。諜報活動という激務を担当する彼らの待遇は、レオンハルト軍の中でもかなり良い方であり、士官待遇とほぼ変わらない。それだけの旨みを提示しておかなければ、不満をもって離反する者が出かねないという危惧があるためだ。

 だが、気落ちした様子のライカンスロープを見ると、少し悪いことをしたか、とも思う。何かフォローをしたほうが良いか、とも。だが、

 ……それよりも今は、こちらの情報をお伝えするのが先だ。

 情報の取り扱いに、レオンハルトは何よりも注意しており、情報部で扱う情報も慎重に慎重を重ねており、それでいて更に重要な情報は使徒などの側近にしか明かさないという徹底ぶりで、自分達使徒が報告しなければ主は困ってしまうだろう。

 中には、自分達使徒にすら明かさない情報すらある様子だが、そのことを不満には思わない。主の秘密を詮索するなど冒涜も良いところだ。

 ……軍人は、命じられたことを忠実にこなすのみ。

 リーは信仰の対象である主のことが書かれた聖典を持つ手に力を込めると、人付き合いで忙しいはずの主の元に、幾つかの情報を持っていそいそと向かった。

 

 

 

 

 

 女性とは、とても繊細で難しいものだと彼は知っていた。

 男性と女性は、同じ種族であっても違う生き物に等しい。よく言われる言葉だが、これは真理に近い。

 性別が違えば、その心理、考え方、価値観などは身体的な差に勝るとも劣らない程に大きく違ってくる。一般的には脳が原因だと言われ、男性は論理的、女性は感情的だとされているが、その区分けの内容そのものはそこまで重要ではないと彼は考える。

 重要なのは、違っているからこそ理解出来ず、すれ違いが起こるということである。

 恋愛巧者と言われる人物は、総じてこの違いを擦り合わせる能力が高いと言えるし、相手に寄り添うことが出来る懐の深い人物である。

 理解出来ない相手に対する対応は“拒絶”が最も多い。人はそもそも違う生き物を拒絶したがる生き物だ。

 いや、動物の中にあっても、群れの仲間と違うほんの僅かな身体的な特徴があるだけで、その個体は群れから排斥されてしまうことだってあるのだから、人だけではないだろう。

 中には優れていることで、特別扱いされる者だっているが、それも差別であることには違いない。

 理解出来ない相手は怖い。これが自然な考えであり、会話し触れ合うなどして相手を理解することでそれは解消し得るものだが、それでも最初のハードルの高さは変わらない。

 それでも男女がそのハードルを越えたがるのは、やはり生物的に惹かれ合ってしまうからだろう。

 その部分に関しては、彼は細かい部分などはどうでもいい。単純に好意を持ってくれるのは嬉しいし、相手に応えることも、相手がそれに足る人物であれば吝かではない。

 彼は自分を安売りはしないし、相手はきちんと選ぶ。

 それは、そういった男女の仲に真摯でありたいからだ。そもそも複数の女性と関係を持っているんだから真摯もクソもねーだろ、という意見はご尤だが、そういうことではない。

 女性とそういう仲になるというのであれば、責任と覚悟がいる。相手の全てを背負ってもいいという覚悟だ。

 ありとあらゆる意味で守らなければならないし、そもそもきちんと愛すると誓わなければならない。愛されることで幸福は得られると考える彼としては、この愛するというプロセスは最も重要なものだ。

 身体的快楽は確かに甘美過ぎて毒になるほどに強い刺激だが、最も重要なのはやはり精神的な部分。愛し、愛されるという充足感こそが、幸福に繋がるものだという持論である。

 勿論、愛もないハーレムで幸福を得ることも出来ようが、ただ自分はそうではなかった。

 身体的接触を蔑ろにするものではないが、きちんと愛を与えながらやるものこそが、真摯な恋愛であるのだと。

 その部分に関して、己はそれなりに優れている自信がある。あまり口に出すことでも自慢するべきことでもないが、相手を愛することに関しては、精神的にも技術的にも優れているだろう。

 そのせいで、上司に気に入られたり、何故か男にまでその技術を実地で教えることになっているのは甚だ遺憾ではあるのだが、それはもうどうしようもないのでほぼ諦めている。問題はプライベートだ。

 ここで最初の男女が違う生き物であり、理解が難しいという部分に戻るのだが――彼は今、その難しさを痛感していた。

 

「……嫌なら突き放してくれ」

 

「っ……嫌……って、わけじゃないし……す、好きにすれば……?」

 

「……そうか」

 

 場所は己の居城にあるとある一室。

 相手の女性の部屋の中、ベッドの前で己――魔人レオンハルトはその相手と軽く抱き合っていた。

 相手は、魔人ラ・サイゼル。紫色のショートの髪と整った容姿を持つ彼女は、客観的に見てもかなりの美少女であった。

 その彼女が、顔を赤くしながらも自分の方をチラチラと見上げ、何かを期待するような、それでいてまだ戸惑っているような、それでいて強気をまだ覗かせる初々しい態度を見せている。

 これを見れば、もう誰もが分かるだろうが――明らかに好意を抱いてきている。

 直接的な言葉は出さないサイゼルであっても、毎日の様に自分のところを訪ねてきて、出かけようとか食事をしようとか言われ、羞恥を感じながらも近寄ってくるのを見ればさすがに分かるものだ。

 もうここ数年はずっとこの有様であったが、暫くは直接的に口にするでも、決定的な行動を取ることもなかったため、忙しいのもあって普通に付き合っていたが、とうとうそういった感じの雰囲気になった。

 まさかサイゼルの方から言ってくるとは思わなかったが、その言い方が彼女らしいものだったのでレオンハルトとしてはなんとも言えない。

 ――“あ、あの子にしたことと、同じことを…………し、して……?”

 まさかそんな風に言われるとは思わなかった。というか、見ていたのか、とレオンハルトは頭を抱えてしまう。

 そう。レオンハルトは、彼女の妹である魔人ラ・ハウゼルとも、遂にそういった関係に至った。彼女の方から部屋の中でいきなり迫ってきたため、それを受け入れたのだ。

 だが、レオンハルトはサイゼルとハウゼル、後は()()()()()()()()()()()、好意を持たれたことは嬉しいし、それに応える用意もある。それは構わない。

 ただ一つ疑問なのは、

 ……俺は……なんでこんなに惚れられるんだ……?

 と、レオンハルトはそこらの男に聞かれたら助走付きで殴られ、罵詈雑言を浴びせられそうなことを内心で思う。

 だがそれは、嘘偽りない彼の疑問だった。

 いや、厳密に言えば、惚れられた理由は分かる。そこに疑問はない。

 優しくしたとか、親切にしたとか、要は人付き合いをしている内に自然と惚れてきたということだ。

 だが、それにしてもこれだけでこんな複数の人に一日に同時に告られ、或いは迫られるのは何故なのか。

 客観的に見て、確かに自分は容姿に優れているだろうが、それにしてもあまりにもチョロくないだろうか。

 自分視点だとそう見えてしまうのである。何しろレオンハルトはこれまで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 いつも自然に、自分のやりたいようにやってきただけであり、女性を助け、救い、助言することはあっても、女性を口説いたことはないのだ。

 無論、何度も言うが嬉しいことではある。嫌がっているわけではない。そういうのは受け入れた相手に失礼だ。

 だがこうも連続すると、レオンハルトとしては自分の魅力について考えざるを得ないのだ。

 そう思いながらも、レオンハルトは相手と真摯に向き合うために、その思考をストップして相手に集中する。

 行為中に別の事を考えるのは、レオンハルトも時折思わずやってしまうことだが、出来る限り止めた方が良いことなのだ。

 

「サイゼル……目を閉じろ」

 

「っ……う、うん……」

 

 サイゼルの背中をゆっくりと落ち着かせるように撫でながら、レオンハルトはそう告げる。緊張して体が強張っている様子のサイゼルを解すように撫で続けた結果、サイゼルも大人しく、それでいて意を決した様に瞳を閉じた。

 細い眉や長いまつ毛、綺麗な顔立ちを眺めながらサイゼルの顎を軽く持ち上げて、唇を合わせてみせる。

 

「んっ……はぁ……っ♡」

 

 接吻を行い、サイゼルが熱い吐息を漏らす。それだけで、彼女は既に瞳の奥をとろんとさせて、眉尻を下げていた。

 レオンハルトはサイゼルを更に強く抱きしめるように腕の中に引き入れながら、もう一度キスを落とす。

 

「んっ……ちゅる……ん、あ、これ……っ、んんっ……♡」

 

 今度はもっと深く。唇に吸い付くようなキスを落とす。

 そうしながらも、レオンハルトは加減することなく、全力で相手を感じさせるために手を尽くす。

 これは指南の際にも教えたことだが、こうやってキスする時間はレオンハルトにとって、ある意味で重要な時間であった。

 男女間の行為というのは、こういった前哨戦こそが大事であり、ここで後の難易度が劇的に変わるといっても過言ではない。

 ムード作りでその辺の部分をクリアしつつも、レオンハルトの手は既にサイゼルの背中などの肌を撫でながら弱点を探しているのだ。

 

「……ん、んんっ……れろ……あっ、ちゅる……っっ、あっ……♡」

 

 舌をサイゼルの口内に侵入させ、彼女と舌を絡ませるキスを楽しみながらも、レオンハルトが背中や腰を撫でる。

 その際に反応が大きい部分をさり気なく頭の中に入れながら、サイゼルの身体の情報を集めていく。

 基本的に感じやすい場所などは決まってはいるし、技術でカバーすることも出来るが、やはり個人によって感じやすい場所などは違うものだ。

 レオンハルトはそれを探り当てているのである。

 自分の欲望に従って、サイゼルのすべすべの肌の触り心地を楽しむだけではない。相手を愛するのであれば、相手を悦ばせるために男として必須の事だとレオンハルトは考えていた。

 キスをして、サイゼルが段々と蕩けていくのを時折確認しながら、レオンハルトはすりすりと手で彼女の腰辺りを擦る。

 

「んっ……♡」

 

 腰の下。臀部の直ぐ上の部分を擦ると、サイゼルの身体がぴくんと跳ねる。

 比較的女性が感じやすい部分ではあるが、サイゼルも例に漏れなかった様であり、レオンハルトはそこを重点的に擦りながらサイゼルと舌を絡ませ続ける。

 あの子と同じ様に、そう言ったサイゼルの注文通りではあるが、細部は違うものだ。

 ただ、感じ方や反応なんかは似通っていると言わざるを得ない。比べてしまうのはあまり良くないことではあるのだが、

 

「……触るぞ」

 

「……う、うん……あっ、やっ……はぁ……んっ、これ、すご……あぁぁ……っ♡」

 

 サイゼルに一声掛けてから、レオンハルトは手をもっと際どい部分に這わせていく。

 手を後ろに回し、サイゼルの下半身、ぴっちりしたレオタードの内側に手を潜りこませ、モチのような触感の尻肉に掌で撫で回し、五指を埋めさせる。

 同時に、彼女の胸元にも手を伸ばし、その美巨乳を服の上から軽く揉み上げる。張りがあって柔らかい。指を突き立てるとすべすべの肌と共に指に吸い付いてくる。

 そうやってサイゼルの美しい肉体を堪能しながらも、やはり弱点を探し、そこを技術を持って攻め立てるのは忘れない。

 だがそれでいて、やりすぎないようには注意する。本気を出して感じさせ過ぎるとそれはそれでイキ狂ったりしてしまうので、そういうのはまだ早い。処女には刺激が強すぎるものだ。

 ……だが、肌の質感は似ているな……。

 レオンハルトはハウゼルとの行為を思い出してしまう。それほどにサイゼルとハウゼルは似ていた。

 先程もこの様に、ハウゼルを抱きしめながらキスをして、身体を撫で回し、そのロングスカートの下に手を潜り込ませて熱くなった女性らしい尻や胸を揉み上げた。

 すると今のサイゼルの様に、腰をもじもじと揺らし、時折ぴくんと跳ねさせて感じている様子を見せる。

 

「はぁ、はぁ……ああぁっ、レオ、レオンハルトっ……んんっ、も、もう、あっ、だ、だめっ……もう、んんんっ♡」

 

『はぁ、んっ、あぁっ、レ、レオンハルト、さぁんっ……やっ、あんっ、んんっ、あっ、も、もうぅ……んんんっ♡』

 

 ハウゼルとの行為を思い起こさせてしまい、レオンハルトは頭を振るように彼女の耳元に顔を埋めて、その甘い微香を吸い込みながら声を掛けてやる。

 

「……大丈夫か?」

 

「あっ……はぁ……はぁ……っ、んっ、しゅ、しゅごい……こ、こんな、こんなにっ……♡」

 

 どうやら一度達した様子のサイゼルを受け止めると、腕の中で息も絶え絶えに、口元から涎を垂らすサイゼルがうわ言の様にそう呟く。

 一応ちゃんと意識はあるようだが、やはりハウゼルと同じでかなり蕩けてしまっている。

 

「レオンハルトぉ……♡」

 

 何しろ今も、快感を求めてなのか、太腿を擦り合わせながらこちらの胸に顔を預け、荒い呼吸を繰り返しながら、恥丘をこちらの股間部分に擦り付けてきているのだ。

 甘い快感もこちらを感じるが、それで我を忘れるほど経験は薄くない。レオンハルトはサイゼルをゆっくりとベッドに運びながら、

 

「……たっぷりと愛してやるから、好きなだけ感じていい」

 

「あっ……――」

 

 耳元でそう呟きながら、今度は彼女の衣服に手をかける。

 本格的にその行為に突入しようとしながら、

 ……そう、しばらくはまだ、時間もあるだろうからな。

 レオンハルトとしては心配事というかやるべきことがありはするが、まだ暫くは動きもないだろうと見ている。監視は継続しているため、何かあれば直ぐに動けばいいが、予想としてはそれはない。

 油断は出来ないが、しばらくはこっちに集中することが出来そうだと、レオンハルトはサイゼルとの逢瀬を続けることにした。




ジル「…………いつの間にかライバルが増えてないか?」


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