※この作品はR-18です。

魔軍参謀の憂鬱   作:黒岩

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ということです。全体的にいやらし度数高め。前半はちょっとアレなので、一応抑えて書いたけど、耐性がない方は心して読んでね。後半はいつもの
というわけで本編どうぞ


初めての体験

「──何をやっているんだ、ガイ!?」「襲われたから返り討ちにしてやっただけだが?」「ガイ……嘘……!」「嘘じゃないぜ、トーチカちゃん……ぐへへ、ちょうど、トーチカちゃんに用があったんだ」「え……?」「っ、よせ! それ以上近づくな!」「ははは、邪魔するなら殺すだけだ! 死ねーーー!!」「ぐあああああっ!?」「気でも狂ったかガイ! くそ、お前達武器を抜け!」「そんな、ガイ……やめてよ……!」「う……あぁ……っ、つ、強すぎる……!」「や、やめてくれ副隊長──ぎゃあああああああ!!」「あ~、最高だ、この好き勝手する感じ……雑魚を容赦なく踏み潰す感触……堪らねぇなぁ……! 最高だぁ……!」「ひ、ひぃ……ば、化け物……!」「ははは、俺が化け物か! そりゃあいい! おら、化け物が来るぞ来るぞ来るぞ! 死にたくなきゃ逃げろ! さっさと逃げねぇと後ろからぶすっと殺っちまうぜぇ~? くっ、くくく、くはははははははっ!!」

 

 ──失った意識の中で、ガイは夢を見ていた。

 

 それもとびっきりの悪夢だ。

 自分の形をした何かが、仲間を蹂躙し、容赦なく罪を犯していく光景。

 狂ったように哄笑しながら、同じ人間を手に掛け、悦に浸る。弱者を喰い物にすることに愉悦を感じている。

 それは世界のありふれた光景だ。

 悪意が罪のないものを手に掛け、それが許される世界。より大きな悪意が、小さな悪意を飲み込んで喜んでいる。

 人間の醜い欲望。支配欲。優越感。エゴ。それらをもはや隠すことなく自由に振るっている。

 今までの酷い仕打ち。弱者として虐げられた過去。抑えつけられていた鬱憤を晴らすかのように、自分の中に巣食う何かは思うがままに強者としての生き方を見せつける。

 吐き気がするような悪夢に、もう一人のガイは未だ意識を回復することは出来なかった。

 

 

 

 

 

「くくく……さぁて……これで邪魔者はいなくなったな」

 

「う、嘘……こんなのって……」

 

 森の中。魔物狩りを行っていたはずの討伐隊。それに所属する生きた人間は、たった二人になっていた。

 笑みを浮かべるガイの周囲には、魔狩りの戦士団に所属する自分以外の男全員の死体が転がっている。

 自分を襲ってきた古株の隊員達も、悲鳴を聞きつけてやってきたもう一つの隊、隊長や他の隊員達も全員、ガイの手に掛かり、驚愕や嘆き、苦痛に濡れた表情で屍を晒している。

 周囲には血の匂いが充満し、ガイの身に着けている服や得物は彼らの血が付着して汚れてしまっていた。

 だがそんなことは気にもしない。弱者が自分の邪魔をしようとしたのだ。ならば死んで当然である。

 強者が好き勝手する。それが世界の在り方。誰もが知っている理だ。

 だからガイはその通りにした。罪の意識は全くない。こうするのが生きることだと経験上、知っているから。

 しかしそんなことよりも、今のガイは只々興奮していた。

 小難しい理屈など何もないし、もう一方の人格のように考える必要もない。

 自分は今、極上の女を前にどうしようもなく興奮している。女を汚したくて堪らない。

 血は滾り、己の股間は既に酷く起立してしまっている。今まで一度たりともそういったことをしたこともない。この身体、もう一方の人格が動いている時も、一切これを発散することはなかったのだ。

 それだけに、ガイはもはや辛抱堪らない。

 剥き出しになった性欲が心と頭を支配している。他のことなどどうでもいいと思っている。

 ショックで腰を抜かしたのか、地面にへたり込む女に近づく。

 女という生き物の丸み。肌の滑らかさ。造形の美しさ。その全てがガイの興奮を上昇させる。

 だからガイは、かつてその行為を見た時のように、欲望のままに彼女に襲いかかった。

 

「いや、やめて……!」

 

 トーチカが抵抗するが、彼女は自分よりも弱く、腰も抜かしている。刃向かえるはずもない。

 そしてその抵抗が、何やら己の内側を駆り立ててしょうがなかった。

 もはや荒い息をみっともなく晒しながら、ガイはトーチカに覆いかぶさるように抱きついた。

 

「はぁ、はぁ……! っ、く……ははは、す、すげぇ……なんだこれ……!」

 

 女性の肌に触れた瞬間、ガイは身体に電流が走ったかのような衝撃を受けた。

 初めて味わう女性の肌。それはもう、言葉に言い表せないほどの卑猥さであり、無条件に身体が熱くなってしまうものだった。

 

「う、くぅ……! 柔けぇ……! 気持ちいい、気持ちよすぎる! はっ、はっ、女、俺の、俺の女だ……!」

 

 ガイの手が乱暴にトーチカの身体を蹂躙していく。

 胸、太もも、尻、足──何処に触れても気持ちいい。滑らかで柔らかい肌の感触は、男の身体にはないものであり、どうしようもなく性欲がグツグツと掻き立てられる。

 

「やめて……っ、やめてよ……ガイ……っ」

 

「あ、あ~~~、最高だぁ……! も、もう我慢できん!」

 

 興奮しすぎて、身体の抑えが利かない。

 既にズボンの中で濡れているそれをトーチカの下腹や太ももに擦り付けるように腰をカクカクと揺さぶる。柔らかな肌に擦りつけるだけで、そういった行為に慣れてないガイは異次元の快感を感じて悶えた。

 だがそれだけではもはや我慢出来ず、忙しなく乱雑にズボンを脱ぎ捨てていく。

 それと同時に、ガイの手がトーチカの服を力任せに破り、胸や尻、身体の大部分を晒させる。

 そしてその奥にあるそれも見て、ガイはもう何もかもに興奮し、見ていた記憶と知識からそこに狙いを定め、一気に突き入れた。

 

「いやあああああああああああっ!!」

 

「うっ……ぐ、こ、これ、やべぇ……!」

 

 己の分身を熱いものが包み込み、そのヌルヌルした感触にガイは余裕なく呻き声を漏らした。

 ……ああ、気持ちいい気持ちいい! 気持ちよすぎる……! なんだよこれ、最高かよ……! 

 女の中を掻き分ける感触。蕩けるような肉の感触は女を知らないガイに制御出来るものではない。

 例えこのガイの性格がこうでなかったとしても、乱暴に自分勝手なそれを行うのは避けられなかったかもしれない。そう思わせるほどの初めての快感と興奮にガイはただただ本能に身を任せる。

 

「気持ちいい、気持ちよすぎる……! う、はぁ、はぁ……最高だ……!」

 

 女体の柔らかさ、気持ちよさを味わい尽くす。手を乱雑に動かし、身体を本能のままに動かす。その度に訪れる未知の快感に夢中になる。今のガイの頭は身体と直結していた。

 ただ、欲望に正直に、自分の快感だけを求める動きは気持ちいいが、今のガイには気持ちよすぎて長くは耐えられるものではない。

 故にその時が来るのは必然だった。

 

「うっ……ああ……ああああああああ!!」

 

 己の中の性欲。その限界が迸り、訳も分からないほどの快感にもはや絶叫してしまう。

 だがそれだけでは収まらない。ガイの得物は、未だ女を求めて飢えている状態のままであり、

 

「く、ぐはぁ、はぁはぁ……ふ、はははは……死ぬまで犯してやる……! 女、女って最高だ……これからも──」

 

「い、や……なん、で……」

 

 トーチカのか細い声が響く中、ガイは森の中に笑い声と水音を響かせ続けた。

 

 ──だがしばらくして、愉しんでいたガイは不意に心の中の声を聞いた。

 

『──何をやっている!? やめろ貴様!!』

 

 それは一度生きることを諦めて意識を手放したもう一人のガイだった。

 焦燥したような、今起きていることが信じられないといった様子の声は迫真に迫ったもので、さしものガイもせっかくの行為に水を差されたという風に身体が止まる。反応をせざるを得なかった。

 

『俺達がずっとやりたかったことだよ、ははははは! おら、お前も快感は感じてんだろ!? うるせぇから大人しく愉しんどけよ!』

 

『っ、ふざけるな……! こんなことが、許されていいはずが……!』

 

 だが、そう言いながらもいつもの厳しさ、その勢いがいまいちなのはガイが言うように、もう一人の自分も未知の快感に戸惑っているのだろう。

 心の中で会話を行いつつも、ガイは自分の手を止めてはいない。未だありえないほどの極上の快感が、腰下から送られ続けている。もう一人も心の中で悶えているのだ。ある意味気持ちが悪い気もするが、自分と考えればそこまで嫌悪感は湧かない。精々大人しくしてろとガイはひたすらに彼女を犯し続ける。

 

「うっ……くぅ~~~、これこれ、ほんと堪んねぇ……!」

 

『やめろ……! 罪を重ねるな……! 身体を返せ……!』

 

 嫌だ──と心に念を送る。これまではずっとお前の番だったが、これからは自分の番なのだと意志を定める。

 そもそもこれまでの、お前の弱者のような生き方はずっと気に入らなかった。強者の生き方を知り、世界がどういうものなのかを知っていながらの行動なのだから心底呆れる。

 自分のように好き勝手やることこそ正しい生き方だ、とガイは腰を動かしながら、同時に両手で抵抗しようとしたトーチカの首を絞めた。

 すると、下の締め付けも強くなり、

 

「うぉ……これもすごいぞ……!」

 

『っ!? おい貴様! 何をしようとしている!? 馬鹿なことはやめろ!!』

 

 ──もはや声は聞こえない。強すぎる快感に再び辛抱堪らなくなり、心の声をシャットアウトしたガイは、本能のままに首を絞め、腰を振り続ける。

 自分の下で、悲痛に濡れた表情をしている彼女のことも気にならない。己の最高の快感のために犠牲になれと、ガイはそれを続け、

 

「ぐっ、また……!」

 

 激しい快感に最後のダメ押し。全力を込めて首を絞めると今まで以上に快感が強くなり、ガイは再び迸る快感を解放した。

 荒い息と共に力を緩め、また続けようかと意識を彼女に向ける。

 しかし、

 

「……あ、死んじまってるな」

 

 と、うっかり力を強めすぎて、彼女は既に死んでしまっていた。

 そのことに多少の残念さは覚えたが、ガイは自分の得物を彼女の中から引き抜きつつ、大きく息を吐く。

 

「ふぅ~~~、満足だ。さて、これからは……」

 

 と、脱ぎ捨てていたズボンなどを回収し、ついでに周りの死体から物資などを拾いながらガイは笑みを浮かべる。

 何気に心の中の声が聞こえないが、意気消沈でもしたのだろうか。彼女や仲間を自分が殺したことでまた心が折れたのだろうか。その程度で折れるとは、やはりなってないなとガイは思う。やはり自分が主導権を握るほうがお互いのためだろうと。

 

「くくく……まあ隊は無くなったが、どうにでもなるか。幸い、経験は積ませてもらったからなぁ」

 

 落ちていた食料に齧りつきながら呟く。魔物討伐隊という食い扶持を稼ぐ手段は無くなったが、別に真っ当に稼がなくてもやりようは幾らでもある。

 だからこそ、魔物討伐隊という世の中を知れる稼業をすることにガイは賛成していたのだ。

 隠れ里の場所。行商人が通りやすいルートや、裏の人間と接触する方法など。世の中の渡り方を学習するのに、この隊は大いに役に立ってくれた。

 最後に最高の楽しみを味わわせてくれたし、ガイ的には万々歳である。

 

「次は飯でも盗んで……いや、また女でも探すか。もっと他の女ともヤリたくてしょうがないしな、ぐふふ」

 

 先程の女との行為を思い出して下卑た笑みを浮かべる。今まで経験したことはなかったが、本当に最高の行為だった。

 これからはいい女を探して、見つけたら直ぐに犯そう。しばらく魔物討伐隊にいた経験上、自分より強い人間などいやしないだろうし、簡単にヤれる。

 ただまあ、殺すとそれはそれで女が減るし、もう出来なくなるからそれは止したほうがいいかもしれないとガイは学習する。思わず快感に溺れて殺してしまったが、そもそも殺す必要はなかったし、殺さなければまだ愉しめたかもしれないのだ。

 ……それじゃあ行くか。

 方針は決めた。欲しいものが出来れば奪い、お腹が減れば奪う。いい女は犯して回る。金も奪えばいい。

 そして邪魔する者は踏み潰す。これからは好き勝手にやりたいことをして生きるのだ。

 

 ──そうしてガイは文字通り、第二の人生を歩み始めた。

 

 

 

 

 

「──と、言う風に順調に進んでいるようです」

 

「……順調、か……」

 

 紅魔城の中心部にある玉座の間で未来視の魔女の報告を聞いた魔人レオンハルトは、眉間に皺を寄せた表情で呟いた。

 それはお互いに共通する目的。ある人物の動向についてのものであり、極めて重要な計画の一つであった。

 だがその過程は何とも言えない微妙なものであり、そういった話に慣れているレオンハルトだが、イマイチその人物の内面、性格を見通すことが難しく、その人柄を計りかねているところであった。

 いずれは道が交わることになるし、嫌でも関わり合うことになるだろうが、その時のために分析を行っておけばより理解が深まり、今後の動きに活かせることもあるだろう。

 だが、その人柄は極めて複雑で難しい。

 レオンハルトがその男について知り得るのは概要くらいであるため、あまり深い部分のことについては手探りなのだ。

 故に実際に見たり聞いたりして見極めるという普通のことを行っていた。そうやって思考を回しながら、

 

「……なら、お前がここに来るのもしばらくはなくなるか」

 

「ええ。もうじき、私も邂逅致しますのでそのための準備をせねばなりません。……寂しいですか」

 

「いや、すこぶる良い気分だ」

 

「……いつも思いますが、閣下は私に少々厳しくないですか?」

 

「待遇に物申す前に今までの行い、言動について胸に手を当ててみろ。俺の対応は当然のものだ」

 

「胸に手を当てる? おや、閣下はあれだけの巨乳美女を抱えておられるのに、まだ乳房への渇望が止みませんか。まあそういうことなら、あまり自信はない粗末なものではありますが──」

 

「……そういうところだ」

 

「ふふ、これは失礼」

 

 未来視の魔女のふざけた言動に目を細めるレオンハルト。指摘しても全く反省していないようなので溜息をつきたくなる。だがこんな相手でも縁を切ることは出来ないし、それこそ嫌でも関わることになる。故にいつものように諦めるしかないのだが、

 

「……まあいい。後はしばらくお前に任せる。何かまた再び動きがあれば連絡しろ」

 

「畏まりました。では、先程お伝えさせていただいた通りに、閣下もお願い致します」

 

「ああ、任せておけ」

 

 と、未来視の魔女との打ち合わせを終えると、彼女は直ぐにそこから消えるようにいなくなってしまっていた。

 するとレオンハルトが直ぐに玉座から立ち上がる。じっとしているほどの時間の余裕はないからだ。やるべきことは山のようにある。故にレオンハルトは玉座の間から廊下に出ると、直ぐ様ある場所に向かった。

 それは、

 

「──あ、レオンハルトさんっ!」

 

 ノックをしてからその部屋に入ると、その部屋の主である羽の生えた美女が顔を明るいものにして駆け寄ってきた。先程まで本を読んでいたのか、栞を挟んだ本を胸に抱えている。そんな彼女の名をレオンハルトは呼んだ。

 

「本を読んでいたのか? ──ハウゼル」

 

「はいっ! レオンハルトさんに薦めてもらいましたので……早く読んで感想を言い合えたらなぁと思って、えへへ」

 

 本を抱きしめながらはにかむ魔人ラ・ハウゼル。

 城に住む魔人姉妹の妹の方である彼女は今日も、読書に勤しむつもりだったようだ。

 レオンハルトとしては話があるのだが、それが終わってからでも良いと思い、

 

「……そうか。なら、俺も本を読ませてもらっていいか?」

 

「! はいっ、勿論です! お好きなものをどうぞっ」

 

 と、ハウゼルはその提案を快諾し、本棚にある本を指してそう言う。

 今となってはハウゼルも自分の好きな本を色々と開拓しているようで、レオンハルトが読んだことのないような本もあった。だからハウゼルと過ごす時は逆に何か読ませてもらうことも多い。

 ゆえにレオンハルトは本を一冊抜き出す。すると、ハウゼルがやはりいつものようにもじもじとし始め、

 

「……その、レオンハルトさん……いつものお願いしてもいいですか?」

 

「──ああ、分かった」

 

 頬を染めて、微笑を浮かべながらのお願い。その内容は分かっているため、レオンハルトは頷いてベッドの端に座る。

 そして手招きするまでもなく、ハウゼルが近寄ってきて、こちらに背を向けた。

 

「……失礼します……」

 

 と、ハウゼルがお尻を一度突き出し、スカートを整えるように手で下を通すと、そのまま下側を押さえてこちらの膝の上に腰を下ろした。

 

「んっ……えへへ、やっぱり、レオンハルトさんの膝は落ち着きますね」

 

「ふっ、それは良かったな」

 

 微妙に恥ずかしそうにしながらも、喜びの方が大きいのか、背中をこちらに預け、すりすりと後頭部や背中を身体に擦りつけてくるハウゼル。

 ハウゼルの身体の軽さ、柔らかさ熱さを感じる。お尻や太ももなども自然とこちらに擦りつけられるし、頭が動く度にさらさらの髪が揺れ動いてこちらの鼻孔をくすぐる。結構な甘えっぷりだが、最近ハウゼルと本を読む時はいつもこんな感じだ。彼女に頼まれるのだが、断る理由もないし、こちらとしても心地良いものには違いない。

 それに、姉の方に比べたら甘え方も控えめであるため、特に思うこともない。姉のそれは自分の責任ではあるのだが。

 そんなことを考えていると、レオンハルトの取った本をハウゼルが受け取ろうとし、

 

「私も一緒に読みますから……レオンハルトさんは、私の……身体に、手を回してください……」

 

「……ああ、分かった」

 

 それはハウゼルにとっての合図に近いものだ。レオンハルトはその言葉通りに手を前に回し、ハウゼルのキュッとくびれた細い腰に腕を回す。

 

「ん、んぅ……」

 

 するとハウゼルが悩ましい声を出して腰を少し動かした。

 しかしまだ特に反応を見せたとか、露骨な行動を取ることはなく、ハウゼルは本を開く。

 

「では、読みましょう……あっ、早かったら言ってくださいね?」

 

 ああ、と頷く。といってもハウゼルもこちらのペースを分かっているし、レオンハルトもハウゼルのペースを理解していた。

 それに何より──この本を最後まで読めることはないと理解しているため、実はそれほど重要ではない。

 そう思いながら、ハウゼルはページを捲って、一緒に読書を始めたのだが──

 

「ん……ふぅ……はぁ……」

 

 一ページ。そしてまた一ページ。

 読書自体は滞りなく、順調に進む。

 レオンハルトも口実だと察しているとはいえ、一応読書自体もきちんとこなしている。

 だがハウゼルの方はというと、時間が経つにつれて、

 

「ふぅン……ぁん……んくっ……」

 

 段々と、ハウゼルの身体が熱っぽく、そして身体の揺らぎが大きくなってきた。

 腰を左右に揺らしているが、別に座り心地が悪いというわけではない。いや、ある意味でそうかもしれないが、ハウゼルの目的はむしろそれだった。

 

「はぁん……レオンハルトさぁん……♡」

 

 とうとう小声でこちらの名を呼び始める。その頃にはハウゼルの瞳はとろんと濡れており、息も乱れ、肌に汗が少し浮いていた。

 そしてもはや確信じみた行動を取り始める。本を片手に、右手をお尻の下に潜り込ませ、こちらの股間に手を置いてきた。

 

「もう、こんなに硬くて……んぅ……♡」

 

 細くてしなやかな指が、スリスリと棒状の得物をなぞるように撫でる。指先で先の方をカリカリと掻いたり、手の腹で撫で回したり、もはや掴んで軽く上下に動かしたりと、完全にやりたい放題だ。

 もっとも、ハウゼルのような美女に手で擦られることが嫌な筈もない。腰には甘い快感が走ってきている。

 だがまあ、こうまで建前をもって、こういった行為に走ってくると、今日の目的とは別に悪戯心が湧き上がってくる。

 どういう風に責めてやろうかと思いつつも、しかし目的があるのでやり過ぎてはいけないしと、思考を回し、そのままなすがままにさせてやろうと放置していると、とうとうハウゼルが反対側を向いて腰の上から降りた。

 

「はぁ、はぁ……逞しくて……レオンハルトさんのこれ……好き、です……んぅ♡」

 

 本をベッド脇の台に置いて、両手で股間を撫で回してくる。そしてその可愛らしい発情した顔を近づけ、股間に顔を押し付けるように頬ずりしてきた。

 こちらの腰の後ろに手を回し、お尻を高く上げながらズボンの上から得物にぐりぐりと顔をこすりつけてくるハウゼル。時折匂いを嗅いできたり、ズボンの上だというのに軽く口で食んできたりと、どう見ても欲しがっているような動きをレオンハルトは上から見下ろす。

 ……どうするかな……。

 別にこのままハウゼルが望んでいるようにそういった時間を過ごしてもいいのだが、生憎と今日は彼女達に用があるのだ。

 そのために先にハウゼルに会って、調えておこうかと思ったのだが、どうにも今日のハウゼルはいつもよりそういう気分だったらしい。

 ……だが仕方ない。少ししたら、ハウゼルを一旦放置してもう一人を呼ぶか……。

 彼女達の問題を解決する一番の方法は、長年考えたが結局のところ、これが()()()()()()()()()()()

 故にレオンハルトは一度、ハウゼルをプレイの一環として放置させる方針を固め、もう一人を呼ぶことにした。

 

 ──魔人ラ・ハウゼルとその姉、魔人ラ・サイゼル。その仲直りのために。




ハウゼルの淫乱度★★★★☆
サイゼルの淫乱度???
というわけで次回は丼ものです。丼ものって食べごたえがあって美味しいよね(意味深)
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