※この作品はR-18です。

魔軍参謀の憂鬱   作:黒岩

380 / 411
1000年に1人の天才

 ──その戦いの中で、私は思い出していました。

 

『剣士と戦う際、最も注意すべきは間合いです』

 

 それは私の親友にして主の娘である彼女と軽い戦闘訓練。修行と称した稽古を付けてもらっていた時のこと。

 剣の達人である彼女は私にそう教えました。私からも言葉を返しながら。

 

『剣士だけでなく戦士全般に言えること、ですよね』

 

『はい、その通りです。さすがはイヴさん。座学においての理解の速さは誰よりも優れていますね』

 

 ですが、と白兎さんは続けます。

 

『学習においては体験で学ぶこともまた最も深く理解を促すことの出来る手法です──と、イヴさんには今更言わなくても分かってることと思いますが、やはり実戦経験の中でなければ具体的な対応は学びづらいものです』

 

 そう言って白兎さんは距離を取り、刀を構えます。

 

『得物の長さにもよりますが、大体1メートルから2メートル程。これが剣士の間合いです』

 

『剣士として戦うなら、その距離で戦うのが最適だと言うことですね』

 

『ええ。そして、この距離まで一瞬で踏み込める距離──』

 

 再び白兎さんが距離を取った。

 そしてその上で、踏み込んでくる。私には知覚出来ないほどの速度で。

 

『──と、大体4メートルから5メートル程。最低でもこのくらいの距離は保ちたいですね。これ以上離れた場合、近接戦闘系の脅威はほぼないも同然です』

 

 私の首元に刃を当てながら言ってくる白兎さんに、私は半ば呆れながら言葉を返すことにした。

 

『……そうは思えませんけどね』

 

『まあそこは技量とか身体能力にもよります。パパの場合は間合いとかほぼないも同然ですし。私でもこの倍くらいは軽くいけます』

 

 ふふん、と自慢気に言う白兎さんは可愛らしいが、言ってることは全く可愛らしくない。

 

『つまり、魔法使いとして戦う場合はその間合いに踏み込ませなければ完封出来るわけですね?』

 

『ですね。なので、魔法を使えない戦士は魔法使い相手に普通は距離を取ることはありません。近づかなければ攻撃手段がなく、遠ざかればほぼ回避不能の魔法の餌食になりますから』

 

 まあ今更というか当たり前のことですけどね、と白兎さんは言う。

 だがこうやって初心に帰ること。基本に立ち返ることは大事なことだ。

 特に新たな段階に進む時はそういった基本を思い出すことが成長の糧になり得るもの。

 そのため私は白兎さんから剣士としての戦いの基本を教えてもらい、その上でまた応用として白兎さんだけでなくこの世の頂点に位置する剣士──私の主にも教えを請うた。

 

『魔法剣士は一見、近距離でも遠距離でも戦えるため隙がないように思えるが実際はそうじゃない』

 

『どういうことですか?』

 

 それは私が使徒になって間もない頃。

 情事を終えた後のちょっとした時間に何気なく質問してみれば、レオンハルト様は淀みなく答えてくれた。

 

『魔法の強みは回避がほぼ不可能であることにあることは知っているな?』

 

『はい。基本、放たれた魔法は対象に向けて正確に命中します。初級魔法に至っては追尾しますので1度放たれたら回避することは出来ません』

 

 元々魔法使いとして何百年と先生たちの元で研鑽を積んでいた私にとっては基本中の基本。魔法の原理を答えてみせる。

 だがそれが基本でありながらも、絶対でないことを互いに知りながらだ。私がそう答えれば、レオンハルト様は頷く。

 

『そう、魔法に回避という概念は存在しない──ことになっている。だが、絶対に魔法から逃れられないかと言えばそうでもない』

 

『そうですね。盾や何かでガードしたり、そもそも魔法の射線から逃れたりと回避する方法は幾つかあります』

 

『あるいは斬ってしまえばいい』

 

『……それが出来るのはレオンハルト様くらいでは……?』

 

 魔法の回避手段への回答に『斬ればいい』なんてトンチキな事を言えるのはこのお方くらいだし、魔法を学んでいる生徒が言おうものなら赤点も良いところだ。

 だが回避出来ることは間違ってない。魔法は基本回避不能。どれだけ動きが素早くとも追尾するので無駄とされているが、実際のところは限界がある。

 例えば広範囲に効果を及ぼす氷雪吹雪や電磁結界などの魔法はその範囲から逃れれば躱すことが出来るし、ファイヤーレーザーやスノーレーザー。あるいは白色破壊光線などの光線系の魔法も真っ直ぐに飛ぶのでそれを躱すことは可能であるのだ。

 回避が難しいのは初級か中級などの魔法になる。炎の矢や雷撃といった魔法はある程度相手が動いても追尾するようになっている。

 だがそれすらも絶対じゃない。魔法が放たれた瞬間、超遠方に移動したり術者の背後に移動したりするようなことがあれば魔法は対象を見失って適当なところに当たってしまう。それはもう何百年どころか千年以上前──私が生まれるよりも前から実験で実証済みということだ。

 例えば、数メートル程度の距離でハンティ先生に魔法を放っても、魔法が当たる前に瞬間移動でどこかに行ってしまえば魔法は的中することはないし、そこまでしなくとも何か障害物の陰に隠れるなどすれば魔法を防ぐことは出来る。

 ゆえに魔法は絶対ではない。その上で、レオンハルト様は私からの緩い指摘を無言でスルーして話を戻した。

 

『……魔法は絶対ではないが、遠距離においては戦士に対して優位に立てる。それは間違いではないが、距離を詰められれば途端に魔法使いは危機に陥る』

 

『その際に魔法剣士であれば剣を使ってその距離でも戦うことが出来ますよね?』

 

『ああ。だが、魔法と剣を同時に使うことは出来ない。それだけに、戦いの中の判断は普通の戦士や魔法使いより難しいものとなる』

 

『……魔法を放った瞬間はどうしたってガードが薄くなる。逆に剣を振るってる間は魔法を使えない、ということですね』

 

 少し思考して理解した上でそう答えればレオンハルト様も話が早いようでその先をすぐに口にしてくれた。

 

『そうだ。素早い動作と詠唱によってほぼ同時に使うことは出来ても同時に使うことは出来ない。だからこそ、魔法剣士は注意しなければならない』

 

 そうして幾千もの戦闘経験を持つレオンハルト様は魔法剣士の戦いの難しさを口にする。

 

『魔法を放った瞬間、剣士に踏み込まれれば剣を振るうのが遅れる。ならば再び距離を取るか。あるいはそのまま剣で戦うか。逆に相手が距離を取ってきた場合、こっちから距離を詰めて剣を振るうか。あるいは魔法を撃ち続けて近づかせないように戦うか──取れる選択肢は普通の戦士や魔法使いよりも多い』

 

 だからこそ、とレオンハルト様は思い出しながら残念そうに言った。

 

『ゆえに凡百の者は迷う。判断を違えやすい。中途半端になりがちだ。取れる手段の多さに慢心し、成長を止めてきたであろう者を俺は何人も見てきた』

 

『……心中お察しします。ですが、理論上はどちらも使える方が良いはずですよね?』

 

『ああ。戦いにおいて切れる手札が多いに越したことはない。だが、物事を2つ以上極めることは至難の業だ。魔法に剣と、その両方を高レベルで使いこなせた者は数えるほどしかいない』

 

『その数少ない例こそ、レオンハルト様と──あの人ですか』

 

 そう言えば、レオンハルト様の心は僅かに波立った。自分が褒められて嬉しくなったのではなく、過去を思い出しての高揚だった。

 

『そうだな。剣と魔法、その2つを使いこなす者は非常に厄介だ。剣を中心に戦うか、魔法を中心に戦うかはそれぞれ違ってくるだろうが、相手からすれば高レベルの魔法剣士ほど戦いにくい相手はいない』

 

『なるほど……』

 

 レオンハルト様は世界最強の剣士であるが、魔法だけでも上から数えられるレベルの術者である。

 そしてあのガイ様も最強レベルの魔法使いであり、同時に剣もまた達人と呼べるほどには修めていた。

 その二者ほどの魔法剣士、または魔法戦士というのは未だかつて存在しえないし、私もまたそうなれると思うほど自惚れてはいない。

 だけど──凡百にならないだけの自信はあった。

 だからこそ私はレオンハルト様にも稽古をお願いした。

 

『……ところでレオンハルト様。こっちの剣の方がまた硬くなっていますが……これはお慰めしたほうがよろしいですか?』

 

『そうしてくれるなら嬉しい』

 

『くす。ではご希望に応えますね──』

 

 そうして私はお腹に押し付けられていたその硬い王の剣に顔を近づけて──。

 

(──と、そうじゃない。これは余計な部分でした)

 

 私は思い出していた戦いのための座学や稽古のことを振り払い、目の前の戦いに再び意識を集中させていく。目の前のミシェーラさんが歯噛みするのを見て。

 

「ぐぬぬ……! さっきから隠れたり出てきたり……いい加減にしてください!」

 

 夜の森の中での戦闘は先程から膠着していた。

 相手はグリムリーパーと名乗っている元牧場の特A級の剣士だ。自分やミシェーラさんと同じ特A級ということでその戦闘力は折り紙付き。

 だが使徒と人間の身体能力の差は如何ともし難いもの。加えて2対1ということもあって早々に終わらせることが出来ると思っていたが、その見積もりは大きく間違っていた。

 

「──!」

 

「! また……!」

 

 木々の間から飛来する複数の投げナイフを弾き落とし、意識を周りに向ければ右斜め後ろから黒い大剣が振り下ろされた。

 

「はあっ!」

 

「……! なるほど、これも防がれるか……」

 

「ええ、生憎と読めています。なのでそろそろ降参してくださればこちらも楽出来るのですが如何でしょう?」

 

「それは無理な相談だ」

 

 何しろ今は退屈じゃない──そんな心の声を聞きながら、グリムリーパーの剣を防ぎ、剣を振ると見せかけて距離を取る彼に私は魔法を放つ。

 

「氷の矢!」

 

「────」

 

 狙いを定めた上での魔法はほぼ回避不能であるが、グリムリーパーは木の後ろに隠れることで私の放った氷の矢を防いでみせる。

 

「今度はそっちですか! 待ちなさい!」

 

 私の横をミシェーラさんが駆け抜けていき、グリムリーパーを追いかける。身体能力では私よりも上であるミシェーラさんは当たりさえすれば人間を一撃で倒せるだけの膂力を持っている。

 だけど、ここまで1度も攻撃を受けていないグリムリーパーにこの程度の攻めは通用しない。

 

(こっちの使徒は直情的だがパワーが侮れない。もう一体の方はこちらの攻撃を的確に読んでくる上、位置取りや攻防の判断も上手いからやり辛いな……)

 

 木々の合間に隠れて移動しているグリムリーパーの心の声が聞こえてくる。

 私が使徒になって更に強まった読心の力は、距離にして私を中心に半径10メートル程の範囲なら心の声を拾うことが出来るため、戦闘においても大きなアドバンテージを取れる能力だ。

 それによればグリムリーパーはミシェーラさんよりも私の方をやり辛いと判断し、狙いを定めているのが分かる。だからこそ私は次にどこから攻撃が来るのか、どういった攻撃手段を取ってくるのかをある程度は読んで対応することが出来ていた。

 ……だけどそれでも未だグリムリーパーを仕留められないのは幾つか理由があった。それは、

 

「っ!」

 

「──これも駄目か」

 

 第一に、グリムリーパーはとても素早いこと。

 大剣を片手で操れるほどのパワーを持ちながらも、グリムリーパーはまるで忍者のように木々の間を飛び回り、時折高速で接近して通りすがり様に一閃を放ってくる。

 そのスピードは使徒である私達を以てしても中々に捉えづらい。

 とはいえその場で戦い続けてくれるならやりようはある。そこで仕留められない理由こそ、第二の理由である彼の戦術だ。

 

「逃げ回ってばかりですか! ミシェーラには分かりますよ! それがあなたの得意戦術ですね!」

 

「…………(その通りだが態々宣言する意味はないだろう。こいつはやはり頭が悪いようだな)」

 

 ミシェーラさんが森に向かって言葉を突きつけても当然答えは返ってこないが、私にはその心の返答が届いてくる。

 そしてそれは事実だ。グリムリーパーの徹底したヒットアンドアウェイ。一撃離脱の戦術は彼を仕留めることを難しくさせている。

 

「!」

 

「っ……! (今度は真上から……!)」

 

 真上から飛来したグリムリーパーの大剣が大地を砕く。私はそれを躱し、追撃を仕掛けようとしたがそれよりも速くグリムリーパーは再び後方に飛び退いて身を隠してしまう。

 高速の不意打ちで大剣による強力な一撃を振るい、当たっても外れてもすぐに離脱。魔法を放つようなら木を盾にし、追いかけて来ようものなら同じだけ距離を取るか──

 

「く……!」

 

(こいつを近づけさせるのはリスクを伴う。やはり徹底するべきだな)

 

 ──あるいはこのように、投げナイフによる牽制で足を止めさせる。

 おまけにご丁寧に投げナイフには毒らしきものが塗られているためしっかりと対応することが求められた。神魔法を使えるミシェーラさんがいるとはいえ、そう簡単に食らってやるわけにはいかない。

 そして牽制を受け、こちらが彼を見失えば──

 

「──!!」

 

「っ……!?」

 

 ──今度は大木の後ろから、大木ごと一閃。

 反応出来なければ一瞬で上半身と下半身が永遠に分かれてしまうであろうその一撃を身を屈めて回避。そして飛び退き様に今度は広範囲の魔法を放つ。

 

「氷雪吹雪──……!?」

 

「!」

 

 ──が、その広範囲の魔法の気配を察知したのか、グリムリーパーはその瞬間に離脱するのではなく距離を大幅に詰めてくる。

 

「っ、魔法についてもお詳しいんですね……!」

 

「調べれば分かることだ。大して難しいことじゃない」

 

 広範囲魔法を躱すために敢えて踏み込んできたグリムリーパーに称賛の言葉を送ると淡々とした面白味のない言葉と共に笑っている場合じゃない大剣の横振りが返ってきた。だけどそれは、

 

「読めてますよ!」

 

「!」

 

 そう、読めている。ゆえに私は更に踏み込んで鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「今ですね! ミシェーラには分かります! やあああああっ!」

 

 そしてその直後に剣を振りかぶって飛び込んでくるミシェーラさんに追撃を任せる。その先の準備を行いながら。

 

「ふっ──!」

 

「むっ……!」

 

 パワーで私を僅かに押したグリムリーパーがその場で飛び上がり、ミシェーラさんの攻撃から退避する。

 だがそうして飛び上がった直後に、私は魔法の照準を合わせる。

 

「スノーレーザー!」

 

「……!」

 

 空中での回避はさすがに間に合わないだろうと──そう思った直後。私は回避されたことを悟る。目の前ではグリムリーパーに氷の光線が当たった光景を見ながらも。

 

「やりましたか!?」

 

「……いいえ。どうやら躱されたようですね」

 

 と、私は地面に落ちてきた丸太を見てミシェーラさんの言葉に答える。それは忍者の用いる忍術の1つだ。

 

「これは……変わり身の術ですか!?」

 

「おそらく影の楔に所属してから学んだ忍術でしょうね。牧場にいたころは使えなかったはずですから」

 

 当然だが、牧場にいた当時より成長していることを思い、私は情報を更にアップデートする。

 ……やはり、普通にやっているだけでは時間がかかりそうですね。

 このまま続けてもいつかは倒せなくもないかもしれないが、それよりも先に逃げられる可能性もある。向こうからすれば私達は絶対に倒さなければならない相手でもないからだ。私達がこの場に釘付けになってさえいればそれでいい。ガイ様が魔人を倒すまでの時間稼ぎ。魔軍のこの森の攻略を少しでも遅らせるための足止めだ。向こうからすれば私達が本気で臨んでいることを前提に作戦を組んでいるため、ここでの足止めは必要不可欠。

 だが私達にとってはそうでもない。ここで大人しく足止めされているのもまたありと言えばありだ。私達はガイ様相手に戦うつもりはないし、拠点の攻略も絶対ではない。

 目的があるとすれば、目の前の彼を捕らえることだろう。それも絶対ではないが、レオンハルト様からは出来れば捕らえろと命令を受けている。

 なので使徒としてはその命令を忠実にこなすべきだし、私個人としても戦果を持ち帰って使徒として役立つことの証明としたい。

 

「ミシェーラさん。ちょっといいですか?」

 

「? なんですか?」

 

「声は抑えてください。いいですか──」

 

 なので私はそのための手を考える。私の読心の範囲外──おそらく10メートル以上、15メートル以内にグリムリーパーがいることを感知しながら、ミシェーラさんに耳打ちする。

 そしてその上で、私は手札を1つ切ることにした。

 

「では行きますよ──“メモリーソード”」

 

 私が先程から振るっていたその剣の名を口にして思う──後数手以内に、彼を詰ませてみせると。

 

 

 

 

 

 グリムリーパーは明かりのない夜の森の中で気配を鎮め、忍び寄っていた。

 

(……先にあのイヴという使徒の方を倒さないとな。あっちの方が厄介だ)

 

 相対する2体の使徒の内、イヴの方を倒すべくグリムリーパーは大剣を構えて音を立てず、正確にその位置を捕捉しながら移動する。

 彼はその力や速さも優秀だが、それは彼の特異性ではない。

 彼は生まれついて、目がよかった。遠くを見渡せる高い視力に動いているものを決して見逃さない動体視力。

 そして何より──夜目が利いた。暗闇の中でも常人よりも遥かに見渡せる視界を持つ彼にとって、夜は恐れるものではない。

 

(次は別の攻め方を試してみるか)

 

 そして使徒もまた、彼にとっては今のところ何かを感じる対象ではなかった。

 とはいえ退屈ではないため、何かを感じさせる可能性は未だ残っている。

 グリムリーパーが戦う理由はその極めて利己的なものでしかない。

 だがその戦力は人類最強クラスであり、地の利があるとはいえ使徒2体を相手にしながらもまだ余裕があった。

 

(向こうはどういうわけか俺の攻め手を読んでくるが、それでも完璧というわけじゃない。どういうからくりがあるのかは気になるが……)

 

 だが戦闘において慢心はしていない。

 彼の人生はここまで、勝ち続けることで生き続けてきたのだ。幼少期から見た目が原因で虐めを受けてもそれをやり返し、能力を発揮してからは巧妙に成績を落とそうとしてきた人間街出身の子供たち──代々A級を輩出し続けてきた一部のエリート家系は、牧場の教師を務める親とすら結託してA級になろうと他の有能な子供を蹴落とし、あるいは取り入り、あの街においてより上の立場を得ようと画策している。

 そんな子供たちの罠を回避し、それすらもねじ伏せてA級として卒業し、コロシアムでは自分よりも大人の人間相手に戦い勝ち続けてきた。

 あの街から脱走する際も何体かの魔物を斬り捨て、野良に出た後もそのほぼ全ての戦いに勝ち続けてきた。

 そしてそれは魔物と戦うようになってからも変わらない。

 

「光爆!」

 

「! (今度は向こうから仕掛けてきたか……)」

 

 不意に視界が眩み、周囲が強い光によって照らされる──光系統の魔法を放ってきた相手にグリムリーパーは感心しながらも対応に回った。

 

「そこですね! ミシェーラには見えましたよ!」

 

 一瞬だが、強い光によってこちらの動きを止めつつ、その居場所がバレてしまう──その瞬間に使徒ミシェーラが肉薄してきた。

 

(こいつは馬鹿だが、力もあって速いし正面から戦うと面倒だ。またどうにか距離を取って隠れないとな)

 

「はああああっ!」

 

 ミシェーラの剣を1度受け止め、すぐにそこから離れる算段を頭の中で付ける。グリムリーパーは真正面からの戦いにも自信はあるが、使徒相手に2対1で戦うのは苦労することは目に見えているためそれは避ける。数で負けている以上は徹底して遊撃戦を行うのが良いだろうと頭脳面においても優秀であるグリムリーパーは冷静にそう判断していた。

 ぐずぐずしているともう一体からの魔法の追撃も来る。そのためミシェーラを相手にしながらももう一体も見て、いざという時はミシェーラも盾に出来るようにグリムリーパーは立ち回ろうとした。

 

「──迫撃水!」

 

「っ……!? 何……!?」

 

 ──が、その目論見をいきなり外してくる広範囲魔法の発動にグリムリーパーはこの戦闘の中で初めて焦る。

 何しろ目の前には未だこちらとやり合っているミシェーラがいるのだ。広範囲系の魔法を使えば当然、目の前のミシェーラも巻き添えになる。

 

「ミシェーラさんは極めて魔法防御力に優れているんです。多少魔法を受けたところで問題にはなりません」

 

「っ……! なるほどな……!」

 

 その答えを魔法を放った張本人から教えられ、グリムリーパーは不可解に思いながらも立ち上がった水の柱を受け、しかし木々に手をかけてそこからの退避を行った。

 

「あぶぶぶぶ! そういう、ごぼ、ですっ……ぶくぶく! げほっ、ごほっ! これくらいの、水……ぶぐっ、なんとも、ないで……ぶくぶくぶく……!」

 

「……結構苦しんでいるようだが?」

 

「苦しいだけでダメージはそれほどではありませんよ」

 

 そうか、と鬼のようなことを言うイヴに対し内心で納得しながらも疑問は晴れない。

 何しろ、だ。巻き添えにするのであればもっと効果的な魔法は幾つもあったはず。魔法は習得していないとはいえ、戦闘における知識としてグリムリーパーはおおよその魔法の効果を知識として知っている。先程からイヴが多様する氷雪系の魔法であれば、氷雪吹雪やシベリア、あるいは最上級の絶対零度などの魔法であれば広範囲であり、今の巻き添え覚悟の攻撃を回避するのは難しかった。

 だがそれをしてこなかったということは何か狙いがあるはず──とグリムリーパーはずぶ濡れになりながらもそれを見定めようとした。

 

「ウォーターミサイル!」

 

「……! (また水の魔法か……!)」

 

 イヴの掌から放たれる水弾。それを見てから木の後ろに隠れることで躱したグリムリーパーはその疑問を思考し──そして程なくして答えを得る。

 

「……なるほど。そういうことか」

 

「氷の矢!」

 

 続けて放たれる氷の矢にグリムリーパーは先程よりも更に念を入れての回避を選択する。魔法を放った瞬間──いや、放たれる前に射線を外し、魔法の追尾を許さない。

 そして内心ではその意図を看破する。水の魔法を放ってこちらをずぶ濡れにさせた理由は、氷魔法による拘束──あるいは大きなダメージを与えることを狙っているのだろうと。

 氷の矢などの氷魔法単体であれば長く凍らされるような事態は起きずに少しのダメージを受けるだけで済むが、全身がずぶ濡れとあってはそうはいかない。魔法は精神に作用して効果が変わるものだが、生物以外の物や自然物に対しても効果を及ぼすように、如何に魔法防御が高くとも魔法で生じた結果までも無視は出来ない。

 炎の魔法で火事を起こした場合、それによって燃え広がった火は魔法とは関係なく人や物を焼く。そのように、魔法は命中した対象の状態にも作用して効果を及ぼすものだ。

 そのためずぶ濡れになっている自分が氷の魔法など受けようものなら、全身を凍らされる可能性があるだろうと、グリムリーパーは内心でそのリスクを感じ取る。

 

「スノーレーザー!」

 

「! (より一層気を使わないとな……いや、場合によってはそろそろ潮時か。圧倒的不利な状況においてまで戦う必要はない)」

 

 放たれた氷の光線を躱しながらグリムリーパーは戦況を判断する。僅かだがこちら側がまた不利に傾いた状況では、撤退も視野に入ってくる。

 既に自分と使徒2体の戦いのせいで他の人間や魔物はこちらから距離を取っていることは随分と前から感じていた。

 そのため状況を把握するためにも1度離脱するのも良いかもしれないと、グリムリーパーがそう思った瞬間だ。

 

「逃しませんよ!」

 

「……っ!? (速い……!)」

 

 先程よりも倍以上の速さで肉薄し、剣を振るってきたイヴにグリムリーパーは驚きその攻撃を防ぐ。

 その理由もまたグリムリーパーは考察した。先程までは手加減でもしていた可能性を思い、しかしそんな様子はなかったとその可能性を頭の片隅に置き、しかしすぐにその考えを捨てた。地面を見て、その答えを得たために。

 

「氷の上を滑ってきたのか……器用だな」

 

「スケートは得意なんです──なんて冗談は置いといて、これも私の研究の成果の1つ。驚いてくれましたか?」

 

「魔法は詳しくない。それがどれだけすごいのか分からない以上、悪いが褒めてやることは出来ないな」

 

「女性を相手にする時はそれでも褒めてあげるべきですよ」

 

「重ねて悪いが、俺は女に興味はないんだ」

 

 イヴの剣撃を受けながら会話に応じ、しかし頭の中は止まらず動き続けていた。

 おそらくは魔法か、あるいは靴にでも仕掛けがあるのかと視線を落とし、イヴの足元を見てグリムリーパーはその効果をある程度は予測する。

 

(氷の上での速度倍増……あるいは移動制御もか。そうでなければ……本当にスケートが得意なのか、か)

 

 濡れた地面をスノーレーザーによって凍らせ、そこを滑ってきた。魔法か魔導具によって移動の補助も行ったのだろうとグリムリーパーは予測する。

 だが正確な答えに関しては求めない。答えを得たところで意味はないからだ。

 戦闘においては、この結果──イヴという使徒が氷の上では移動を難なくこなす上、速度が増すという情報だけを得ておけばいい。

 

「それは残念……でもないですが。まだまだ私と踊ってもらうのでそこは悪しからずお願いしますね……!」

 

「踊りにも興味はない。無理に付き合わせるなら──死んでもらうぞ」

 

「!」

 

 剣に力を込めて振るう。それだけでイヴは対処に苦慮する。

 やはりと言うべきか、このイヴという使徒は魔法の方が得意であり、剣の方は魔法ほど習熟はしていないのだとグリムリーパーは分析する。

 無論、そこいらの人間の戦士と比べれば遥かに強く、技巧にも優れているが──自分と比べれば劣っていると。

 

(とはいえ使徒の身体能力と魔法の力もあれば早々に仕留めるには至らないな……それにもう一体の使徒の動向も気になる。目の前のこいつに集中しているわけにもいかないな)

 

 グリムリーパーはいつの間にか、気配が消えているもう一体の使徒──ミシェーラの居場所が分からないことを訝しむ。

 そしてその状況を鑑みて、グリムリーパーは自分の不利がより明確になったことを感じた。

 自身の状態と環境の変化。目の前の使徒の戦闘力の向上に、もう1体の使徒の居場所が分からないこと。それらを思い、グリムリーパーは少しずつ不利な状況に陥っていることを冷静に分析する。

 まるで1手ずつ追い込まれるように──このイヴという使徒に踊らされているような気がした。

 

(……やはり潮時か。未だこいつの能力が分からない状態で戦闘に付き合い続けるのはリスクが大きい)

 

 そう思い、グリムリーパーはいよいよ撤退を考え始める。まだ致命的な不利に陥ってはいないし、戦闘の継続は十分に可能。勝機もあるとはいえ、ここで無理に勝ちに行く必要性は薄い。

 ここまで戦ったことで魔軍の指揮系統は十分に乱した。目的は半ば達成している。

 もういつ撤退しても構わない──そう思い、タイミングを見計らおうとしたその時。

 

「やはり剣での戦いは分が悪いようですね……!」

 

「! (向こうから下がったか。なら次は魔法か)」

 

 近距離で剣を打ち合っていたイヴの方が後ろの飛び退いて下がったことで、グリムリーパーには逃げるための絶好の機会が訪れる。

 次に放たれる魔法を躱し、あるいは凌いで隠れられれば撤退は容易だ。そう思い、グリムリーパーは把握済みの周囲の環境から、ちょうど真後ろにある大木に逃れるべく足に力を入れて踏み込んだ。広範囲の魔法が飛んでくる可能性もあるが、再び距離を詰めることは撤退を考えるとあまり都合は良くない。取りにくい選択肢だ。

 ゆえにもし広範囲系の魔法が来てもグリムリーパーは凌げるように先んじて移動した──その直後に、イヴの掌から魔法が放たれる。その魔法は、

 

「──氷の矢!」

 

「……! (牽制かつ命中しやすい方を選んだか。だがそれもガードすれば問題はない)」

 

 使いやすいその初球魔法の発動を見聞きしたグリムリーパーは、それを大木に隠れてやり過ごそうとする。そして氷の矢が失敗に終われば後はまた隠れ、投げナイフで牽制して戦闘継続の意思を見せながらの撤退を行う。

 

(退屈はしない戦いだったが……やはり何も感じないな)

 

 グリムリーパーはこの戦闘における感想を端的に内心で作る。初めて使徒と戦ったが、楽しさというものは特にないし、感情が動かされることもない。

 とはいえ退屈凌ぎにはなったことでやはり戦いに身を投じることは間違いではなかったと思う。この先も、あるいは退屈を凌ぎながら見たことのないもの、体験したことのないものを体験出来るかもしれないと期待した。

 

「これで──チェックメイトです」

 

「! (何だと……?)」

 

 だが、その時──イヴからの声を大木越しに感じ、グリムリーパーは疑問した。

 チェックメイト。チェス用語においてどんな手を使っても逃げられない最後の1手を指す言葉だ。

 つまりイヴがそれを口にしたということは、彼女と相対するこちらこそが詰んでいると宣言するものであり──

 

「っ!? これは……?」

 

 そしてその意味を測りかねている最中、グリムリーパーは自身に起きた現象に驚きを感じた。

 

 ──足が凍ったように動かない。

 

 いや、それだけではない。両の手もまた、氷によって固められた。その場から動こうとして動けない。

 

「確保ー!」

 

「っ……!」

 

 それと同時に、木々の隙間から隠れていたであろうもう1体の使徒──ミシェーラが両手を広げてグリムリーパーにタックルを行ってくる。

 それは明らかに計算された動きだった。剣を構えず、ただ捕らえるためのその動きはこちらの動きが固まる一瞬を予見していなければ出来ないもの。

 ゆえにグリムリーパーは種明かしをされる前に早々に理解する。ミシェーラによって、地面にうつ伏せに押し倒され、押さえ込まれながら。

 

「捕まえましたよイヴちゃん! ミシェーラはやりました!」

 

「ええ、ありがとうございますミシェーラさん。そのまま押さえといてくださいね」

 

 ──目の前にやってきたこの使徒の女……イヴにしてやられたことを。

 

 イヴの周囲にふよふよと浮かんでいた水の塊、流動している水の線を見てグリムリーパーは理解した。

 

「……なるほど、な。その操った水を導線にしたのか」

 

「……やはり頭脳の方も優秀ですね。おかげで話が早くて助かります──っと」

 

 グリムリーパーの質問に対し、イヴは感心しながらも剣を振るってその浮いていた水をグリムリーパーの手足に再度、更に覆うように付着させ、それを魔法で凍らせて念入りに固定する。

 その上で語った。もう逃げられないことをイヴが確信した上で。

 

「ご覧のように、私のこの剣──“メモリーソード”も魔導具なんです。そのため幾つか魔法を封じてましてね。先生程じゃありませんけど、使える手はそれなりに隠させてもらってます」

 

「……水を操る魔法か。最初の迫撃水はそのためのカモフラージュかつ下拵え。俺の思考、行動を読んだ上で俺を捕らえるために俺を指定の地点に誘導し、予め大木から地面に伸ばしていた水の線をやってきた俺の足に付けた上で氷魔法によって固める──そういうことだな」

 

「……さすがですね。ここまで理解が早いと逆に種明かしの楽しみが削がれると言いますか……いえまあ別に良いんですけどね」

 

「ミシェーラもそのために隠れていましたよ! 念のため! こうやって押さえ込むために!」

 

 イヴの仕掛けた作戦。その手を淡々と何でもないように口にしたグリムリーパーにイヴが肩を竦める。ミシェーラの方は自慢気だが、その力は緩んでおらず抜け出せる気配はない。

 その上で、グリムリーパーは僅かだが感心した部分を口にする。

 

「……だがよく俺の動きが読めたな……仮に俺の思考を読めていたとしても、ここまで行動を読むことは難しいだろう」

 

「──それはまあそうですけどね」

 

 グリムリーパーのその言葉にイヴの眉が僅かに動くが、動揺することはない。

 内心で驚きを作りつつも、イヴはその優秀さを知るがゆえにある程度バレるのは予測済みであり、確信に至らなければどうにでもなるという自信があった。証拠がない以上、あくまでもそんな風に思えるだけ。

 実際に思考を読んでみても確信に至った様子はないため、イヴは自信を持って口にする。自らの価値を。

 

「ただ私は……あなたやミシェーラさんのように強さで選ばれたわけではありませんが、これでも特A級なんですよ」

 

 ──人の心の声を聞き取れる能力が露見していない状態でのその評価は、また別の意味を持っている。

 レオンハルトシティの人間牧場。能力によって評価され、選別されるその箱庭において、特A級に振り分けられた人間は両の手で足りるほどにしか存在しない。

 そしてその大半が戦闘。あるいは一芸のスキルにおいて特A級だと認められた者ばかりである中──イヴは唯一、ある評価項目においてぶっちぎりの記録を持っている。

 それは、

 

「──頭脳面において、私より上位の者はあの街の歴史において存在しません」

 

 ──知能面における特A級評価。

 

 レオンハルトシティの人間牧場においてその評価を持つのは今までにイヴしかいない。

 それは言い換えると……1000年に1人の天才であるということだ。

 

「私、こう見えて天才なんですよ。なので、あなたの行動パターンを予測するくらいはなんてことありません」

 

 思考を読む、心の声を拾う──そういった特異な能力に魔導具を含めた幾つもの手札も、それを扱う人間が凡百であれば十全に使いこなすことは出来ない。

 レオンハルトの使徒の中では実力は下位に甘んじているが、純粋な頭の良さにおいては付与師であり魔法科学の天才であるガウガウに比類するほどの天才であるイヴはこの圧勝の理由をそう説明付ける。

 

「私相手に初見でよく持った方です。次戦うとなればさすがにもう少し手の込んだ仕掛けや作戦が必要だったでしょう」

 

 初見の魔導具や2対1であったことを思えば、こうなるのは必然だったとイヴは言う。

 そしてその上で、

 

「ですが──仮に何度戦おうと、ここの戦いで私を上回ることは不可能です」

 

 純粋な知能においても能力においても、イヴを出し抜くこと。その手の読み合いで上回ることは不可能であるとイヴは自信を持っている。

 そしてそれを、半ばではあるがグリムリーパーもまた理解した。

 

「……なるほどな。それが俺がこうして地面に伏せている理由か」

 

「ええ。なので抵抗はしないでくださいね。大人しくしてくれれば悪いようにはしませんから」

 

「そうですよ! 帰ってレオンハルト様の沙汰を待ちなさい!」

 

「ふん……沙汰、か」

 

 イヴとミシェーラによる言葉を受け、グリムリーパーは鼻を鳴らした。

 そしてその直後──イヴはその心の声を拾って余裕の笑みから再び警戒の表情を作った。途端に言葉を飛ばす。

 

「! ──ミシェーラさん! 周囲を警戒してください!」

 

「え? あ、はい! 警戒します!」

 

 イヴが剣を構えたままグリムリーパーを押さえ込むミシェーラを守るために辺りを見渡した直後──

 

「──白色破壊光線!」

 

「っ! バリア!」

 

 ──唐突に、最上級の攻撃魔法が飛んできたことにイヴは驚愕しつつもバリアを張って防御を試みる。

 

「くっ……!? ミシェーラさん! 回避です!」

 

「わ、分かりました!」

 

 だがその威力はやはり普通のバリアでは完全に防ぐことは叶わない。それを察知したイヴの声でミシェーラが退避し、イヴもまたその攻撃をバリアによって防ぎながら大きく後退させられる。

 地面に伏せているグリムリーパーだけをそこに置き去りにしてだ。

 そしてその調整は、彼を助ける意図を示していた。

 

「──やはりと言うべきか、レオンハルト様の使徒は優秀ですね。普通の不意打ちは通用しませんか」

 

「……! ……なるほど。あなたもまたガイ様と同じくここにいたんですね」

 

 そしてイヴとミシェーラが飛び退いた後のグリムリーパーの側に降り立ったのはイヴ達も知る使徒だった。現在謀反を起こしている魔人ガイの唯一の使徒であり、ガイ一派においてガイの次に警戒するべき相手。

 

「それで、次の相手はバークスハムさん、貴方も……ということでよろしいですか?」

 

「ええ。ですが悪く思わないでほしい。これも未来のため、致し方ないこと。ゆえ、少しばかり私がダンスの相手を務めましょう。これからより激しくなる……ガイ様の戦いの邪魔をさせるわけにはいきませんので」

 

 ──使徒レーモン・C・バークスハムがイヴとミシェーラの前に立ちはだかった。




今回はこんなところで。イヴちゃんは使徒化で天才ぶりに拍車がかかってます。具体的には技能レベルが使徒の中で一番多いくらいには。
次回はガイVSレイとガイVSあの面倒くさいドラゴンとか色々です。お楽しみに。

良ければ感想よろしくねー。
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