ガイ派を討伐するために編成された魔軍の本陣。そこで行われる勇者宗近と陰陽師でもある彼が呼び出した鬼の童乱剣鬼と大天狗の根津血。どちらも女性の鬼と妖怪である2体と宗近は目の前で起きた現象に対応を取る前に思わず呟いた。
「雷が、生きている……!?」
そう──使徒お町が作り出した雷獣は、文字通り雷の獣だった。
四肢を持つ狼にも似た数メートルサイズの雷獣はお町の側で喉を鳴らしているが、それは重要ではない。勇者でありながら陰陽師でもある宗近にはその正体が召喚された妖怪の一種であることがわかった。それも強大な力を持つ禁妖怪の類だと。
「ゆけ」
「!」
「っ……!」
そしてその雷獣はお町の短い命令に反応し、動き出した。その速さに驚いた刹那、宗近はその雷を食らっていた。
「ぐあああああ……っ!!」
「宗近様……! くっ……!」
「む……すまぬ、リー。任せると言ったのに勇者も巻き添えにしてしまった」
「いえ、構いません。元より我らはレオンハルト様の盾であり剣。狩れる相手を狩るのみです」
それはまるで生きた魔法だった。雷撃のように回避不可能な雷の獣が宗近の身体を貫く。常人であれば一瞬で黒焦げ。消し炭になるほどの威力だが、そうならなかったのは宗近がそれだけの強者。高レベルであったからだろう。
ゆえに宗近はその雷獣からすぐに脱した。自分の使役する根津血の風を受けながら距離を離し、続く雷獣の追撃も勇者の見切り特性で躱す。
だが逆に言えば高レベルの侍でもある宗近が、勇者特性を使わなければ躱せない程の強さだということだった。
そのため宗近達はお町に近づく余裕がない。雷獣という自立して動く生きた雷にじゃれつかれ続ける。
そしてもう一体。宗近が呼び出した鬼の童乱剣鬼に関しても──
「クソ! 宗近!」
「──行かせはせん」
「!」
轟音。リーの大砲のようなストレートパンチが空気を叩き、童乱剣鬼に迫る。童乱剣鬼はそれを何とか躱した──いや、受け止めることができなかった。力自慢の鬼である彼女より、リーの膂力は上。
そのため刀を抜いて回避を主体で戦うしかなかったが、やり慣れてない戦法を取るのはそれだけで不利となってしまう。
「どけぇぇぇ!!」
「向かったところで無駄だろうが、みすみす見逃す筈もない。仕留められる相手は仕留める」
ゆえにリーは効率的に、いっそ機械的に敵を狩ることに注力した。勇者をこの手で仕留めたかった気持ちはあるが、自分の個人的な感情を持ち込んで不利になるようなことをリーは選ばない。
あくまでこの身は主であるレオンハルト様のため。主の目的を達成させるための忠実な配下なのだ。
背後の勇者宗近と大天狗に関してはお町の雷獣に任せておけばどうにでもなる。こちらの鬼を片付けてから加勢するのがいいだろうとリーは即座に判断していた。
そしてリーに味方し、雷獣をけしかけた同じ使徒のお町の方は──
「ふぅ……レオンハルトと共にいたい……」
──悩ましげに吐息を漏らし、主であるレオンハルトのことを想っていた。
無論、戦闘に集中していないわけではない。お町は眼前で戦う勇者や妖怪らの動きからは目を離していない。離していないが……だが心だけは器用に明後日の方を向いていた。
レオンハルトと共にいることはお町の何よりの願いであり、使徒になったのもそれが理由である。使徒となった以上はレオンハルトの役に立つためなら何でもする覚悟はあるし、今回の戦争においてもレオンハルトのためにお町は人間を蹴散らす役目だって十全にこなすつもりだった。
──が、そこにお町があまり動かない理由が詰まっている。何しろ、この若干のサボタージュは他ならぬレオンハルトからの命令だからだ。
『お町。お前は極力戦闘に参加するな』
『うぅむ……しかし我は……』
『お前の気持ちはわかっている。だが、他の使徒もそうだが今回の戦争がお遊びである以上、敵の軍を即座に滅ぼすようなことがあってはならない。お前の陰陽術や雷獣は集団戦において無類の強さを誇るからな』
『……レオンハルトがそう言うのであれば、我はそれに従おう。だが……』
『ああ。その分褒美はやる。お前は極力俺の側にいろ。戦わなくてもやるべきことは幾らでもあるからな』
『レオンハルト……』
……と、そんな回想をお町は思い浮かべる。この戦争の前、お町はレオンハルトから戦闘にあまり参加せず、するにしても極力手加減するように頼まれていた。
そしてそれはお町に限った話ではない。ハンティを始めとして、ペールの呪いやお町の雷獣。あとはガウガウなど一部の使徒が持つ大規模な攻撃などを人間の集団に放つことは禁じられていた。
たとえばハンティがガウガウと共に開発した複合魔法などは人間の集団を千人単位で吹き飛ばすことが可能な超魔法である。お町も見たことがあるが、あんなものを人間相手に使えば戦争なんてものは成り立たないだろう。禁じられるのも当然だと思う。
そしてお町の雷獣や雷の陰陽術はそれと同規模で人間の集団を殲滅することができる危険な術だった。今、目の前で勇者と大天狗相手に戯れている雷獣は相手が勇者だから持ち堪えられているだけだ。仮に北にいる人間の集団に向かって行くように命じれば、雷獣は雷の速度で人間の群れに突っ込み、その尽くを黒焦げにして殺してしまうだろう。
もちろん無敵ではない。弱点はあるのだが、それでも人間の手には余るものだ。倒すことは難しい。
それに雷獣だけでも厄介なのに、雷獣はお町から自立して動くことができる。つまり、本格的に戦闘をするならお町は雷獣と一緒に攻め立てることができる。それこそ雷獣よりも規模だけは大きい大雷撃を超える雷を呼び出して人間を焼き殺すことだって可能だ。
そして、そんなことが可能だからこそお町は本陣にて主に防衛に回り、イヴやミシェーラ。キャロルやペールの従事する主攻には回されない。
相手が目の前のような強敵であれば良いのだが、人間相手には厄介すぎる。だからこそお町はこうしてレオンハルトの役にこれ以上立つことができず、悩ましげに吐息を漏らすのだ。
──が、それはそれとしてお町がレオンハルトを想いすぎているのも事実である。手加減しなくていいとなっても実のところあまり変わらないかもしれないし、お町自身もそれを自覚しながら改めるつもりはあまりなかった。やるべきことはしっかりこなすつもりだが、それはそれとしてレオンハルトの側にいたい。お町にとって一番の役目であり欲望はレオンハルトに侍ること。レオンハルトの胸にしなだれかかり、その腕に抱きついて胸で挟み込み、レオンハルトが他者には気づかれない程度に気持ちよさを感じていることを肌を通して感じること。そうしてレオンハルトと愛し合い、その迸る欲求を受け止めてみせる瞬間。それがお町にとっての幸せだ。
……早く戦争が終わらぬものか……。
お町は更に悩ましげに息を吐く。早くレオンハルトとくっつきたい。挟みたい。悦んでほしい。
そもそもお遊びというのが中々にままならないものだ。戦いを早く終わらせるわけにはいかない。さっさと日常に戻りたいが、それはできない。他ならぬレオンハルトの命令だからこそ十全に従うが、こうして手加減しながら戦っているとフラストレーションは溜まる。勇者の1人くらい倒しても構わないだろうが、その勇者にしても雷獣の動きを不自然に見切り、幸運にも致命傷を避け続けている。話には聞いていたが、なるほど。これは厄介だとお町は勇者宗近の動きを見て思う。微妙に自分とは相性が悪い気がすると。
「っ……攻めきれない……!」
「無駄なことをするでない……雷獣をいなすことは出来ても突破して直接攻撃を当てることは叶わぬであろう」
が、それは宗近にしても同じだった。雷獣の攻撃を勇者特性で躱すことが出来ても、その雷獣を突破してお町やリーに攻撃が加えられるかと言えば否である。速さが違いすぎる。召喚した2体の鬼と天狗がいても数の上で互角。
陰陽術で更に召喚できないこともないが、雑魚を呼び出したところで一瞬で蹴散らされるだけ。つまり打開は難しかった。しかも──
「元気になーれ!」
「! ──フォーチュンか!」
「は、はい! 私もレオンハルト様親衛隊の1人……! ですからリー様たちと戦います!」
「……そうか。その献身に感謝する。そのまま支援を行え」
「了解です!」
「っ……あのきゃんきゃんの亜種が回復や支援を……!」
──更にもう一体、幸福きゃんきゃんの変異種であるフォーチュンはリー達を手助けするためにその場でヒーリングや舞を行った。
レオンハルト親衛隊の中での彼女の役割は支援。神魔法を扱える他、舞姫技能により行動回数を増やすという特殊な効果をもたらす踊りを行うことができる。単体であればそれほど強くはないが、味方がいれば極めて厄介な力だった。それゆえ参戦を決意したフォーチュンにリーは感謝する。反対に宗近の方は形勢が悪くなったことで歯噛みし──
「これだけの支援があれば……ふんっ!!」
「うぎゃっ!?」
「……! 主様!!」
「!?」
そしてフォーチュンの支援を受けたリーが童乱剣鬼を再び殴り飛ばし、そのまま高速で宗近の下へと迫る。フォーチュンによって行動回数を増やす支援を受けたリーは勇者の隙──雷獣の対処で手一杯となっている宗近に再び必殺の一撃を放つ。
「お前の攻撃は既に見切っている……!」
「まだ吠えるか。いいだろう──1つでももらえば終わりだ。全て躱してみろ……!!」
リーの動きが小ぶりな、動きを最小限にした当てる動きへと変化する。
いわゆるボクシングスタイル。勇者とはいえ人間である宗近を仕留めるのに大振りな攻撃は必要ない。リーのパワーであればジャブであっても人体を容易に破壊できる。
ゆえにリーが仕掛けたのはジャブのラッシュだ。格闘LV2のリーのステップとラッシュ。一撃でも当たれば骨は粉々に砕け、内蔵は破裂する。並の人間であれば身体に穴が空く。一発一発が必殺の破壊力を秘めた攻撃が宗近へと殺到する。
そしてそれを、宗近は全力で回避した。勇者の見切り能力。そして宗近自身の戦闘技能。これまでの経験によって紙一重でリーの攻撃を。
「オオオオオオ……!!」
「……っ……!!」
躱す。躱す。躱す。躱す。
ただひたすらに見切り、躱し続ける。リーのラッシュは空を裂き、空間を叩き、凄まじい衝撃波を周囲にもたらす。
しかし宗近にだけはギリギリのところで当たらない。当たれば死ぬ。死ぬからこそ、勇者は当たらない。何とか回避ができる。
それでも初見かつ動きの限界を超えてしまえば攻撃は直撃し、死ぬことになるが──仮に死んだとしても勇者は復活する。
完全に仕留めるには何度も殺して心を折るしかない。そこまで行ければいいが……それでもまずは一回目だ。
……かつて友は出来たのだ。使徒となり、研鑽を積んできた私に出来ない道理はない!!
そう、かつて大将軍コウウは勇者を一度殺すことに成功した。
そのことを思い出し、リーは力を、心を奮い立てる。勇者に回避不能の一撃を与える。コウウと同じように、そうすれば一撃は確実に与えられる。難しいことじゃない。覚悟を持って実行に移すだけだ。最強の魔人レオンハルトの使徒である己にも出来ないことではないとリーは肉体に力を込めた。そして──
「……! ここだ……!!」
「!」
勇者宗近が動いた。
リーのラッシュに僅かにできた隙。宗近が勇者の能力だけでなく己の意思で回避の方向を選択したことで見つけられたその刹那の時に、宗近は全力を込めた。聖刀・日光。魔人すら斬り殺すことのできるその得物を宗近は振るう。剣戦闘LV2。レベルにして84。JAPAN随一の剣豪である宗近は自身の奥義を放つ。
「──“三日月”」
その剣閃は美しく弧を描く。
激しい衝撃波を放つような強烈な動の技ではない。むしろその正反対。音を立てることなく神速で。特殊な歩法を用いて相手との間合いを一瞬で詰め、魔物の身体を例外なく一刀両断する。集団を倒す技ではなく、ただ目の前の敵を斬る──ただそれだけを極めた奥義だ。
ゆえにその剣技は魔人や使徒にすら通じる。同じ魔人であるガイや魔人をよく知る日光にすら太鼓判を押された宗近の奥義は、確かにリーの肉に突き刺さった。
「やはり……勇者は勇者。無傷とはいかないか」
「!? なっ……!」
そう──突き刺さった。宗近が驚きに目を見開く。宗近が放った一刀は、リーの左腕に突き刺さり、その筋肉によって動きを止められていた。
その結果。恐るべきリーの見切りを宗近は見た。見切っていたのは、リーも同じであったと。
しっかりと刀を、日光を振るったのであれば如何に魔人や使徒とはいえその身体を切り裂くことは難しいことではないが──
「私の攻撃を、力が完全に乗り切る前に腕で止めた……!?」
「──難しいことではない。使徒としての力。速さ。判断力。経験。それらがあれば可能だ」
──百戦錬磨。何千年と生きて研鑽を積んできた。特にこの千年は、主であるレオンハルトを見習って戦闘訓練を積んできたリーであれば、勇者と言えど攻撃を防ぐことは難しいことじゃない。
何しろ勇者の特性。その驚異的な能力は、回避や見切り、不死など守りに特化している。
無論、条件を満たせばその身体能力は劇的に強化されて受けることが難しくなるが、そうでないなら結局は人間の域を出ない。リーと宗近の間には覆し難い力の差がある。
ゆえに見切れる。勇者の特性などなくとも、宗近の奥義の気配を感じ取り、それが放たれる直前で左腕を犠牲にしてその剣閃を止めることが叶う。
「一撃だ。一度目の死を勇者──貴様に与えよう」
「……っ!!」
──そしてそうなってしまえば、勇者に躱す術はない。
NC期の末期。魔物大将軍コウウと勇者クエタプノの戦いを見て生き残っていた魔物兵にリーはコウウの戦いぶりを聞いている。
そして主である魔人レオンハルトと魔人ガイの戦い。そこでも同じような方法が用いられた。難しいことじゃない。覚悟さえ決まれば──自身の身体を盾にすることなど容易に行うことができる。
そうしてできた隙に最大の一撃を叩き込む──そうして友も主も打ち勝った。
「“獅子王拳”!!」
「────」
「宗近様──!!」
「宗近……!!」
右手で一撃。宗近の心臓を拳で撃ち抜く。
召喚された2体の従者の声虚しく、宗近の肉体は宙を飛び、魔軍の陣地。その天幕と櫓に激突し、それらを倒壊させた。
『まさかこのような手で一度殺されるなんて……やられましたね、宗近』
「──……ああ……そう、だな。私が油断した結果だ」
そして……宗近は一度殺された。彼の得物となっている日光はそのことを口にし、それから少し遅れて宗近の喉から言葉が紡がれる。
「ふむ……どうやら終わりか」
「召喚された妖怪が消えました……!」
一瞬でも主の生命が終わったせいか、宗近が召喚した鬼と妖怪が消えてしまう。そのことに反応したお町とフォーチュンだったが、生憎と宗近の方はまだ終わってはいなかった。
「……認めよう。私が甘かった。今回の攻勢は失敗だ」
「さすがに一度殺されたくらいでは折れぬか」
「この程度の屈辱、なんてことはない。──お前達の主に与えられた傷に比べればな」
『…………』
勇者宗近は怒りの籠もった静かな声をリー達、魔人レオンハルトの使徒へ向ける。その言葉に宗近の手にある日光が無言で何かを思うも、反応を示しはしないため誰も言及することはない。
「魔人レオンハルトに伝えておけ。私はあの日の敗北を忘れてはいない。人類を解放するまで……何度殺されても貴様を斬るために立ち上がると」
「伝えるのは構わないが、それが出来るとは思わぬことだ。貴様が何度現れようと私は立ち塞がる。レオンハルト様に殺される栄誉をそう簡単に得られるとは思わぬことだ」
「お前にはもう殺されはしない。だが……今日のところは撤退しよう」
「逃げられるものならな。貴様はここで……む」
宗近の言葉を受け、リーは決意を持って勇者を追撃しようとする。レオンハルトと宗近の間に何があったかは知っている。珍しいことではない。この数千年の間に何度もあった、人間の英雄がレオンハルトに折られただけのことだ。
そしてリーは宗近を追い詰めようとして──しかし宗近の手に“帰り木”……一瞬にして設定された拠点に帰ることのできる貴重なアイテムがあることに気付いた。
「──覚えておけ。私は必ずお前達魔の者を討ち倒す」
“帰り木”の枝が折られ、宗近の姿は一瞬にしてその場から消える。
後に残ったのはリーとお町。敵がいなくなったことでお町の近くに佇む雷獣。そして遠巻きにそれらを眺めるフォーチュンだけだった。
「逃がしたか……面倒であるな……レオンハルトの望みとはいえ……」
「? お町様、それって……」
「……本陣の脅威は退けた。北の大部隊も気にはなるが……まずは本陣を立て直す」
「あ、はいっ! それよりリー様! 治療を……!」
「動きながら頼む」
「ふむ……では我はしばらくは見張っておこうかの。おぬしと違って力はありあまっておるし」
「ええ、お頼みします」
そうして魔軍の本陣に強襲を仕掛けてきた勇者宗近は撤退し、使徒リーやお町はしばらく本陣の立て直しと守りに徹することになった。
「……ふむ。やはり勇者宗近の襲撃は失敗したようですね」
大陸南部の森の中。遠く、激しい戦闘音が響くその場所でとある使徒は現状を読み取った。目の前にいる2体の使徒──イヴとミシェーラと対峙しながら。
「はぁ……はぁ……攻撃が、当たらない……」
「ど、どうなっているんですか!? いえ、ミシェーラはもちろんわかりますけどね! 確認のためにイヴさん答えてください!」
「……予知、でしょうね。信じられませんが……噂は真実だったみたいです」
「──そうですね。私は未来視を行える。故に、貴方たちの攻撃は当たりません」
魔人ガイの唯一の使徒──レーモン・C・バークスハム。
ガイを除けばガイ派の中で唯一の魔の者。ガイの次に注意すべき相手として魔軍には伝達されているその使徒は、同じ使徒のイヴとミシェーラの攻撃を難なく躱し続けていた。
未来視の一族出身であり、自身もまた未来視を行うことのできるバークスハムは戦闘においてもその未来視を当然の如く活用する。
もっとも、得意とするのは長期的な未来を視ることであり、数秒先の未来を視るような予知はそれほど脅威ではないとバークスハム自身は認識している。己の役割はあくまでもそこではない。戦闘においては、予知の速度を超える暴力に難なく叩き潰されるものである。
例えば今ガイが戦っている魔人カミーラや魔人レイをサッカーボールのようにして遊んでいる使徒ハンティなどの怪物にバークスハムは太刀打ちできない。肉体の方が対応できないからだ。
しかし逆に言えばバークスハムの使徒としての身体能力で対応できる相手であれば、幾ら攻撃を行おうとバークスハムには通じない。そしてそれを、対峙するイヴなども理解していたが……。
「無駄ですよ」
「っ……!」
魔導具を用いた水の鞭。認識範囲外から行ったその攻撃もバークスハムは視界で見ることなく回避する。
その上、攻撃の余波──魔人ガイと魔人カミーラの戦いの激しさから飛来する木片もまた身体を軽く翻してついでに回避してみせた。
「私は攻撃を感知して回避してはいない。未来の情報を読み取って回避しているのです。その意味がお分かりですか?」
「……認識外だろうと偶発的な攻撃だろうとそこにいれば攻撃が当たった、当たらないと視ている以上はそう動くだけ──そういうことですね……」
「正解です。さすがはイヴ様。賢いですね」
「ミシェーラも賢いですよ!」
「承知しています。ミシェーラ様は直感に優れていますね」
イヴの答えにバークスハムは微笑を浮かべて称賛する。悪意や敵意はない。素直な言葉だ。
そもそもバークスハムに魔人や使徒……特にレオンハルトの麾下にある者達への憎しみや害意はない。
むしろあるのは感謝や親しみだ。ガイがレオンハルトと会う際に何度もレオンハルトの使徒、イヴやミシェーラとも何度もやり取りを行っている。それなりに親しくさせてもらっていた。
だが、
「ですが私は突破できません。そして私のこの度の役目もあなた方の足止め。傷つけるつもりはない。しかしガイ様の目的のため、よりよい未来のために私は行動する。大人しくここで私との時を過ごすこと。それがあなた達が選択できる一番良い未来です」
バークスハムは通告する。その行動と意思に曇りはない。
相手がどれだけ親しかろうとバークスハムは主のため。未来のために行動する。必要であれば非情にもなる。今はその必要はないだけ。
だからこそバークスハムはイヴとミシェーラに言葉を以て通告するのだ。抵抗されるのは面倒になるからと。
そしてその揺るぎない、一方的な上からの言葉にイヴは眉間に皺を寄せた。
「……困りましたね。これが戦争である以上、ちゃんと戦わないといけないのですが」
「把握しています。戦う姿勢だけは見せなければならないと。ですからこうして戦闘だけは継続しているのですよ」
「くっ……!」
「おわわ!?」
バークスハムはイヴの言葉の裏を読む。無論、それも洞察力などではない。未来を視て知っているだけだ。レオンハルトがその使徒たちに手加減を命じていることを。
もっとも魔王ジルの腹積もりをバークスハムもまた知っているため未来視がなくとも予想することはできるが、魔王の命令に忠実と思われる魔人レオンハルトの目論見までは他の魔人や使徒には見えていないだろう。
しかしバークスハムには視える。そして、視えるからこそ心配りとしてバークスハムは剣を振るった。何の変哲もない直剣を、それほど速くはない速度でイヴとミシェーラに向かって振るう。
その剣速は速くはない。普通ならイヴやミシェーラでも余裕をもって対応できる。
しかしそれでも苦悶を意味する声を漏らしたのは、それだけバークスハムがやり難いからだ。これもまた未来視を利用しているのだろう。攻撃自体はあまり速くないのに、動きを先読みしているから避けにくい。かなりいやらしい位置や僅かな隙を狙って剣を振るっている。
しかもそれは明らかに手加減していた。レオンハルトの使徒を倒す──なんてことをバークスハムは考えていないし狙っていない。そんなことをすれば回り回って悪い未来へと転んでしまう。主であるガイに対しては少し不敬な行いだが、これが回り回って主の良き未来へと繋がることをバークスハムは信じていた。
「なので言い訳は立つかと」
「どこまでもいやらしいですね……」
「ご容赦ください。それに程なくしてこの第一戦は片付きます。──我々の敗北と三体の魔人の敗北という結果をもって」
「……! それは……」
バークスハムの予言。その言葉の意味を正確に理解したイヴは返答を迷わせるも、バークスハムの方は躊躇なくその先を口にした。
「大勢の人間が死ぬでしょう。そして、三体の魔人もまたこの戦争からは少なくとも脱落する。つまりは痛み分けです」
バークスハムは内心にその三体を思い浮かべる。
──魔人レイ。魔人カミーラも、ガイ様には敵わないと。
そしてもう一体に関しても、破滅の時は揺るがず近づいている。あるいはそれ以外の未来も視えたが、どうにもその魔人は省みてはいなかった。ゆえに破滅は必定だろうとバークスハムは読む。
「さて、そろそろまた幾つかの決着がつく頃です。我々もまた仕上げといきましょう」
鷹揚にバークスハムはそう予言した。同時に己の度し難い所業を自覚する──多くの人間を犠牲にし、多くの運命を決定付け、それらを計算に入れた作戦を立てていることに。
だがこれもまた未来のため。バークスハムに迷いはない。今回の戦いで多くの人間は破滅を迎える。それと同時に、この第一戦の結果で魔王ジルを引き摺り出すのだと。
──そしてまた地獄は始まる。
「隊列を組んで魔物共を追い返せ!! 鋼の騎士団の意地を見せろ!!」
「おお!!」
「結界を解いてすぐに奇襲を仕掛けてくるとはやるな。それなりの強敵ではあるようだし、期待はできる。私たちも応戦するとしよう──キャロル隊長。許可を」
「ええ構いませんわ! レオンハルト様親衛隊!! 人間を蹴散らしなさい!! 王者の戦いを見せつけますわよ!!」
「はい!!」
とある山岳地帯に隠された人間の隠れ里。大規模魔物討伐隊『鋼の騎士団』の本拠地であるその場所で、魔軍と人間の戦いが始まる。
率いるのはレオンハルトの使徒キャロルにペール。レオンハルト親衛隊の副隊長の師匠を始めとする女の子モンスターの変異種たち。
それに対し、人間側は防衛の構えを見せていた。盾や槍を構えた人間の騎士たちは魔物の突破を地形や陣形を利用して迎撃しようとする。
「オラオラオラ!! 土に還れ魔物共!! このスターク様がいる内は好き勝手させねぇ!!」
「わわっ! この人間ちょっと強いかも!」
「面倒っすね……こういう強い相手は師匠やキャロル様にお任せしたいっすよ」
そしてその中心にいるのが鋼の騎士団の現隊長。鎧に身を包んだ女騎士スタークであり、彼女は魔物隊長やレオンハルト親衛隊の猛者と対峙しても一歩も引かず渡り合っていた。
「むむ……情報にあった隊長ですわね。情報通りそれなりに強そうですし、ここはやはりレオンハルト様の完璧な第一使徒であるわたくしが軽く捻って差し上げますわ!」
だがその戦場での華々しい活躍はより強者を引き寄せてしまう。
部下からの報告を受けた使徒キャロルは主のためにその敵将を同じく華々しく討ち取ってみせようと二丁の銃を取り出した。銃を用いた戦闘を得意とするキャロルの主な得物である。キャロルは遠目に、その引き金を引こうとして──
「やらなくていいわよ~、キャロルちゃん」
「! ……メディウサ様!? なぜ止めますの!?」
「そりゃ私が出るからに決まってるでしょ。向こうの隊長だっけ? 結構唆るから私が相手するわ。だからキャロルちゃんたちは他を相手してくれる? ──私たちの邪魔にならないように」
「…………了解しましたわ!」
──そこに現れた魔人メディウサによってその引き金を止められる。
魔物にとって上下関係は絶対のもの。この軍の中で最も偉いのは魔人であるメディウサであり、使徒であるキャロルに逆らう権利は存在しない。
そのためキャロルは少し間を置きながらも、すぐに元気よく返事をして別の人間へと向かっていった。
「ふふ……まあ、たまには外での狩りも悪くはないわね」
「!? ──てめぇは……魔人か!!」
そしてスタークにはメディウサが当たる。互いに対峙し、スタークは敵意と殺意に満ちた表情で睨みつけ、メディウサは嗜虐心と愉悦さを隠すことなく舌舐めずりを行った。
「ぶっ殺す!!」
「良いわねぇ……その生意気な表情……その綺麗な顔をぐちゃぐちゃにしてあげる。どこまで耐えられるか今から楽しみでしょうがないわ……!」
鋼の騎士団の隊長スタークと魔人メディウサ。ただの人間と魔人という絶望的な勝負が始まった。
そして──
「あー……これじゃまた命令違反しそうですよう。もう今の内にメモしておきましょうか。命令違反プラス1……人間の女を使って禁止されてた行軍中のお楽しみ……っと。はぁ、色んな意味で面倒というか憂鬱な戦場ですよう」
同じく従軍する魔人レオンハルトの使徒ペールは、遠巻きに魔人メディウサの戦いを眺めながら懐から取り出したメモ帳にさらさらとペンを走らせ、この後のことを思い、憂鬱そうにため息を1つ零すのだった。
──そして同時刻。
魔軍の本陣の北側。それが一望できる丘の上で。
「よもや……忍び寄っていたとは……」
──キリング商会の会長代理であるグリーン……グリーンアイは地に伏していた。
そしてそれを成したのは背後から彼を刺した3人の影。
「驚きだな。まさかあのキリング商会の者が魔軍に与しているとは」
「面白い情報ネ。高く売れるヨ」
「それよりどうすんだよ! 商会が敵ってこたぁこいつらの物資も何も信用できねぇじゃねぇか!」
大規模魔物討伐隊『影の楔』。その最高幹部である四影刃──“赤ずきん”、“鴉”、“サソリ”。
グリムリーパーを除いたその全員が戦場を俯瞰していたグリーンアイに奇襲を仕掛け、一瞬でその命を奪ったのだ。彼らはその戦闘力も然ることながら全員がレンジャー系──つまり隠密行動や暗殺に長けている。
この丘で敵が来ないかどうか張っていてほしいと頭領から──実際は作戦を考えた魔人ガイの使徒バークスハムの指示だが、そう言われれば是非もない。上の命令に従って仕事を行う。
「とりあえず身ぐるみを剥いでしまおう」
「こいつ、色々持ってそうよ。刺した時、感触が少しおかしかったネ」
「チッ……まあいい。どの道、あんな化け物と戦うなんざ幾ら頭領の命令でもごめんだ。こうして裏で動く分にはそこまで危険もねぇだろうしな」
「それは言えてるネ。あんな化け物と戦えるのはグリムリーパーか頭領ぐらいのものヨ」
「それでも命令であれば否応はないが……無駄死にはできれば避けたいところだ」
彼らは丘から見える戦場、そこにいる巨大な黄金のハニワとそれを操っていると思われる魔人が大量の式神とそれを操る陰陽師の集団を強大無比な魔法で塵のように消し飛ばす光景を見て戦々恐々としつつも冷静だ。
この時代、野良で生きるには魔物との戦闘は決して避けられないもので修羅場には慣れている。どんな時でも動揺すれば呼吸が乱れ、その乱れは致命的な隙やミスへと繋がり、死に至る。
影の楔の頭領が伝え続けてる教え。その通りに動いている彼らだが、それでも魔人を見たことある者は限られている。こうして戦場でめちゃくちゃに暴れている魔人を見ると影の楔きっての猛者達もあれと戦うのはごめんだと愚痴を零してしまうのも致し方ないことだろう。どれだけ強かろうと無敵結界がある限り、魔人や魔王には勝てないのだから。せいぜい、彼らのような普通の人間が相手できる上限は使徒くらいのもので──
「──連絡が途絶えたから何事かと思ったが……」
「……!」
──と、彼らがその声と現れた気配に気付いた瞬間、誰もが目の色を変えて得物を投擲する。
投擲したのはナイフやダガー。手裏剣や針など様々だが、どれも暗器であった。高位のレンジャーである影の楔の最高幹部らは背後に現れた存在を確認し、即座に先手で攻撃をしかける。
なのでしっかりと姿を脳で理解したのは攻撃を放つ直前だった──白衣やモノクルを身につけた小柄な女だと。
そして、
「うわっ。危ないな。ブラックアイ」
『イエス。マスターガウガウ』
「!? なんだありゃあ……!?」
「流動する……盾、いや、鎧、か……?」
「何らかのマジックアイテムに見えるネ……」
彼らの投擲した得物は、例外なくガウガウの前に広がった黒い膜のようなものに防がれる。その謎の盾。おそらく魔導具だと推察した鴉は正しく、その相手は魔導具を使用していた。たった1つだけでなく。
「ほうほう……そっちの赤ずきんを被った女はレベル45に斧戦闘LV1、くノ一LV1に性技LV2と調教LV1。黒尽くめがレベル44で盗賊LV2。商人もLV1。そして筋肉ハゲがLV41の格闘LV1、忍者LV1と……おおう、そのナリで薬剤LV1と菓子作りLV1もあるのか。結構才能豊かな連中だな。グリーンアイが破壊されるのも頷ける」
「!?」
「お、俺たちのレベルが……」
「技能LVも知られた……? 私たちでも知らないものを……」
その少女は影の楔の面々をその左目のモノクルで覗き込み、彼らの情報を明らかにしていく。
才能レベルに技能レベル。その存在は野良の人間でも魔物討伐隊に属する者達であれば当然知っている概念だ。今の時代においてもレベル神やレベル屋というものは存在し、彼らは経験値を溜めてレベルを上げることで強くなる。
もっとも技能LVに関しては存在は知られていても自分や他人がどんな技能を持っているかを知ることはできない。だからこそ影の楔の面々は驚愕し、この少女が只者でないことを知る。その言葉から、魔に属するものであることも。
「ふっふっふ、なぜレベルが知られたか知りたいか? ならば教えてやる! これは私の発明した最高傑作の1つ! 何でもお見通しのモノクル『覗き見モノクル』だ!! これで対象を見るだけで才能レベルや技能レベルを知ることができる魔導具! ガウガウ様の至高の一品なのだ!」
「…………察するに、この男と同じ、魔軍に属する者……いや、まさかとは思うが……使徒、か?」
「ふふふ、そこまで見抜かれてしまったか。さすがは私。使徒になっても溢れ出る魔力や魔族特有の気配が強大すぎて……」
「いや、状況や発言から推測しただけだが……見た目や気配だけで言うならただの子供としか思えない……」
「子供ちゃうわっ! ……身長がちょっと低いだけだ!」
子供と下に見られたことにその少女──使徒ガウガウは大声でツッコミを入れる。そして少し間を入れて言い訳も口にした。
その様子はさすがの影の楔の面々も僅かだが気を抜いてしまうもの。凄まじい効果の魔導具を持っていることは確かだが、強そうにはどうにも思えなかった。
「……おい赤ずきん。こんなガキが本当に使徒だってのか? 俺たちでも余裕で勝てそうに見えるぜ」
「分からないが……初見の敵を下に見積もるのは愚か者のすることだ。油断はしない方がいいだろうな」
「そうネ。少なくともあのマジックアイテムはすごいものヨ。殺して奪えば高く売れるネ」
「こんな時でもてめぇは金かよ! チッ……だが、確かにそうだな」
だがそれでも彼らはこの時まで生き残ってきた影の楔の最高幹部。相手が子供に見えても油断をしてかかるようじゃ野良では生き残ることはできない。
それぞれが斧やナイフ。手甲などの得物を取り出して構える中、対してガウガウはただ検討して決定した。
「レベル40台が3人か……ちょうどいいな。よし、実験するか──パープルアイ。グリーンアイを持ってきてくれ」
「りょうかーい♡」
「!? 何……!?」
そして気づけば3人の近くに紫色の髪と瞳の美少女が忍び寄っていた。声がして初めてその存在に気付いた彼らは即座にその場から飛び退く。何が起こったか分からない時。咄嗟の時は回避や撤退。逃走を優先する。野良で生きる人間としての習性が染み付いていた。
「もーそんなに驚かなくていいのにー。よいしょっと──どうぞ、マスターガウガウ」
「ああ。どれどれ……うん、コアは壊れてないな。よし、起きろグリーンアイ」
「────はい。マスター」
「なっ……!?」
3人が飛び退いたのを尻目に地面に倒れたグリーンアイを回収した謎の美少女パープルアイ。
それを受け取ったガウガウは軽く胸の辺りをガチャガチャと弄くって調べると、手から魔力光を──魔力を注ぎ込んだ上で命令し、グリーンアイを起こしてしまう。まるで何事も無かったかのように。
「い、生き返りやがった!?」
「確かに刺した筈ネ……」
「ふふん。刺しても死んだりする筈がないだろう! このグリーンアイも私の最高傑作の1つだからな!」
「最高傑作……? まさか……」
影の楔の面々がその現象に驚き、まさかとありえない推測を行う。魔導具を扱うこの使徒。同じ最高傑作と称したモノクルとこのグリーンアイが同じ。
それが意味するところは1つであり──
「マスターガウガウ。申し訳ありません。奇襲を仕掛けられ、機能を一時的に停止してしまいました。そのためマスターに与えられた観測の命が十二分に果たせず……」
「問題ない。時間ならたっぷりある。それより今は実験だ。お前の性能テストを行うぞ。いいか?」
「はい。問題ありません」
「それじゃアタシも参加していい!?」
「駄目に決まってるだろう。お前まで参加したらテストにならないからな」
「えー。ちぇっ、しょうがないなぁ。じゃあ頑張って! グリーンアイお兄ちゃん!」
「ええ、最善を尽くします──偉大なるマスターガウガウ。戦闘の許可を」
「ああ。いいぞ、身体に仕込んだものはお前の判断で好きに使え」
「畏まりました。──魔導具『グリーンアイ』、起動します」
──そのシステム的な言葉が紡がれたその時……グリーンアイと呼ばれる人型の何かが動き出し、そのヘルメットから溢れる緑の光が強く煌めく。
それと同時に魔力も身体から満ち溢れ、同時に様々な仕掛けが動き出した。手の先が伸び、左手の5本の指先が銃口へと変わり、背中から触手が生え、右手は緑光の剣──レーザーソードと呼ばれる武装、魔導具が発生し、両足にはブースターのような機動力をあげるものと思われる噴出機構が起動する。
それ以外にも幾つもの、影の楔の面々では理解できない幾つもの魔導具が一斉に効果を現したことで彼らはその最悪の想像が現実になったことを理解する。このグリーンアイという存在は──
「魔導具か……!!」
「──魔導具人間だ。よし、それじゃ戦ってくれ。機能テストが目的だからな。この一体だけなら壊してもいいぞ」
「──ご協力お願いします」
「あ、逃げたらアタシも参戦するから逃げないでねー♡」
「クソ! フザケやがって!」
「どうやら相手をするしかないみたいヨ」
「ああ……やるしかない……!」
──そうして使徒ガウガウの発明した魔導具人間であるグリーンアイと影の楔の最高幹部である3人の戦い……性能テストと称した実験が主戦場から遠く離れた丘の上で始まった。
今回はこんなところで。現在登場してるガイ派の主要人物の強さは
ガイ>>>超えられない壁>>>バークスハム>宗近≧グリムリーパー>>>スターク>>赤ずきん、鴉、サソリ
と、こんなところです。魔王戦争って考察すればするほど戦争じゃないよねって思う今日このごろですがギリギリ戦争になってるように書いていきます。
次回はガウガウがヤバい。そしてガイもヤバい。最初の戦いもそろそろ終わらせてジルとかノスの出番ももうすぐかな……ってところで次回をお楽しみに。
良ければ感想よろしくお願いします。