※この作品はR-18です。

魔軍参謀の憂鬱   作:黒岩

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初めての感覚

 地上とは全く別の空間に続く黒い穴。

 大陸から離れたJAPANで多く見られるその穴の先にあるのは──地獄。

 地上で死んだ魂を浄化するための場所であり、人間でも天使でも悪魔でもないとある種族が暮らす場所である。

 その種族の名は──

 

「グゲゲ! 地上! 明ルイ!」

 

「暴レルゾ!」

 

「俺、女取ッテクル!」

 

「俺も女とやりてぇ!」

 

 ──鬼。

 

 角に福耳や尻尾を持つ亜人のような種族であり、魂を浄化する役目を持つ彼らは基本的に地獄から出ることはない。

 しかし地獄穴から地上に出て悪さをする者が時折現れる。鬼は自我が強く、それでいて粗雑で乱暴者が多い。繁殖のために人間の女が必要なことから地上に出る鬼は人間の女性をよく狙うとされている。

 暴れることや酒を飲むことも好きで、享楽的な種族であった。地獄穴から出た鬼達は続々と数少ない人間の集落を襲っては好き放題に暴れる。

 ただそんな中──

 

「おいしょっと」

 

 ──人間の家屋から幾つもの書物を抱えて出てくる1体の鬼がいた。

 

 その鬼は鬼の中でも一般的な青鬼であり、体格的には他の鬼と何ら変わりない普通の鬼に見える。

 

「今日は3冊かぁ」

 

 しかし瞳には理知的な色があり、顔つきはどこか他の鬼と違って落ち着いたものがあった。手に持った本の数を数えると、その鬼は周囲で酒に女とどんちゃん騒ぎをしている鬼達からは少し離れて腰を落ち着けるとその本を開いて大人しく読み始める。

 他の鬼はそれを見て首を傾げていた。

 

「? アイツ、何シテル?」

 

「本読んでんな……」

 

「なんでそんなことすんだ?」

 

「知ラネェ! アイツ変ワッテルカラナ!」

 

「酒飲んだり女犯す方が楽しい!」

 

「グゲゲ! 間違イネェ!」

 

「放っとけ! 俺達は俺達で楽しむぞ!」

 

 鬼達が酒盛りに興じる中、その鬼はただ1人で黙々と本を読み続ける。

 

「へぇー……面白ぇ。人間にも昔は色んな王がいたんだなァ……」

 

 時折独り言を漏らしながら本の中の知識を吸収する。

 その鬼は生まれた時から他の鬼よりも思慮深かった。天才肌とも言える。物事を理解する力に長け、好奇心旺盛であり、それでいて積極的に人間を襲わないし喧嘩もあまりしない。心優しい鬼だった。

 

「魔王は怖ェけど人間の王には会って話を聞いてみてェ」

 

 一冊の本を読み終えるとまた次の本を読む。その鬼にとって地上は地獄とは違う、様々な物が溢れる夢の世界だった。

 

「飯や酒も美味ェし、どうやって作るんだろうな……自分で作れねェかな。作り方も知りてェ」

 

 酒や女も悪くないが、他の鬼みたいに暴れて踏み潰すなんて勿体ない。話を聞いてみれば面白いし、地上の生物が作る様々な物は見たことのないものばかり。それらを知識として収集するのが彼の趣味であった。

 

「ここがJAPANで橋の向こうが大陸かァ。いつか行って冒険してェ……!」

 

「──おーい、()()()。そろそろ帰っぞー」

 

「オメェ、イツマデ本読ンデンダァ!?」

 

「! おお。オデも帰る!」

 

 そんな変わった青鬼の名はバボラ。

 今はまだ仲間と共に地上と地獄を行き来し、地上への知識欲や冒険心を持つただ一匹の鬼だった。

 

 

 

 

 

 ──女性との逢引の基本は相手のことを考えることだとレオンハルトは考えている。

 

 いわゆるセオリーというものは存在するが、そういうものに頼って思考を停止させるのは愚かというもの。相手を本気で喜ばせたいなら相手の好むものや相手の今の状態を慮って言動や行き先を考える必要がある。当然のことだろう。贈り物に関しても同じことが言える。極端な例だが毎回同じものを贈っては相手は喜ばない。

 

 そうして相手のことを考えた上で行動する。戦いも女も同じだ。考えた上で受け攻めを行う。レオンハルトはそれを決して怠ってはいない。いなかったが──

 

(これは一体どういう状態だ……?)

 

「……………………」

 

 ──無言で目を逸らし続けながらも隣にいるカミーラに、レオンハルトは対応を悩ませていた。

 

 場所はある迷宮の最奥にある金の湯前。かつてレオンハルトとカミーラが見つけた10年に1度のみ、男女で入ると経験値効率が上がる不思議な温泉である。

 それを見つけてから2人は共に金の湯に入ってはしばらくレベル上げという名の狩りを行うのを恒例としていた。

 ただそれだけではない。何百年か前にレオンハルトの第一使徒であるキャロルは唐突にこう言った。

 

『10年に1度とはいえレオンハルト様とカミーラ様が利用する温泉がこのような寂れた場所というのは問題ですわ!』

 

『ミシェーラもそう思います!』

 

 カミーラとの温泉デートに同行するのが恒例の使徒2人は共に頷き合う。

 それから改築が始まった。

 

『せめて脱衣場は必要ですわ。それとレオンハルト様は風呂上がりの蜂蜜ミルクコーヒーがお好きなのでそれを置けるように魔法冷蔵庫も……』

 

『キャロル隊長! レオンハルト様は栗饅頭もお好きです! それと温泉後は釜飯や天麩羅、すき焼きなんかも食べたいと仰っていました!』

 

『そうですわね。なので厨房も必要ですわ。後は卓球台も置きましょう』

 

『卓球台は必要ですね。温泉ですから! ミシェーラは分かります!』

 

『ええ、それと特産のお土産屋も……』

 

 主のために好むもの。必要なものは全て揃えなければならない。妥協せずに案を出した2人はそれを魔物兵に伝えて工事を行った。

 極めて大規模な改装工事であったが、温泉に入るのは10年に1度。その間に工事は終わり、次に来た時には今レオンハルトとカミーラがいる場所のように。

 

「いらっしゃいませー温海迷宮温泉街にようこそー!」

 

「金の湯饅頭1個100Gでーす。お一つ如何ですかー?」

 

「金の湯煎餅に金の湯キーホルダーもありまーす」

 

 ──迷宮の入口からなる立派な温泉街が出来上がっていた。

 

 どうやらこの温海迷宮には金の湯以外にも色んな場所に温泉が湧き出ているらしく、それらを整備して誰でも入れるようにしたことで魔物達の憩いの場、観光地として栄えている。ちなみに店員はハニーや女の子モンスターであった。

 

「いつ見ても魔物が多いわね……」

 

「……まあ我々が行くのは普通の魔物は入れない最奥ですから」

 

「そういうことですわ!」

 

「ささ、レオンハルト様にカミーラ様。魔法エレベーターにどうぞ」

 

「ああ」

 

「…………」

 

 カミーラの使徒ラインコックや七星はいつ見ても大勢の魔物がいるその賑わいに何とも言えない顔になったが、主がもう何百年も前に許しているので今は何も言わない。レオンハルトとカミーラキャロルやミシェーラの案内に従って魔法エレベーターで最奥の金の湯前まで向かう。

 そこは旅館のような佇まいの別荘だった。温泉に入るだけでなく快適な時間を過ごせるようにとキャロルとミシェーラが試行錯誤した結果の産物である。

 

 もっとも最初はカミーラが気に入るかどうかが不安ではあったが。

 

「カミーラ様。今日の温泉後の食事はいつも通り赤ワインとすき焼き御前でよろしかったですか?」

 

「…………ああ」

 

 ──普通に気にいっていた。

 

 カミーラは普段から口にするものは厳選している。下賤な人や魔物が食べるものは口にしない。最高級の物しか口に運ばず、少しでも気に入らないものがあれば残した上で作った料理人を殺してしまうほどだが、ここはキャロルプロデュース。事前に七星と擦り合わせを行い、カミーラの好む最高級の食材を使用し、ミシュラン一族でも指折りの料理人が調理を担当してから七星が味見をして合格が出た食べ物や飲み物しかない。

 それに最奥はレオンハルトとカミーラだけが利用する場所。他の誰もこの場所には立ち入らない。レオンハルトも他の女や魔人をここに連れてくることはしていない。それをするとカミーラが機嫌を悪くすることは想像に難くないからだ。

 

 そして態々工事を行った甲斐もあり、カミーラは10年に1度ここに来ることを楽しみにしていた。レオンハルトもまたそう認識していたが。

 

「レオンハルト様は如何しますか?」

 

「俺も今日はカミーラと同じで構わない。……さて、なら早速入るか?」

 

「……………………そうだな」

 

 ──どうにも今日は口数が少ない。

 元々カミーラはお喋りな方ではない。しかしそれでも相槌ばかりでなおかつ目が合わないのは珍しい。

 それにどこかそわそわしているようにも見えた。レオンハルトからすれば不可解な様子。

 

(やはりガイが魔王になったから不機嫌なのか?)

 

(顔が見れん……何故だ……)

 

 ──しかしカミーラは単に恥ずかしいだけだった。

 

 ここ最近はずっと自分の感情に悩み、昨晩など部屋の花がなくなるまで花占いをしたが結局答えは出なかった。カミーラは今もまだ悩んでいる。

 そう……仮に己がレオンハルトのことを好きだとしよう。あくまでも仮にだ。認めたわけじゃないとカミーラは誰が聞いているわけでもないのに言い訳を、予防線を張った上で考える。

 すなわち──レオンハルトを手に入れる方法を。

 

(普通に私の物となれと言っても……忌々しいが難しいか。レオンハルトは関係を持つ女が大勢いる。私のことを…………好きだとしても首を縦には振らんだろう)

 

 カミーラはレオンハルトが大勢の女を囲っていることを知っている。その大半は下級使徒や使徒でカミーラと似たようなものだろうが、それでも魔人も──カミーラにとっては気に入らないケッセルリンクとも関係を持っていることは周知の事実だ。

 

「腹立たしい……」

 

「(腹立たしいだと……!? 何故だ……?)……すまない。何か気に障ることをしてしまったか」

 

「…………いや、いい。それよりも先に行っているぞ」

 

 何とも腹立たしい。あの女のせいで発言を間違えてしまったとカミーラは苛立ちをこの場にいないケッセルリンクに向ける。

 カミーラは逃げるように脱衣場に入るが、そこで衣服を七星とラインコックに脱がして貰いながら思考を再開する。……少なくともレオンハルトのことをカミーラは気にいっているのは間違いない。

 だが問題はそれが手に入らないこと。カミーラにとって全ては己に傅くもの。魔王のような例外を除いて、カミーラは支配者であり女王であるという当然の自負がある。自分が欲しいと言えば全ては手に入って然るべきで、それを拒否した下等生物は死んで当然だ。

 

 しかし魔王と並ぶ例外は──魔人レオンハルト。その男だけはカミーラの力でもどうにもならないし、どうにかしようとすれば関係は壊れるだろう。プライドが青天井に高いカミーラだが、長年レオンハルトと付き合ってきたことでそのことは理解しているし認める他ない。

 レオンハルトがカミーラに遠慮しているからこそカミーラとの関係が成立している。自分より上の存在が気に入らないカミーラだが、自分より上なのに傅いているレオンハルトにたまらない優越感を感じているのだ。他の魔人が恐怖し、最強の存在である雄が偉ぶらず、カミーラとは対等な付き合いをしている。それを気にいっていた。

 

 そしてカミーラ自らその関係を壊すことは出来ない。レオンハルトの魔人らしい一面をカミーラは知っている。対等な付き合いはしても、カミーラからレオンハルトを傅かせようと強制させることは出来ない。カミーラでは決してレオンハルトには勝てないからだ。

 

(レオンハルトめ……この私をここまで悩ませるとは……)

 

 だからこそここに来て腹立たしさも感じる。なんで自分の物にならない。私のことが好きなら他の全てを捨てて受け入れるべきだろう、と。

 だが現実としてそれが起こり得ないとなればカミーラから行動を起こすしかないが……カミーラがそんな方法を知る筈がない。カミーラが頭に浮かぶのは「私の物になれ」と上から言う事くらい。あるいは……。

 

(やはりこれを使うか……)

 

 カミーラは全裸になった己の身体を見下ろし、そこにある自分の美しい身体。とりわけ大きな胸を見て思う。

 そう。レオンハルトの好みは巨乳。それはカミーラも持っているし、何なら1番は自分に決まっているとカミーラは思う。大きさはケッセルリンクより上だろう。そして美しさも兼ね備えている。カミーラの自覚では己こそが最も美しく魅力的であるはずだと。

 

「七星。私の身体は美しいか?」

 

「は。何よりも美しいかと」

 

「ラインコック」

 

「は、はい……! 誰よりもカミーラ様がお美しいです!」

 

 己の使徒達に問いかけて確認もしてみるが、聞くまでもないこと。ほんのちょっと……そう、ちょっとでいいのだ。色仕掛けなんてする必要はない。ただちょっとだけ、いつもより長く見せたり、触らせてやればそれだけで落ちる。いや、落ちなければならない。カミーラのプライドは絶対だ。己がここまでやっているのにも関わらず落ちないのはあり得ない。

 

「か、カミーラ様!」

 

「……なんだ?」

 

「か……カミーラ様は……れ……レオンハルト様のことが、すすすす、好きなんですか!?」

 

「…………何?」

 

「ラインコック!」

 

 そしてそんな時だった。不意に使徒ラインコックが、意を決したようにそれを問いかける。

 ずっと悩んでいたことだったが、カミーラは指摘されたことで思わず眼光が鋭くなる。七星も声を大にしてラインコックを一喝したがもう遅い。発言してしまった以上、撤回は出来ない。とはいえ出来る限り庇ってやるために七星はラインコックと共に膝を突く。

 

「申し訳ありませんカミーラ様。ラインコックが出過ぎた真似を……私からも謝罪します」

 

「う……も、申し訳ありませんでしたカミーラ様……」

 

「……………………」

 

 己の使徒達の謝罪を冷たく見下ろすカミーラ。

 しかしカミーラの頭にあるのは怒りではない。それはカミーラにとっても初めてに近い感情。

 

「……カミーラ様?」

 

「くぅぅぅ…………!」

 

 歯噛みし、顔を赤くして身体を震わせるカミーラを七星やラインコックは見た。初めて見るカミーラのその様子。それを生じさせた要因は──羞恥だ。

 他人から見ても己がレオンハルトを好んでいると知られている。その事実に対して、カミーラは恥ずかしいと感じていた。

 恥辱。そう、恥辱だ。こんなのは自分には相応しくない。それを思い、衝動的にラインコックに誅伐を与えようと考えるが、そこでカミーラはなんとか自分を抑えた。そう、相応しくない。我慢もするべきではないが、レオンハルトとこれから入浴を行うのにそんなことをしている場合じゃない。

 それに下級使徒程度ならともかく、正式な使徒である七星やラインコックはこれでもカミーラなりに大事に思っている。この程度で殺したり拷問したりはしない。

 ただ一応後で罰は与えよう。そう思いながらも──カミーラは己のプライドを守るために質問に答えた。

 

「…………勘違いするな。レオンハルトが、私を…………そう。そういうことだ」

 

「? あの、そういうこととは……?」

 

「……レオンハルト様がカミーラ様を慕っている。そういうことですね」

 

「そういうことだ。そして、レオンハルトの価値は私も認めるところ。だからそれを手に入れる……それだけだ」

 

 カミーラは使徒との短い問答で己の思考を定める。そう、七星の言う通りだ。好きという言葉は相応しくない。口にするのは憚られるが、レオンハルトがカミーラを慕っているのであればそれは間違いではないし言ってもいい。当然だからそんなに恥ずかしくもない。

 

(私はレオンハルトを手に入れる。ただそれだけ……それだけだ)

 

 好意とか性欲などではない。女王として当然のことをするだけ。

 ゆえにカミーラは使徒2人に背を向けて脱衣場から温泉に続く扉を開けて堂々と進撃する。カミーラは女王だ。羞恥も何も感じる必要はなく、慮る必要もない。堂々と出て堂々とレオンハルトを誘えばいい。難しいことは考える必要はないのだと──

 

(遅いな……)

 

 ──対してレオンハルトは先に温泉でカミーラが来るのを待っていたが、ようやく脱衣場から扉が開かれる音と気配を感じてレオンハルトは視線をそちらに向ける。するとそこには……。

 

「……待たせた、な……」

 

「!? あ、ああ……いや、それほど待ってはいない……(カミーラが……自分の身体を隠している……だと……!?)」

 

 ──カミーラはめちゃくちゃ恥ずかしがっていた。神視点で見ている誰かがいれば、さっきの決意はどこへ行ったとツッコミを入れてしまうほどに。

 その青白い肌には赤みが差している。肌が白いからこそ分かりやすい。その上で胸を右腕で隠しているのは今までのカミーラでは見られない仕草だった。

 普段のカミーラは肌を隠さない。下等生物である人間に見られようが気にしない。下等生物であるからだ。わんわんやにゃんにゃんに裸を見られても何も感じないのと同じ。

 同時に美しさに圧倒的自信を持つカミーラに隠すべきようなところは何もない。その表れでもあったのだが……今のカミーラは間違いない羞恥を、レオンハルトに見られることが恥ずかしく感じていた。

 

(馬鹿な!? 私は一体何をしている!? 身体を隠すなど……!?)

 

(顔を赤くして歯噛みしている……どういう感情だ……!? 恥ずかしがっている……のか? あるいは怒っている……?)

 

 カミーラは己に対して憤る。何をしているのだと。身体を隠すな。むしろ見せつけてやればいい。その方がレオンハルトは落ちやすいだろうと合理的に自分に言い聞かせるが、中々それが出来ない。

 対してレオンハルトはカミーラの様子が普段と違いすぎて若干混乱していたが、それでも表には出さないように努める。

 ただレオンハルトはこういう時、常に女を褒めるようにしている。それはもう意識しなくても行える。呼吸に近いものだ。

 

「……いつも美しいが今日は一段と美しく輝いているな、カミーラ(今日のカミーラはいつもより可愛く見えるな……)」

 

「っ……当然だ(くっ……褒めるだと……レオンハルトめ……いつも通りすぎるぞ……!)」

 

 呼吸をするように女を褒める。内心では身体を隠すカミーラを可愛いと評するが、可愛いという表現をカミーラは好まないだろうと自然と言葉を選んだ。

 そしてカミーラの方はいつも通り歯が浮く台詞を口にするレオンハルトに苛立ちを覚える。ただ苛立ちと言っても殺意が湧くような負の感情ではなかったが、カミーラにとっては好ましくない。

 

(落ち着け……何を躊躇うことがある。普通にしていればいい……だけだ)

 

 だがカミーラはそこで己を立て直す。そしてゆっくりと隠すのをやめて腕を下ろし、レオンハルトの隣に腰掛けた。

 

(なんだその隠してからさらけ出すのは……エロいな。誰から学んだ? カミーラがまさかそんな仕草をするとは……)

 

 そしてレオンハルトから、いや、男から見るとあえて1度隠しておいてから意を決して裸を見せるのは有り体に言ってエロかったが、さすがにそれは言葉にせず心だけで思う。

 お湯の中でレオンハルトの股間が隆起し始めるが、それ自体は問題ない。コントロールすればいい。レオンハルトはそれを収めた上でいつも通り告げる。

 

「身体を洗うが構わないか?」

 

「!? ……ああ……構わない」

 

 そういえばそうだった──と、カミーラは内心で驚きを得る。悩みすぎて忘れていたが、レオンハルトとカミーラの湯浴みではレオンハルトがカミーラの身体を洗うことが通例となっている。

 だからカミーラも思わず即答してしまったが、はっきり言って恥ずかしい。そう、もう認めざるを得ない。レオンハルトにこの状態で身体を洗われるのはカミーラにとって悶えるような行為だ。

 

「……カミーラ」

 

「……何だ?」

 

「これから俺はお前を本気で洗う。快楽を生じさせる」

 

「……本気で、だと……?」

 

 そして対してレオンハルトは真っ直ぐに、正面からそう告げた。

 カミーラが思わずたじろいでしまうその迫力。決意を秘めた紅く鋭い瞳。雌を落とすと決めた雄の目だ。

 

「ああ。俺はお前との関係を好ましいと思っている。関係を壊したくはない。だからお前に俺の物になれとは言わないが──俺の好意をお前に伝える。それだけを許してほしい」

 

「っ……」

 

 レオンハルトの言葉が真っ直ぐに届く。

 思わぬ突然の言葉にカミーラは驚くが……しかし聞いてみればカミーラもまた共感出来るものだった。

 関係性が心地よく、それを壊さないためにあえて自分の物になれとは言わない。その上で好意を伝えるという告白──そう、告白だ。レオンハルトはカミーラに好意を伝えている。

 そのことでカミーラは怯んでしまう。そうであろうと理解はしていたが、実際にそれを伝えられると困ってしまう。言葉に迷う。

 肯定も否定も出来ないほどに。

 

「だから嫌ならすぐに言え。どうだ?」

 

「……………………ふん……他の男が言うなら殺してやるところだが…………まあ……お前なら、まあ……構わない……」

 

 たっぷりと間を取ってカミーラは答えた。取ろうとして取った間ではない。カミーラがそれだけ初めての感覚に戸惑った結果だ。

 何しろ今までの雄はカミーラを無理やり襲うのみでそこに相手を慮る気持ちは欠片も存在しなかった。

 しかしレオンハルトは違う。己が認める最高の雄であり、己を尊重している。その言葉の節々からもそれは表れているだろう。

 だからカミーラもまた認めた。この雄だけは、己が寵愛するに相応しいと、あくまで自認では上からレオンハルトの好意を受け入れてやる。

 

「ありがとう。好きだぞ、カミーラ」

 

「っ…………」

 

 再度告げられる好意にカミーラは心臓を跳ねさせる。

 そうしてゆっくりと触れてくるレオンハルトの手に、カミーラは身体をビクッと跳ねさせた。

 

(な、なんだ……?)

 

 カミーラはすぐに異変を察知する。普段からレオンハルトの洗い方は心地良いし気持ちいい。それは分かっているし、カミーラはそれがお気に入りだった。レオンハルトに洗われていると疲れが取れるようで、それでいて気分がいい。最強の魔人で最高の雄に奉仕させるという己の支配欲を満たし、優越感を感じることが出来る。

 しかしゆっくりと手を滑らせてきたレオンハルトの手の動きは、今までと明らかに違う。その正体をカミーラは知らない。カミーラは1度も受けたことがないからだ──この愛撫という行為を。

 

(カミーラの弱いところは何度も混浴して既に把握している。こうすれば快楽を与えられる筈だ)

 

 そしてレオンハルトは己の矜持にかけて全力でカミーラを気持ちよくしようとしていた。気持ちは伝えた通り。レオンハルトはカミーラとの関係を心地よく思っているし、考えてみればみるほど確かにカミーラも女として好意を持っていることに気づいていた。

 だからこそその気持ちを正直に伝えた上でカミーラを愛する。そのためカミーラに対して今日初めて、異性として好意を持って、性欲を持って接した。背後から抱きしめるようにカミーラの身体に手を這わせるとその滑らかしっとりの肌がレオンハルトの肌に吸着する。とてつもなく柔らかい。男好きする身体だった。男の硬い身体を受け止めるために出来ている肉体はかつてドラゴンの生ける王冠として生まれてきたその有様を体現している。カミーラには決して口にはしないが、レオンハルトはその意味に得心がいった。

 

「気持ちいいか? 不快だったらいつでも言ってくれ(気持ちいいな……肌に指が吸い付く。擦り合わせてるだけで気持ちいい)」

 

「っっ……! (な、なんだこれ、は……! レオンハルトっ……い、今までは本気じゃないとは、本当だったのか……! き、気持ちいい……こ、こんなのは初めてだ……!)」

 

 レオンハルトがカミーラの極上の身体を味わって目を細める中、カミーラもまたレオンハルトの手管に初めてを味わう。今までの身体を洗っていた心地よさは、あくまでも身体を洗うだけで別種の気持ちよさ。

 だが今のレオンハルトから生じているのはカミーラが生まれて初めて味わう──女としての快楽だった。

 そう、カミーラは知らない。生まれてすぐに味わってから、1度たりとも。全て無理やりかつカミーラの心を震わせるものではなく、カミーラの身体を震わせるだけの手管を持った者も誰1人いなかったから。

 

「っ……あ……♡」

 

 そうしてついに……カミーラは初めて自分の口から甘い声を生じさせてしまう。

 自分が信じられなかった。身体から生じる快楽。レオンハルトがその手を綺麗な背中に。女性らしい肩に。くびれた腰やお腹に。むっちりとした太腿に。長い脚に。それらに滑らせる度にカミーラは確かに快楽を感じる。不快感も感じない。

 

「っ……♡(なんだ今の声は……? 私の口から出たのか……?)」

 

「──カミーラ……」

 

「……レオン、ハルト……」

 

 カミーラが己に起きている感覚を不思議に思いながらも享受している中、レオンハルトもまたカミーラが甘い声を漏らしたことに興奮を覚える。

 なにせあのカミーラだ。プラチナドラゴンの魔人。最も付き合いの長い女の魔人であり、今までは女として意識しないように努めていた相手。

 そう、ある意味ではレオンハルトにとって高嶺の花のようなものだった。まだ人間らしい意識が多く残っていた頃に出会ったからこそ、そう思っていた。

 だからこそ今この腕の中にいることに──レオンハルトもまたカミーラと同様に優越感を感じる。

 

「嬉しいぞ、カミーラ。お前はやっぱり綺麗だな」

 

「く……あっ……♡ レオンハルト……それより……♡」

 

「ああ、悪いな。嫌か?」

 

「嫌とは言わない、が……っ、う……♡」

 

 レオンハルトはカミーラの脇の下から遂にその大きな胸を持ち上げ、愛撫するようにねっとりと揉み回す。その肌だけでも心地良いのに、胸の柔らかさ。たっぷりと詰まったその肉感にレオンハルトはたまらなくなる。既に股間の肉棒はバキバキに硬くなっており、カミーラの尻に当たっていた。

 カミーラもまたそれに気づいていたが、不快感はない。カミーラにとっては驚くべきことに、だ。雄の象徴を押し付けられて不快感を感じないなど。

 それどころか身体が熱くなる。身を捩らせてしまう。羞恥もあるが、それよりも──欲しくなってしまう。

 

「……もう濡れてるな」

 

「っ……言う、な……♡」

 

「悪い。ただ確認は必要だ。お前にしっかり幸せになってもらうためにもな」

 

 カミーラは下腹部に熱いものを感じる。お腹が疼く感覚。カミーラの知らない雌としての本能。発情。

 それをレオンハルトは手を伸ばして丁寧に確かめた。カミーラの身体を丹念に愛撫して快楽を生じさせた上で、そこに挿れる。そうしなければカミーラにとってその経験はまた苦いもので終わってしまうだろう。

 それが察せられるからこそレオンハルトは手を抜かない。鍛え上げてきたセックスの技術。女の身体を弄り、感じさせる性技。それらを全力で駆使してカミーラを喘がせ、濡れさせた。

 その上でレオンハルトはカミーラを軽く持ち上げ、己と正面に向かせる。金の湯の中でレオンハルトの上にカミーラが腰掛けるような格好。いわゆる対面座位のような状態で──

 

「カミーラ……キスするぞ」

 

「あ、ああ……レオンハルト…………ん……♡」

 

 ──初めての口付けを行う。

 初めてなのに自然と瞳を閉じてしまったのはカミーラもそれを受け入れたからだろう。レオンハルトはその柔らかな唇の感触を余韻たっぷりに味わい、そうして肉棒を押し付ける。

 

「挿れるぞ」

 

「はぁ……はぁ……感謝……しろ……お前だから、許してやっているんだからな……他の雄なら……八つ裂きだ……」

 

「ああ、感謝している。愛しているぞ、カミーラ」

 

「…………よくもそう歯の浮くような台詞を、言える……んっ……」

 

 今度はカミーラも覚悟して唇を受け入れる。

 そうしながらもレオンハルトはカミーラの秘部に己の肉棒を押し当てて、ゆっくりと挿入していった。かき分ける膣内は長年使用されていなかったからか少し硬く、それでいながら雄を受け入れるために極上の絡みつきを見せている。肉厚でねっとりと。雄の精を絞る女性器の役割を十全にこなせるように。

 

「あっ……あ……」

 

「ふぅー……入った。気持ちいいぞ、カミーラ……」

 

 正面からカミーラを抱きしめ、レオンハルトはその肉体を堪能する。己の肉棒がお湯の中でカミーラの腟内を征服し、ぴったりと嵌っている。締め付けも濡れ具合も熱さもちょうどいい。カミーラの肌と肉を全身で堪能しているとどうしようもなく本能が刺激されて肉棒が硬くなってしまう。

 

(なるほど……ドラゴン達が夢中になった気持ちも分からなくもない。この身体を抱けば並の雄なら優越感どころか全能感すら感じるだろうな)

 

 完璧であるはずのドラゴンが、唯一の雌とはいえ色に狂うほどの魅力的な女体。その意味をレオンハルトは実感として理解する。気持ちいいしたまらない。カミーラを抱ける雄という生き物に生まれたことを感謝するレベルだ。

 

「大丈夫か? カミーラ」

 

「ああ……んっ……♡ お前のは……大きい、な……中で震えてるぞ……」

 

「好きな女を抱いてるからな、当然だ。大丈夫なら言ってくれ。それから動く」

 

 レオンハルトも仮に人間時代にこのカミーラを抱いてしまったなら夢中になってしまってもおかしくはないとそう思う。

 だが極上の女を幾人と抱いてきた長年の経験はこの程度で理性を崩さない。無論、気持ちいいことは気持ちよく、我慢しないでいいなら今すぐ腰を動かしまくってこの身体を堪能しまくりたいが、カミーラのことはしっかりと考える必要がある。女と愛し合うにはこういう細やかな気遣いが肝要だ。

 

「……問題ない……好きに、しろ……んっ♡」

 

 だがカミーラにとっては新鮮に感じる。挿れてもすぐに動かない。己を優先してくる。そんな雄は今までいなかった。

 こういうところも最高の雄たる所以なのかとカミーラは納得し──そしてレオンハルトが動き始めると更にわからされた。

 

「っ……♡ あっ♡ くっ♡ っあ……♡」

 

 お湯の中で抱き合ったまま、レオンハルトが腰を動かす。

 ただそれだけでカミーラはとてつもない快楽を感じた。やはり今までに感じたことのない。どこまでも甘く全身を痺れさせ蕩けるような快感がじんわりと身体を支配する。

 レオンハルトもまたカミーラの膣ヒダに肉棒を扱かせる快楽に息を吐く。その身体を抱きしめ、たっぷりと実った乳房が胸板の上で揺れるのを感じ、しっとりとした肌を擦り合わせて女を味わう。

 カミーラのあまり聞かない甘い声も間近で聞こえるし、表情が揺れ動くのもまた唆るものだ。

 

(この辺りか……ふぅ、気持ちよくて我慢するのも中々に堪えるな……)

 

「っっっ♡ あっ♡ レオンハルトっ……♡」

 

 だがそうして快楽を堪能しながらもレオンハルトは肉棒でカミーラの弱いところを探り、そこを的確に突きながら徐々に己の自我を出していく。相手の弱いところを探り当て、相手を快楽に夢中にさせてからは雄のターンだ。好き放題に身体に触れても弄っても許される。互いに快楽に溶けているならばそれが許されることをレオンハルトは経験から知っていた。

 

「カミーラ……!」

 

「~~~~~っっっ♡ あっ……♡」

 

 大きめの尻を掴み、腰を突き上げる。カミーラの身長はレオンハルトとほぼ同じで高い。その胸に顔を埋めながら腰を振ってカミーラの身体を己の性欲に従って味わう──おそらくはKカップくらいか、とそのサイズを推察しながらカミーラの膣奥を突きまくった。

 カミーラが嬌声を響かせ、腕に力を込めた。顔が抱きしめられ、自然と胸に顔が埋まる形になる──自分からそうするのではなくカミーラからそうされるのもまた興奮した。肉棒を大きくし、ガンガン突きまくる。初めての快楽ということもあり、カミーラがそろそろ限界であることを察した。

 

「大丈夫か、カミーラ。俺もそろそろ出すぞ」

 

「っ……♡ あ、ああ……♡ 好きに……し、ろ…………♡」

 

「カミーラっ……!」

 

 ひたすらカミーラを攻める。射精が近いことを告げて更に腰を激しくすれば面白いようにカミーラが喘いだ。レオンハルトもまた興奮して犯しまくる。ここまで来ればレオンハルトも我慢はない。己の欲望たっぷりにカミーラの肢体を掻き抱き、そのお腹に己の肉棒を突き立てる。最高の雌を抱いている優越感。カミーラもまた最高の雄に抱かれていると同じ感覚を得ている。

 そうしてカミーラは約3000年振りに──

 

「イク……!!」

 

「~~~~~~~~~~~~~~っっっ……♡ っ、あ……ッ♡」

 

 ──雄の精液を自らの膣奥で受け止めた。

 

 だが数千年ぶりであっても初めての経験だった。セックスでイク経験も、己の意思でそれを受け入れるのも全て。

 

「ああ……気持ちいいぞ……カミーラ。お前はどうだ……?」

 

「はぁ……はぁ……♡ わ……悪くは、ない……♡」

 

 びゅー……びゅー……と、レオンハルトが我慢することなく大量の精液をカミーラの中に注ぎ込む。

 あのカミーラに中出し──それはレオンハルトと言えど感慨深いものがあった。女魔人の象徴のような存在だったカミーラとの性行為。それだけに興奮が精液の量と比例してしまう。カミーラの身体を抱きしめながらこの絶世の美女を抱いた実感に陶酔する。

 

「愛してるぞ……カミーラ」

 

「ん……」

 

 そしてカミーラもまたレオンハルトの口付けを受け入れながら、最高の雄にこうして抱かれている快楽を、未だプライドと初めてによる混乱の中で味わっていた。──気持ちいい、と。

 今までカミーラは雄に抱かれることは屈辱の証だと思っていた。そんなことをしても不快なだけで何の快楽も得られないと。

 だが……レオンハルトに抱かれるのなら悪くない。

 

 互いに絶頂し、呼吸を整えながらレオンハルトの肉体を己の身体で受け止める感触はどうしようもなく甘く心地良い。己の身体に夢中になって表情をいつもと違って歪ませて気持ちよさそうにしているレオンハルトを見て気分をよくする。

 最高の雄──それに抱かれる女の快楽というのはこういうものかと納得した。長い脚をレオンハルトの腰に絡めて、深く抱きつく──これは私の物だと言うように。

 

「ふ……よっぽど、私に夢中なようだな……」

 

「っと……ああ。正直たまらないな」

 

 得意気なカミーラが何も知らずにいわゆるだいしゅきホールドというもので腕と足を絡めてきたことにレオンハルトは指摘せずにただ興奮する。言っていることも可愛くあり、カミーラの腟内で未だ肉棒をバキバキに跳ねさせながら興奮を言外に表した。

 

「なら感謝しろ……お前にだけだ……お前にだけ、この私を抱く許可を与えてやる……♡」

 

「ならこれからも誘って構わないか?」

 

「ああ……好きにするといい。だがあくまで私の気分次第だからな……私を優先しろ」

 

「出来る限り配慮する。お前との対等な付き合いは心地良いからな」

 

「…………私も、嫌いではない」

 

 最後の言葉だけカミーラは顔を背けて口にしたが、その顔がやはり赤いままなのでレオンハルトにはバレバレだった。己に向けられる好意を心地よく感じながら、レオンハルトはお湯の中でカミーラという極上の美女を抱きまくる。

 2000年以上もかけて落としたカミーラとの性行為は格別でカミーラが満足するまで行われ、レオンハルトとカミーラは互いに対等な男と女の関係になった。

 そして──

 

「んぐんぐ……ぐす……カミーラ様が……遂に他の男とぉ……ぐすん……」

 

「はいはいミシェーラにはわかりますよ。今日はいっぱい飲みましょう。はいどうぞ水割りです」

 

「あんたなんかに僕の気持ちが分かるわけないでしょぉ……僕はカミーラ様が幸せであればそれでいいんですぅ……でもそれはそれとしてお相手は僕であればいいなって勝手に妄想というか思ってただけでぇ……んぐんぐんぐ……」

 

「ラインコックさん、泥酔状態ですが大丈夫ですの?」

 

「……まあ今日くらいは良いでしょう。後で介抱しておきます」

 

 ……裏では使徒達によるちょっとした飲み会があり、そこでラインコックがやけ酒を呷っていたりもしたが、特に問題もなく使徒達にもその関係は受けいられるのだった。




しゅきしゅきだいしゅきホールドカミーラ様爆誕。地味に天才の鬼が出ましたが本格的な登場はシルキィの後で。日常回は次回かその次くらいで終了かも。次は大人気のイヴのお話です。お楽しみに。

それとキャラ一覧表を作ってみましたので良ければ暇な時に覗いてみてください→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=343008&uid=206423

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