もしかして、こういうタイプの話が好きなのか?
これは可笑しい。私は現在、自分の家にある食料の減りが多くなっている事態に頭を抱えていた。
あの墓を作った日から数週間後にこの事件は起こった。私は独り暮らしの筈なのに、食料の減る量が二人分は余計に減っているのだ。これは可笑しいと思いながらもネズミ取りの罠を仕掛けてみたが、反応もないのでどうしたらいいのかが分からない。正直、お手上げ状態なのだ。
しかし、この事件はあっけなく解決することとなる。
今日も一人、私は白黒テレビを見ながら晩御飯を食べていると、床下からグゥと何かが鳴った。私は猫かと思ったが、次はくしゅんっとくしゃみが聞こえたので、食事を止めて急いで床を剥がして床下を確認すると、とんでもないものを発見してしまった。
「ひぃっ!!」
床下にいた者が、小さく悲鳴をあげる。床下にいたのは、3人の少女だった。少女たちは床下の煤や埃にまみれていて汚ならしくなっており目に隈を作っていたが、汚くなった服には見覚えがある。あの駆逐艦の雷が着ていた服と同じ種類だった。
私が彼女たちを見ていると、その中の一人である黒髪の少女が床から出てきて私の前で土下座をしてきた。
「ごめんなさい!食べ物を盗むつもりはなかったんです、すぐに出ていきますから許してください!」
「えっと、君たち艦娘だよね?だったら鎮守府に連絡を―」
「そ、それだけは止めてください!わ、私が何でもしますから!だからどうか、鎮守府に連絡だけは止めてくださいっ!!」
どうやら訳ありのようだ。一先ず、残りの二人にも出てきてもらおう。
「話をしよう、どうするかはそれから決めようじゃないか。残りの二人も出てきなさい。」
「「は、はい。」」
私がそう言うと、残り二人も床下から出てくる。それにしても汚い、床下にいたのだから当然だろう。話をする前に体を綺麗にした方が良さそうだ。
「話し合う前に風呂に入ってきなさい。そんな状態で話し合いをさせるつもりはないよ。」
▽△▽△▽△▽△▽△
私は少女たちが風呂に入っている間に床下を見てみた。床下には、食い散らかされた食材や彼女たちがしたであろう糞尿で噎せそうな臭いが充満していた。
私は床下をある程度掃除をして床を応急処置すると、彼女たちの着替えを用意した。さすがに男の独り暮らしなので下着は用意できない、なので無地のシャツとベルトのついた短パンを用意して脱衣所に向かった。
脱衣所では、既に風呂から上がった白髪の少女が体を拭いていた。私は近くの棚に服を置いて声をかける。
「着替えはこの服を着なさい。女児の下着は用意しようがなかったので下はそのまま履いてくれ。」
私はそう言って脱衣所から出ていこうとしたが白髪の少女の背中には、まるで金属の突起のようなものがついていた。
居間で待っていると、少女たちはすぐにやって来た。成人男性の服もあってか、幼い少女の体には合わずぶかぶかだ。少女たちは、私の前に正座していきなり土下座してきた。
「この度は、家に勝手に住み着いて迷惑をかけ、更にはお風呂まで使わせていただきありがとうございます。」
お礼を言えるのは良いことだが、私は食料を勝手に盗まれるという被害を受けているのだ。何故こんな目に遭わないといけないのかを知る権利がある。
「お礼はいい、何で私の家に住み着いたのか、訳を話してくれ。」
私の質問に少女たちの顔が曇り中々話してくれなかったが、茶髪の少女が説明してくれた。
「言ってませんでしたけど、私たちは艦娘なのです。......そして私たちがあなたの家に住み着いたのは、解体されそうになったからなのです。」
「解体?」
茶髪の艦娘はそう言うと、シャツを脱いで裸になった。小さく発展途上な乳房が露になるが、茶髪の艦娘は顔を赤くしながら背中を向ける。その背中には、さっき脱衣所で見た金属の突起が見えた。
その背中を見せながら、茶髪の艦娘が説明を続ける。
「艦娘は、建造時に体にこの金属を埋め込まれるのです。これは、艦娘の艤装を装備するために必要なものなのですけど、艦娘の解体はこの金属を抜き取ることなのです。」
「......抜き取れるなら抜いた方がいいんじゃないのか?」
私の疑問は、直ぐに白髪の艦娘が教えてくれた。
「その金属は脊髄に埋め込まれるから、抜いた場合普通なら下半身不随、最悪死んでしまうんだ。」
私はその言葉を聞いて息を呑み、白髪の艦娘の説明を聞き続ける。
「解体理由は、私たちの艤装が破壊されてしまったことなんだ。艦娘の艤装はまだまだ謎に包まれていて、特に私たちは新型の艤装だったんだけど、残った艤装は雷の1つだけ。私たちに補充される筈だった新しい艤装はテロ組織の暁の水平線に奪われたらしいんだ。
そこで鎮守府の出した決断は、
私たちを殺し合わせて、一番強い艦娘に艤装を、弱かった二人を解体するということだったんだ。
私たちは、深海棲艦と戦うために艦娘にさせられたのにね。私たちは、仲間同士で殺し合いをさせる鎮守府から逃げ出すためにあなたのトラックに乗り込んで逃げてきたんだ。」
そう言って、白髪の艦娘は掌サイズの箱を取り出した。箱には赤黒い血と思われる染みが付いていた。
「これが、私たちを救ってくれた雷の艤装だ。私たちは、雷が言ってくれたあの言葉のために、何がなんでも生き残らなければならないんだ。
お願いだ、少しの間だけでいいから私たちを匿って欲しい。あなたが望むのなら、私を殴っていたぶったり好きなときに好きなように犯して構わない。だから、どうか私たちを助けてください。」
艦娘たちは、また私に土下座をした。これは私への罰なのだろうか?最初から諦め、救える命を始めから見捨て続けた私を苦しめる為の罰。
この艦娘たちは、私が生きる希望を持たせてしまった雷の言葉で必死に生きようとしている。私は、せめて自分のしてしまった行為の責任をとらなくてはいけない気がした。
「分かった。でも、そこまで長い間匿うことはできない。これからどうするか、しっかり考えてどうするか決めてくれ。」
ああ、世界はどうして
作者にとって、感想があるのとないのとではモチベが違いますね。
感想貰えると嬉しいです。待ってます。