※この作品はR-18です。

モンスターハンター転生~全てがリアルになった世界で~   作:メンダコ民族

2 / 9
1話

 

「……で……ろう」

 

目を開ける。今まで瞼の下に覆われていた水晶体を光が襲い、顔をしかめる。

 

光に慣れた視界に入ってきた情報は奇妙な物だ。

 

民族衣装、としか言い様のない独特な紋様が入った服を着ている、40代ほどの男性。

 

その男性が自分を抱き上げており、頭に疑問符が浮かぶ。

 

「や………に………で?」

 

どういう状況だ?何を話してる?

 

「じゃ、その赤子は村長預りってことで」

 

「うむ、忌み子でなければよいがな……」

 

(…は?あかご?赤子?俺が?)

 

否応なしに理解させられた。

 

男に抱き上げられているこの状況、あまり力の入らない指先、ああ、まさしく、これは赤子だ。疑いようもない。自分が小人になって筋弛緩剤などを飲まされていないのなら、おそらく自分は赤子になったのだ。

…まぁ小人になるのもおかしい状況だが。

 

「おお、起きたか、なぁに、お前が忌み子か知恵遅れでもない限り、捨てはせん。」

 

先ほど指先に力を入れた際、指を動かした。よって目を覚ました事に気づいたのだろう。

 

「あぅああ…うぅ」

(聞こえます?くそ…)

 

上手く発音が出来ない。口から言葉とも言えないうめき声のような言葉を発したが、よく考えてみれば発音が出来なくて正解だったかもしれない。

 

まだ声帯が未発達どころか未熟な赤子が言葉を発するなど気味が悪いどころではない。

両手両足を使ってハイハイすら出来ない赤子がいきなり空を飛び始めるようなものだ。

おそらく先ほど言っていた忌み子並みに気味が悪いだろう。

 

「さて、行くか。」

 

疑問が多々ある。なぜ言葉がわかる?忌み子とは?

忌み子はまぁ推測ぐらいは出来る。自分を抱き上げているこの男、服装から察するにここは村社会、少ない人間が集まって出来たコミュニティだろう。

ここまで行けば大体わかる。他者と違う見た目、考え方…そんな所だとは思う。

 

次に言葉の問題だ。これに関しては考察すら出来なさそうだ。

前世、というよく分からない記憶のある今では、この世界の法則と前世の法則、それが通用しない、常識などないと思ったほうがいい。

生まれてくる赤子が最初から言語知識を持っているなど…そんなことも考慮しておいたほうがいいかもしれない。

 

幸い今は大人に庇護される赤子の身だ、ゆっくり学んでいけばいい…。

 

 

 

 

 

俺が義理の親、村社会での村長に拾われてから一年ほど経つ。

はっきり言おう。ここは地獄だ。

 

どうやら俺はモンスターハンターの世界に転生したらしい。死ね。

 

俺が拾われた村は立地的に恵まれており、まず中心に居住区がある。周りに畑。これを囲むように大地が隆起しており、密集した木々や草が村を隠すような立地だ。

なおここはモンスターハンターの世界であり、飛行系モンスターに上から覗かれればひとたまりもないのだが。

 

ただ地上に住むモンスターからしてみればこの村を意図的に見つけることは不可能に近い。

外から見ると、密集した木々に隆起していて先の見通せない地。ちょっとした秘境のようなものになっている。

 

ただそれでもモンスターが迷い混むことはあるので、油断は禁物だが。

 

ここまでの事から分かるように、はっきり言ってモンスターはかなりの脅威である。

 

モンスターハンターの主人公はそのへんの一般人と同じレベルの身体能力。

と、どこかで見たがどうやらこの世界は違うらしい。

ドスギアノス、ドスジャギィ、ドスランポスなどの一頭で村は壊滅確定、鳥竜種系の群れでも壊滅。

鳥竜種系(大型は除く)一頭なら村の大人が囲んで撃退、もしくは討伐できる。

 

え?古龍?世界の滅亡かな?

 

まぁそれくらい世紀末だ。

赤子が何故産まれた直後に泣くのかよくわかった。

 

村長に拾われた俺だが、まぁ、村長の後継ぎを任せる予定らしい。

 

お?それなりに楽で裕福な暮らしが出来るか?と現実逃避をしていた俺だが、村長というのは有事の際の避難指揮、人材の割り振り、その他諸々忙しいらしい。

最後まで現場に残って指示を出す、お先真っ暗なお役目らしい。

まぁ、元々拾われた命だし、恩くらいは返すくらいの気概はある。

 

いきなり村長の後継ぎ、というのもご都合主義かもしれないが、ちゃんとした訳もあるのだ。

 

まず、人材は常に不足気味。

適当な人物をいきなり村長後継ぎに指名しても、正直困るだろう。それに有事の際は最後まで現場に立ち続けるなど、途中で逃げ出してもおかしくない。よって生半可な人物ではいけない。

 

なら自分の子供に任せればいい、となるが、村長の奥方は病弱で身体が弱い。

子供を産む負荷に身体が耐えられず、親子共々天に召されるなど最悪意外の何物でもない。

よって俺に白羽の矢が立った。

 

身の上話はこんな所だ。

親、もしくはそれに関連する人の手がかりだが、全て不明。

モンスターの痕跡や動向を調査、山菜などの役に立つ植物を採取している狩人(ハンターではない)が、調べたが何も見つからなかったという。

 

色々おかしい話だが、それでも村長夫妻は愛情を持って俺に接しているため、感謝の念を抑えられない。

 

まぁこれ以上不信がられないため、それなりに演技をして成長していこうと思う。

まぁ前世の記憶なんてのは子供の時ぐらいしかアドバンテージ取れないしね。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。