「提督、気持ちいいですか?」
そう聞きながら手の動きを速める。
すると提督は低い唸り声を漏らして、苦悶した。その様子はわたしの中の嗜虐心を強くくすぐった。
手に感じる感触は柔らかい。人の肉の柔らかさではなく、それよりももっと柔らかいシリコンのそれ。オナホールという男性用の性玩具だ。男性はこれに性器を挿入し、前後させることによって快楽を味わうらしい。
でも、これはわたしにとっても快楽を与えてくれる。
「ふふっ……」
嗜虐の笑みが漏れてしまった。オナホールを前後させるスピードを緩め、肉棒全体を覆って手の中で弄る。貫通式のオナホールに竿の部分はすっぽりと覆われてしまっているが、一番敏感な傘の部分が、ひょっこりと顔を覗かせている。
始めてみる男性器に少しの恐怖を覚えもしたけど、今では好奇心の方が勝っている。射精を待ちわびて、びくびくと震える様は愛らしさも感じる。
そろそろ良いかしら――ゆっくりと焦らすように、手の動きを再開する。
オナホールは単なる筒じゃない。その中に様々な趣向がこらしてあって、肉棒を刺激するように出来ている。イボイボだったり、うねりだったり。男性器を刺激するための工夫がいくつも設けられている
物によっては、駆逐艦サイズのキツい物もあるらしい。提督の持っていたのはそういう物じゃなかったけど。もしそうだったらお仕置きだったが必要なところだった。
限界が近い――そう感じて、手の中のそれをしっかりと握り、強く前後させる。シリコン越しに感じる提督の肉棒の感触は固くて少しごつごつとしていた。ひょこひょこと前後させるたびに先端がオナホールから顔を覗かせ、今か今かと射精の瞬間を待っている。
提督の表情は歪み、苦悶する。もう限界が近いみたいだった。
自分の部下に。しかも、そういうことをするとは想像していなかった艦娘にこんなことをされるなんて、今の提督の気分はどうなのだろう。それを考えるとどうしても高ぶってしまう。本来は無かったはずの、自分の中の雌の部分が。
お仕置きの意味を込めて、ひと際強く握りしめ、トドメの一撃とばかりに叩きつける。
びゅびゅびゅ! びゅ、びゅびゅ!!
肉棒が脈動し、提督の全身が震える。まき散らされた白い欲望が、綺麗な刺繍の施されたカーペットを汚していく。
(凄い……)
脈動はまだ終わらない。途切れ途切れに出てくるザーメンは粘度が高くて濃い。青臭い匂いが鼻孔を付く。いつ終わるとも分からない射精は唐突に終わった。尿道の中の残り汁もきつく絞って出してあげる。
すべてを出し切り、弛緩した表情の提督は安堵のため息を漏らした。だが、これで終わりではない。まだまだ、もっともっと。お仕置きは続く。
「まだまだ、終わりませんよ……提督」
――だって、まだわたしは気持ちよくなっていないじゃないですか――
わたしの言葉に、提督の表情が変わり、絶望と他の感情が混ぜ合わさった表情をした。もう一方はどんな感情だろう。とても気になる。
吐き出された欲望をぺろり。一舐めする。苦みとえぐみが口の中に広がり、舌で味わいながら嚥下する。鼻を抜けてくる青臭い香りと喉に引っかかる感触は不快だったが、不思議と嫌ではない。
「提督を、ヒトミの中にも下さいな……」
そういって、わたしは提督を押し倒す。屈強なはずの男が、こんな小娘に倒されてしまって、背中を打って苦悶の声を漏らす。もう抵抗する気は無いのか、彼はわたしのことを受け入れた。
事の始まりは数時間前。
「えっと……秘書艦を変わって、ほしい?」
「そーなんだよ。姉貴! 何も言わずに変わってほしいんだ!」
朝、そんなことを言われました。相手は妹の伊14――イヨちゃんです。
彼女は最近、秘書艦に任命されて、提督の元で書類仕事に勤しんでいました。本来、潜水艦のわたし達には、秘書官なんて職務は無関係に等しい物。でも、イヨちゃんが秘書艦に選ばれたのには理由がありました。
というのも、お酒好きな艦娘と夜な夜などんちゃん騒ぎをしていたことが理由です。毎晩毎晩そんなことをしていれば、いずれ翌日の業務に支障が出るというのは分かり切っていたことのはず。
案の定、イヨちゃんは替えがあまり効かない潜水艦隊の業務に支障をきたしたのです。もちろん、他の艦娘たちも処罰を受けましたが――イヨちゃんのことは、あまりにもひどいということで提督直々におそばに置いておくことにしたとのこと。
結果、最近のイヨちゃんは、あまりお酒を飲まなくなったし、大騒ぎすることも無くなりました。そして、秘書艦の激務は厳しいもので休む暇も無いということです。
そんな折、こんなことを言われれば――姉としては、妹の力になってあげたいと思うもの。窘めることも必要だけど、お叱りはもう十分受けているはず。
「わかったわ……提督には私から伝えておくから」
「あっ、ちょっとまって!」
イヨちゃんは私にそれを渡しました。
「えっと、これは……」
「私の艤装! 一応、そっくりだけどさ。バレたらたぶん、怒ると思うんだよ。提督に」
「えっ? ちょ、ちょっとまって……」
「じゃあ、姉貴! 後はよろしくなぁ!!」
そういって、イヨちゃんはさっさと部屋を出て行きました。そして、部屋の中を見渡してみると――私の私服がひとつ無くなっているのに気が付きました。
「イヨちゃん……」
同情したわたしが馬鹿でした。イヨちゃんは初めからこれを狙っていたのです。わたしは今日非番で、とりあえず、出かける予定でした。そのための私服も用意してあったのに――はぁ。
「帰ってきたら、お仕置きだから……」
もう姿の見えなくなった妹にそう毒づいて、彼女の艤装を付けます。ぴったり――というのは当然。わたしとイヨちゃんはどちらもそっくりな姉妹なんだから。
「失礼します」
執務室を訪れると、既に作業は始まっていました。大淀さんと相談する提督。工廠からの直通電話が鳴り響き、慌ててそれを取る提督。主力艦隊と出撃の打ち合わせ――思った以上の重労働かと思いきや、わたしの仕事は小さな机で書類をながめて、それを間違いは無いかの判断のみでした。
「提督……」
「どうした、イヨ」
「えっと……その、これだけですか?」
「ああ、今のお前に振ってやれる仕事はこれだけだ」
閑職です。左遷です。イヨちゃんは追い出し部屋の業務をしていました。
あの提督がこんなことをするなんて――そう失望しかけた時、彼は口を開きます。
「まあ、あの件ももう過ぎたことだ。お前も十分反省しているし――来週から、潜水艦隊のシフトに戻そう。オリョール海での通商破壊作戦に参加してもらう」
やっぱり、提督は優しい人でした。イヨちゃんの犯した過ちを正すために、こうして、自分の目の届くところに置いておいたのでしょう。それで、反省の色を見せたから。こうして通常の艦隊業務に復帰させてくれるのだとでも、提督。さすがにイヨちゃんを甘く見過ぎです。書類仕事ぐらい、彼女にだってちゃんとこなせます。
そんなことを思っていると、提督がため息交じりにこう言いました。
「まあ、本音を言うと、お前のミスを訂正するのに疲れた。お前の矯正は今後、大鯨とゴーヤとイムヤに任せる。俺の手には負えんよ……」
イヨちゃん、貴女って子は……。
書類整理も終わり、日も高くなってきた頃。そろそろ昼食の時間かと思いましたが、提督は一向に机を離れません。
「提督、お昼は……?」
「うん、ああ、いつもので頼むよ」
「いつも、の……?」
「うん、どうした? おにぎりだよ。早く持ってきてくれ」
「あっ、はい。ただいま……」
提督の表情がいぶかし気な物に変わり、わたしは慌てて執務室を飛び出しました。ひょっとしたら、勘付かれたかもしれない。急いで間宮に向かいます。
もう、イヨちゃんは何も説明していかないから。こういうことはあらかじめ言っておいてほしい。
でも、急ぎ過ぎたせいで間宮さんのところに付く頃には。
「イヨちゃん!? どうしたの、そんなに疲れ果てて!?」
息も絶え絶えで疲れ切っていました。走るのは苦手……。
とりあえず、間宮さんから提督の昼食を貰って、執務室に戻ります。途中、幾人かの艦娘とすれ違ったけど――誰もわたしのことに気付きません。
「ん? イヨ?」
ふと、話しかけていたのは、潜水艦の娘たち。たぶん、午前の出撃が終わって、帰還したところなのかな。
「提督にしっかりと絞られてるでちか? お前は緊張感って物が足りない!」
そういって、先輩風を吹かせるのが伊58――ゴーヤちゃん。すっかり、わたしのことをイヨちゃんだと思っている。
「ぐーてんたーく。イヨも大変だねぇ……」
ちょっとのんびりした風な金髪の娘は伊8――はっちゃん。彼女も気付いた様子は無いけど、もともとのんびりでふわふわした感じの娘だから、たぶん、バレたりはしないと思う。
「………」
この中で唯一訝し気な視線を送ってきているのは、伊168――イムヤちゃんだ。
でも、彼女はわたしのことをじっと見てるだけで、何か話しかけていくることは無い。
「えっと……提督にご飯、持っていくところだから」
務めて、イヨちゃんのマネをして、その場を切り抜けようとする。ふと、すれ違いざまにイムヤちゃんの声が聞こえてきた。
(頑張ってね……)
それがどういう意味なのか、わたしには分からなかった。
「ふぅ、ごちそうさま……。しかし、今日のイヨはなんだか、優秀だな?」
「ふぇ? そうですか……?」
「ああ、昨日までさんざんミスをしていたのに。それに今日はうるさくない。いつもなら、30分ごとに『暇だぁ!』とか『めんどくさい!!』言ってたのにな」
「あはは……」
イヨちゃんには後でキツイお仕置きを受けてもらいます。
昼食を終え、午後の執務もひと段落した頃、提督の様子が少しおかしくなってきた。妙によそよそしく体を震わせたり、こっちの方をちらりちらりと見てみたり。
視線も、どこか熱っぽくって何かを求めるような感じがする。
何かあったのか――わたしが席を立って提督のもとに行く前に、彼がこちらえと歩み寄ってきた。
「えっと、イヨ……その、いつものを頼むよ」
「いつもの……ですか?」
「ああ、秘書艦の務めというか、まあ、その……アレをだ」
提督が何を言っているのかさっぱりわかりません。すると、業を煮やした提督が机に戻ると、ある物を取ってきた。
「これだよ! これ!!」
提督の手の中にあったのは、透明な液体の入ったボトルとぷるんと揺れる柔らかい塊――その正体が何なのか、私にはすぐ理解できました。
「えっと……」
「なあ、いつもやってることだろ。サクッと終わらせて、仕事に戻るからさ~」
提督はお世辞にも真面目な人とは言えない人でした。でも、しっかりと業務もこなすし、指示だってちゃんと出す。不真面目に見えても、そこそこいい人という印象の人でした。
でも、私の中にあった提督のイメージは、今この瞬間、すっかりと消え去ってしまいました。自分の部下にこんなことを頼むなんて、しかも『いつも』だなんて――イヨちゃんもイヨちゃんです。こんなことを頼まれて、断りもしないなんて。仮にも女の子なのに。
「あれ、イヨ……? どうした」
「提督――」
頭の艤装を取り払って、提督を見つめる。
「えっ、お前は……」
「気づきました? でも、もう遅いですよ……提督には今から、お仕置きをしてあげます。お望みどおりに、それを使って……」
自分でも何を言っているのか分からくなっているけど。でも、頭の奥は沸騰したように熱くなっています。怒って、います。
辺りに広がる汗の匂いと生臭い精液の香り。時折、窓の外から聞こえてくる艦娘たちの声。でも、耳朶を打つ提督の荒い呼吸音が、そうした現実からわたしを引きはがしていく。
ローションと先走り汁を滴らせて、輝く提督の逸物はまだまだ欲望を吐き出したりないとばかりに、天を指し示して、上を向いている。ふふっ、元気な子ですね。
蕩けた表情の提督をしり目に、わたしは水着を脱ぎます。汗で湿った布地が肌を擦れる感触。他の服よりも脱ぎにくいことがもどかしい。
全部脱ぎ捨てて、生まれたままの姿をさらすと、提督が焦ったように言葉を紡ぎます。
「ヒトミ、悪かった。謝るよ……だから、許して――」
応える代わりに、提督の唇に指を当て、次の言葉を遮ります。
提督はそれきり何も言いません。成すがままの状態。別に縛ったり、押さえつけたりしているわけでも無いのに。
だからこれは提督が望んでいること。どんなに言葉で拒否をしても、彼はわたしと繋がりたがっている。
提督の上に跨る。動くたびに汗の雫が零れ落ち、提督の肌に落ちる。提督の汗と混じり合って、滴り落ち、床のカーペットに染みを作る。その様子がたまらなく淫靡に思えて、わたしの奥底がかぁーっと熱くなるのを感じました。
まだ、日は高い。演習や遠征、出撃だってまだある。いつ、執務室に艦娘たちが訪ねてくるかもわからない。
「うふふ……」
考えただけ笑みがこぼれます。背徳的で耽美なこの時間。提督の期待と怯えの混じり合った表情が、さらにわたしを興奮させてくれます。
「イヨちゃんとはしたんですよね……? なら、私とも」
提督の怒張を確認し、ゆっくりと腰を下ろしていく。観念したのか、彼はもう何も言わない。抵抗もしない。ただ、息を荒くして、わたしの中に受け入られるのを待っていました。
ゆっくり、ゆっくり。そのまま腰を下ろして――天を衝く槍に貫かれました。
「んんっ!」
途端に全身を走る痛み。体が引き裂かれそうになりながらも、それをこらえてまだまだ腰を下ろすと、ぺたんと提督の太ももの感触を感じました。
全部納まった。そんな安堵感とは裏腹に、痛みはまだ治まりません。ジンジンとカラダの奥底。お腹の奥から響くように体全体へと広がっていきます。
でも、それと同時に甘い快楽が脳髄を打つ。まだ、痛みを上回らないそれを味わいつつ、膣内に収まった提督の感触を味わいます。
「ヒトミ、お前……うぅ」
提督が呼吸をするたびに、体の中で竿が微かに震えて、膣内を刺激する。でも、そんな刺激じゃ物足りない。もっと欲しい。
でも、最初の痛みがそれを邪魔する。もっと痛かったらどうしよう。苦しかったどうしよう。大胆なことを言って、ここまでのことをしてみても、やっぱり最後はどうしようも無かった。
これじゃあ、生殺しのような状態――提督にとっても。
「お仕置き、だったよなぁ……? これもお仕置きか?」
「そう、ですよ……ぅ、簡単には、イかせませんから……ぁ」
気丈に振る舞っても、わたしの体は快楽を求めています。動きたい。でも、痛い。動きたい。でも、これはお仕置き。そうした感情がわたしの中でストッパーとなって、動くことを拒んでいました。
すると、提督がわたしのお尻を掴みました。その意図に気付いた時には、もう遅かった。
軽々と持ち上げられたわたしは、一瞬の浮遊感の後、また落とされました。引き抜かれるギリギリのところで肉棒は、また、膣内へと突きこまれる。
たったそれだけのことで目の前に稲妻が迸り、全身を快楽が駆け抜けていく。その一撃だけで主導権は提督の方に奪われてしまいました。
「っ……ついさっきまで生娘だった相手に、負けるかよ……」
そういうと、提督の動きがどんどん早くなっていきます。一突きごとに、結合部から分泌液があふれ出し、床を汚していく。
ずぶずぶといやらしい水音が耳朶を打ち、快楽が神経を通して全身を駆け巡る。ああ、イヨちゃんはこんなに気持ちいいことを提督としていたんだ。
前後運動が回数を増すことに、徐々にわたしの中から当初の目的が薄れていく。お仕置きという名目で、提督のそれを弄んでいたのに、今ではすっかり発情して、わたしが彼のオナホールのように扱われている。
屈辱的な状況? 違います。怒りはすっかりと快楽に塗りつぶされ、それを求めて突き動かされている。
このままイクまで――でも、その終わりは唐突にやってきました。
こんこん、こんこん。
執務室の扉がノックされたのです。この時間だから、演習を終えた艦隊か、物資運搬から戻ってきた遠征艦隊のはず。
提督の動きは手慣れていました。すぐに、わたしを自分の上から退けると、少し待つように告げて、証拠の隠滅を始めました。かくいうわたしも重要証拠として、ある場所に押し込められました。
「ああ、遠征ご苦労だった」
戻ってきたのは遠征艦隊でした。
「これぐらいお安い御用さ! なあ、狭霧!」
天霧さんの元気な声が聞こえます。それから、遠征のご褒美をねだる初雪さんや文月さんの声。そして――
「なあ、司令官。この部屋なんか変な匂いしない?」
意外と感の鋭い望月さんの一言に、わたしと提督は慌てます。
「そ、そうか……? とりあえず、窓でも開けて換気をっ――しておくから、お前たちは補給を済ませてきなさい。なぁ?」
提督は言いよどんで、すぐに遠征艦隊の娘たちを追い払おうとします。いつもとは違う提督の様子を、みんなは訝しんでいたようですが、その言葉に従って、執務室を出て行こうとします。
遠征艦隊の全員が部屋から出るとき、最後の望月さんがこう言いました。
「まあ、別にするのは良いけどさ……ここはダメなんじゃない?」
バタン――そんなセリフを最後に、望月さんは執務室を後にしました。
「勘弁してくれ……」
そういって、提督がわたしのことを見下ろします。提督が彼女たちにそっけない態度を取ったのは、理由がありました。
「じゅる、じゅぶ……ぺろり、じゅるるる」
色々な分泌液やローションが混じり合った提督の肉棒。まだ治まり切らない提督のそれをわたしが口に含んでいたから。机の下に押し込まれた時、提督は、まだ治まり切らなかったからか、慌てていたからなのか、それをしまい忘れていました。
目の前で屹立する肉棒を見ていると、わたしはいてもたってもいられず、それに食いつきました。前の何か読んだことのあるこういう状況。それはとても興奮するものでした。
もう止まれない。そう思った。
わたしのことを見下ろす提督の表情も、すっかりその気になっていて。わたしの表情ももう蕩けきっていた。
「提督、続きを……」
生唾を飲み込み、何かを我慢するようにして、提督はドアに向かう。行っちゃうの? そう思ったけれどもそれは杞憂だった。
ガチャリ――ドアの錠が落ちる音が聞こえた。それが始まりの合図だった。
ふたりの吐く息が混じり合う。あふれ出した欲望も、汗も、体もすべて。
前に本で読んだことがあった。セックスは体の交わりだけではなく、お互いの心が交わるものだと。今、それを実感していた。提督と溶け合って、ひとつになるような感覚を。
「あぁ……」
秘所に突きさる肉棒。もう痛みは感じない。腹部の圧迫感は受け入れた喜びに。快楽へと変わっていく。繋がりあうことがこんなにも良いことなのだと。
提督の背中に手を回し、抱きすくめる。自分でもささやかだと思う胸のふくらみが、彼の固い胸板に押しつぶされ、潰される。敏感な先端が押しつぶされ、甘い疼きをもたらす。
必死な表情で腰を振って、自分の分身をわたしの中に突きこむ。快楽に押しつぶされた乱暴なセックス。でも、時折、彼はわたしの表情を盗み見る。感じているのか。痛がっていないか――そういう気遣わしげな部分が見え隠れている。
(嬉しい……)
心の奥底から喜びが広がる。提督がわたしに優しくしくれているという事実がわたしの心を揺さぶる。
でも、優しくされているだけじゃダメ。わたしだって――。
提督の腰の動きに合わせ、動く。ほぐれた秘肉が快楽を倍増させる。一突きごとに白い稲妻が瞼の裏を走り、脳髄を焼く。ちかちかと視界が白くなり、体が熱くなる。すべてが解けてしまいそうな。そんな熱さ。
「ていとく……気持ちいい、ですかぁ……?」
身を離して、聞いてみる。ぽたぽた。したたり落ちる汗がわたしの半身を濡らす。固い彼の胸板に手を伸ばし、ぽつりと立った乳首をこする。それが気持ちいのか。わたしの中の提督が少し震えた。
もう一度触ってみると、今度はもう少し強めに。ふふっ、また震えている。
腰の動きを止めずに、提督の乳首に触れる。擦る、抓る、弾く。色々な愛撫を試しながらも、自分の秘洞で提督の肉棒を愛撫することを忘れない。
そのたびに、彼の表情はどこか泣きそうで、快楽の苦痛に苛まれるように変わっていった。
やっぱり、これはお仕置きだわ。提督のための――。
やがて、彼の動きが鈍くなる。そこでわたしは強めに腰を叩きつけた。きつく膣内を絞り、しごき上げるように動く。
「あっ、あっ……ヒトミ、出そう、だっ……」
情けない言葉に手加減をする気も失せた。もっとイジメたい。もっと――
どぴゅ――びゅるびゅるびゅる、びゅ、びゅ――
最後の一撃で、提督の肉棒は音を上げた。白い欲望がわたしの中にぶちまけられ、わたしの体を内側から汚していく。
「はっ、はぁ……ヒトミ」
手を伸ばして、わたしの顔に触れる。汗を拭ってくれた。その手つきが優しくて。
同時に、ドアをノックする音が聞こえた。時計を観てみると、もうこんな時間だ。
あわてて身支度を整える。途中、提督と視線が合い、少しだけ笑いあった。
「提督、お仕置きはまだ終わっていませんからね……」
――
――――
――――――
「アッネキー! 変わってくれてありがとう!! おかげで用事も済んだし……」
「ねぇ、イヨちゃん。見せたいものがあるの」
普段の姉貴とはちょっと違う声音。これは完全に怒ってる。とりあえず、謝り倒そう。そう思ったけど、ちょっと様子が変だった。
姉貴は怒ると時は静かに怒る。それでいて、長続きするタイプだ。分かりにくいけど、心の中ではしっかりと怒っていて、しかもねちねちとしている。長い付き合いだからそれはよーく知ってるつもりだった。
でも、今日のはなんだか違う。怒っているんだけど――なんていうか、機嫌が良い?
黙って歩く姉貴の後ろを付いていく。向かっているのは、執務室だ。
まあ、仕事を抜け出したわけだし、提督にお叱りを受けるのか。提督もちゃらんぽらんに見えて、結構うるさい人だからなァ。ふたりに怒られたら、アタシ泣いちゃうかも。
「入って」
とにかく殊勝な態度で逃げよう。そう思い、部屋に入ると。そこにはアタシが思っていたのとは違う光景が広がっていた。
「えっ……提督……?」
目の前に飛び込んできたのは、椅子に縛り付けられた提督の姿。目隠しに猿ぐつわまでされて。それに、ズボンをはいていない。大事な部分が現れになっている。それにも、提督のアレは臨戦態勢と言わんばかりに、大きく反り返っていた。
「これは……」
何の冗談? と聞こうとした時、後ろでドアの鍵が閉まる音がした。閉めたのは――姉貴だった。
「ねえ、イヨちゃん。提督とはずいぶんとお楽しみだったのね。仕事をほっぽりだして、提督をたらしこんで――イケナイ娘」
姉貴の表情がおかしい。いつもみたいに微笑みを浮べているけど、目は爛々と輝き、淫蕩の色を浮べている。
「ちょっと、待って……何のこと?」
「とぼけても無駄」
姉貴が手元のリモコンを操作すると、提督がくぐもったうめき声をあげる。そして――屹立したそれから白濁液をまき散らした。長い長い射精が終わると、今度はまたぐったりと。一瞬萎えかけたそれは即座に元の臨戦態勢へと立ち直る。
「男の人は、お尻で何回でもイケるのね……」
怪しげな笑みを、姉貴の不穏な言葉。これはまずい。逃げないと。
そう思ったけど、体が上手く動かない。提督のまき散らした精液の匂い。この部屋の怪しげな雰囲気。そして――姉貴の怪しい眸の色。
「さあ、イヨちゃん……お仕置きよ」
あっ、これ、ヤバいヤツだ――アタシの直感がそう告げていた。