<登場人物>
山田エルフ:中学生のラノベ作家。尚、山田エルフはペンネーム。
鈴木一郎:中学生のラノベ作家。転生オリ主。
***
とすん、とクッションが何かを受け止める、軽やかな音。
実際ベッドに腰を下ろしたのは、羽のように軽やかな少女だった。
陽光をくしけずったかのような金糸の髪。
白磁の肌には、うっすら朱がさして。
琥珀の瞳をうるませ、愛しい人を見つめている。
それは西洋絵画からそのまま飛び出てきたかのような、きらびやかな美少女であった。
芸術家が丹誠込めてつくりあげたかのような美少女、山田エルフ。彼女にひき比べ、並んでベッドに腰掛ける少年、鈴木一郎の容姿は地味であると言わざるを得ない。
けれども、そんな少年をエルフは熱っぽく見つめている。なんとなれば、ふたりは、紆余曲折を経てとうとう結ばれた恋人同士であったのだ。
そんなふたりがはじめて共に過ごす夜――
永い人生のなかでもとびきり特別な瞬間が、今まさに幕を開けようとしていたのである。当然、エルフの緊張も
「エルフさん。目をつぶって」
「こ、こうかしら」
ぎゅっと目を閉じて、かたくむすんだ唇をつきだす。
かちこちに身を張ったエルフの可愛らしい姿に、思わず一郎は笑みをこぼした。
「ちょっと、いま笑ったでしょ!」
「ごめん、ごめん。エルフさんがあんまり可愛らしいもんだから」
おかしそうに微笑む一郎に、エルフは声を張った。
肩を上下させ、おおきく息を吐く。すると、筋肉が弛緩して、身体が俄にリラックスする。
まさにその瞬間、一郎は口付けた。
エルフの琥珀の瞳が、おおきく見開かれる。
「んっ! んんっんん…………んふぅ」
身を堅くするエルフであったが、やがて、一郎の求めに応じはじめる。堅くむすんでいた唇を僅かにひらいて、男の唇を受け入れたのだ。
いよいよほころびかけた蕾を、すかさず一郎の唇が啄んだ。
唇を甘く噛まれるような感触に、エルフは甘ったるい声をあげた。
「ふぁ……んぅ……」
そうして接触面積が増えると、唇に伝わる感触はより鮮明になる。やわらかな感触とあたたかな体温とが、唇から伝わってくるのだ。
エルフの心に安堵が広がる。
すっかりエルフは肩の力を抜いて、自らを一郎にゆだねていた。
「んっ……ちゅっ……ちゅっ……」
春雨のように降ってくる口づけに、エルフは身を任せる。
けれども、そこは好奇心旺盛なエルフである。
愛しい人と唇を合わせる――
ずっとあこがれていた、はじめての状況に慣れてくると、今度はあれこれ試みようとするのは当然の帰結だった。
まずは距離である。両の手を一郎の腰にまわし、互いの身体を近づける。やわっこいエルフの身体が、一郎の細身の、けれどもごつごつとした男の身体に押しつけられる。
一郎の胸板の思いがけぬ広さ堅さに、エルフははっと目の覚める思いがわき上がる。胸はいっそう高鳴った。
それは、一郎も同じであったらしい。
重ね合わせた胸から、早鐘のような鼓動が伝わってくるのだ。
エルフは嬉しくなった。
緊張しているのは自分だけではなかったのだ。
そうと分かったエルフは、より積極的になる。すこしでも接触面積を増やそうと、唇をひらいたり閉じたりして、相手の唇を啄む。
気がつけば、ふたりは、貪るように互いの唇を食み合っていた。
あたたかな満足感が胸に満ちる。
けれども、それで収まろうはずもない。
燃えるような情欲が、下腹部からカッと沸き上がってきたのだ。
――これだけでは足りない。もっと深くつながりたい。
そうエルフが思ったときである。
咥内に、ぬるりとしたものが侵入してきた。
おどろくエルフを宥めるように、それは、やさしくエルフの舌をつつく。
驚きが収まった頃合いを見計らって、それは行動を再開する。舌先からどんどん奥に、するりと舌の上をすべるように、それはやってくる。
エルフはたちまち、その感触の虜になった。
自ら舌を絡ませて、むちゃくちゃにもつれさせた。
「んっ、ふぁっ、んちゅっ、んっ――」
どんどん息が荒くなる。
ひょっとしたら酸欠気味なのかもしれない。すっかり熱に浮かされて、頭の中が溶けだしてしまいそうなのだ。
愛する相手と口でつながっている――そんな倒錯した状況に思考が蕩けきったときである。
「ぢゅるるるるる」
という音がした。
それが何の音か分かったとき、エルフは羞恥で顔が灼かれる思いだった。
咥内にあふれた滴を、一郎がすすったのだ。
「んんんっ!?――ぷはぁっ」
ふたりの顔が離れる。
ぬらりと光るひとすじの滴が、ふたりの唇をつないだ。
「ちょ、ちょっと、なんてことするのよ! 恥ずかしいじゃない!」
「いやいや、甘露だったよ。エルフさん」
「っ! この変態、変態、変態、変態っ」
にっこり微笑む一郎に、エルフは顔をまっかにして叫んだ。
一郎は、堪えた様子を欠片も見せない。それどころか、面白がってエルフに尋ねる。
「ひどい言い様だなぁ。エルフさんの持ってるエロゲーでは、こういうことはしないの?」
「そりゃあ、する……けど……」
そこまで答えて、エルフはひらめいた。ひらめいてしまった。
「そうね……そうだわ! 考えてみればたしかに『この問題、赤ペ○先生で出たぞ!』って状況だわ。つまり、これは、えっちぃ同人誌やエロゲーで親の顔よりも目にしたシチュエーションだったのね!」
目をらんらんと輝かせて、エルフは自信満々に嘯いた。
「そうと分かれば、恐るに足らないわ。エロゲーはオタクのたしなみ。PCゲーや専用機のゲームはもちろん、ボードゲームからエロゲーまであらゆるゲームを修めるこのエルフちゃんに、対応できないシチュエーションは存在しないわ」
エルフは好奇心旺盛な耳年増だった。
エロゲーやエロマンガでいやというほど学んだ知識を実践する好機であると知れるや、それまでの緊張や羞恥心はすっかり吹き飛んでしまったと見える。
「ほら、今度はわたしが攻める番よ」
言うなり、一郎をベッドに引き倒す。
仰向けになった一郎の足をまたいで、馬なりになる。
エルフは両手をわきわきさせて、愉悦の笑みを浮かべた。
「ふっふっふ。どうしてくれようかしら」
「どうぞご随意に」
一郎は面白そうに言った。
それを、エルフは、挑戦状であると受け取った。
「そんなふうに言っていられるのも、今のうちよ。その余裕の表情を快楽でアヘアヘ歪めて、ダブルピースさせてあげるんだから! まずはこうよっ」
金糸の髪がふわりと舞った。
甘い匂いが、一郎の鼻腔をくすぐる。どういうわけか、一郎の眼前には、エルフの形のよい後頭部が見える。
一郎の首筋に顔を埋めたのだ。
無論、それは攻撃のはじまりの合図に過ぎない。
「んちゅっ、ちゅっ、ちゅぅぅ」
水気のある音が、ふたりきりの部屋に響く。
首筋に吸ついたのだ。
「ほぁっ!?」
突然の感触に一郎は驚きの声をあげた。
それは、たちまちエルフをご機嫌にさせる。
「たまらず声をあげたようね。どうかしら、エルフちゃんの超絶テクは」
言ってしまえば、テクニックも何もあったものではない。ただ力いっぱい吸ついただけである。
それでも、絹のように細やかな唇の感触は、それだけでとびきりの刺激であったし、芸術家が魂を注いでつくりあげた塑像のごとき美少女から、たどたどしい愛撫を受けているという事実は、この上なく男を昴ぶらせる。
一郎は正直に答えた。
「そうだね。なんというか、そう、すっごく興奮するよ」
エルフの背筋に、ぞくりと喜悦がはしる。
「いいわねぇ。いつも澄まし顔でお上品な言葉遣いの一郎が、ストレートに『興奮する』って言うのは」
この男を自分が興奮させている。
その事実が、エルフに火を付けた。
「知ってるわよ。こういうのもあるんでしょ」
エルフの手が、シャツ越しに一郎の胸板に添えられる。かと思えば、シャツの上を、すーっとエルフの手が滑った。
「ふふ、どうかしら。気持ちいいかしら?」
エルフとしては、焦らしているつもりであった。
そっと触れはすれども、べたりと触りはしない。そんな絶妙な力加減で以て、男を翻弄するつもりだったのだ。
ところが、である。
「物足りないなぁ」
「え?」
予想外の言葉が返ってきた。
固まるエルフを、今度は一郎が引き倒す。
華奢な手をそっと引いて、やさしくベッドに転がした。そのまま、エルフの白磁の頬に手を添え、耳元にそっと囁いた。
「エルフさんの唇の方がもっとずっと気持ちよかった。こんなシャツ越しの感触なんかより、直接エルフさんに触られた方がね」
「んんっ――」
エルフが喉の奥で悲鳴をあげる。
吐息にこもった熱が、耳腔をくすぐったのだ。
耳に吹きかけられた熱が引けるとき、いっしょに身体からすとんと力が抜ける。
「愛撫というのはね、こうするんだよ」
一郎の唇が、エルフの首筋に落ちる。
かと思いきや、唇はつぅと首筋を滑った。
「ひゃぅっ! なによこれっ」
エルフの首筋に快楽の電流が走った。
けっして強くしているわけではないのに、痺れるような感覚が首筋に残る。
「ふぁっ」
エルフは仰け反った。
そのまま成すがまま、されるがままに愛撫に翻弄される。
そのままいつまでも続くかに思われた時間は、しかし、唐突に途切れる。
首筋から離れた唇が、なにごとか囁いたのだ。
「エルフさん」
「なっ、なによ――――きゃあ!」
エルフは思わず掌で目を覆った。
いつの間にか一郎は服を脱ぎ、腰履き一枚になっていたのだ。
作家の、ひきこもりがちが少年の裸体である。
引き締まっているというよりは、ただただ細い。うっすらあばらの浮くような痩せ肉である。何も運動らしい運動をしていないのだろう。
そのくせ、肩から二の腕にかけての筋肉はがしりと堅く、ふくらはぎには明らかな筋肉の盛り上がりがあった。胸板も広い。女性であれば、こうはいくまい。
あからさまな男女差を、指の隙間からまじまじと垣間見たエルフは、めまいのする思いである。
だんだんと、指の隙間が広がる。気がつけば、エルフは愛しい人の裸体に見入っていた。
そんなエルフを咎めるかのように、
「ねぇ、エルフさんも見せてよ」
一郎がずいを身を寄せてくる。
「そ、そうねっ。一郎だけにそんなカッコさせたんじゃ、不平等だものねっ」
反射的にエルフは答えた。
脱がされるよりも、自ら脱いだ方が羞恥が小さいという、咄嗟の判断であった。
そんな初心な内心を見透かしているのであろうか。一郎は、微笑ましいものを見るようにエルフを見やる。
「流石、エルフさん。近年稀に見る、潔い男女平等精神だよ」
「まっ、まあね! えっちぃ本なんかで、ちっちゃい女の子を裸に剥く男は、たいていそう言ってるわ。紳士の流儀ってやつよね。それに倣ったのよ」
エルフは虚勢を張る。
エロゲー・マイスター、エロマンガ・ソムリエたるの自負が、張らなくてもよい見栄を張らせたのだ。
そして、言ったからには退くことはできない。エルフは、一郎が見つめるなか、自ら服を脱ぎはじめた。
しゅるりという衣擦れの音。
フリルのついたワンピースがベッドに投げ出される。すると、ピンクの下着が露わになる。それは、エルフの肌の白さをいっそう強調した。
くびれた腰。丸みを帯びた臀部。そから伸びる、ほっそりとしなやかな脚。
「うう……そんなじっと見ないでよ」
「それは無理な相談だね。こんなに綺麗な女の子は見たことがない。誰だって、エルフさんのこんな姿を見れば、夢中にならない筈がない」
「くっ、こんな時までキザったらしい台詞だなんて、なかなかやるわね。でも、わたしだって、やられてばかりじゃ終われないのよ」
頬をまっかに染めて、それでも、エルフは果敢に挑む。
「とりゃっ」
再び一郎を引き倒して、エルフはベッドに転がりこんだ。
「ほらほら、どうかしら」
エルフの手が、一郎の肌を撫でる。
「エルフさんの手は、やわっこくて気持ちいいなぁ。それじゃあ、こっちもお返しに」
負けじと、一郎の手がエルフの肌へと伸びる。
「うわぁ――すごい。とってもきめ細かくて、こうして触ってるだけで気持ち良いや」
「でしょう? 一郎も、見た目より筋肉があってごつごつしてて……その……悪くないわよっ」
二人は、互いの身体をまさぐり合った。
エルフは、初めはおっかなびっくりであったが、一郎が遠慮なく肩やら鎖骨やらお腹やらを触ってくるので、だんだん遠慮が無くなってきた。
二の腕をつついたり、「意外と広いわね」と所感混じりに胸板をさすったり、愛撫するというよりは好奇心の赴くままに弄くり回している。
すっかり緊張のほぐれたエルフの背中に、そっと一郎の手が回される。
「ひゃぅっ!? なっ、何よ今の! ちょっと、今いったい何したのよ!」
「背中を撫でただけなんだけどね」
「嘘よっ。背中を撫でたぐらいで、こんなになるワケないじゃない。何か変な道具でも隠し持ってるんじゃないの?」
「はじめての夜に玩具を持ち込むほど、僕は酔狂じゃないんだけどな」
一郎は諸手をあげて、無実をアピールした。
もちろん、掌にいかがわしい道具は収まっていない。
「なるほど。純粋な技術というわけね」
「というより、エルフさんが”素直”なだけだと思うけどね」
「違いますぅ~。一郎が超絶テクなだけですぅ~。……どうせ、前世でさんざん遊んでたんでしょ」
「まあ、ね」
頬を膨らませるエルフに、一郎は言葉少なに肯じた。実際、『夜の街』で遊び倒した時期もあった。
「これだから転生チートラノベ主人公は! でも、わたしだって予習はバッチリなんだから。ほ、ほらっ。これでどうかしらっ」
エルフの手が、一郎の下半身に伸びる。
たおやかな手が、腰履き越しに男の剛直に触れた。
「か、堅いのね……」
「エルフさんは柔らかいね」
「ひんっ」
エルフの吐息が桃色に色づいた。
一郎の手が、乳房に伸びたのである。
ブラジャーをめくりあげ、下乳を親指の股で支えるように、下から上へ。そのまま、やさしく胸をさすりだす。
「お餅みたいな、きめ細やかな肌触り。若い子特有の、張りのある弾力。たまらないなぁ」
「んっ、一郎ってば、んっ、オッサンくさいのよっ」
「中身はオッサンだからね。で、オッサンはこんなこともするよ」
「ひぅっ!」
エルフが桃色の悲鳴をあげた。一郎の右手が、乳首を撫でたのだ。
視界がまっしろな快楽に染まる。
我に返ったときには、ブラジャーは取り払われ、一郎の掌がかすめるような絶妙な力加減で乳首を撫でていた。
「んんっ、んぁっ、ああぅん――」
すっかりエルフは一郎の右手に夢中になる。
その隙に、左手がエルフのほっそりとした太股へ添えられた。かと思えば、ゆっくりと、上から下へと撫でつける。ぞわりとした感覚が、エルフの太股から背筋を這い上がる。
右手は胸。左手は太股。そして瞳は、男の手でどんどん興奮の頂をのぼりつめていくエルフをじっと見つめている。
「どう? 気持ち良いかな?」
「……うん。気持ちいいわ」
エルフはまっかな顔でうなづいた。
「それじゃあ、僕のことも気持ちよくしてよ」
一郎は、エルフの手を握り込む。
エルフの手は、一郎の剛直をおっかなびっくり触っていたから、無理矢理に握らされる形になった。
「やだ。一郎、すっごく興奮してる……」
手のなかで剛直が鼓動したのが、エルフにはよく分かった。さらに一回り大きくなったのだ。
それが嬉しくて、エルフは、手を上下させる。
「これって、いったいどうやって大きくなってるの?」
熱に浮かされたようにエルフが言った。
「見てみたい?」
「……ええ」
「それじゃあ」
一郎は、腰履きに手をかける。
ずいと下ろすと、ぶるんと剛直が飛び出した。勢い余って、腹をたたいて反り返る。
「うわぁ……」
エルフは熱い吐息をこぼした。
肉棒。
その呼称に相応しい、生々しく暴力的なフォルムをしている。
にも関わらず、目を逸らすことができない。顔を近づけ、まじまじと、ためつすがめつする。
「これが……これが一郎の……」
「僕の何?」
興奮の熱に浮かされて、エルフは躊躇無く口走る。
「――おちんちん」
言ってしまった――
そんな羞恥心すら、官能の炉にくべられる燃料に成り下がる。
「そう。これが男のペニスだよ」
とろんと蕩けたエルフの悦姿。
それを目にした一郎の肉棒が、また一回り大きくなる。
「すごい……どんどん大きくなってく。すごく、えっちだわ……」
「よく覚えておいて。今からこれが、エルフさんの中に入るんだよ。……とは言っても、その前にいろいろ準備がいるんだけどね」
一郎の手が、エルフのショーツに掛けられる。
「脱がすよ」
返事も待たずに、一郎はショーツを脚から引き抜きにかかる。
エルフは微かに腰を浮かせて、それを手伝った。言葉よりもなお雄弁な答えであった。
それでも、やはり恥ずかしいことに代わりはない。
「――っ」
エルフは、咄嗟に手で秘所を隠そうとする。
「ダメだよ。じっくり見せてよ。ほら、僕だって見せたんだから」
それを、一郎の両手が捕まえる。バンザイさせるように、頭の上に持っていった。
「しょ、しょうがないわね」
エルフは観念して手を投げ出した。
「うわぁ――――すごく、綺麗だ」
一郎は嘆じた。
羞恥の崖を飛び越えた女性の勇気に応えるのが男の甲斐性であると、彼はよくよく心得ている。けれども、そんな心得すらも忘れて、ただただ純粋に感嘆の声をあげたのだった。
「そ、そうでしょう、そうでしょう! 地上に咲く天上の花とは、このエルフちゃんのことよ。そんなエルフちゃんの花園が、綺麗でない筈がないじゃないっ」
羞恥にぐるぐる目を回しながらも、エルフはエルフであった。
押し倒されているというのに、くびれた腰に手をあてて、形の良い胸を反らしている。
そんなエルフが愛おしくて、一郎は、いじめてみることにした。
「ぴったり閉じてて、ピンクで、すごく綺麗だ。毛が生えてないからスベスベで、やわらかそうだし」
「うぅ~~、いちいち説明なんてしないでよっ! この変態オヤジっ」
効果はてきめんであった。すっかりスイッチの入っていたエルフに、羞恥心を思い出させてしまうくらいには。
可哀想なエルフは、もじもじと脚をすりあわせている。
けれども、一郎は、エルフの気持ちを盛り上げる術を心得ていた。
「エロゲーでは、こういうプレイは無いの?」
「あったわよ……用務員のキモいオッサンが主人公の陵辱ゲーとか、バカゲー寄りの抜きゲーとか」
「じゃあ、そのキモいオッサンとか、バカゲーの主人公はどうするの?」
「そうね、このシチュエーションなら……女の子のあ、脚を開いて、下品に音を立ててすすりあげるかしら」
元来が好奇心旺盛な性質である。のみならず、ゲームの流儀を現実世界に持ち込むほどの、調子の良い性分であった。
話すうちに調子が出てきたのか、エルフは、おぼことは思えぬ
「なるほど。こうかな」
もちろん、期待に応えぬ一郎ではない。
エルフの秘所に、口付けんばかりに顔を寄せる。
むわっと、甘い匂いがした。
――なるほど。女の子の甘い匂いは、ここから出てたのか。
そんなことを考えながら、秘所にむしゃぶりついた。わざとおおきく音を立てて、下品にすすりあげる。
「はっ、あっ、あう!」
エルフの太股が、反射的に一郎の頭を挟みこむ。
それを催促だと受け取って、一郎は舌を動かした。陰唇に沿って舐めあげて、焦らすように陰核のすぐ横を通り過ぎる。ちろちろと舌を這わせながらも、けっして陰核そのものを責めたりはしない。執拗に焦らしているのだ。
一郎は、意地悪く尋ねた。
「それからどうするの?」
「む、胸を両手で揉みながら、ひんっ、あそこをしっかり舐めるの」
「しっかり舐めるって、どこを?」
「ク、クリトリスよ……この鬼畜っ」
まっかに染まった顔を、両手で隠すエルフ。
一郎は、にっこり微笑んだ。
「よく言えたね。ご褒美だよ」
「ふあぁっ!?」
一郎は、陰核を唇で啄んだ。そのまま唇紋で擦りあげる。
「あっ、あっ、あああっ」
エルフの慎ましやかな花弁は、すっかり朝露をまとったかのように濡れそぼった。というより、いっそ花の蜜と言った方が適切であったかもしれない。
「エルフさんの愛液、すごく美味しいよ。甘くて良い匂いがして、ふやけるまでこうしていられる」
ぴったり閉じた慎ましい陰唇は、いまやひくひくと口を開き。そこから雫を滴らせる様は、快楽に困惑して泣き震える少女のようである。ちいさな陰核が精いっぱいに背伸びする姿が、いじらしい。
辛抱たまらなくなって、一郎は、舌を膣口に這わせる。
ちろちろと焦らすように舌を往復させて――ひと息に突き入れた。
「あんっ! んんんんっ、ああっ、ふぁっ」
舌が生き物のようにうねる。
きゅうきゅうに狭い膣の壁面を、蛇が身をくねらせるように這いずり回る。
そうする間にも、鼻先で陰核を器用につつき、両手は胸を撫でまわしてと、エルフを攻める手は止まらない。
「それから、エロゲーはどうなったの?」
「はぁ、はぁ……頭を撫でながら……ひんっ……キスするのよ。愛の言葉を、んっ、囁きながら」
息も絶え絶えにエルフは言った。
ゲームのジャンルが変わっているのは明らかである。
けれども一郎は、何もかも心得ているとばかりに微笑むと、優しく頭を撫でた。
「愛してるよ、エルフさん。一生離さない」
そして、唇を合わせる。
「んっ……むちゅ……んちゅ……」
それを、エルフは進んで迎え入れる。
一郎の頭を抱え、みずから唇を開き、舌を絡ませる。
更には、自分でも気づかぬうちに、のしかかる一郎の腰を脚ではさみこみ、下半身を上下させて、陰部をこすりつけていた。
「エルフさん。そろそろ……」
「いいわよ……来て?」
「それじゃあ、ゴムを」
一郎は、脱ぎ捨てていたズボンに手を伸ばす。
「待って。そんなの要らないわ」
その手を、エルフが掴んで止める。
「えっ。エルフさん、まだ来てないの?」
「ちゃんと来てるわよっ! そうじゃなくて、ちゃんとアフターピルを準備してるの。だから、ナマでしましょう?」
一郎は、神妙な顔になってエルフに向き直る。
「エルフさん……そりゃあ僕は嬉しいけど、でも、身体に負担がかかるよ。エルフさんばっかりしわ寄せがいくなんて、そんなことは許容できない」
エルフは嬉しそうに微笑んだ。
「ふふ、そう言ってくれるのね。わたしの恋人はねちっこい変態オヤジだけど、鬼畜じゃないみたいね。安心したわ」
でもね、とエルフは胸を反って、漢らしく言い放つ。
「わたしのはじめては、無機物に捧げるほど安くないのよ。他の何者でもない、一郎にこそ捧げられるべきなの。記念すべき”ふたりのはじめて”なのにゴムを付けるだなんて、そんなの許さないんだから」
そこまで言われて躊躇する一郎ではない。
これ以上は女に恥をかかせると、彼は心得ていた。
「分かったよ。それじゃあ、ほんとうの意味でひとつになろう。ちゃんと、最後まで。エルフさんの一番奥に、最後の一滴まで残らず精液を吐き出すから。もう嫌がっても止めないよ」
と言うなり、エルフを押し倒す。
下品で扇情的な物言いに、エルフもまた興奮したと見える。
彼女は、熱に浮かされた甘ったるい口調で、目の前の男におねだりをした。
「ねぇ。一郎のおちんちん、はやくちょうだい?」
答えは言葉ではなく、行動で以てもたらされた。
一郎の肉棒がエルフの膣口へと、ゆっくり侵入していく。
エルフの花弁は、しとどに濡れそぼっている。そこに身を添えるだけで、肉棒はたちまち潤滑液まみれになったので、すんなり事を進めることができた。
ぴったり閉じた幼い花弁を、肉棒が無理矢理進んでいく。
それでも、そこは女性器としてしっかり機能しているらしい。
「ふっ……んぁっ、んんっ、あんっ」
エルフが甘い声をあげた。
肉棒が這って進むたびに、腰をよじらせて快楽に身悶えする。
「入ったよ、エルフさん」
「ほんとだわ、すっごい……一郎のおちんちん、ほんとに入っちゃった」
エルフは、熱に浮かされた瞳で接合部を見やる。
幼い花弁が、ぱっくり口を開けて男根を咥えこんでいる。
不思議と痛みは無い。
みちみちと内側から身を押し広げるような強烈な圧迫感を、あるいは痛みと呼ぶのかもしれないが、エルフはそれさえ心地よかった。
「んっ……わたしって、はぁんっ、実はMなのかも知れないわね」
「それとも、ものすごくエッチなのかもね」
「変態オヤジと、んぁっ、えっちなJCってわけね……ひんっ……エロゲーみたいで悪くないじゃない、ふあぁっ」
などと話しているうちに、だんだん馴染んできたらしい。エルフはすっかり肩の力を抜いて、一郎に身を委ねきっている。
それが嬉しくて、一郎は、エルフにやさしく口付けた。エルフも首を持ち上げて、餌を待つ雛鳥のように急かす。
どれくらいそうしていただろうか。
唇が離れるなり、「ねぇ」とエルフは呼びかけた。
「もっと動いていいわよ。激しくしたいんでしょ? 遠慮はいらないわ。わたしも、一郎のすべてを受け止めたいの」
実際、一郎は焦れったい思いでいた。
想い焦がれた恋人と、ようやくひとつに結ばれた――
その喜びすら、男は性欲に転化させる。獣欲の赴くまま、無茶苦茶に想いをぶつけたいとう堪えがたい衝動を、エルフを大切にしたいという思いやりが、なんとか抑えこんでいた。
その枷を、エルフ自ら解き放ったのだ。
「エルフさん、エルフさんっ!」
たまらず、一郎は愛しい人の名を連呼した。
エルフはにっこり微笑んで応じようとして、
「おほぉっ!?」
白目をむいた。
「あっ、あっ、ああっ、あぅ!」
少女の柔肉に腰を打ちつける音が、部屋に響く。そこに混じるは、男の荒い呼吸と少女の甘いあえぎ声。
「しゅ、しゅごいぃぃ、なにこりぇえ! 目の前がチカチカしてるぅ」
止め処なく打ち寄せる快楽の荒波に、エルフは翻弄される。
一郎にもまた、それを気遣う余裕などなかった。エルフのほっそりとした腰をつかみ、己が腰を打ちつける。ときに角度を変え、ときに腰をひねっては、エルフの可愛い顔を見つめて、その反応を窺うのに夢中になっていた。
心底惚れた、世界で一番美しく可愛らしいと信じている少女が、自分の与える快楽に溺れている。その事実が、雄の自尊心と獣欲とを煽るのだ。
「ここだね、ここが良いんだねっ」
「そうなのっ! おちんちんがっ、ぐりぐり擦れていいのぉ! あっ、あっッ! もうダメ、来ちゃう来ちゃう! なんか来ちゃううぅ!」
「イクって言ってよ」
「いくのぉ! 一郎のおちんちんで、いっちゃうのぉぉ」
エルフの脚がピンと伸びる。
絶頂を迎えたのだ。
ただでさえ狭い膣穴がぎゅうぎゅうに痙攣して一郎を締めあげる。
「僕もイクよ。エルフさんの一番奥でっ」
一郎は、全力で腰を押しつけた。
絶頂の最中にある幼膣は、ぎゅうぎゅうに締めつける動きで以て、一郎を奥へ奥へと迎え入れる。
こつん、と鈴口が子宮口をつつく感覚。
最奥で一郎は精を吐き出した。
「あっっ、ああッ! あっぁつ、あっッ! いってるのにまたいくぅぅう!?」
エルフの身体が跳ねる。
二度、三度と全身がふるえて、それから、ぐったりと脱力する。
一郎が男根を引き抜く。ずるりと擦れるに、
「ひんっ」
と再び腰をふるわせた。
「はぁ……はぁっ…………す、すごかったぁ…………」
エルフは放心して、ベッドに力なく横わたる。
慎ましかった幼膣も、今はひくひくと口を開いて、白濁液を垂れ流している。
「僕も、こんなに気持ちよいのは初めてだよ。流石、エルフさん。エルフさんは本当に何から何まで最高だね」
一郎は、エルフの額に口付けた。
二度、三度と口付けて、それから、首筋に吸つく。
「はぁんっ――」
と甘い吐息をこぼすエルフに、一郎は微笑みかけた。
「宣言どおり、証をつけたよ。エルフさんが僕のものだって証をね」
「はぁ、はぁ……キスマークってやつね……」
首筋で自己主張する、赤い痕。
それを、エルフは愛おしげに撫でる。
「この証が消えないように、毎日つけ直すから。エルフさん、イヤと言っても逃さないからね」
エルフは目を見張った。
いつもにこにこ笑っていて、自己主張をしない一郎である。それが、こんなにも明け透けに自分を求めている。
そのことが、嬉しくて堪らない。
「もちろん、そうしてちょうだい。――好きよ、一郎。好き好き大好き超愛してる」
エルフは、一郎に抱きついた。
形の良い胸が、ぐにゅっと押しつけられ。つんと上を向いた乳首が、一郎の胸板を撫でた。
「僕もだよ。愛してる」
と答える一郎の男根が、再びむくむくと起きあがってくる。
それを見て、エルフは悪戯っぽく笑った。
「さて、流石は一郎と言ったところかしら。序盤、中盤、終盤と隙がなかったわ。でも、わたしだって負けないわよ。エロゲーとエロマンガで学んだテクを躍動させてやるんだからっ」
「うわっ」
エルフは、そのまま一郎を押し倒す。
「ふふふ。やっぱり、一郎ってばわたしのことが好きで好きでたまらないのね。一郎のイチローくんがそう言ってるわ。男は海綿体で嘘をつけないって本当なのね」
一度果てた。
にも関わらず、一郎のソレは未だに逞しくそそり立ち、暴力的なフォルムを見せつける。
「っ」
一郎の口から、悦楽の悲鳴が漏れた。
肉棒をエルフの手が包み込んだのだ。
精液と愛液にまみれるのも構わずに、エルフは、肉棒を愛おしげに撫で回す。
「あんまり嬉しいから、お礼よ。綺麗にしてあげるわ。……あーん、はむっ」
じゅるじゅると扇情的に音を立てて、エルフは肉棒を口でしごきあげる。
やがて口を離すと、物足りなさそうな、お預けを喰らった犬のような顔をしている一郎を見て、カラカラと笑ってみせた。
「まだまだ夜は長いわ。わたしたちの初夜は、はじまったばかりなんだから!」
こうして、ふたりの長い夜は更けていくのだった。
11,795文字。
『月姫』をきっかけにエロゲー三昧の日々を送った高校三年間。
先生、エロゲーのシナリオライターになりたいです……。
そんな夢のまた夢な話はさておき、書いてみての振り返りです。
藤崎竜太先生の『ひめしょ!』や『ときどきパクっちゃお!』みたいな、濡れ場でもコミカルでキャラが活き活きしてるのが理想。
なので、官能小説っぽく書きはじめた(つもりの)ところから、どんどん台詞を増やしてライトにしていきました。
キャラの「らしさ」を出そうとしましたが、その分、えっちぃのは中途半端になってしまったのは要反省。突き抜け具合が足りない。
精進して、コミカルな雰囲気とえっちぃ描写の両立を目指したいと思います。
ご指摘、ご感想いただければ幸甚です。
さて、再び閑話です。
エロゲのシナリオは様々な制限があるらしく。
例えば、メッセージ表示枠による文字数の制限。台詞と地の文のバランス(特に女キャラの台詞が多い)。男の台詞ばかり続けてはいけない、などなど。
そして、書いてみて分かったんですが、喘ぎ声のパターンも実は豊富に必要だったんですね。難しい。
そんな制約のなかで、一日あたりに産出できる文章量も多くなくちゃいけないだなんて……。
しかも、作品が長編大型化する傾向にある昨今、尺の長い作品を構想する力も要るというから、恐ろしい。
そんな世界で生きてるプロのシナリオライターさんは畏ろしい。
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ネタ解説
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「この変態、変態、変態、変態っ」:
綾瀬さとみ先生のエロ漫画『スケッチ』より。
懐かしい。
AAとして多用される人気っぷりと売り上げは、キモーイガールズを彷彿とさせる。
用務員のキモいオッサンが主人公の陵辱ゲー:
遺作、臭作、鬼作のこと。
東のAlicesoft、西のelfと耳にしたことがあります。所在地的にはAlicesoftが西ですが。
えっちぃ本なんかで、ちっちゃい女の子を裸に剥く男は、たいていそう言ってるわ:
L○なんかでよく目にする(と思われる)台詞。
好き好き大好き超愛してる:
舞城王太郎の小説のタイトル。名言だと思います。
男は海綿体で嘘をつけない:
F4U先生のエロ漫画『修学旅行99日目』より。
F4U先生はシュールな表現が多くて笑えます。「絶頂津波である」とか、真面目にギャグしてるのがシュールで好み。
シュールなギャグと言えば、縁山先生もいいですよね。何よりキャラが可愛いらしい。
「序盤、中盤、終盤と隙がなかったわ。(中略)学んだテクを躍動させてやるんだからっ」:
某棋士のコメントより。
「豊島? 強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど……俺は負けないよ。え~、こまだっ、駒たちが躍動する俺の将棋を、皆さんに見せたいね」