「私立碧陽学園」
おれの通っているこの学校は不思議なシステムがある。それは生徒会役員の選任方法である。それは純然たる人気投票。なので外見が美しいものが選ばれることとなる。男子は他の男子からの反感があるため、必然的に美少女の集まりの場となる。結果として生徒会長・「桜野くりむ」を始めとする役員は美少女だらけなのである。つまり、生徒会役員とは、おれたち男子からしたら高嶺の花の存在で、憧れの存在なのである。
そうはいっても、もちろん男の性に逆らえるものではなく、何人もの無謀な男子が告白し、そしてうつ病になっていった。……何を隠そう、おれも告白して玉砕した哀れな骸の一人だ。……
しかしそれはそれで満足していた。外から彼女達を見つめているだけで心が満たされていた………あの男が生徒会役員になるまでは! ……
その男の名は杉崎 鍵という。杉崎はあろうことか生徒会を自分のハーレムと豪語している。まぁーそれだけなら、百歩譲って可哀相な戯言として水に流せるが、なんと奴は好意をもたれている、生徒会全員に! にもかかわらず、当の本人は気づいていない。
こんな馬鹿げた話しがあるか?ハーレムを作れるのに、作らないんだぜ?……これじゃー彼女達にアタックして粉砕した者達が浮かばれなさすぎる………
おれは胸が張り裂けそうなくらいの憤りを覚えたが、ゲームのように魔法なスキルを使えないおれにはどうすることもできない。一生泣き寝入りだと決め込んでいた……あのアプリと出合うまでは……
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夜、俺は有名なアプリ「ゲケモンOO」をダウンロードしてしている。ゲケモンOOとは、アプリを起動した状態で外に出ると、ゲケモンというモンスターをゲット出来るというわけだ。本当は、もっと早くからしたかったのだが、様子見も兼ねて、世間の評判を待っていた。
すると評判も中々だったので、ダウンロードすることを決意した。一刻も早く、外に出てゲケモンを捕まえたい。
……しかしなぜか、ダウンロードのスピードが異常に遅い。WiFiは繋がってるから、環境が悪いとかそういう問題はではない。混んでるのか……?
「なんでもいいから、早くしろよ!」
苛々した俺は、スマホを振り回した……すると、ピピッ!と鳴った。……
「おっ!出来たのか!」
振り回すのを止め、スマホを見てみると……ダウンロードされたが、まったくの違うアプリだった。……
『人間ハント』
というアプリだった。
「はぁ?なんだそりゃ……どんなアプリなんだ……?」
内容を見てみると………なんと、実在する人間をハント出来るらしいのだ。
「そんなこと………が、出来るのか!」
よくわかんないけど、、凄いことになる!もしかしたら、美人とエッチしほうだい出来るかも!早速外へっ……と思ったけど、もう夜の24時だ。眠いし、明日学校あるし、明日にしよう。………
翌朝、俺は寝坊したので、アプリを使う時間がなく、ダッシュで学校に直行した。そのお陰で、なんとかギリギリ間に合った。
授業中、授業そっちのけで昨日ダウンロードしたアプリの詳細を確認していた。
『このアプリでは実在する人間をハントすることができます。その成功率は美人であるに従って高くなります。しかし初回は必ず成功します。
ここで注意事項があります。例えハントに成功しても、それだけではなんの意味もありません。告白しても振られるのがおちでしょう…』
はぁ~~なにそれ!じぁーおまえなんのためにいるの!存在価値ないじゃん!
『…と大体の人は思いになるでしょう。焦らないでください。
ハントした女性にはこのスマホを通して課金することで、好感度、性格、性感帯などなど全てを決めることができます』
「へっ……?金取るの、このアプリ………?
ふざけるな!おれはまだ高校生だ!課金できる金なんて持ってねぇーよ!!!」
「うるさいぞ、大杉啓太!廊下に立ってろ!!!」
放課後、職員室でたっぷりと絞られたので、ヘトヘトになりながら自分のクラスにむかった。
「たくっ!私語の一つや二つであんな怒んなよ!」
どたどたっと足音をたてながら、ぶつけようのない怒りを言葉で表しながら歩いていた。人気がなかったので、おれはまったくの無防備だった。
……角にさしかかると、突然人が飛び出してきた。無用心だったので、避けられるはずもなく激突してしまった。……
「あいたたたた!!
おい、どこみて走ってる……」
ぶつかった相手を見てみると、その女性はなんと生徒会の椎名深夏さんだった。
深夏さんは男口調だけど、スポーツ万能で勉強も出来る天才で、しかも容姿は文句のつけどころなく、スタイルは成熟しているときている。
なにがいいたいかって?つまり深夏は美人だってことさ!それ以上の言葉をおれば持ち合わせていない。
「おう、おまえ大丈夫か?
すまねぇーな、急いで周りをみてなかったぜ」
「いっいえ、大丈夫です!」
「そうか?なら、おれはいくぜ!」
そんな~~!もっとお話しをしたいのに………そうだ、あのアプリを使おう!課金云々なんてもう言ってられない!さいやく親を質にいれる!
「……あの~~すいません、おれ新聞部に所属しているんですが、椎名さんの写真撮らせて頂けませんか……?」
「あんっ、写真?
しょうがねーな、早くしろ!」
「ありがとうございます!!」
ポケットから素早くスマホをとり出し、例のアプリを起動させ、深夏さんをハントした。
すると成功の文字がでた。けど、まだ安心できない。課金のコマンドをした………すると、
好感度アップ:一回1万円
性格改変:一行50万円
二つが出てきた。
たっけ!普通に万越えてきたぞ!……性格改変は無理だけど、好感度なら……。
おれはとりあえず限界まで好感度を上げた……その際、十万もの大金がかかってしまった……。
さぁーこれでどうだ!
スマホを退けて深夏さんをみてみると、さっきの平然とした表情から一変して、顔を真っ赤にしていた。
「おっおまえ、名前なんて言うんだ!」
「おっ大杉啓太です!」
「そうっか、啓太か!私は椎名深夏っていうんだ、よろしくな!」
深夏さんは手を出してきた。多分握手のつもりなんだろう。
おれはもちろんそれに応じた。深夏さんの手はまるでマシュマロみたいに白くて柔らかかった。
「おっおい!啓太は帰るところか?」
「はい!」
「そうか、なら一緒に帰ろう。待ち合わせは校門の前だ!」
「わっわかりました!」
嘘みたいだ!あの深夏さんに誘って頂けるなんて!!もう死んでもいい!……死なないけど……。