※この作品はR-18です。

Day Walker   作:美砂

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Day Walker 80

 先に温泉に入り、小さな温泉街を散策。有名な温泉地だから客は、多い。

 「あ、あそこ!あそこだよね、凛。」

 「うん、あそこ。前、行ったから。」

 目当てのスィーツ店に立ち寄り、店先で、プリンを頂く。俺は食べないけどね。

 「美味しいな。そんなに甘くないし。」

 「でしょ、ロイ。蓮、食べれないなんて勿体無い。」

 「食えなくても作れるから別にいい。」

 

 宿に戻って、夕食までマッタリ。

 「落ち着いた和風の部屋も、なかなか良いな。」

 「うん、俺も初めてだよ。」

 「難点は壁が薄そうだな。」

 「なんで?壁が問題?」

 「夜が楽しめない。」

 「もー、一晩くらい、我慢しなよ。」

 「何言ってる、旅先で交わるのは楽しみの1つじゃないか。」

 「なんか、蓮みたいになってきてるよ。」

 

 「いい部屋なんだけどな。」

 「うん、俺も気に入ってるけど、問題があるの?」

 「声が漏れる。」

 「・・・温泉!湯治が目的だろ?一晩くらい我慢しろよ。」

 「やだよ。こんな良いムードなのに、なんで我慢しなきゃいけないんだよ。」

 あ~、もう頼むから旅先で発情しないで下さい。

 

 夕食も各自の部屋で。一緒でも良かったけど、ま、お互いパートナーが一緒だからそこはね。

 「酒、あんまり飲まないでね。」

 「何でだよ。日本酒も売りなのに。」

 「だって、この後さぁ・・?」

 「あ、隣の宿の温泉にも入りたいな。源泉が違うから、濁り湯だって。行きたいなぁ。」

 「・・・わかったよ、食ったら行くよ。ハァ。」

 「溜息は、幸せが逃げるぞ。」

 「いやさ、また最初から凛、仕込み直しかなぁと。・・・イッテェ、蹴るなよ!」

 「変な事ばっか、言うからだろ?もう。」

 

 「ありゃ?裕太達もどっか行くの?」

 「うん、隣の宿。濁り湯って書いてあったから。」

 「何だ、俺達も行くよ。」

 「じゃ、一緒だね、上がったらラムネ飲もう?」

 「お、良いね!」

 山間の傾斜にある宿だから、階段も急。蓮に抱えられながら、裕太と喋る。まぁ、お姫様抱っこじゃない。狭いから肩に担がれてる。

 「はい、はい、ラムネね。」

 

 「うーん、滑るな。凛、歩くの厳しい。」

 「マジ?湯船まで結構ある?」

 「うん、通路歩いて石段降って湯船みたい。川沿いだね。」

 「しょうがない。抱くよ?」

 「仕方ないか。お願いします。」

 ちゃんと腰にタオル巻いても、ケツみえてる気がする。

 

 「うわ、良い眺め。夕方だから、宿の灯りがついて、綺麗だよ、ロイ!」

 「あぁ、そうだな。風情があるって奴か。」

 そういえば、ロイは、ナイトウォーカーで、こんな観光などしてこなかっただろう。落ち着いては見えるが、ノリは、裕太と同じで楽しんでる。

 「蓮、この温泉で良かったね。2人とも楽しんでる。」

 「そうだな。旅行なんてしてないからな。俺達に気を使って。」

 勿論、俺の回復の為って、名目はあるけど、今までのお礼の代わりにもなるかな?

 

 部屋に帰ったら、もう布団が敷いてあった。

 「この旅館のフカフカ布団堪らないなぁ。気持ちいい。」

 まだ、上手く動かせない身体を今日は結構動かして疲れた。でも、寝る前のストレッチは忘れずに。仰向けになって、手脚を上げてブラブラ。

 「ストレッチ、するのは構わないんだけどさ。パンツ丸見えなんだけど。」

 あ、浴衣だった。忘れてた。

 「・・・パンツ見ただけで、勃たせるなよ。」

 「仕方ないだろ?誰でもない、凛のパンチラだぞ。健全な男子ならば勃つ!」

 いや、力説しなくていいです。ちょ、ちょい待て。のしかかるな。

 「ま、待って。駄目だってば。壁薄いんだろ?一晩くらい・・」

 後の言葉は、蓮の唇に飲まれた。リハビリエッチはしないって決めてから、求められる回数も増えたし、俺も頑張って受け入れてる。受け入れてるけども!

 わー、リング付けてるし。

 

 今夜は長そうだ。はぁ。

 

 「ちょっ、ちょっと、待って。ね、今日は隣、凛達居るしさ、ね、明日、明日帰ってからね?ね?」

 「嫌だね。私は今、裕太を欲しているんだよ。明日じゃない。今だ。」

 「声、漏れたら恥ずかしいじゃん。ヤダよ。」

 「そうだな。あぁ、コレ、咥えてたら良い。」

 「そう言う問題じゃないんだけどなぁ。」

 「声さえ、解決すれば良いんだろう?」

 もう、浴衣の前を割って、押し倒されてる。

 「何か、どんどん、蓮に影響されてる気がする。」

 「そうか?多分、元々同じタイプだからな。まぁ諦めろ、裕太。今夜は楽しむぞ。」

 やっぱ、やるんだ。何か凛の気持ちが良く分かるようになってきたよ。

 

 朝食をとって、ロビー?カウンターのある所で待ち合わせ。囲炉裏があって、雰囲気がいい。

 「おはよ、凛。」

 「うん、おはよ。」

 互いにネコだから、もうね顔見たら分かるわ。

 昨夜、ヤッたよね。ノンビリしに来たのに疲れてる。

 「まだ、蕎麦は、早いだろ?確かインフォメーションの近くに無料休憩所があるからそこで休みたい。」

 「そうか。分かった。行こう。」

 

 まだ、午前中、早い時間だから、誰もいない大広間。奥の隅っこで、裕太と俺はもう一眠り。蓮とロイは、温泉に行くらしい。

 2時間位したら戻ってきた。

 「ど?休めた?」

 「疲労の原因が聞くな。まぁ、眠れたし大丈夫。」

 「う~ん、俺も結構深く眠れたから復活!もう、どら焼きの店、開いてるかな?」

 「あ、忘れるとこだった!すぐそこだから、行こ!」

 なんとか立ち上がって、ヨタヨタ歩く。自力で歩かなきゃ。

 「随分、歩けるようになったな。」

 ロイが呟く。

 「昨夜、頑張ったからな。」

 荷物投げつけたけど、俺、悪くないよね。

 

 ま、まぁ恐らく昨夜頑張ったせいか、何とか急な小道もゆっくり歩ける。車椅子や抱っこじゃない。うん。疲れるけど、嬉しい。

 

 「よ、よく食べるね。」

 裕太が、若干引いてる。

 蕎麦街道について、目ぼしい店で昼食。1番高くてボリュームのある定食を頼んだ。

 「体の割に昔から食べる方だったけど、やっぱ、身体の回復にエネルギー使うんだろうな。目覚めてから食べる量、増えたね。」

 「なるほど。まぁ蕎麦はヘルシーだから思いっきり食べれるね。」

 「うん、美味いね。」

 「うん、分かったから、ちゃんと飲み込んで喋って?口の中、丸見え。」

 

 一泊二日、短かったけど天気も良かったし、美味しいものも沢山食べれた。温泉もちゃんと堪能出来たし、充実した時間でした。

 

 帰宅してからも順調に回復。

 もう、車椅子も杖も要らない。走ったり、階段駆け上がるのはまだ出来ないけど、日常生活には支障が無くなった。長い眠りの間にすっかり部屋が散らかってしまって、チョコチョコ片付けてはいるんだけど、細々した物はまだ、見てなかった。

 

 「お、懐かし。蓮、俺の若かりし頃の写真出てきたよ。」

 「若かりしって、今も若いだろ?」

 「見た目はねぇ、でももう60代だぞ。」

 「それを言うな。萎える。」

 「萎えろ~、萎えろ~、俺が楽になる。」

 「ふ~ん、エッチ無くなっても良いんだ。」

 「え?い、いや、何事も程々にね。」

 

 「どら、どの位の若かりし頃だよ。」

 数枚の写真。両親が亡くなって、蓮とも別れていたから、投げやりで実家の物は殆ど始末してしまった。写真残ってたの奇跡。

 

【挿絵表示】

 

 「若いって、赤ん坊じゃん。へぇ、可愛いな。癖毛がクルンクルンして。女の子みたいだ。」

 「うん、よく女の子の服着せられてたよ。女の子欲しかったみたいだね。華が、蓮と俺の関係、勝手にカミングアウトした時もかぁちゃん驚かなかったし。」

 「ちょっと待て。この美少年も凛?」

 「当たり前だろー。何で他人の写真を後生大事に持っとくんだよ。」

 「た、確かにそうだけど、可愛い過ぎる!セーラー服の方が似合うんじゃ?」

 「それも何度も言われた。言うと思ったし。」

 「・・・本当に男は、俺が初めてだよね?」

 「・・・・何、疑ってんだよ。」

 「こんな可愛いかったら、男女問わず、告られただろ?」

 「まぁね。モテたかモテなかったかと聞かれたら、モテてたね。・・・男子からもだけど。」

 「うわーやっぱり!初キスは?キスはどっち?」

 「馬鹿か。男と付き合ったことないって言ってんだから、女に決まってんだろ?ま、男子の先輩には、結構しつこく迫られたけど、逃げた。」

 「マジで逃げ切れた?大丈夫だった?」

 「大丈夫に決まってんだろ。男関係は、全部、蓮が初めて!分かった?」

 「・・うん、分かった。」

 「それに迫ってきてた先輩は既にアッチの世界に逝ってる。」

 あぁ、そうか。と納得。過去までヤキモチ妬かれたらたまらないな。

 

 俺が眠って、それから回復するまで、とりあえず平和だったのは、確か。

 うん。良いことです。平凡な日常。1番大事です。

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