※この作品はR-18です。

Day Walker   作:美砂

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Day Walker 88

「とりあえず、家に帰ろう。飯は後だ。」

 部屋に入ったら、シャワーを浴びてる音。テンの部屋を覗く。

 「・・・テン。その彼が、葵君?」

 コクンと頷く。まだ、SEXの名残か顔も身体も火照っているみたいだ。

 「初めてじゃないな。テン。」

 蓮が、強めに言う。

 「・・・・うん。初めてじゃない。」

 「テン、落ち着いて聞いてね。お付き合いが悪いとか思ってないよ。だけどね、まだエッチが早い。身体が成長しきってないのに、SEXは負担が大きいよ。」

 「だって、好きなんだもん。葵も好きって言ってくれた。」

 「好き=SEXじゃないんだ、分からないのか?」

 蓮が、イライラしてる。

 「ちょっと、蓮、落ち着いて。俺がテンと話す。」

 ガチャと風呂から、葵君が出てきた。

 「お前、何したか、分かってんのか!」

 「す、すいません!」

 バタバタと帰ってしまった。

 「なんで、葵を怒るんだよ!悪い事してない!」

 「12歳、まだ12歳だ。それで、もう何回やったんだ!」

 「回数が問題なの?おかしいよ!本気かどうかだろ!」

 「じゃ、何で逃げた?悪いと思ってるからだろ!」

 「逃げるに決まってる!アンタみたいにデカイ大人が怒鳴ったら逃げるよ!」

 パンッと高い音。

 「親に向かって、アンタとはなんだ!口の利き方から、躾直しか?」

 「・・・大っ嫌い!エロ親父!」

 バタンッとドアを閉めた。テンの部屋には、俺とテン。

 「今のはテンが悪い。パパにアンタは、駄目。」

 「・・もう、終わりだよ、追い返されて怖かったと思う。葵、もう僕の事、嫌う。」

 大きな瞳から、ポロポロと涙を流す。

 「その位で、テンと別れるなら、テンの事大切に出来ないよ。」

 「僕、本当に葵の事、好きだったんだよ。」

 「うん、わかる。好きだから、身体許したんだよね。最初辛かったろ?」

 「り、凛。うん、辛かったけど、大好きだから・・。」

 布団で体を包んで抱きしめる。

 淡い初恋は、多分終わる。

 

 それからが、大変。

 テンは、蓮と喋らないし、蓮も頑固に折れない。

 「あの後、どうなった?」

 「うん、やっぱ、葵君、別れたって。」

 「ふん、やっぱその程度か。」

 聞いていたテンが、飲みかけのジュースを蓮にぶっかけた。

 「冷たっ!何すんだ!テン!」

 「ぼ、僕の気持ちなんてわかんない癖に!」

 「あぁ、分からないね。ヤリ捨てされるのが分かってるのにSEXしまくる奴なんて。」

 「酷い!どうして、そんな事言えるの?好きだけじゃ駄目なの!」

 「そうだ。好きだけじゃ駄目だ。思いやりが無いと駄目なんだ。」

 「分かんないよ!思いやり?」

 「身体が小さなテンを押し倒してヤリまくる男が、思いやりが有るとは思えない。」

 「大っ嫌い!」

 バタンッと部屋に籠る。

 「蓮、言いたい事は、分かるけど言い方。 もっと言い方考えて?」

 「どんな風に言っても中身はかわらん。今、自覚させなきゃ、誰とでもやる人間になっちゃうぞ。」

 「そうだけど・・・。」

 

 

 学校が始まり、家には蓮が常にいるから休まず学校には行く。ただ、帰りが遅い。夕食ギリギリまで、帰ってこない。

 

 「テン!テン、今大丈夫?」

 「あ、葵、葵先輩?」

 「こっちに来て?」

 「・・・はい。」

 「ここなら、誰も来ない。ね、しよ?」

 「でも、先輩、別れようって。」

 「あれは、演技。ね、やろ。」

 「・・先輩、僕の事好き?」

 「うん、勿論。」

 「じゃ、家にきて?付き合うのは大丈夫なんだって。エッチがまだ早過ぎるって怒られたんだ。だから、家に来て?」

 「・・・それは嫌だな。あの人怖いし。・・それより、ホラ早くシヨ。」

 「・・ヤダ。先輩、エッチがしたいだけ?」

 「あーもー、うっせーな。そうだよ、SEXしてぇーだけだよ!早く脱げよ!」

 「や、ヤダ!やめてっ!」

 「俺の事好きなんだろ?だったら、股開きゃ良いんだよ!」

 (パパが言ってた思いやり・・葵には無い・・)

 「やっ、やだっ!」

 

 「何してんだ、テメェ!」

 「た、隆!」

 「なんだお前!」

 隆?何で?葵も少し怯えてる。隆の方が体格が良い。

 「嫌がってる奴に何しようとしてんだ!」

 「クソッ!テン、お前なんかと二度と関わんねーからな!」

 「葵先輩・・・。」

 隆が、葵先輩の胸ぐらを掴む。

 

【挿絵表示】

 「お前、余計な事ベラベラ喋んじゃねーぞ。テメェの進学もメチャクチャにしてやんからな。」

 僕は2人を見ながらポロポロ泣くしか無かった。本当に葵先輩とは終わり。葵先輩は、身体目的だったんだ。

 

 「テン、入学してからあんま、喋ってないけどさ、あんな奴、早く忘れろ。ほら、服整えて?帰ろう?」

 「・・うん。帰る。ありがとう。」

 隆は何も聞かない。力を初めて見た時も何も深入りしなかった。

 「た、隆も家こっち?」

 「うん。引っ越してね。◯◯マンション。」

 「僕の家と一緒。気がつかなかった。」

 「マジか。そっか、じゃたまには一緒に帰ろうか?」

 「うん。良いよ!」

 「テンは、泣いてるより笑ってる方が良い。」

 

 「ただ今。」

 「お帰り。今日は、早かったね。オヤツあるよ。」

 「パパ、居る?」

 「うん、居る。話したい?」

 「うん、報告かな。」

 

 「パパの言う通りだった。葵は身体目的だった。」

 テンがポロポロ泣きながら蓮に報告してる。

 「何か、されたのか?」

 「・・・学校で、押し倒された。」

 「本当か?葵の連絡先わかるか?」

 「だ、大丈夫、未遂だから。あの、小学校からの隆、わかる?隆が助けてくれた。」

 「・・・あぁ、思い出した。そうか。友達になれそう?」

 「うん、おんなじマンションに住んでる。」

 「そうか。良い友達作れ。いろんな人と関わって成長するんだよ。テン。」

 「今度、家に呼んでいい?ゲームとかで遊びたい。」

 「おぅ、良いぞ。来る日教えてくれたら、パパがお菓子作ってやる。」

 「本当?うん、今度、誘ってみる。ありがとう。」

 良かった。蓮ともちゃんと会話してる。蓮の考えてた通りだったな。良いパパさんだ。

 

 日曜、甘い香りが漂う。

 「何、作ってんの?」

 「クッキーだ。ちゃんと凛のも有る。」

 「お、ありがと。隆君って、どんな子かな。」

 「うーむ、そうだなぁ。元いじめっ子だろ?強そうだな。」

 

 チャイムが鳴る。来たみたいだ。

 パタパタと、テンが、走る。

 「いらっしゃい!パパがクッキー焼いてくれたよ!」

 「うん、良い香り。お邪魔します!」

 お、元気な声だ。どれどれ?テンと同じ年・・・。

 「初めまして、隆って言います。お邪魔します。」

 「あ、あぁ、い、いらっしゃい。」

 蓮も言葉詰まってる。テンと同じ年に見えない。デカイ。本当に12歳か?

 「デカイから、びっくりした?隆は、4月生まれだから、デカイんだよ。」

 テンは3月生まれ。1年の差は大きいな。

 

 2人で楽しく遊んでる。うん、遊んでるけどね、テン。お目目が♡マークだよ。駄目だ。また恋してる。わかり易いな。

 葵は、まぁ、人並みだったけど、隆君は体格も良いし、イケメンだ。その上、性格も良い。隆君が帰った後も、隆君の話ばかり。葵に襲われた時も何も聞かない、黙って送り届ける。13歳なのに男前じゃないか。

 

 「寝た?」

 「うん、寝たよ。いや~、テンはアレだね、また恋したな。」

 「俺も分かった。もう、お目目が♡マーク。」

 「確かに、性格も考え方も大人だし、男前だな。」

 「うーん、そうだなぁ。隆君とならお付き合い、許そうかな。」

 「あれ、早いな。まだ、テンの片想いでしょ?」

 「バカだな。凛、隆君もテンが好きだぞ。分からなかったか?」

 「え?マジ?」

 「あぁ。あの微妙な距離感。初々しいねぇ。」

 「てか、男同士でも良いんだ。」

 「それに関して俺達は何も言えないだろ?」

 「あ、そうだな。言えないや。」

 クスクス笑う。今度は上手く行くといいね、テン。

 

 一学期も終わり頃、テンが呟いた。

 「隆、僕の事、好きじゃないのかも。」

 「ん?何で?良く遊びに来るじゃん。」

 「うん、来るけど、エッチしない。」

 「・・・テン、エッチが全てじゃないぞ?先ずは精神的に繋がらないと。」

 「うーん、キスはするんだけどね~。」

 あ、してるんだね。あ、そう。

 「キスしてんなら、好きなんだよ、我慢してんだよ。」

 蓮が一言。

 「何で我慢するの?好きならエッチしないの?」

 「テンの身体を考えてんだ。慌てんな。」

 ポンとテンの頭をはたく。

 「うーん、我慢してんだ。そっか。なら、変に2人っきりにならない方が、隆も楽だね。」

 「お、分かって来たな。そういう事。」

 やっと、普通の恋愛出来そうだね、テン。

 

 

 て、夏休み初日。同じマンションだから、隆君の両親にも会ってご挨拶したんだよ。したその日にお泊りに来たよ。うん。それはいい。

 朝、起こしに行ったら、別々に寝てる筈の2人がベッド・イン。しかも裸。テン、お前、誘っただろ。まだ、蓮は寝てる。

 「ほら、起きてっ!服着て、パパが起きちゃうよ?」

 「ん、あ、凛。おはよ。」

 「おはよ、じゃない。何してんの?服着なさい。」

 「す、すいません!」

 「いいよ、付き合ってんでしょ?知ってるから。だけど、服は着て寝て?」

 

 「そうだな。服は着て寝ろ。」

 あ、バレた。

 「すいません。その、まだ早いって思ったんです。だけど・・・。」

 「別に謝らんでいい。好き同士でお泊りすりゃ、ヤリたくなる。」

 あれ、怒らない。

 「怒んないんだ。」

 「テンの顔みたら、怒る気失せたわ。朝飯頼む。」

 テンの顔ねぇ。確かに幸せそう。

 朝飯作るか。

 「シャワー浴びなさい。そのまま寝たんだろ?」

 「うん、分かった。」

 「別々に入るんだぞ。」

 「チェッ。」

 チェッじゃない。

 

 12歳の2度目の恋は叶いました。

 早熟過ぎますが。

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