料理。
これ一つとっても難しい話である。
真に美味しいものを作るのならただ、レシピ通りの物を作るだけでは駄目だ。環境、状況、経験、相手の好み、状態、その全てを把握したうえで作り、自分の持っているポテンシャルを全て注ぎ込んだ上で作らないと真の美食にたどり着く事は出来ない。その他にも材料にもクオリティは左右される。料理、それは一言で解決出来る程簡単な概念ではない。
ガルティアを満足、或いは心の底から敗北を認めさせられるほどの料理。
クッソハードルの高い要求が来た。
だがその発言に喜んでいるのは魔物兵の方だ。
「え!? 料理を代わってくれるんですか!?」
「俺らの代わりに料理を!?」
「ガルティア様に俺達に代わって料理を出してくれるなんて……人類……なんていいやつらなんだ……!」
「おい」
「いや、まぁ、腹減るし」
まぁ、そういう訳で、
ガルティアを満足させるために飯を作る事となった。
「はい―――それでは第一回! ザ・アイアン・ルドシェフを開始する!!」
宴会用の魔道具として用意された拡声マイクを使ってガルティアの領地の中、魔物兵や集まった【撃滅隊】を前に声を響かせながらそれを宣言する。急遽用意された野外ステージとキッチンには人類勇士がエプロン姿で立っている。もうさっそくコレ大丈夫? って思えるぐらいには混沌としているし、魔物兵も必死にガルティアを送り出す為に応援しているからもうこれ、駄目じゃねーかなぁ、と思っている。
だけどステージの最後のチャレンジャーにはスラルがいるのでこれ、出来レースなのだ。ガルティアの一番の好物を掴んでいる女が参戦しているので、全部茶番である。
だがそれでもやる。
そう―――基本的に俺はお祭り好きなのである。
「という訳で今宵、ここに集まったのは魔人ガルティアの胃袋を制圧する為に集まった人類勇士と一般魔物兵チャレンジャー! 何故参戦している!? だが細かい事は気にするな! 誰だってブラック環境で働きたくはないのだッ! という訳で此方、ルドラサウム大陸一の大食いであり味にうるさいガルティアを黙らせるコンテストで御座います!!」
「うお―――!」
「頑張れニンゲン―――!」
「早くこの大食いを引き取ってくれ! 本当に! 頼むぅ!」
魔物兵から熱烈なコールが聞こえて来る。まぁ、生産体制も整えていない状態でガルティアの食欲を満たせ、というのは非常に難しい話だろう。【ランス10】においても一国がガルティアの食欲によって滅びそうになっていたのだから、遠慮のないガルティアの食欲を今まで満たすために頑張っていたのだから、これだけのコールも当然なのかもしれない。
まぁ、それはそれとして、
折角やるなら盛り上げた方が見ている方も楽しいだろう、
という事で。
「はい! 実況は皆に愛され! そして皆を愛する女王ウル様! そしてスペシャルゲストにはこの二人!」
「我輩こそは隊のレベルアップを担当している、今回は解説の7級神マッハである」
「同じく解説で悪魔のレガシオだ。俺はちょっと飯には煩いぞ」
「軽い気持ちで誘ってみたらノリノリで解説に参加してくれた神魔の二人を揃えて開催だ! マッハ様はまだわかる! なんで来たレガシオ!」
「毎度毎度俺抜きで楽しそうな事をしているからな―――俺も混ざりたい!」
「以上! 三魔子の一人からのコメントでしたぁ!」
開幕からぐだぐだ感漂ってきた。だが審査員であるガルティアは片手にフォーク、片手にナイフを装着した状態で、凄まじい食欲を体から放っていた。今、ガルティアに近づけば食われるのではないだろうか……? と思うぐらいには凄まじいオーラに覆われているガルティアの姿を確認し、あっちの解説はいらねぇな、と判断し、
「さぁ、それではガルティアに! 食で! 生物は勝利できるのか!? いざ、開始……! なお、食材と設備はわくわく魔王キッチンからの提供だぞ」
魔物兵たちが肩を組みながらサムズアップを向けてきている。その背後では漸くガルティアに飯を補充するという役割から解放された魔物兵たちが死んだように眠り続けている。いやぁ、本当にお疲れ様。これからこいつをククルに引き取って食費を維持すると考えるとちょっと怖くなってくる。だがこれに備えて食料生産をずっと続けてきたのだ。ガルティアを維持するだけの貯蓄はある……筈。
これを見ていると不安になるが。
と、そんな事を考えている間にシェフたちが素早く自分たちの調理に開始した。人類勇士には《料理Lv2》技能持ちもいるし、そうでなくてもLv1だけならそこまで珍しくもない範囲だ。人類全体の技能インフレが原因ではあるが、この場合は助かる話でもある。そう言う事もあリ、それなりの数が参戦しており、
最初に料理を完成させたのは、
日光を装備したJAPANの武士だった。
「おぉっと、これはまさかライコウシェフ、一番乗り!」
「どんな戦場であれ、一番槍は逃したくないという心意気が見えますなぁ」
「自信満々の表情、これは本人の得意料理だな?」
完成された料理をライコウは片手に握りながら、それをガルティアの前に運んで行く。そして、それをガルティアの前の皿の上に乗せた、
そのシンプルに白く、無駄に丸い大きなサイズのそれは、
「ふ―――好物の塩おむすびだ……!」
ライコウの発言に声をマイクに吹き込む。
「こいつ自分の好物を持ち込んだぞ!! どうなってんだ!」
「余程好きな食べ物だったのであろうなぁ……何故これでドヤ顔を見せれるのか我輩には解らないのである」
「見ろ、あの完璧にまで丸くて白い姿をよ……何も入ってないぞ……」
実況席からのボイスにライコウは首を傾げる。お前もう一生剣だけ握ってればいいよ、と心の中で思いながら、ガルティアがフォークとナイフを置き、塩おむすびに手を伸ばすのを見た。その姿を全員が無言で見つめ、見守りながら見つめ、
ガルティアがそれを口に入れたのを見た。
「い、いった! 食った! 食ったぞ! 流石なんでも食べる男ガルティア! ちゃんと食ってくれたぞ! ごめんね! 馬鹿を参加させて本当にごめんね!」
「だが一番重要なのは味である! おむすび、それも塩のみで味付けとなると白米と塩の味がそのままダイレクトで関係するであるなぁ……素材は魔王城提供である。クオリティに関してはSSから続くこだわりと伝統がある筈である……」
「となると大事なのはどれだけ素材の味を引き出せるか、って事だ。本来の味の良さ、それをどこまで上手く引き出せるか、ってところだな……こればかりは経験とどれだけ食わせてきたかってところによるな……」
「お前らなんで美食家っぽいコメントすらすら出て来るんだよ」
ネタで呼んだのが意外とガチ勢だった時の驚きである。そんなコメントを流している間にもガルティアはつかんだそれを口の中に運び、それを最後の米粒一つまで全て、味わう様に食べてから頷いた。
「無駄に強く握り過ぎてて米粒が潰れてる。塩が無駄に多い。もしかして塩が多ければいいとか思ってないか? 大事なのは辛く感じない程度に抑える事だぞ。悪いな、あんまり美味しくなかった」
「当然の返答だあ!」
「当然であったな」
「まぁ、こうなるな」
「何がいけなかったのか……?」
「全部だろ」
客席からも辛辣なコメントが飛んで来る。納得しかそこには存在せず、ライコウが茶番を演じている間にも他の参加者たちの調理は続く。此方の方はライコウとは違ったガチの参戦者であり、真面目に調理をしている。記憶の彼方へとライコウチャレンジの事を忘れて、
「さぁて、シェフ各員の料理が始まりましたが、マッハ様とレガシオ君的には期待したいのは?」
「当然Lv2の《料理》技能持ちであるな。技能は才能、それを自覚しているとしていないとで差は歴然である。それを自覚している者が手を出し、修練を積むことで力となり、更に腕前は上がる! いやぁ、考えた奴凄いであるなぁー! 憧れちゃうなぁー! レベル大正義……!」
「そこまでにしろよマッハ。……まぁ、言っている事はあながち間違いじゃねぇんだけどな。技能持ってる奴が強いのはメインプレイヤーにおける共通の事項だ。それを自覚、自覚していないの差は大きいが、やっぱ持ってる奴が巧い事に変わりはねぇ。となると勝負を決めるのは必然的にこだわれて、能力を持った奴だ」
だといいよね。
そう思いながら次に出来上がってきたものを見た。
「おぉっと、メルーベの料理が完成した様だぁ! 出来上がったもーのーはー……? これはコカトリスの丸焼きだ!」
「うーむ、ここまで良い匂いが漂ってくるであるなぁ。香草、スパイス、溢れ出した汁を吸いこんだ野菜の数々にフルーツも盛ってあるな? あの色合いからすると……」
「ソースの味が濃い目なんだろう。途中でフルーツを口の中に入れて味わいをリフレッシュしながら変えていく。食べながら楽しめるメニューって訳か……!」
「お前らなんでそういうコメント直ぐに出るの」
実はどこかで練習したりしてない? そんな事を考えながらガルティアの方へと視線を向け、その様子を眺める。コカトリスの丸焼き。それをナイフで切り分けながら盛り付けられるのをガルティアが口へと運んで行き、確かめる。再び、先ほどの様にゆっくりと確かめる様に食べながら、その全てをペースを一切落とす事もなく平らげてしまった。作った料理の残骸の前に立ち尽くしながらガルティアの評価を待った。
そして、ガルティアが口を開いた。
「―――美味い」
ガルティアの口から出た言葉に会場が沸き上がった。
「おぉっと、これは高評価!」
「見て解る美味であったな」
「あぁ、間違いなく美味しいのは解るぜ。だけどガルティアの目を見てみろ、アレは敗北感から程遠いぜ」
「ノリが変わってきたな」
王道料理漫画みたいなノリに変わってきた、そう思いながら食べ終わったガルティアは息を付く。
「ふぅ―――美味い。コカトリスは高級食材だ。肉質を壊さず、ソース・こいつは満ち潮の時にしか出現しないオイスター貝を使ってるだろう。それに山の恵みをふんだんに使って味を混ぜ、壊さないように調和している。こいつは確かに普通のコカトリスの丸焼きっては言えねぇな」
「おかしい、俺はもっと与太企画風に始めたのに評価が割とガチだ……」
「山と森と海の幸のコンビネーション……美味いのは確かだ。いや、巧いとでも表現するか。だけど高級食材のコンビネーションは慣れてる。こいつで俺を敗北させるにはちっと難しいな」
「クソォ、渾身の一品だったんだがな……その背景を読めなかったのが敗因か……」
悔しさにエプロンを脱ぎながらまた一人、人類勇士が去って行った。え、これこういうノリなの? 企画したのは自分だけどちょっと表情のガチ具合に引いている。だがこのウル様、
「遠慮はせん! 次のチャレンジャーよ、前へ……!」
「っしゃー! 一族代々受け継がれた秘伝の担々麺を見せてやるわ!!」
「ほう、これは食欲を誘う匂いが風に乗ってくるであるなぁ! 調理中にも肉の大きさ、味噌の配合とかなり気を使っているのが見えたである」
「熱いからこそ辛いもんを食う。良いと思うぜ。匂いだけで涎が出始めるなぁ! 辛いもんが好きなんだよ俺」
初めて判明するレガシオ君のパーソナルな情報。今度、辛い物でも作って差し入れるべきだろうか? そんな事を考えながらガルティアは料理を口にし、
そしてそれを食べ尽くした。
そして真摯に評価し、正面から打ち破った。
魔人ガルティアは食という事に対してだけは、凄まじい程に真摯になる。
それはガルティアがムシ使いであり、彼が生きる上では食べるという事の重要性をその身で良く理解しているからだ。ガルティアは絶対に一人で生きる事は出来ない男だ。なぜなら誰かが彼に食事を与えなければ、彼は生きる事が出来ないからだ。彼の体を維持する上で必要な食事量は決して少なくはない。そして個人で調達できる食事に限度がある。そういう事で、ガルティアは常に飢えと戦っていると言っても良い。
だからこそ、食事に対しては絶対に嘘はつかない。
美味しい、不味い。その二つから始まり、
作る上での工程を味わいながら感じ取り、どうしてこうなったかを考え、自分が思う、どうすればいいのかを口にする。決して煽っている訳ではなく、ガルティアなりに応援しているつもりなのだ。ただし、誤解しやすいだけで。確かに気さくで話しやすい男ではあるが、食と武芸だけに関しては嘘をつかない男だ。
嘘をつけない、とも表現できる。
それが原因でガルティアの言葉はどうしてもストレートになってしまう。ムシ使いとしての武芸、そして食は彼の存在そのものを構成するアイデンティティの一種である。だからこそ偽れないという部分もある。故にガルティアを満足、敗北させるという事はその味に対してまず最初に真摯に向き合える人間を用意しなくてはならない。
その上でガルティアの味覚を吹っ飛ばす程の腕前の持ち主でなければならない。
これが恐ろしいほどに無茶だ。
何せ要求されるのは
「……ついに、来てしまったのであるなぁ」
「……あぁ、来ちまったな」
ガルティアに挑んだ料理人たちは全滅した。一つ一つ丁寧に食べながら一つ一つ何が足りないのか、何故勝てないのかを説明した結果、心が折れる者もいれば、納得して奮起する者もいた。それらの屍を超えて、最後に挑戦するのが、
「はい、私が作ったうはぁんよ。久しぶりに作ってみたから形がいびつだけど許してね」
元魔王―――現在は悪魔となっている、スラルだった。彼女が作った、そして抱いているうはぁんと呼ばれる食べ物は、自分がよくスラルに作っている物だ。パイかクッキー、タルト層をベースに、アイスクリームの層、その上に桃りんごの層を重ねて作る菓子の事であり、割と我が家ではメジャーではあるが、世間一般的には超高級菓子にジャンルされるものである。
そのレシピも、作り方も、完全にスラルは記録している。
世界の仕組みを解き明かす事の出来る女の頭脳は、偽りではないのだ。
故にやり方と材料を教えれば、それを完璧に再現できる筈であり、
―――そのうはぁんは、虹色をしていた。
「なんで?」
「我輩が知りたい」
「盗み食いした悪魔が浄化されたんだよな、一度。次はなぜか悪魔が汚染された」
「我輩が、知りたい」
マッハが腕を組みながら滅茶苦茶首を傾げ、スラルの料理の腕前を知っているレガシオも腕を組んで首を傾げ、相変わらず不思議すぎる錬金術を達成してしまっているスラルの料理の腕前に、自分も腕を組んで首を傾げる。
「間違いなく俺達は見張っていた筈だ」
「そう、作っている所は間違いなく普通であったはずなのである」
「だが完成したら何時の間にか虹色だった……!」
それ以外は完全に普通なのだ。だがもはやその見た目からして嫌な予感しかしない。前ドラゴンに食わせた奴は生死の境を彷徨ったが、間違いない。今回のこれは確実に殺せるだけの殺意が生まれている。スラルとは全く関係なく、料理自体が殺意を覚えている。どういう事だ。今までの王道的料理展開はどこへ消えた。
とは思うが、
ガルティアはスラルが運んできた彼女の特製うはぁんを前に、嬉しそうに表情を少しだけ、緩めた。
「お、来た来た。俺がお前の為に戦うのは半分ぐらいこれが理由だからな」
「認められているようでそうじゃない様なちょっとした複雑な気分ね……さ、食べてとっととこっちに合流しなさい」
「まぁ、待て」
食べる事をせかすスラルの前に、ガルティアがゆっくりとうはぁんを片手で掴んだ。その姿を、無言のまま、誰もが視線で追う。食うのか? 明らかに食ってよさそうな気配が皆無だけど本当に食うのかそれ!? 等という視線がガルティアに突き刺さる。だがガルティアはそれに気にする事もなく、
摘まんだうはぁんを、
口元へと近づけ、
噛みついた。
「い、逝った!」
「魔血魂になったか!?」
「いや、まだだ! 魂はまだ消えていないぞ!」
「ねぇ、ちょっと私の料理に対して評価酷すぎない?」
スラルが睨み返してくる中でサクッと。音を立てながら虹色のうはぁんに噛みついたガルティアは、そのまま動きをしばらく停止させ、しばらく、噛みついたままの状態で動きを止めていた。だがやがて、少しずつ体を震わせ、
「お」
声を零し始める。
「お、お……ぉ……」
「ガルティアが呻いている……ぞ……?」
「これは、これは―――?」
ガルティアは数秒間、小さく声を零しながら、空を見上げた。
「ギャラクシー……!」
「ギャラクシー」
「凄い言葉が飛び出てきた」
「宇宙的なヤバさと表現したいんだろうな……」
「ねぇ? ちょっと? 聞こえてるんだけど? 自覚してるけども!」
ガルティアがうめき声を漏らしながらゆっくりと、虹色のうはぁんを取り憑かれたように食べていく。少しずつ、もったいぶりながら食べていく姿は今までの他の料理を食べている時よりも遥かに絵面が酷く、周りの連中は完全にドン引きしている。だがそれに気にする事もなく、ガルティアはもったいぶる様に少しずつ食べながら、うはぁんの乗っていた皿を綺麗にしてしまい、食べ終わった上で空を見上げていた。
「あぁ、時の果てが見える味だったな……」
「麻薬とか混ざってないの? アレで? マジで?」
「完全に表情がキメた後の表情であるなぁ!」
もう、その表情のガルティアを見てしまえば、勝敗なんて解り切ったようなもので、魔物兵たちがドン引きしながら虹色のうはぁんでガルティアを沈黙させた女として、新たにスラルという恐怖の化身を見つけ出してしまった。スラルに感謝しながらも全力で距離を空けているのが見えない。
「……こうなるのは解ってたけどなんか納得いかないわね」
スラルの呟く姿を見ながら笑い声を零す。
魔人ガルティアは食欲の権化とも表現できる。魔人化した故に、ムシ使いの食欲、或いは食に関する部分も壊れてしまったのかもしれない。彼は魔人となった事で毒が通じなくなり、そしてそれも一つの味のエッセンスとして楽しめる様になった。その結果、彼は《料理Lv-》、料理技能を持たない者が作る失敗料理、或いは劇物を珍味として味わう事が出来る。
スラルに料理技能は存在しない。
何をどうしても絶対に失敗する様になっているのだ。
それは悪魔になっても変わらなかった。
そしてその味をガルティアは愛していたとも言える。なのでこれを食べさせれば一発でノックアウトさせられる事は、当時の魔王城に居た存在であれば、一瞬で解る話だが、
数百年ぶりに食べた影響か、ガルティアの精神が宇宙へと旅立ってしまっていた。
「勝者ッ! 冒涜的な虹色のうはぁんを作ったスラルちゃん!」
勝者の宣言に一瞬で会場が沸き立つも、それを見ながらスラルが頷く。
「貴方達の顔を全部覚えたからね……」
恨みの声を聴きながら、更に笑い声を零し、一時的な茶番劇に幕を下ろした。
まぁ―――偶にはこんな、魔人戦もきっと悪くないのだろう、と思いながら。
盛大な茶番。
毒よりも麻薬よりもやべーと評価されてしまうスラルちゃんの料理は、当然ながら厨房への出入り禁止というルールがあって(
これでガルティアも加入決定。残された魔人も少なく、しかし面子は揃ったので……。