体は、心さえ求めれば簡単に濡れるように準備が整う。なんだかんだで気持ちいことが好きなのは事実だし、快楽に体が慣らされているという事実もあった。体が、心が期待している。自分が女―――雌に落ちているという自覚がある。あぁ、そうだ。今の自分は完全に雌だ。それは認めないとならない。もう、男だって主張するつもりはないし、心が男だなんてことはない。
あの日から少しずつ女性に傾き、そして今ではこうやって完全に心を雄相手にときめかせている雌になってしまった。或いは漸く、なれたのだろうか。不自然だった心と体のバランスが今では完全に解消されている。それどころか自分のしたかった事、抑圧から完全に開放されて、完全なる心の自由を得ている。
だから正面から見下ろすアベルを受け入れる心は出来上がっていた。
ドラゴンのセックスに前戯なんて物はない。ドラゴンにそういう文化がないのと、生物としてそんなものが必要なかったからだ。発情すれば簡単に体が受け入れるように出来ているのだから、必要のない文化だった。だから一気に貫かれることを予想して、見下ろされながらゆっくりと受け入れる為に目を閉じて、
―――頬に手の感触を感じた。
優しく、優しく―――壊れないように。それを確かめる様な花をめでる様な手つきだった。
「まっ、んっ」
てっきり直ぐにセックスを始めると思ったのに、そうじゃなかった。大事な物を扱うように優しく触れて、頬を、首筋を、そして耳の裏を軽く撫でて来る。その手つきが確かめる様な、拙いものから慣れていない事が解る。実際。こいつはすこし前まではドラゴンだったし、人間の文化を理解さえしていなかっただろう。だが今、
その手で此方を撫でるように、愛撫をしていた。
力加減を間違えないように触れて来るから、正直そこまで意味のある行動ではない。だが重要なのはアベルが―――ドラゴンだった筈の雄が、人の真似をするという事ではなく。彼が、此方を想った行動を取ってくれているという事実だった。優しく触れられているという事実に心が燃え上がる。一方通行ではなく、双方向に思いやっているという事がこれで解ってしまう。だからマウントを取られたままの状態で、見上げるように視線をアベルへと向ければ、アベルの顔が見える。
その視線は、此方だけを見ていた。
他の全てが目に入らない様に、自分だけがその瞳に映っている。
あぁ、駄目だ。
増々好きになってしまう。
「……可愛らしいな」
何かを呟くアベルの声が良く聞こえなかったが、首筋を伝いながら背中を撫で、アベルの指が腰へと回る。しっかりと腰をホールドしながらアベルが抱き寄せるように体を密着させてくる。裸と裸の肌がふれあい、それを通して熱が伝わってくる。彼の生きている気配を、熱さを感じられる。そして恐らく、自分の滅茶苦茶熱くなっているのだろうと思う。たぶん、耳とか先端まで赤くなってる。
「あ、アベル」
名前を呼ぶと、再び唇を重ねて来た。そこから首筋にキスされ、そして空いている手が腹を撫で、臍を下がって行き、下半身へと届く。腹を撫でられる感触に子宮が求めるように疼くのを感じ、息を荒げながら吐息を零す。
そして秘部に彼の指が到達する。
秘部に指が触れる感触に体がびり、と痺れるような甘さを体に感じて震える。それを感じ取るようにアベルが自分の体全体を密着させるように覆いかぶさっており、跳ねそうな此方の体を抑え込む。
「こうするのは、初めてだが……喜んでもらえたようだな」
「お、お前な……!」
こんな風に扱われるとは思わなかった。もっと荒々しいものを予想していたのに、そうじゃなく、アベルは此方を優しく扱ってくれていた。抱きしめながら左手を秘部へと触れて、濡れているのを確認する様に指で触れてから、その先を中へと滑り込ませてくる。自分の膣の中にアベルの指が入り込んでくるのを感じる。膣壁が指を咥え込みながら抑え込み、しかし奥へと誘いこもうとするように引っ張り込もうとする。中で軽くイキ続けているのを感じる。
全身が蕩ける様な、敏感な感覚の中で、アベルの指を膣の中で感じる。だがそれだけでは物足りない。息を吐きながら、アベルの首筋に吹きかけるように吐き出して。唯一の片腕をアベルの背後へと回し、軽く爪を立てるようにその姿を掴んだ。
「アベル……なぁ……」
耳に息を吹きかけながら声を零す。胸が高鳴り、声が震えている様に思えた。それだけ体が火照り、そして期待している。いきなり優しくしてくるのはずるいって。そんなのお前のキャラじゃないだろう、って。いきなりそんな風に扱われたら困るし、困っちゃうし、凄く困る。あぁ、だってこんな風に優しく、女として扱われた事なんてないし。お前ってそういう奴じゃなかったし。なのにいきなりこんな風に、扱われたらそれはやっぱり……困るだろう。
「ウル」
「……なんだよ」
「いいのか?」
確認する様にアベルが声を送ってくる。互いに唇を耳元に寄せ合うようにしながら、囁くように声を送る。
「始まれば
アベルの言葉に対して、返答の代わりに首筋にキスを返した。首筋にマーキングする様にキスをして、それからまたキスをして、自分の今の気持ちを伝える為にもう一度キスをした。
その応えに、アベルも言葉を止める。
ゆっくりと此方の体を降ろすと少しだけ体を持ち上げて隙間を作る―――それでアベルのほうも、下半身は既に裸になって露出されており、
逞しい逸物が勃起しているのが見える。太く、そして興奮に限界まで膨張しているそれが今から自分の中に侵入するのだと思うと、一瞬だけ不安になる。だがそれよりも期待と興奮が勝る。
簡単に挿入できるように軽く股を開き、指で膣を開く。
口を開き、音はなく言葉を唇で作る。
―――頂戴。
その言葉に、アベルが応える。
体を片腕で抑えながらもう片手で肩を押さえ、
「ひぎっ―――あっ、くっ」
一気に逸物を膣の奥へと突っ込んできた。膣壁を容赦なく抉り割るように突き進む感触を下腹部に感じ、自分の膣を一瞬で征服する逸物の感触を感じ取る。膣壁に反発する様に硬度を保ったそれを絞り上げようと一気に自分の膣がわななくのを感じる。だが硬さと太さを兼ね備えたそれは見事膣の中に納まり、そして膣奥に到達するまで止まる事はない。それが進む感触に狂う様な快楽を感じ、こつん、と膣奥を叩いた時点で絶頂する。
感じた事のない凄まじい快楽を受け入れて一瞬で体を強張らせながら全身に入る痺れに感じ入る。だがそうやって絶頂した事で、
「ぐぉ、こ、れは―――」
アベルに突っ込まれた逸物の先端が堪えきれない、と僅かに膨張するのを感じる。
来る―――。
そう思った直後にはアベルの逸物から放たれた精液に膣内を穢されていた。堪えきれないという様子のアベルが放った精液が腹の中を満たす。その射精される感触にまた軽く絶頂しながらも、まだまだ物足りない。自分だけではなく、アベルもだ。射精した直後だというのに膣の中に納められた逸物はまだ力強く、一切衰える気配を見せない。寧ろ、射精する前よりも硬度を増している様にさえ思える。
故に搾り上げるように腰を、膣を動かす。
「この世の者とは思えないっ……はっ、今はどうでもいいな……!」
アベルが呟きながら射精が終わった直後に腰を動かしてくる。腰を引き、限界まで引いた所で腰を突き入れて来る。一気に膣内全体を蹂躙しながら子宮に精液を押し込むように突き入れ、刺激する。その衝撃に目の前がくらくらとする感覚を覚える。絶頂を迎えながらもまだ欲しい、と求めるように此方からも腰を動かす。
膣肉がアベルの精を求めている。隙間を持たずに肉棒を納めながら動くため、膣内全体が動くたびに刷り上げられる。
激しい動きは意識を一瞬吹っ飛ばしそうなほどに心地よい。止まらない絶頂の心地よさに、アベルの射精を膣内で感じ取る。だがそれを動きを止める事無く、射精しながらも腰を動かし続ける。そうやって精液を奥へ、奥へと。子宮の奥へと押し込むようにセックスを続ける。
だが、まだ足りない。
「もっと、激しく、荒々しく、蹂躙する様に貪って……!」
途切れそうな息を零しながら、もっと壊す様に扱って欲しいと願う。ぐちゃぐちゃにするような、女を壊す様な抱き方をして欲しい。それにアベルが一瞬だけ迷うが、膣に納められたものを締め上げて求めれば、アベルの動きが更に激しくなる。
並の女であれば間違いなく壊れる様な強さ、荒々しさでアベルが抱いてくる。それこそ股が壊れる様なものだ。だがドラゴンの、それも最上級の雌の肉体はこの程度で壊れたりはしない。寧ろその刺激が、強さが、痛みが心地よい。
正常位で犯され、射精され、逸物を引き抜かれたら体をひっくり返され、体を上から押さえつけられる。
「いぐっ、あはっ―――」
「望み通り、壊れるまで抱いてやる……!」
そしてそのまま、膣に再び肉棒を叩き込んできた。一気に奥まで押し込み、子宮を潰す様に犯しながら上から体を押さえつけ、空いている手を胸へと回して掴んでくる。後尾から覆いかぶさって獣のように―――あるいは本来のドラゴンの体勢で腰を動かして犯してくる。
「いっ、はっ、あっ、くっ……はぁんっ」
全身が性感帯になったように触れられるだけで気持ちが良い。子宮を満たす精液の感触に、まるで腹の中が焼かれている様に感じている。そしてソレに蓋をするようにアベルの腰が動き、逸物が栓となって精液を逃さない。
孕むまで犯し続けるという言葉が偽りではないのをアベルが行動で示す。
自分の肉が蹂躙されるように貪られている事実に更に興奮する。
「もっとぉ」
驚くほど、蕩けた声が漏れる。それ以外の声は全て嬌声だと言える程もう、言語が溶けている。その一つ一つの仕草、声、反応がアベルを興奮させているようで、何発か放っている筈なのに衰えや疲れという物を見せない。寧ろ勢いを増して、更に強く犯そうとしてくる。
掴まれる胸も荒々しく揉まれ、爪が食い込んでいる様にさえ感じる。だが絶頂に震える体は敏感なもので、それが快楽になる。犯されながら体をまさぐられる感触に終わりのない絶頂を、女としての悦びを完全に感じ取る。
「クソ、腰が止まらない、ずっと犯してられるぞお前は……!」
「はは、女冥利に尽きる、な、っ、ぁ」
膣に突き入れられたまま、上下を入れ替えるように居場所を入れ替えられる。犯されたまま、下から支えられる様に持ち上げられて犯される。アベルが此方の要望に応えて、道具の様に好き勝手体を使いながら犯してくる。持ち上げられ、抱きかかえられ、押さえられながら犯され体は天井を見上げながら胸が動きに合わせて激しく揺れる。
だけど頭は快楽でスパークし、背筋を走る電流にただ息を求めて口を開き、嬌声を零し続ける。
アベルの開いている手が下腹部へと向かい、胸を掴まれながら荒々しくクリトリスも触れられ、指で弾かれる。
膣で絶頂し、胸で絶頂し、クリトリスで絶頂する。女がその体で味わえるあらゆる快楽をアベルに刻み込まれるように犯され、感じ取り、そしてそれに悦びを感じている。女同士でのセックスは何度も経験しているが、それでも膣の中にこれほど逞しく、そして収まりの良いものを感じながら絶頂し続けた事はない。
大きすぎず、小さすぎず―――丁度良い相性の良さとでも言うのだから。
アベルの逸物は、自分の膣に丁度良く収まっていた。
故に隙間なく吸い付きながらそのすべてを感じ取るように膣を抉れていた。
仰向けのまま犯されてから膣内に射精される。抑え込まれるようにたっぷりと膣内に精液を流し込まれたら、
今度はこちらから動く。
一度合一を解いてから向き直るようにまた膣内に納めて―――こいつが膣にないと寂しさすら感じる―――一番奥に、騎乗位で納めるように咥えこんでから片手でアベルの手を掴み、
それを自分の首へと導く。
顔を降ろし、腰を動かし始めながらアベルに首を握らせる。自分の気持ちの良い所を重点的に擦り上げようとすれば、アベルが片手で首を掴みながら、もう片手で腰を掴んで下から強く突き上げて来る。その対応に一瞬で余裕を失って主導権を与えてしまう。だがアベルの方も、心地よさに主導権なんて最初から持っておらず、ほぼ暴走している形で此方の肢体を貪っている。
お互いが、お互いを理性もなく、愛だけを持って全力で貪っている。
脳天を快楽が突き抜け、何度目かになる射精の感触を膣の中で感じる。それでも腰を動かし続け、上半身をアベルの上へと倒す。そこで唇を重ねながら、一切腰の動きを止めず、また位置を変える。
そして犯し合う。
ただひたすら、
お互いを壊し合うように、愛し合った。
運命の女。