※この作品はR-18です。

ルドラサウム転生異聞録   作:てんぞー

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952年 賢人会

 【賢人会】に殴り込んでから1年が経過する。

 

 ここで才能の話をしよう。

 

 ルドラサウム大陸―――というより、ランスワールド、ランスワールド・パラレルには才能がレベルの上限や技能レベルによって表現されるというちょっと特殊なシステムになっている。これは元々、昔のゲームは一括でレベルを上げる方法が溜め込んだ経験値をシステム的に別の場所で処理する事に原因にあるのだが、これをそのまま設定にしたのがランスワールドである。つまり元々はシステム的な都合が才能になる。

 

 だがそれとは別に技能レベルというものがある。これはキャラクターの特徴と呼べるようなシステムだ。そいつが何をやれるのか、というのを示す指針でもある。そして()()()()()()()()()()L()v()0()()()()()()()()2()0()()()()()()()()()というのが公式の設定らしい。

 

 この二つの要素がこの世界における明確な才能だ。

 

 強さを数値化したのがレベル。であり、才能限界はどこまで強くなれるだけの素質があるか、という風に考えれば解るかもしれない。そしてこの才能限界は気合や根性という言葉では超える事の出来ない神の定めである。良くあるインフレ主人公の土壇場で覚醒して才能限界を超えた! という奇跡は絶対にありえないのだ。主人公属性に対して厳しい世界、ルドラサウムへようこそ。

 

 レベル上限が10前後もあれば、一般レベルとこの世界では言われている。

 

 そう、これで既に一般人レベルなのだ。

 

 そして上限30が1万人に1人というクラスになってくる。

 

 レベル40もあれば1国で将軍が出来るだけのクラスがあり、50も超えれば人類最強クラスに踏み入れると言っても良いだろう。60を超えればもはや人類か? と疑われるような存在になるだろう。ここまで来れば俺がレベル100を超えたり、レベル200を時折超越してインフレする事に疑問と驚きが生まれるかもしれない。

 

 だが事実、ここまでレベルを上げないと魔人の相手にはならない。そして同時に魔王との戦いはこれだけレベルを上げても意味がない。

 

 最強クラスはある半人半悪魔でランスの子であるダークランスのレベルが250存在するとしよう。種族としての屈強さ、強力な武器を保有し、それでいてレベル限界が存在しないというバグの継承者でもある。彼がレベル250に到達するレベルで、100レベルの魔人と漸く同等のスペックという事にある。

 

 そして魔人は大体がレベル100を超越している。戦闘に出てくるタイプの魔人はレベルが低くても100以上はある。その上で魔人化すると素質がブーストされ、元の種族よりも遥かに強くなる。その為、種族的スペックだけで並んだと思えば簡単に敗北できる。

 

 その上で魔王は強さが天井知らずであり、魔人相手に苦戦している様ではそもそも相手にならない。それでもまだ、スラル時代初期の魔人相手であれば、ガルティアの時の様に倒す事は可能だった。だが今ではその可能性も潰えた。《無敵結界》の導入によって魔人に対して無敵にバリアが発生しているのだ。それによってレベルやスペックで同等の強さを得る事が出来ても、攻撃が一切通らないという事になっている。

 

 そう、レベルはどれだけ上げても魔人や魔王に勝てるようには出来ていないのだ。

 

 だからこそ、本当に重要なのは技能レベルである、という話もある。

 

 技能レベルはなし、0、1、2、3の全部で5段階で表現される。これを通常、確かめる手段はないので、完全に感覚的な問題になってくる。とはいえ、才能限界同様、神に対するコネがあるのであれば神に確認して貰うという裏技も一応は存在している。ともあれ、そんなコネは普通は存在しないので、一生技能レベルを確認する事が出来ない奴がこの世界の大半に居る。

 

 そしてこの世界の技能は1人辺り大体20個存在している。

 

 この内半数以上、というより8割近くがLv0で占められている。なしはそもそも存在しない、出来ない、壊滅的に向いていない、やろうとすると失敗するというレベルであるので、考える必要もない。Lv0技能は出来るというレベルである。つまり実行可能、一般レベル、日常クラス。料理や会話などの日常的な要素は大体このLv0に押し込まれていると考えて良い。なお会話技能、話術技能が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という扱いになる。

 

 こうすれば技能とそのレベルの大切さが伝わってくるだろう。才能、特技の表現ではなく、人間的な部分も含まれてくるのだ、この技能は。

 

 Lv1あればこの道のプロフェッショナルと呼ばれる才能が存在する。技能を、才能を十分に使いこなせるというレベルになってくる。Lv0では使うだけだが、Lv1になれば才能があるというレベルになってくる。つまり秀才、優秀と呼べるラインだ。

 

 そしてLv2が天才の領域。才能レベルがたとえ50超えていたとしても、Lv2の技能が存在しなければ、最終的には優秀程度にしかならない。真に強いと呼ばれる存在であれば、必然的にレベルと共にLv2の技能を1つは保有しておく必要がある。それだけLv2の技能は重要であり、また同時に希少でもある。世界全体から見てもLv1の技能が世界全体の99%に入るのだ。藤原遠征軍が総勢200万を超える軍隊だった。この99%がLv1技能持ちであり、その内1%だけがLv2を持っていると考えれば、

 

 200万人中2万人のみがLv2技能を持っている事になる。つまりそれだけ希少になってくる。人口が増えれば増える程割合的には大きくなるも、それでもたったの1%という制限がある。

 

 そして伝説のLv3技能。ここまで来るともはや1%以下になる、特別な事がないのであれば、その時代の内に片手か両手の指で数える程度の人数しか存在しないだろう。それだけLv3という技能は希少であり、また同時に恐ろしい程に時代を変える事の出来る力があるとされている。Lv3技能そのものが一種のバランスブレイカーと呼ばれており、場合によっては人類の管理を司る女神、ALICEによって封印指定にされる事もある。それだけLv3という技能は伝説的になる。

 

 その筆頭が未来に生まれる武神モーデルになるだろう。

 

 フレッチャー・モーデルは人類の中で唯一、魔人を生身、単身、特別な道具などに頼らず自分の肉体のみで撃退するというありえない戦果を生み出した男だった。その後で腐ったのが原因であっさりと死亡してしまうが、完全に制御された《格闘Lv3》によってフレッチャー・モーデルは魔人の攻撃を完全回避しながら相手の攻撃をそのまま反射して威力を上げて蹴り返すという訳の解らない奥義を生み出し、魔人を撃退する事に成功した男だった。

 

 つまり、鍛えられたLv3は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 それ以外にもハンティの《瞬間移動》、魔王ジルやミラクル・トーが使う《ゲートコネクト》、魔王ランスの《魔王アタック》、クルックーの《技能鑑定》、そしてマギーホアの《ドラゴンLv3》による圧倒的戦闘能力。

 

 このようにLv3という領域は明らかに何かが狂っているというレベルで尋常じゃないポテンシャルを秘めている。それを使いこなせるかどうかは当人の性格、資質に関連するものであり、アニス・沢渡の様に全く使いこなせずに魔法を暴発させているだけのLv3もあれば、後年のモーデルの様に完全に腐って肥えた豚となって一撃で斬り殺される場合もある。

 

 結局、才能というモノは個人がどうやって付き合うかによって変わってくる。Lv3の技能を持っているから強い、凄いという訳ではないのだ。それに振り回されて破滅する人間もいる。藤原石丸も恐らくはそういう一人だっただろう、魔人に勝てると勘違いしてしまったケースだ。そこには自分も含まれる。馬鹿で御免。

 

 ともあれ、

 

 何故この話をするかと言えば、

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()L()V()2()()()()()なのである。

 

 良くもまぁ、これだけ人間を集める事が出来たと驚ける。少々人間の国家を侮っていたかもしれない。【賢人会】と呼ばれるグループに対する皇帝の意気込みは本物であり、日夜新しい技術や発想、戦術を世に生み出す為に努力しているのもまた本当だったのだ。芸術、兵器、武術、魔術、ジャンルは節操なくするも、Lv2技能持ちを集める事で天才同士の会話と発想で成長を促し、一種の成長しやすい環境を作るという目論見だった。

 

 ベースとしたのは出来る奴に出来る事をやらせる、というカラー王国時代に俺が引っ張り出した戦略だが、それを皇帝オピロスは自国を発展させる為に成長という形へと向けていたのだ。比較的にメジャーとされる《魔法Lv2》持ちも多く、魔法に関しては話が同じレベルで通じる相手が多くて非常に助かると言える。

 

 という訳で、1年である。

 

 他人には技能レベルは見えない。

 

 だがマッハ呼び出しで技能サーチして貰えば技能を確認できるという裏技があるので、この集まりに存在する人間がどういう才能を持っているのか、というのを自分は地味に把握する事が出来た。これのおかげで自分がどういう適性を持っているのか、というのも理解している。

 

 そして1年である。大体観察して1年でもある。色々と確認できた技能がある。《鍛冶Lv2》や、《美術Lv2》なんてものは自分が初めて見るものだった。前者はすさまじい武具の類を生み出し、そのノウハウなどを解説しながら全体的な鍛冶技術を上げるのに貢献していた。後者は人の心に直接響くような美術品をジャンル問わず、生み出すのを得意としていた。《踊り》や《演奏》の様に特定されていない分野一つ一つはやや専門に劣るかもしれないが、それでもどこまでも目を離せなくなるような魅力ある作品を生み出していた。

 

 そうやって1人1人が何かを生み出し、新しい技術を残そうとしていた。

 

 これが【改革派】である。メインは若者たち。既存の概念ではまた歴史通りに滅ぶだけなのだから、必要なのは革新的な技術と発想。それによって国を豊かにしようという発想の連中である。これが比較的クリーンな方の派閥である。完全にクリーンという訳ではない。中には数人、後ろ暗い目的を持っている連中が居るが、若さと影響力の事もあってそこまで問題となる連中ではない、というのは1年間の付き合いで理解した事だった。

 

 これに対して元々存在する技術を更に発展させ、新しいものに取り組む前に国家の基盤を盤石にしよう、というのが【旧派】と呼ばれる派閥連中である。これが基本的に年長者で固まっているのは、なんとなく言葉で解るかもしれない。それにこれに関わっているのは貴族たちもそうである。根本的な体制やシステムの変化によって自分では追いつけないと理解している様な連中がここには合流している。新しいものを生み出すのもいいが、それによって既存のシステムの変化に戸惑うのは民でもあると思っている連中もここに所属している。その為、派閥としては此方の方が上であり、技術を生み出すよりは、今あるものを発展し、そこから少しずつ入れ替えて行こうというのが主な主張である。

 

 これに対する【改革派】はそれでは魔王や魔人に対抗する事は不可能である、と主張している。東部オピロス帝国の惨状を見れば既存の概念や技術では手足が出るどころか逃げる事さえ不可能であるという事実が存在している。故に何時までも既存の概念に囚われたままでは、東部オピロスの様に磨り潰されるのが運命であると発言している訳である。

 

 この両者、ぶっちゃけ上から見るとどっちも間違っていないのである。

 

 新しい技術やシステムを取り入れればそれだけ混乱が起きるのは当然だ。それに国民がついて来れなきゃまるで意味がないのだ。だがまごついている間に東部オピロスが滅び、魔人や魔王が襲い掛かってきた時に対抗手段となる技術や戦術を持っていない場合、そのまま東部オピロスと同じルートを辿るだけというのは解り切った話なのだ。

 

 

 

 

「で、俺がどう判断するか、だって?」

 

「そうそう。ウル様って【中立派】じゃん? だからウル様だったら何をするか知りたいんだけど」

 

「俺か、俺なぁー……」

 

 952年、魔法用研究室の中で、椅子に座りながらペンを片手に、数式と魔法陣の構想を書いていた指を止めながら、同じ研究室で作業をしていた改革派の子に向けられた言葉を繰り返す様に口の中で転がす。なおウル様と呼べ、と言っているからみんなウル様と呼んでいるのだ。1年もすれば慣れる辺り、人間は順応が早いと思う。俺もこの1年でだいぶ慣れているので、恰好も外行きの恰好からホットパンツにチューブトップという滅茶苦茶過ごしやすい恰好で大体、研究している。

 

 やはり高レベル技能保持者が集まるという環境は非常に意欲が進む、というか理解が進む。ここ1年で1人でやっている時の100年分ぐらいの進歩が見える。やはり、環境は大事だよなぁ、と思うが、

 

「やだ、めんどくさい」

 

「めんどくさいってお前……」

 

「俺は政治がめんどくさくて嫌いなんだよ。口を挟めばアイツはこう言った! とか揚げ足取りまくって利用されるばかり。政治なんて罰ゲームに誰が参加したいんだよ。俺、国とかいらねぇから森に引き篭って暮らせばいいし」

 

「本物の賢者みたいな生活俺らにはできねーから」

 

 気合が足りねぇんだよ、気合が。中指を突き立てながら教える。

 

「そもそも魔法を使うか武器振るってるかで大体娯楽になるんだから、それ以外は農作業と家畜の面倒、冬に向けた備蓄の準備しているだけで1日が終わるんだ。必要以上に生活に求めなきゃ別段、森の中で暮らせるぞ。お前らはもっと生活を良く、とか他人の為にとか志が高すぎるんだよ。他人とか割とどうでもええわ」

 

「えぇ……」

 

 俺が他人の為に動いていると思うか。究極的に俺自身とルドラサウムの為にしか動いていないぜ。

 

「このウル様には3つのルールがある。政治利用しようとする奴は殺す。ウル様をウル様と呼べない奴は殺す。俺の機嫌を損ねる奴は大陸から突き落とす。だから政治の話はしたくない。あんなクソみたいなめんどくささの塊、誰が好んで関わりたいんだ」

 

「すっげぇぼろくそ言ってるよ……」

 

 そりゃそうだ。もう国の運営に関わるのなんて嫌だ。人生に一度あればもうそれで十分だと思っている。だからやだ。自分の軽率な発言が人々に影響を与える事なんて解っている。だから嫌じゃよ、と告げてペンを握りなおし、走り書きに目を戻そうとした所で、

 

「その……魔法理論、手伝いますから駄目ですか?」

 

「ぐぬぬぬ……」

 

 そう言って申し訳なさそうに頼み込んでくるのは水色の長髪にまだ少女の面影を残す姿を見せる―――賢者ジルだった。その年齢、何とまだ16歳。そう、16歳という若さでこの【賢人会】に呼ばれる程優秀な才能を彼女は持っていた。自分も、それをマッハを締め上げて聞き出してビビった。

 

 《魔法Lv3》持ちだった。そうでなくてもスラルが残した本当に僅かな資料から神の扉の存在を見つけ出したりする辺り、《魔法Lv3》だけではなく、《戦略Lv2》まで保持している。そりゃあ人類を家畜管理なんて出来るわ、と驚きの組み合わせだった。先が見えており、そして同時に若く新しい発想が出来る。それだけではなく頭のめぐりが早いのもあって飲み込み、理解し、それを最適な形へと昇華させる事が出来る。

 

 賢人の名に相応しい少女だった。

 

 そしてこれが8年後には魔王になると思うと割と怖いものがあった。とはいえ、今はまだかわいいジルちゃんなので、そこの問題はない。

 

「ぐぬぬぬ……最高頭脳に手伝って貰えれば捗るのも事実……」

 

「その、迷惑じゃなければいいんですけど……」

 

「あ、ジルが段々言葉に力を失ってる」

 

「アマゾネスに威圧されてるぞ」

 

「だぁーれがアマゾネスの女王だ」

 

 中指を突き立てながら、言葉を返し、溜息を吐く。

 

「テストケースだよ」

 

「テストケース?」

 

「俺が言ったって絶対に言うなよ。パクってもいいから」

 

 要は実績を作ればいいのだから、皇帝に頼んで村の3つや4つ、或いは地域をテストケースとして最新鋭の技術やシステムを運用する為に利用すればいい。最初から全体を改革するのが無茶なのは事実なのだ。だから全体を最初から変える必要がないのだ。まずは最初に成果がある、というのを示せばよい。

 

「俺だったら即座に放棄出来る東部オピロス近くの土地でやらせて貰うね。テスト参加者が足りないなら支援金を出せばいいし。実際に魔軍に攻められて実績を示す事が出来れば良し、失敗すれば改善策を見出せば良し。そうじゃなくても実験すれば本当にどういう風に動くのも確かめられる。箱庭ケースと地域規模のケースじゃ結果や心理の変化が変わってくるから、村1つでのテストだけじゃ十分なデータにはならん。最低限、2000人規模はテスト対象として取りたいな」

 

「えっ、そんなに?」

 

「国全体に広げるのに数百人程度に試しても意味ないだろう? 大きな集団で成果があるって事を示す為には最低限、2000人規模でデータを集める必要があるから、もういっそ誰か、領地持ちの貴族を抱き込んで協力して貰うのが早いな……まぁ、俺からは以上。誰か思いついていたかもしれんけどな。それ以上は頑張れ」

 

 穴はあるけど最初に実績を見せないと意味がない。だから小規模なテストから中規模に広げて、それで成果を見せれば黙るしかないのだ。旧派の中核に入っている連中が見ているのは自分の楽と命だ。つまり利益があると解ればそれに飛びつくのは当然だ。

 

「反発するだけじゃなくて、需要を見なきゃダメだよ。相手が何を欲しがっているのか、なぜそういう態度を取っているのか、そこら辺を分析して、黙らせる要素を用意しなきゃ」

 

 まぁ、そんなところだ、とペンを持ち直す。勢いだけでは乗り越えられないのが現実だし、後10年以内には魔王ジル誕生でここが爆心地になる以上、未来の事を考えても無駄だけど。

 

 それまでに、この国からは生み出せるだけの利益を生み出して貰わないと困る。特に魔王となる前のジルに、その才能を完全活用して貰ってなるべく、魔法研究を進めなくてはならない。

 

「ただのアマゾネスクイーンじゃなかったんだな……」

 

「アマゾネスって表現やめろ。単純に気に入らない奴は始末してるだけだ」

 

「アマゾネス以下の蛮族じゃん」

 

「蛮族ってのは認めよう」

 

 気に入らなきゃぐさり、ってぶち殺すのは時たまやってるし。そこら辺の躊躇は倫理観ドラゴンなので軽い。

 

「だが俺以外が言うのは気に入らない……!」

 

「はい」

 

「ケツバットですね」

 

「これが新たな性癖を開花させるという最近話題のご褒美の様な罰ゲアッ―――」

 

 扉を開けてメイド服姿の堕天AKコンビが素早く入ってくると下手人を立たせ、素早くケツに一発、スパンキングをソフトバットで叩き込んで去って行く。何時の間にかあの2人、ファンなる者が若者の間では出来ているとか。

 

 やっぱ人間界は魔境。

 

 ……森に居る連中がちょっとだけ、ほんのちょっとだけ心配になった。

 

「では……ウル様? 魔法理論、手伝いますね?」

 

「あぁ、ジルちゃんは本当に可愛いなぁ。もうずっとそのまま、可愛いままでいてくれたらお姉さん嬉しいなぁ!」

 

「えっと、私はそう簡単に変わるつもりはないんですけど……」

 

 それはどうだろうか? と近づいてきた賢者ジルを見た心の中で呟く。今は特にあまり、見た目とかには頓着しない、ぶかぶかのローブを着ただけの若い子だが、それでもその未来には破滅が待っている。

 

 それを最後まで眺める予定はないものの、彼女が変わるというのは既に解っている事だ。

 

「ま、今は可愛いからいいけど」

 

「えーと?」

 

「ん、いや、なんでもないよ。それよりも今、飛行魔法を考案しているんだけど……」

 

「あ、そうですね。やっぱり重力方面からのアプローチですよね……」

 

 まぁ、今はまだいい話だ。研究、そして開発に専念する。武術的なアプローチは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだが、魔法に関しては歴史にLv3がちょくちょく出現している。

 

 その手を借りて、少しずつ、自分の知識と知恵、そして手札を強化していく。

 

 何時か生まれるだろう、大決戦の時の為に。全ての悪行、善行はその時の為に。

 

 俺も大分、人でなしが板についてきたと、この頃思えてきた。




 あー……ジル様可愛いー……だけど絶対に仲良くなりたくない。そして才能上限や技能レベルのお話。1回、ランスあまりやってない読者向けの説明という感じで。ハンティが上限1000あるからドラゴン・カラーは凄いや。

 だいぶろくでなし、人でなしが板について来た感じ強い。とはいえ、甘さとかが残っているのも事実なのよねぇ。それはそれとして、しばらくは笑っていたいね。

 近いうちに笑えなくなるの見えてるから。
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