※この作品はR-18です。

ルドラサウム転生異聞録   作:てんぞー

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915年 煉獄への招待状

「意外でした」

 

 ルドぐるみの背で胡坐を組む様に座りながらふよふよと魔人紳士ジークの横を浮かんでいると、歩きながらジークがそう声を零した。

 

「まさかそのまま魔王城に来るとは思いませんでした」

 

「俺も最低限の準備を整えようかと一瞬は考えたんだけどねぇ」

 

 ルドぐるみの中にもふぅ、と上半身を倒してダイブしつつ、そのもふもふさを堪能する。こうやって無防備な姿を晒しているのだからどんな反応をするのかなぁ、と思うが、魔人紳士と呼ばれる魔人ジークは、

 

「はしたないですよ」

 

「異性として認識してねぇってこった」

 

 やんわりと注意を入れた。これ、常識的な部分は物凄い普通臭いなぁ、と思いつつ、そうだなぁ、と声を零す。まぁ、そうだよなぁ、と声を零す。とはいえ、俺の人生を振り返ってみるのだ。そしてそれを振り返りつつ思うのだ。

 

「世の中には流れがある」

 

「流れ、ですか」

 

「せやで」

 

 流れだ。シナリオ、イベント、世代。言葉を変えてもいい。だが常に流れというものが存在していると思っている。それに逆らっても流れが狂って、自分が弾き飛ばされるだけである。つまりこれは乗らなければならないのだ。或いは避難するのが大事だ。自分の予想ではもうちょい余裕があったと思っていたのだが、それでもジルが呼んだのだろう。

 

「世の流れは常に災禍の中心点から始まる。それが巻き起こす意思によってこの世の中には生まれる。そしてそれが動きを求めたのであれば、それに乗るのが恐らく、正しい世の中との付き合い方なんだよ、ジーク君」

 

「ジーク君、とは初めて聞く呼ばれ方ですね。中々こそばゆいものを感じますが―――成程、我らが魔王様が流れを作るというのであれば確かに、逆らう事も出来ないでしょう」

 

 じゃろ、とぐったりしつつ答え、それに、と言葉を置く。

 

「あの子が魔王になる事に関しては、俺がどうにか出来たのにそれをどうにかしなかった俺の責任でもあるからな。前々からどうしてるのか、ってのは気になってたことだし―――まぁ、近々様子を見に行くつもりでもあったしな。渡りに船、とはこういう事よ」

 

 まぁ、予定がやや狂ってしまったのは事実だ。それに前までの様になんでも従う、という状態でもない。自分の意思で、自分の目的の為に、自分の幸せを考えての行動なのだから。まぁ、それでも、システム神にロードを―――あ、やっぱこれ止めよう。不用意に口にするとマジで出現しそう。最近の神々のフットワークの軽さはなんか、ルドラサウムの冒険に対する期待感の高まりと共に増している様な気もする。うん、不用意に口に出してマジで出現した場合が困るから止めよう。

 

「ケッセルリンクからは中々剛毅な女性と話を聞いていましたが……成程」

 

「え、アイツ俺の事なんて言ってたよ」

 

「自分の魅力を押し殺している、勿体ない人だと」

 

 アイツ、今度会ったらしばくわ。心の中でひっそりとケッセルリンクに一発叩き込む事を決めつつ、ジークと並んで魔王城へと向かう。咄嗟の事ではあるが、常に最悪を想定して装備などは持ち込んでいるので、最悪逃げるだけの準備は常に整えてあるから心配はいらない。フラグでもなんでもなく、ナイチサの時の事は反省しているからだ。なので心配する必要はない。

 

 なので、普通にジークと移動した。

 

 そしてこのジークという魔人、中々ナイスガイ……と評価できる。ガイ、という言葉が正しいのかどうかは疑わしいが。それでも紳士を気取るだけあり、丁寧な言葉で、そして此方が女性らしさをまるで見せないゴリラの様な女でも女性として扱い、会話もリードしてくれる。こんな紳士的な人材がケッセルリンクの他に魔軍の中に存在したのかよ、というのは軽い驚きでもあった。

 

 そういうトーク技術が高い事もあり、魔王城までの道中は中々飽きる事がなかった。この魔人ジークというのは紳士的ではあるものの、その価値観がジルからは大きく異なっているのが話していて面白い魔人だった。

 

「私はですね、魔王様の方針には反対しているのです」

 

「意外だな……?」

 

「でしょうか。人間牧場というのは苦しみを生み出して管理する、という形では最も効率的でしょう。ですがこれはもはやシステムです。そこに人間らしさも、魔物らしさも存在していません。完全に人間が家畜で、そして魔物が人の様に文明的な生活を送っている……これでは生物として根本が間違っているとしか言えません」

 

「つまり人は人らしく文明を築き、そして魔物はそれを破壊するべきだと」

 

「えぇ……それが人と魔物という生物の姿だと思いますが」

 

「面白いなぁ、ジーク君は」

 

 生物、或いは種としてのデザインに叛逆しているのが今の時代だとジークは表現する。これは余りにも間違っている。人類は素晴らしい文明を生み出す事も出来るのだ。なのになぜ家畜として飼うのだろうか? その新しい文明を生み出すという行いに関しては、魔物では出来ない事だ。それをジークは尊ぶ。だからこそ魔人紳士、と呼ばれる振る舞いをする様になった。

 

 それでも人間は殺すそうだが。

 

 面白い魔人だった。

 

 ケッセルリンクの友人じゃなきゃ殺せる時に殺してた。こいつは迷う事無く殺しておくべきタイプの魔人だった。

 

 

 

 

 焦る事無く数日の距離を移動し、将来はリーザスと呼ばれる地域の周辺までやってくる。かつてはここには大量の魔物が存在し、陣を張ったりして人類との戦いを続けている場所でもあったが、今ではまるでその姿を目撃する事が出来ない。当然だが前世紀までは展開されていた魔軍は今では大陸中に散開し、それぞれが人間牧場の運営と維持に関わっている。そしてその為に魔人も大半が出払っている。その為、最も警備が多い筈であろう魔王城の存在が完全にオープンになっていた。

 

 ナイチサの時代とは全く逆の風景である。

 

 かつてはここに大量の魔物兵が居た姿を思い出し、ちょっとだけ寂しさを覚える。魔王城が見える所までも来ても、恐ろしく魔王城は静かだった。かつて見せたような騒がしさは一切存在しなかった。ルドぐるみの背の上からその景色を眺めつつ、ここもGIに入れば、リーザスとなって、王国となって、それで人間の住む町が広がるのだと思うと、ちょっとした感慨深さを感じる。もう、そういう時代まであと1000年程度なのだから。

 

 随分と、長生きをしたものだ。

 

 人間の時代がすぐそばまで迫っている。

 

 と、そこでジークが足を止めた。その代わりに、魔王城の前に見慣れない人影が立っているのが見える。其方へと視線を向けてから、ジークの方へと視線を向ける。

 

「すみませんが、私のエスコートはここまでです。これより先は魔王城の前に居るガイがエスコートしてくれるでしょう。名残惜しいですが、私も戻らないといけませんので」

 

「いや、これまでの道のり、それなりに楽しませて貰った。もう二度と会わない事を祈るよ」

 

「えぇ、此方もそれを祈っております。それでは」

 

 言葉を置き、ジークが去って行く。ドラゴンに変身したジークはそのまま、空を飛んで消えていく。その姿を見送ってから視線を魔王城の方へと向け、ルドぐるみから降りて、歩いて移動する事にした。

 

 歩いて、歩いて―――そして久方ぶりの魔王城に到着した。

 

 その前には半身を鎧で包み、半身人間半身魔物の姿をした男の姿が見える。その腰には強い力を秘める魔剣を帯剣しており、濃密な魔血魂に犯された臭いが漂ってくる。だがその瞳の中にはどことなく、反逆者としての気概を感じさせるものが見える。成程、と口に出さず呟く。

 

 これが魔人筆頭ガイ―――後の魔王ガイ、か、と。

 

「カラー女王、ウル・カラーと見受ける」

 

 ガイが、口を開き、確認する。その視線は此方の存在しない左腕へと向けられ、クリスタルと髪の色を見て、そして判断された。それに応えるように頷き、

 

「おう、俺様がカラー女王だ。ジルに呼ばれて会いに来てやったぜ」

 

「げぇ……ほんとに生きてる」

 

 応えた言葉に対して、どこかで聞いた事のある声が聞こえた。ガイの腰へと向ければ、帯剣された魔剣が―――つまりは魔剣にされてしまったカオスの姿がそこにはあった。伝説の冒険者の末路としては、余りにも情けない姿になってしまったと表現できるだろうと思う。

 

「久しぶりだな、カオス。神に祈ったりするからそうなるんだ。止めてやろうとしただろう?」

 

「世間じゃ殺すのを止めるって言わないで終わらせるって言うんだと儂は思うんだけど」

 

「知り合いか、カオス」

 

 ガイがカオスを引き抜きながら質問すれば、おう、とカオスが答える。

 

「儂がこの世で一番苦手とする女」

 

「お前がそう言うのは珍しいな……」

 

「だって儂の心のチンコがまるで反応しないもん」

 

「ぼろくそ言われてるなぁ、俺……」

 

 まぁ、やってきたことを考えると仕方ないのだが。そこでガイはカオスを腰に戻し、それから此方へと視線を向け、

 

「―――ジルには俺から話を通そう。ここで帰ると良い」

 

 ガイは唐突にそう切り出した。ちょっと、予想外の言葉だった。まさかここまで案内されて帰らせようとするなんて。とはいえ、頭を横に振る。

 

「俺も、ジルに会いに来たんだからな。このまま帰る事なんて気はないよ」

 

「話は聞いている。魔王ジルがかつては教え子だったという話は」

 

 だが、とガイは言葉を止め、数秒程、待ってから言葉を続ける。頭を横に振りつつ、

 

「もはやそこにお前の知るジルという人物は居ない。会っても苦しむだけだ」

 

「善い方のガイも大変だねぇ」

 

 警告するガイの姿を見て、カオスが腰から茶々を入れる。とはいえ、ガイの言動は実に真剣なもので、心の底からここで去るべきだと警告している様子だった。そう言えばガイは二重人格で、善と悪の人格が一つの肉体に同居している、のだったか? カオスの言動を聞く限り、恐らくこれが善の人格なのだろうが。そして悪の人格はランス君系だったとか。ちょっと気になるが、

 

 今はそれよりもジルの事だ。ガイの言葉に頷く。

 

「成程、魔血魂の影響で確かにジルは俺の知っている頃のジルとは別人なのかもしれない」

 

 だけど、と頭を横に振る。

 

「それでも俺は彼女に会う必要がある。一種のライフワークだから気にするな」

 

「魔王に会うライフワーク」

 

「……ならば俺はもう止めない。先へと進み、そして存分に心を壊すと良い」

 

 どことなく悔しさと、そして後悔を滲ませた声をガイは放ちながら背を向け、案内する様に魔王城の中へと入って行く。

 

 それに付き従い、案内され、自分も久方ぶりの魔王城へと侵入する。魔王城の姿は変わっていないものの、生物の気配に関してはほとんど存在せず、奥の玉座の間の方からある程度の集まりと、巨大な魔血魂の気配を感じられる―――恐らくこれがジルの気配なのだと思う。そして厨房の方にも僅かに命の気配を感じられる。どうやら厨房の方は正常稼働しているらしい。

 

「それにしても魔人や魔王をぶっ殺すつもりだったのに魔人に使われるのってカオス君今どんな気持ち?」

 

「物凄い全部ぶっ殺したい。というかなに、儂煽られてんの?」

 

「うん」

 

「笑顔で即答された」

 

「……」

 

 ガイがどことなく、呆れの溜息を吐いた。大体魔軍と、というか魔人とエンカウントするとこういうリアクションばかり向けられている様な気がする。まぁ、そう言うキャラを貫き通している俺に原因の全てがあるのだが。ともあれ、

 

 魔王城を進んでいき、ジルの元へと向かおうとする。

 

 これを抜ければジルと会える。

 

 数百年ぶりに、彼女との再会だ。

 

 そう思い、軽い緊張感を纏いながら廊下を進んだ先で、

 

 ―――廊下で行き倒れている姿を見つけた。

 

 そのあんまりな光景に、ガイ共々、足を止める。ツインテールの金髪に装飾が多く施された、ドレスの様な服装をしている存在は顔面から廊下にぶっ倒れている。どことなく、すぐ近くに齧った跡のある菓子が落ちていた。

 

 ごめん、こいつ見た事があるんだけど。

 

 JAPANというか死国で。

 

「えっ、なんでラ・バスワルドがこんな所で倒れてるんだ……」

 

 若干引きつつ、第二級神にして魔人に堕とされた神、破壊神ラ・バスワルドが廊下で倒れているのを目撃した。その姿を確認してからガイは片手で軽く顔を覆うと、ラ・バスワルドの傍に落ちている菓子を拾い上げ、それを軽く噛んだ。そしてそのまま、溜息を吐く。

 

「アレ程酒の入っている物には手を出すなと言いつけていた筈なんだが……」

 

「え、なにそれ」

 

「バスワルドちゃん、下戸なんだよね」

 

「えぇ……」

 

 カオスが放った言葉に呆然としながら、ガイの拾った菓子を貰って軽く噛んだ。味付けの為に軽くリキュールが使用されている感じなのだろうが、ほとんどアルコールは感じられない。おかしいなぁ……これでダウンする生物なんて俺、初めて聞いたぞ……。ラ・ハウゼル、ラ・サイゼルを超えるポンコツっぷりを今、ここに目撃してしまったような気がする。

 

 と、カオスから何やらオーラが溢れ出す。

 

 そしてそれをガイが叩いて鎮めた。

 

「えー、殺そうぜ、こいつ。殺そうぜ殺そうぜー。儂魔人ぶっ殺したーい! チャンスだからぶち殺そうよー」

 

「駄目だカオス」

 

「えー、殺したい殺したいー」

 

「駄目だ。それよりも先へと進むぞ。ジルが待っているだろう」

 

「えー」

 

 え? 放置していいの? と思いながらラ・バスワルドの倒れている姿を乗り越えて先へと進む。酒の気配に目を回して倒れている女神の姿をもう一度だけ確認してから、歩き出した。だけどやっぱり気になるので、アレ、なに、と指さしながらガイに聞いてみる。それに応える義理も義務もないのだろうが、ガイは親切にもそれに答えてくれる。根本的な部分で苦労性というか、善人過ぎる部分がある様に見えた。

 

「魔人ラ・バスワルド―――魔王ジルが神より得た魔人だ。ただ当初は言われて動く程度の事しか出来ぬから、ジルが調整を行い疑似的な人格を与えたのだが……」

 

「だが……?」

 

 そこでガイが溜息を吐いた。

 

「恐ろしいほどに下戸だったり、何もない所で転んだり、塩と砂糖を間違えたり、呪われているのかと思えるほどの不器用さを見せてな……」

 

「ポンコツ魔人……」

 

 ラ姉妹のダメな部分ばかりを圧縮して適応してしまったのだろうか? それは、余りにもあんまりじゃないだろうか……。

 

「ジルも何度も人格を作り直そうとしたが、何度試しても毎回ああいう風になってしまうからな……気が付けば気絶して倒れていたり、どこかを破壊していたり、人間牧場を勢い余って消し去ったり……」

 

 どことなく疲れた気配が見えるガイの言動に、少しだけ同情してしまった。そして何をしても絶対にポンコツになってしまうラ・バスワルドの存在に完敗。

 

 とはいえ、元々は感情も人格も人間性すら存在しない破壊の女神なのだ。

 

 だったら多少酷くても、こういう形の方が人生楽しめそうなんじゃないだろうか?

 

 絶対に戦いたくないけど。魔王級の魔人とか一体誰が相手したいんだ、という話だった。

 

 そういう訳でラ・バスワルドを超えて進んだ所で、更に魔王の気配が濃厚になってくる。それが肌に感じられる距離になった所で、ガイが足を止める。ナイチサの時も感じられた、魔王という存在に宿る存在としての圧力。それを感じられる所まで来たところでガイは口を開いた。

 

「……ここから先は一人で進むと良い。そして思い知るだろう、かつてと今の違いを」

 

 そして、とガイが言葉を続ける。

 

「それで、戦う覚悟があるのであれば……」

 

 ガイが言葉を区切り、頭を横に振った。

 

「いや、進むと良い。願わくば、私と同じ道を歩まぬ事を」

 

 そう言ってガイが去って行く。その姿を軽く眺めてから小さく息を吐き出す。感じる事の出来る魔王の暴威はナイチサの時よりも上に感じられる。或いはジルの方が魔王の技能Lvが高いのかもしれない。だがその考えを消し去り、

 

 数百年ぶりのジルの姿を見る為に、そのまま足を進めて奥へと進み、

 

 玉座の間へと通じる扉を開いた。

 

 扉を開き、そこに広がる光景を見て、

 

「―――」

 

 言葉を失った。

 

「あっ、あっ、はっ、はっ」

 

「はぁ、はぁ、はぁ―――」

 

「あぁ、いいぞ。もっと、もっと激しく……」

 

 長く、美しい髪を持った女が男に挟まれる様に犯されていた。膣と尻穴の両方で肉棒を咥え込みながら、床に倒れる男に自分の体を突き上げさせ、そして後ろから膝を折る様に尻穴に肉棒を突っ込む男に、押さえつけさせていた。下、そして後ろから責められるジルは両腕、両足を無くした状態で、ほぼ道具の様に犯され続けている。その切断面は既に癒えており、皮膚が覆っているのが見える。

 

 そしてジルは犯されながらも首を締め上げられていた。下から突き上げるように犯す男が両手でジルの首を掴み、締め上げるように殺そうとしているのが見える。戦士としての勘から、犯している男が両方共、この時代としてはかなりの高位の男たちであるのが解る。恐らくレベルは50を超えているだろう。それが本気でジルを壊そうと犯している。

 

「こいつ、こいつ……!」

 

「はぁ、やばい、腰が止まらない」

 

「もっと、もっと壊れるぐらいに強く犯せ」

 

「うっ、ぐっ、あっ、ぐっ」

 

 道具の様にジルが犯されている。なのに苦しんでいるのはジルを犯している男たちだった。既にジルの陰部からは精液が溢れ出し、その髪も、体も、精液で白く染め上げられているのに、淫靡さを纏いながらも一切の余裕を崩す事無く力に溢れていた。首を締め上げられながらもそれを快感に思うように恍惚の表情を浮かべている。

 

 魔性の女―――そう表現できる様子でジルは男の肉棒を咥えこんで犯され続け、そして視線を持ち上げ、扉を開けた此方を見た。

 

「―――あ、先生!」

 

 此方を見つけたジルは輝くような笑みを浮かべた。昔とまるで変わらない笑みを。そうすると黒い両手両足を生やした。

 

「あ、ちょっと待っててくださいね、先生。今終わらせますから」

 

「あっ、かっ、くはっ……」

 

「あっが、が、」

 

 黒い四肢を生やしたジルは一気に絞り上げるように自分から体を動かし始める。膣で絞り上げるように肉棒を、そして尻穴で肉棒を締め上げながら、その胸で正面の男を圧迫し、その快楽で一瞬で脳味噌を蕩かした。後ろから犯している男も貪るようにジルに覆い被さると激しく、壊れたように腰を動かし始め、

 

 一気に射精し始めた。

 

 だが一度では終わらず、激しくジルの奥へと突き刺しながら射精をし続ける。

 

 それが終わらない。

 

 狂ったように射精を続け、男たちの姿が干からびて行く。そして声もなく、力を失い、腰を突き刺したままついには完全に動かなくなり―――死んだ。

 

「結局4時間しか持たなかったな……」

 

 そう言うとジルは体に突き刺さったままの肉棒を千切る様に体から引き抜き、体に張り付いた精液を魔法で全て消し去り、臭いも消し去る。そして完全に綺麗な状態で此方へと視線を向け、

 

 あの頃の笑みで、近寄ってくる。

 

「先生、お久しぶりです!」

 

 そう言って近寄ってきたジルは此方の手を取り、しかし弾かれる様に手を放し、

 

「あ、ご、ごめんなさい、その、いきなりは……失礼でした、よね……?」

 

「あぁ、いや、気にするな。ほら、俺とお前の仲だろう?」

 

「あ、はい、じゃあ……」

 

 そう言っておずおずと此方が差し出した手を取り、それを嬉しそうに握ってきた。

 

 その姿があまりにも痛々しく、

 

 あまりにも苦しすぎて、泣きそうだった。

 

 確かに―――もう、自分の知っているジルはいないんだ、そう理解させられた。




 エロだぞ、悦んでもいいんだぞ。

 凌辱趣味、クビシメックス、犯されながら犯す事。そして侮蔑の対象である男を犯し殺す事。犯されて壊されて歪んだ性癖。あのかうぃあかったジルちゃんはどこへ消えちゃったんだろうね……?

 ところで二穴挿しで登場する魔王とは……?
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