いろいろ狂った少年が欲望を満たすために世界を創り、物語を作ります 作:黒椿
あの後、奏は顔を真っ赤にして自分の部屋に閉じこもってしまった。一応、説得が功を奏して部屋から出てきてはくれたけど、彼女が僕に口をきいてくれるようになったのはトイレの断水タイムが終わってしばらく経ってからだった。
その間に何度か彼女のおしっこを楽しませてもらったから何も文句はないけどね。
さぁ、いよいよ、お待ちかねの月曜日だ。今日は放尿バトル第二戦が開催される。
「だけど、そのわりにはいつも通りか」
僕は教室の机で周囲を見渡しながら独りごちる。そこには日常となんら変わらない光景が広がっていた。
とても、先週末に放尿バトルなどという不可解なものが始まった学校とは思えない。
「やっぱり、まだまだ制御できてないってことか。それとも、案外これが自然なのかな?」
人は自分に害が及ばない限りは基本的に傍観者に徹する。たまに例外はいるが大多数はそんなものだ。そう考えればこれはリアルな光景なのかも知れない。
ああ。ちなみに、今、僕は意図して一人になってる。ヒロインと決めたキャラたち以外のキャラ――いわゆるモブキャラと呼ぶべき女子生徒たちが土日を挟んでどうなっているか観察したかったからね。結果はいつも通りだったの一言に尽きるけど。
「あと十数分で始まるか。今回も上手くいってるといいけど」
こればっかりは祈るしかない。今回も前回同様そこまで複雑なものではないけど、それでも上手くいくかどうかは半々だ。
物語を紡ぎながら、世界を制御するのは想像以上に難しい。というより、どんなに頑張っても人がやれるものではない。世界がある程度制御の補助をしてくれるとはいえ、何でも思い通りになるということが自分自身に牙をむいてくる経験なんか僕以外には絶対できないだろうな。
正直必要最低限のこと以外をこの世界に委ねていなければ、とっくの昔にこの物語は破綻と矛盾が入り交じって目も当てられない惨状になっていただろう。そういう意味ではこの世界には感謝しかない。
そこで不意に足音が聞こえてくる。その足音はこの教室の前で止まる。
「来たか」
時計を見るとちょうど学校が始まる十分前だった。ロナはドアを開けると無遠慮に入ってくる。クラスメイトたちは何事かとロナの方を見る。
「皆様。本日執り行われる放尿バトル第二戦は始業時間になると同時に開始する予定です。場所は体育館です。お急ぎください」
ロナはそれだけ言うと教室から出ていく。クラスメイトたちはその言葉を聞いて、体育館の方へと向かう。当然僕も彼女たちの後に続く。
これを見なくては話にならない。
「焼津弓対朝歌綿か。さて、どうなることやら」
僕はゲームの内容を決めこそすれ、その結果は知らない。その気になればいくらでもいじくれるが、そんなことに何の意味もないからだ。観戦の面白みを潰しては興奮できるものもできなくなる。
こういう弊害を潰してくれるのも、この力の優秀なところではあるのだろう。だからこそ、僕は未だに四苦八苦してるんだけど。
○○○○○
僕らが体育館に向かうと、すでに三年生たちがそこにいた。僕らに遅れて一年生たちもやってくる。ロナたちは年長順から呼び出しをかけていたらしい。
対戦者二名を含む学校の生徒全員が集まったのを確認するとロナは登壇し、一礼する。そして、マイクに向かって話しはじめる。
『皆様、おはようございます。それでは、さっそくゲームの説明を行いたいと思います。今回行いますゲームは『おしっこじゃんけん』でございます』
今回は開き直って、ド直球のゲーム名にしてみた。だけど、このゲームは前回とはひと味違う。
「このゲームのルールは至ってシンプルでございます。最初に対戦者二名には壇上に上がっていただきます。そして、その二名にはじゃんけんを行っていただき、負けた方はこの利尿剤入りのお茶を飲んでいただきます。あいこの場合はそのまま続行です。これを繰り返し、相手を先におもらしさせた方の勝ちでございます。じゃんけんのかけ声は私がかけます。また、対戦相手へ直接触れることは禁止です。以上で説明は終わりです。何か質問のある方はいらっしゃいますか?」
ロナの説明に誰も手を挙げない。僕も何も文句はなかったのでそのまま黙っている。ロナは誰も質問がないことを確認すると話を続ける。
『それでは、さっそく始めさせていただきます。焼津弓様。朝歌綿様。どうぞお上がりください』
ロナの呼びかけにキュウちゃんと綿先輩は階段を上がる。二人とも、これから痴態を晒すことを分かっているとは思えないほどに平然としていた。
だけど、この勝負に負けたとき、そうやって涼しい顔をしていられるかどうかは疑問だ。
二人が壇上に上がると舞台袖から四人の女性が出てくる。彼女たちは手に白いバスタオルのようなものを二枚ずつ持っており、それを床に敷き詰めていく。
ある程度離れた場所にそれぞれ四枚のタオルを敷くと、女性たちは速やかに舞台袖に消えていく。
『お二人には靴を脱いだ上でそのタオルの上に乗って戦っていただきます。此度の戦い。必然的にどちらかが失禁することになるため、このような措置をとらせていただくことをお許しください』
確かにその通りだ。前回は下着を脱いで秘部を晒した状態でのバトルだったため、負けてもおもらしをすることはなかった。だけど、今回は違う。今回は負ければ、問答無用でおもらしをしてしまうのだ。
それなら、この程度の対策はやむを得ないだろう。
『準備はよろしいですか?』
ロナの言葉に二人は頷く。二人の目には強い闘志が感じられる。
『それでは、ゲームスタートです』
ついに開戦する。二人は構える。ロナはそれを確認すると口を開く。
『最初はグー、じゃんけん……』
そこまで言ったところで二人は手を出す。手はキュウちゃんがグー、綿先輩がチョキだ。
『焼津様の勝利でございます。朝歌様にはこちらを飲んでいただきます』
ロナは紙コップにお茶を入れると、それを綿先輩に持っていく。綿先輩は多少ためらいながらも、お茶を飲む。
前回のバトルを警戒しているのだろうが、今回はそこまできついのは入れていない。少なくとも一杯や二杯では短時間ならば大して変わらないはずだ。
綿先輩も最初は警戒していたようだが、飲み終わっても体に何の異変もないことが分かりほっと息をつく。
続く二回目。二人はパーを出した。
『あいこでございます』
二人は構え直す。続く三回目はキュウちゃんがチョキで綿先輩がグーだ。
『朝歌様の勝利でございます。焼津様にはこちらを飲んでいただきます』
キュウちゃんは先ほどの綿先輩同様おそるおそるといった様子でお茶を飲む。しかし、彼女も飲み終えた後、尿意をさほど催さないと分かって小さくため息をつく。
勝負はそこから進んでいく。四回目は綿先輩の勝ちだった。五回目はキュウちゃんの勝ち。
現時点で互いに二杯ずつ。だが、ここから先は今までとは少し変わってくる。その事実を二人はすぐに実感するだろう。
六、七回目はあいこだった。そして、八回目に入ろうとしたところで二人の体に異変が起こる。
「「!」」
二人はそれぞれ手を下腹部に置き、足をもじもじとさせはじめる。ようやく始まったか。ここから面白くなってくる。
二人の飲んでいるお茶には利尿剤が入っている。つまり、膀胱に尿が溜まる速度が急激に上がるということでもある。一見そう変化がないように見えても、お茶を一杯でも飲めばその効果は発揮される。
二人はそのお茶を二杯飲んだ。ならば、そろそろ二人に猛威を振るい始めるころだ。
「さぁ、その痴態を存分に晒してくれ」
僕は自分が笑っていることに気付く。だけど、それを取り繕う必要はない。今は目の前で起きている
二人は突然湧き上がってきた強烈な尿意に耐えようとする。だが、そんな二人の涙ぐましい努力はやすやすと打ち砕かれていく。
八回目。キュウちゃんの勝利。利尿剤入りのお茶を飲むことでさらに綿先輩を追い込んでいく。
だが、綿先輩も黙っていない。次の九回目でじゃんけんに勝ち、キュウちゃんにもさらなる窮地を味わわせる。
「はぁっ…… はぁっ…… !」
「くっ…… うぅっ…… !」
三杯飲んだあたりで二人はすでに限界だった。そりゃあそうだろう。二人の膀胱に溜まっている量はすでに一回目の皆藤さんと奏が溜め込んでいたそれと何ら遜色ない。
それに加え、利尿剤により時間が経つにつれてどんどん強くなっていく
つまり、こちらの方が一回目のゲームよりも圧倒的に条件が悪い。決壊も時間の問題だろう。
「おそらくは次で勝負がつくな」
すでに両手で前押さえの状態になっている二人を見て呟く。これは紛れもない事実だ。次で負けた方の負け。最悪、あいこが続けば両者決壊による引き分けもありえるだろう。
勝負がどうなるのか気になって気になって仕方がない。やはり、こういうスリルこそが性的興奮を促進してくれる。今は少しでもこの興奮に浸っていたい。
興奮冷めやらぬ中、十回目が行われる。
『最初はグー、じゃんけん……』
二人は力を振り絞って手を出す。二人が出した手はキュウちゃんがチョキ、綿先輩がグーだった。
『朝歌様の勝利でございます。焼津様にはこちらを飲んでいただきます』
それはキュウちゃんにとって死刑宣告に等しい言葉だった。自分の右手を見て、目に涙を浮かべている。
そんなキュウちゃんにロナは無慈悲にもお茶入りの紙コップを持っていく。キュウちゃんは震える手でそれを受け取り、飲むのを躊躇する。
だが、覚悟を決めた顔になると勢いよくそのお茶を飲む。いわゆる一気飲みというやつだ。
そして、そこから先は僕の予想通りだった。
「あ、ああぁぁぁぁぁ…… !!」
キュウちゃんは紙コップをロナに渡すと突然その場にへたり込む。両手はスカート越しに股間を抑えており、その体は震えている。
決着がつくことを予期して最前列に出ていた僕はおもむろに壇上に上がる。すると、今、彼女に起こっている事態がすぐに理解できた。
キュウちゃんの太ももを伝うように流れていく幾筋もの水。その水はタオルに落ちると、純白を黄色に染め上げる。その速度は速く、すぐに彼女の足下のタオルは真っ黄色になった。
キュウちゃんは放心した表情でひたすら放尿していた。綿先輩はそれに安堵の笑みを浮かべるが、そこで強烈な尿意が襲ったのかすぐに体を震わせながら、強く股間を押さえる。
そんな綿先輩にロナは近付いていく。
「朝歌様。放尿バトル、勝利おめでとうございます。こちらで用をお足しください」
ロナが視線を向けた先には携帯トイレがあった。奏がやっていたようなペットボトルにするだけのチャチな代物じゃない。便座に腰かけて用を足す洋式タイプのものだった。
普段の綿先輩ならこんなものにおしっこすることなどまずないのだろうが、今の彼女には全くといっていいほど余裕がなかった。トイレを見るやいなやすぐさま赤のレースの下着を下ろして、スカートをたくし上げると便座に座る。
「はあぁぁぁ……」
ようやく得られた充足感に綿先輩はこれ以上ないほど緩みきった表情を見せる。彼女も相当ギリギリだったのだ。あの運命の十回目で負けていたら、漏らしていたのは彼女の方だっただろう。
そこで勝つあたりはさすがと言ったところか。運を持っている。
二人は全校生徒の前で痴態を晒しながらも、与えられる快感に浸っていた。その表情は前回のバトルで皆藤さんと奏が見せたものと同じくらい幸せそうなものだった。