いろいろ狂った少年が欲望を満たすために世界を創り、物語を作ります 作:黒椿
木曜日になった。時が経つのも早いもので明日が終われば再び週末だ。けれど、曜日関係なく生徒たちは教室で堂々と放尿バトルの話をしている。
現状では彼女たちが参加することはないけど、この先もずっとそうだとは言いきれないからね。自分が選ばれたらどうしようと期待のこもった目で雑談に興じる彼女たちを嘲笑する気は微塵もない。
そういえば、この物語もいつまでやるか決めてなかったな。この世界でいくら遊ぼうが、時間軸を弄くれば向こうでの時間経過をゼロにすることも可能だけど、あまり長引かせるのもよくない。というのも、時間は操れても僕自身の記憶を操ることはできないからだ。それによって時間が経つごとに向こうでの記憶が色あせていき、さまざまな弊害を生み出す危険がある。
厳密に言えば、記憶を操れるがそれでは何の意味もないといった方が正解かな。ここでのことを忘れたら、何のために世界を創ってまで物語を体験してるんだって話になっちゃう。それはうまくない。
まぁ、向こうの記憶が薄れても僕の力ならどうとでもできるけど、それもなしだ。一応、現実世界関連でもやりたいことがあるからね。その熱がある内は記憶を保っていたい。
本当、こうして見ると何でもできるわりに、そこそこ面倒な制約がある厄介な力だよ。
だから、二回目の性行為を体験したところで一度打ち止めにするかな。物語形成にも慣れてきたし、
そこまで決めたところで例のように委員会のメンバーが僕らを呼びにくる。その中にロナの姿はない。
当然か。あいつは今日は相当気合い入ってるだろうからな。何しろ……。
まぁ、いずれにしても今日の戦いは結構楽しみだ。
○○○○○
隠していても仕方がないから最初に言ってしまおう。今日は綿先輩とロナのバトルだ。初めて委員会のメンバーがバトルに参加するということになる。ちなみに綿先輩は体操服に着替えているが、ロナはスーツのままだ。
たださっきの僕の思考のせいでどっちが勝つか分かる奴もいるかもな。これを本にして、それを読む人間がいればの話だけど。
そして、ロナの初出陣となる舞台は体育館の横にある柔道場だ。ここで綿先輩とロナが戦う。
今回行われるゲームの名は『ダメージファイト』という。これはステゴロの喧嘩を行って、先に相手をおもらしさせた方の勝ちというものだ。まぁ、一種のキャットファイトみたいなものかな。
そして、何よりもこのゲームの最大のポイントは相手に攻撃を当てると、そのダメージが相手の膀胱に尿に変換されて蓄えられるというところだ。つまり、攻撃を食らっても肉体的ダメージも痛みも一切ない代わりに、尿意が強まっていくということだ。
まぁ、たまには女の子が戦うところが見てみたいなと思ったからこのルールにしただけの話だ。ちょっと、矛盾した話になっちゃうけどね。
そんな感じの説明を委員会の女性がする。別段変わったところはない。強いて言うなら、
…… のはずなんだけど、戦う前から柔道場の中心で対峙している二人がバチバチと火花を散らしていた。
いや、別に条件とこれは関係ないんだけどさ。それにしたって怖すぎる。まぁ、分かるけど。
「まさか、委員会の方が出場するとは予想外でした」
「いけませんか? 我々も委員会の人間である以前に一人の女性です。優れた男性に惹かれ、この身を捧げたいと思いたいのは自然でしょう」
「なるほど。初めてお会いしたときは機械のような印象を受けていましたが、しょせんは雌犬だったというわけですか」
「それはお互い様でしょう。この高校の高嶺の花・朝歌綿様」
これが二人の言い合いの内容だ。これまで進行役に徹していたロナが突然選手として出てきたら、そりゃ面白くないわな。その敵意に理解を示すと同時に僕は精度が上がってきていることに嬉しさを覚えていた。
この物語を始めた当初はまだまだ人形っぽさが残っていたが、徐々に人間味が出てきている。そうでなくては、彼女たちの放尿姿にも抱くことにも性的興奮を覚えられない。
「はっ。ここで言い合っていても詮無きこと。さぁ、始めましょうか」
「ええ」
ロナの提案に綿先輩は快諾する。確かに舌戦を繰り広げていてもしょうがないからな。
二人は構えをとって、戦闘態勢に入る。委員会の女の開始の合図と同時に二人は動き出す。
一直線に殴りかかるロナを綿先輩は受け流して、その背中に一撃を入れる。ロナは裏拳を綿先輩に当てようとするが、綿先輩はその手を掴むと投げ飛ばす。ロナは着地して、再び綿先輩に襲いかかっていく。
綿先輩は合気道の使い手だ。単純な運動能力こそキュウちゃんには劣るが、その技量はかなり高い。スポーツでは歯が立たなくとも喧嘩でなら、ずば抜けた身体能力を持つキュウちゃんとも渡り合うことができる。
対してロナは空手の使い手だ。その拳や蹴りは常人とは比べものにならないほどに鋭く重い。攻撃速度もかなりのものだ。本人の身体能力も非常に高く、キュウちゃんのそれに匹敵する。
要はどちらも僕が今回設定したヒロインの中ではかなり戦えるということだ。というより、皆藤さんと奏以外は皆戦える。そうしないと、こういうゲームを組み込みにくいからだ。
「まぁ、翻せば現状この三人でしか身体能力に頼らないといけないゲームはできないということなんだけどな」
僕は小さくため息をつく。だけど、別に悲観することは何もない。これから、どんどんヒロインを増やしていけばいいだけの話だ。どうせ、この物語に目的も終着点もない。
そんなことを考えているうちに戦いは進んでいた。戦況は傍目から見る分には綿先輩優勢だ。ロナの攻撃をことごとく捌きながら、的確にロナに攻撃を当てている。だが、ロナはロナで攻撃の手数を増やして、綿先輩の体に拳や蹴りを当てている。
今のところ、綿先輩が五発、ロナが三発分のダメージを与えているようだ。数は綿先輩の方が上だが、ダメージ量ではロナに軍配が上がる。
このゲームはただ相手に攻撃を当てればいいというものではない。相手にいかに大ダメージを与えるかが重要なんだ。なぜなら、相手に与えたダメージ量が大きければ大きいほど、相手の膀胱に蓄えられる尿量も増えるからだ。いかに手数で稼ごうが、それ以上のダメージを与えられれば一発で取り返されてしまう。
つまり、現状ほぼ互角かわずかに綿先輩が有利といったところだ。いずれにしても、まだ尿意を催すレベルまでは溜まっていない。まだまだこれからだ。
「あと数分くらいで状況が動くかな」
僕の読み通り、綿先輩がロナの攻撃を捌いて、隙だらけになったロナの首筋に手刀を叩き込んだところでロナに異変が起きる。地面に叩きつけられたロナは即座に立ち上がるが、一瞬だけ体を大きく震わせる。そして、チラリと下を見て、足を一回だけすり合わせる。
これを綿先輩は見逃さなかった。ニヤリと笑って、挑発しにかかる。
「どうしたの? もう限界?」
「ご冗談を。まだまだここからですよ!」
焦ったロナは再び一直線に攻めかかるが、そんな手はもう綿先輩には通用しない。あっけなく拳を受け流されると綿先輩は遠慮なくロナの背中に無数の打撃を叩き込む。
「あ…… っ!」
無慈悲の連撃を叩き込まれたロナはその場に崩れ落ちる。どうやら、本当に限界のようだ。その場にうずくまり、両手を股間にやって必死に尿意を我慢している。これは勝負あったかな。
「これでとどめよ!」
綿先輩はロナの脳天に手刀を叩き込むべく、右腕を振り上げる。勝利を確信しているからか、その姿はあまりにも隙だらけだ。ロナは一瞬何かをやろうとする素振りを見せるが、すぐに体を震わせうなだれる。そんなロナにとどめの一撃が叩き込まれる。
「あ、あぁぁぁぁぁ…… っ」
ロナは体を震わせながら、足下に大きな水たまりを作る。よく見ると彼女のスーツのスカート部分が色濃くなっている。勝負は決した。
綿先輩の完全勝利だ。何せ、彼女は尿意を我慢する素振りすら見せていないのだから。とはいっても、四発もらってるから、そこそこ尿意はあるとは思うけど。
しかし、そんなことも忘れて綿先輩は喜びを表情に出している。普段冷静な彼女があんな表情をするなんて珍しい。だけど、あんな表情を見られただけでもこのバトルをやった甲斐はあったというものだ。ちょっと、意味不明だけど。
とりあえず、これで綿先輩も二枚目の札を渡されたということになる。二人目は彼女に決定だ。
奏の時と同様、綿先輩をさっさとお持ち帰りするとして、その後のことはまた後で考えるとしよう。
今は綿先輩とどう楽しむかを考える方が重要だ。