いろいろ狂った少年が欲望を満たすために世界を創り、物語を作ります 作:黒椿
さて、梓を昨晩抱いて、今日で最後だ。いささか気が急いてるように見えるだろうけど仕方がない。物語が僕の手に負えなくなる前に終わらせないといけないんだから。
今日の標的は言わずもがなイセナだ。彼女を抱けば全てが終わる。そして、今回はとっておきのシチュエーションを使う。それは事前にも予告していた通り、天一の目の前でイセナを抱くというものだ。
そして、そのためには真奈の時の倍の準備が必要となる。けれど、それも大して苦ではない。何せ、これで今回の物語の核心を全て満たしたことになるのだから。
放課後、教室に入った僕はニッコリと笑いながら、イセナに話しかける。
「おいで、イセナちゃん」
そう言って僕はすでに催眠状態にしておいたイセナを学校終わりに僕が作った舞台へと連れ出す。彼女は少しも嫌がる素振りを見せずにこちらへと歩いてくる。僕は彼女を先導する形で歩き出す。当然、誰も気にとめることはない。
肝心の天一もこちらで仕込み済みだ。彼もこちらの予定通りの行動を取っているだろう。いずれにしても、彼女を先に舞台に移さなければ何も始まらない。
目的地はすぐに着いた。最初はラブホテル。次は洋風の豪邸。そして、最後に用意したのは和風の屋敷だった。別に何か意味があるわけでもない。何かこだわりがあるわけでもない。ここを選んだのは何となくだ。
ちなみに今回は前回のような協力者はいない。というより、できない。理由はまぁ、散々言ってるんだから分かるだろう?
……ごほん。さーて、じゃあ、手際よくやっていくとしようかねー……。
僕は玄関で靴を脱がせると、屋敷の中心にある大部屋にイセナを案内し、畳の上に座らせる。よし。ひとまず、これでこっちは準備OKだ。
「これでこっちは準備万端。お次は姫を奪われる哀れな王子様を呼ぶとしましょうかね」
もっとも、それにどれほど意味があるのかは分からないけれど。本当、自分の詰めの甘さにつくづく腹が立つ。
まぁ、まだ失敗すると決まったわけではない。そういうのはやってから決めるものだ。文字通りね。
「くだらないシャレ思いついてる暇があるなら、さっさとやるべきか」
そう呟いて、軽く指を鳴らす。すると、僕の目の前に催眠状態となり、自我が奪われた天一が両手両足を縛られた状態で出現する。
「ようこそ、天一。我が
「………………」
「ああ。ごめんごめん。催眠状態じゃ、何も話せないよね。待ってて。今すぐ、解いてあげるから」
僕はそう言って指を鳴らす。すると、天一はハッとした顔になり、すぐに呆然とした表情になる。
「ここは……」
「聞き取れてなかったみたいだから、今一度言おう。ようこそ、天一。我が
「創……!?」
天一は僕の姿を見て、驚愕する。まぁ、そりゃあそうか。彼はさっきまで帰路についていた。なのに、いきなり場所が変わったら驚きもする。
天一には今日は一人で帰ってもらっていた。そして、途中で彼に催眠をかけ、その間の記憶を奪い、ここまで転移させて連れてきたんだ。ついでに四肢を拘束してね。複雑な行動をさせるとどうなるか分かったものじゃないから、一人で家に帰るとだけ設定させてもらった。
さて、ある程度ネタばらしも終わったところで本題に入るとしようか。
「いろいろ聞きたいことはあるだろうけど、早速本題に入らせてもらおうか。今日君に来てもらった理由っていうのは端的に言うと、僕と彼女のセックスを見てもらおうと思ったんだ」
「なっ……!」
天一は再び驚く。そして、同時に僕の後ろにイセナが座り込んでいることに気付いたようだ。そんな彼に僕は畳みかけるように指を鳴らして、両側の障子を自動ドアのように開ける。すると、向こうからハイライトのない瞳で梓と真奈が入ってくる。二人とも学校を終えてすぐに連れてきたので制服姿だ。
ん? さっき、協力者はいないと言ってなかったかって? それは見紛うことなき事実だ。でも、僕は天一を嵌めるために人間を使わないとは言っていない。協力者とは自分の意志で協力する人間。こいつらは僕の力で自分の意志を奪われた人形だ。協力者はいないが天一を陥れる材料ならあるというわけだ。
「梓……真奈……?」
二人は僕の傍まで歩き、止まる。僕は天一に見せつけるように二人の腰を抱く。同時に梓、真奈の順に唇を奪う。
天一はそれをひたすら唖然とした表情で見つめていた。
「こいつらもすでに僕の手に落ちた。どうだい? 天一。自分に惚れ込んでいた女を他人に奪われる気分は……?」
イセナだけではひょっとしたら天一に寝取りだと認識されない可能性がある。何せ、二人の付き合いは極めて短い。もし、彼の目の前でイセナを抱いても寝取られたと感じないかもしれない。だが、この二人は別だ。真奈とも高校入学からの付き合いだし、梓に至っては幼馴染みだ。この二人をここに呼んだんだ。これで、少しは……。
「なぁ……」
「ん?」
「俺はお前が何をしたいのかは分からない。ただお前が俺に敵意を持ってるのは分かる。……お前はずっと
……やはりか。やはり、こうなるか。何となくそんな気はしていた。天一はハーレム主人公。ヒロインからの好意には鈍感で、おそらく本当に彼女たちの想いに気付いていなかった。だから、彼女たちを奪われても実感が湧かないんだ。
僕がそんなことを考えていると、天一はさらに話を続ける。
「なら、仕方がない。それがお前のやりたいことだって言うんなら、やってしまうのは仕方がない。だが、俺はお前が間違ってると……ぐはっ!」
僕は思わず、梓たちの腰から手を離し、天一の腹を蹴っていた。だが、それでは止まらない。止まれない。そのまま天一の髪の毛を掴む。
「うるさいなぁ。僕も結構イラついてるんだ。あまり、舐めたこと言ってると殺すよ?」
そう。この世界の僕は僕は実の母親が感情食いだったせいで銃撃されて殺されている。やったのは反感情喰いの連中だ。そして、実母を愛していたため、狂ってしまったということになっている。本当、やっていられない。
おまけに天一ともそこそこ長い付き合いということになっているから彼はこの事実を知っている。梓もだ。だから、二人の僕に対する反応がどこか遠慮がちだったんだ。これを知ったとき、僕は過去の自分をぶん殴りたくなった。
この物語を始めた目的はヒロインを寝取って主人公を絶望させることだ。こんなことを言わせたかったわけではない。
にしても……僕の過去を差し引いても、こいつも少しは怒ってもいいと思うんだけどね。好意に気付いていなくても、彼女たちは相当な美少女だ。思春期の少年なら、彼女たちに少しくらいは好意を抱いてもおかしくないと思うんだけど……。
「まあいいや。じゃあ、早速始めさせてもらうよ」
これ以上時間をかけても無駄だと判断した僕は始めることにする。天一を力で無理矢理絶望させることもできるけど、そんなことをしたって何の意味もない。
僕はイセナの上着を脱がせ、純白のブラを露出させる。……意外と清楚だな。まあいいけど。
ひとまずブラ越しに愛撫を始める。
「んっ……ふっ……」
まだ乳房を軽く揉んでいるだけで、頂には触れていないというのにイセナは艶やかな声を出す。そういえば、今、イセナは催眠状態か。まぁ、それがどうということもないけど。だって、この力があればどんなへたくそな愛撫でも女の子を感じさせることができるんだから。
僕はそのままブラを上げてイセナの胸を露出させる。もう、これ以上長引かせるつもりはない。早急に終わらせるべく、僕は一気に勝負に出ることにする。
僕は左手でイセナの胸に触り、右手でスカートをめくる。そして、イセナの純白のショーツを下ろして、秘部を露出させ、右手で彼女の陰部に触れる。
すでに充分すぎるほどに濡れていた。どうやら、ブラ越しにあれっぽっちしか触っていなかったにもかかわらず発情してくれたらしい。……なんて言うと、白々しすぎるか。
「くっ……ひゃんっ!」
「気持ちいい? なら、そのままイっちゃえ」
僕は耳元で囁く。彼女は、今、催眠状態だ。それはつまり……。
「あっ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
僕の言葉一つでイセナを絶頂させられることを意味する。僕はそれを見て、下を脱ぎ、イセナの絶頂の余韻も構わずに自身の肉棒を彼女の中に挿入する。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
一気に挿入し、勢いで処女膜を破ったというのにイセナはそれだけで絶頂してしまう。その顔からは痛みに悶えている様子は見られない。まぁ、何度でも言うけど彼女は催眠状態だし、仕方のないことかな。
もうこれで終わりでもいい気がしてきたけど、中に出さなきゃ、寝取りが成った気がしないので、僕は適当に彼女の膣の中に吐き出す。
……やばい。ここまで適当な性行為は初めてだ。まぁ、それだけ落胆が大きかったということか。
どこか投げやりに性行為を終わらせ、ふと天一の方を見てみると、天一は気絶していた。どうやら、あの蹴りで意識を失っていたらしい。まぁ、もうどうでもいいけど。
予想できていたとはいえ、目的であるハーレム主人公からの寝取りが不完全な形で終わってしまったんだ。寝取りそのものは成功したとはいえ、主人公が絶望し、怒り狂わなきゃ意味がない。それが達成できなかった時点でこの物語は大失敗だ。これ以上は何の意味もない。
やれやれ、結局天一の絶望した顔は見れなかったな。まあいい。どうせ、他人の絶望した表情なんて、その気になればいくらでも見れるんだから。
どっちにしても、これで終わりだ。もうこれ以上、この世界にいる理由もない。僕はイセナの服を元に戻し、二人を彼らの自室のベッドに寝かせる形で戻すと、そのまま元の世界へと戻っていった。
かなり駆け足になる形で終わりましたが、これにて第二章は終わりです
次回から第三章に入っていきます