いろいろ狂った少年が欲望を満たすために世界を創り、物語を作ります 作:黒椿
ロナは教室を見渡す。もはや、抵抗の意を見せなくなった生徒たちを確認すると改めて口を開く。
「それでは、さっそく細かなルール説明をさせていただきます。改めて申し上げますが、極めて重要な初戦についてのことなので聞き逃さぬよう願います」
そう前置きしてロナは話しはじめる。
「第一ゲームとして行われるのは『
満を持して適当にもほどがあるゲーム名をロナは言う。本当、僕ってネーミングセンスないよな。ちょっと、その辺は僕も地味に気にしているところだ。改善する気はないし、その意味もないけど。
「このゲームは我々が先ほど設置した仮設トイレを用いて行います」
「仮設トイレ?」
皆藤さんが全くハイライトの入っていない目で尋ねる。その顔は訝しげな表情をしているが、見る者が見れば人形のようにも見える。これでも、最悪の想定よりはマシなんだけどね。
「左様でございます。まずは仮設トイレの設置されている中庭に向かっていただき、そこで対戦者二名を選抜します。お二方には下着を脱いだ上で便座に腰かけていただき、これを飲んでいただきます」
ロナが教室の外に待機させていた女性メンバーに目配せをすると、その女性は小走りでロナの方へと近付いていく。その手には緑茶のラベルが貼られたペットボトルが握られていた。
そのペットボトルをロナに手渡すと女性は再び小走りで教室の外へと出ていく。
「これは利尿剤です。これを一本を飲むだけで、急激に尿意を促進させ、およそ三リットルもの量の尿が膀胱に蓄積されます」
三リットル。生徒たちは無反応だが普通に考えれば常軌を逸した数字だ。現実世界でそれだけの量の尿を膀胱にため込めば、どんな人間でもまず間違いなく破裂するだろう。ロナはサラッと言ってるが、この利尿剤は向こうでは絶対に使えない。
しかし、この世界ではそれだけの膀胱を蓄えたとしても何の問題もない。いくら、設定や調整が不十分とはいっても、僕の目的の根幹に近いところにある問題だ。さすがにその辺りはしっかりと設定してある。
結論から言えば、彼女たちの体にある膀胱に蓄える尿の量に限界はない。百リットルでも千リットルでも、それこそ無量大数を超える量でも溜めることができる。
それに加えて尿括約筋や尿道にも手を加えてある。どれほど、膀胱に尿を蓄えられたとしてもそれ以外が普通では話にならないからね。
そして、尿の大量排出による脱水の心配もない。いろいろと手を加えてある。まぁ、その辺りはまたいずれかな。
僕がこんなことを考えているうちにもロナは説明を続けていく。
「この利尿剤を勝負者二名が飲んだ上でゲームを開始とし、先に便器に放尿した方の敗北でございます。勝敗の判断基準ですが便器内に無数の小型カメラと高機能センサーが設置されており、センサーが勝負者の排出した尿が十ミリリットルを越えたと判断した場合、その方の敗北となります。以上で説明は終わりです。質問のある方はいらっしゃいませんか?」
要は利尿剤を飲んだ上で洋式便器にパンツを下ろして座った状態による我慢比べだ。先に尿意を我慢しきれなくなっておしっこした方の負け。最初ということもあって極めてシンプルなゲームだ。
だが、まだ説明し足りていないところがある。まぁ、この程度の綻びはもういまさらだ。諦めるしかない。その都度できる限りのフォローをしていけばいいだけの話だ。
ここはその綻びを補完するために僕自ら質問するか。
「ねぇ、先に一定量おしっこした方の負けって話だけどさ。もし、おしっこが一定量に達した時間がほぼ同時――たとえば、時間差が一秒以内とかだった場合はどうなるの?」
まさか僕が質問するとは思っていなかったのか、ロナは一瞬目を見開くがすぐに立て直して僕の問いに答える。
「このカメラはハイスピードカメラと同様の機能も備えていまして、十万分の一秒まで認識可能でございます。万が一目視による判定が不能なほど僅差だった場合、カメラによる判定を行い女性器から漏れ出た尿が先に出たと判断された方の敗北とさせていただきます。ですが、もし、その差が十万分の一秒よりも短い場合は引き分けとさせていただきます」
「分かった」
僕の問いにロナは頷く。そして、一度教室を見渡す。他に質問者がいないことを確認すると、ロナは改めて話しはじめる。
「他に質問がないようですので次の説明に入らせていただきます。本日より我々が開催させていただく放尿バトル。このゲームについての補足説明のようなものですが、ゲームにおいて創様が見ている状態で勝利すればこの札を手に入れることができます」
ロナは懐から一枚の札を取り出す。白地に真ん中に黒い文字で『尿』と書かれた札。あれもこの物語のキーアイテムだ。
「そして、これを二枚手に入れることで創様との性交渉を一度行う権利を手に入れることができます」
さっきまで沈黙を守っていた女子生徒たちはロナの言葉にざわつく。当然だ。何しろ、この学校の女子生徒は全員僕に好意を抱いているという設定なのだから。そして、その全員が僕に抱かれたいと思っている。二度勝つことでその権利を手に入れられるのなら、彼女たちも色めきだつというものだ。
ある一定条件下のもとで行われる試合で札を二枚手に入れること。言い換えれば僕とのセックスの条件は僕の見ている前で行われる戦いで二回勝つことということになる。
どうしてそんなことをするのかって? だって、これだけの人数がいる状態で乱戦でもやられたら条件を満たした女の子が大量に出てきちゃうじゃん。
今まで提示された情報だけ見ればそんな危惧することでもないように思えるけど、実を言うと管理している委員会のメンバーは体育館にいた六人だけじゃないんだ。それに加えて、僕はこの物語というものをまだまだ制御できていない。何度も何度も繰り返し言うが物語を体験しながら紡ぐのは初めてだ。何が起こるのかまだ分かっていない状態なんだ。最悪委員会メンバー全員が出張ってきて、学校中で放尿バトル勃発なんてことも起こりかねない。それはあまりうまくない。
もちろん、僕にも可愛い女の子たちを抱きたいという願望はある。だけど、十人以上の規模による大乱交を初っ端からやりたいとは思わない。できれば最初は男と女一対一の状態でやりたい。だから、万全を期すために僕が見ている戦いで勝つことというのを条件にさせてもらった。というより、そもそも僕の見ていないところで放尿バトルをさせるつもりはない。
まぁ、何か不都合が出てきたら都合のいいようにねじ曲げればいいだけの話だしね。
なんか僕、初めてばっかり言ってる気がするな。それを無意識に言い訳に使っているような気がする。そんなことしてもどうにもならないのに。
誰でも初めてはうまくいかない。それでうまくいくのはごく一握りの天才だけだ。僕は生まれつき強力な能力を持っているというだけで、この能力を差し引けばどこにでもいる凡人にすぎない。もちろん、これもまた無意味な言い訳にすぎないんだけどさ。
ダメだ。考えるほど泥沼にはまってくな。自分を擁護するために戯言を並べていても仕方がない。別にこの一つ目の物語で可能な限り技術を身につければいいだけの話なんだから。
割り切ってさえしまえば気が楽になる。僕は深呼吸をすると女子生徒たちのざわめきを止めさせ、ロナの方に視線を向ける。
「もちろん、我々にも創様に抱かれたいという願望がありますので、ゲームに参加することもあります。その旨はあらかじめご了承ください」
先刻までこの学校唯一の男子の方とか言っていたくせにもう僕の名前を呼んでいる。だけど、ここまでくれば関係ないから見逃すとしよう。どっちかって言うと、僕の設定ミスが原因だろうし。
「それでは、幸運な第一戦参加者を発表いたします。その参加者は……」
ロナはそこで一度溜める。そして、トーンを上げて参加者の名を告げる。
「皆藤茜様。そして、名護奏様のお二方によるゲームとなります!」
二人は突然名を呼ばれたことに驚愕の表情を浮かべた。
○○○○○
僕らのクラスは全員中庭に向かっていた。初戦を見届けるためだ。クラスメイトたちは皆藤さんと奏の方をチラチラと見ている。やはり、最初の対戦者ということもあり気になるのだろう。
そして、当の二人は緊張した面持ちで歩いている。周囲の視線なんか気にしている場合ではないという感じだ。
そして、中庭に来た途端に生徒たちの足が止まる。
「ここでゲームを行っていただきます」
生徒たちは困惑の色を見せる。そりゃそうだ。何しろ、壁も屋根もないむき出しの状態で洋式便器が二つ並べられていたのだから。一応、便器の周囲の床には上等そうなタイルが敷かれているが、違和感しかない。
昼休みまでにはこんなところに洋式トイレもタイルもなかったので、いつの間に作ったんだという疑問も出たようだが、委員会のメンバーがその疑問に答えることはない。
「それでは、対戦者二名。前へ」
呼ばれた皆藤さんと奏はおそるおそるといった様子で便器に近付いていく。だが、今は邪魔なだけの羞恥心は取っ払ってあるので便器に背を向けると何のためらいもなくパンツを下ろして腰かける。
「それでは、これをどうぞ。お二人が飲み終えたと確認したところでゲームスタートです」
二人は別々の女性メンバーにペットボトルを渡される。渡された際に一気に飲めという指示があったためか、二人はペットボトル内の緑茶を一気に飲み干す。それを女性たちに手渡した後二人の様子が一変する。
「…… っ!」
「こ、これは…… っ!」
「お二人とも飲み終えましたね。それでは、ゲームスタートです」
二人は体を震わせ太ももをもじもじとすりあわせている。未知の強い尿意に二人は必死に耐える。だけど、この分じゃ決着が着くまでにそんなに時間かからないかもね。
二人が尿意と格闘している中、便器の背後に地面から大きなモニターが現れる。モニターは出現するとすぐに画面を映す。そこには、二人の女性器が映されていた。
「便器内部に設置されたカメラの映像です。皆様には退屈しのぎも兼ねて、こちらを見てお楽しみいただければ幸いです」
ロナは冷淡にそんなことを言う。普通に考えれば、これで楽しめるのは僕一人だ。けど、ここに誰も文句を言う奴はいない。むしろ、みんなロナの言葉通り食い入るようにモニターを見ている。
僕も例に漏れずモニターをじっと見る。現実世界では力を使うことのない限り、まず見る機会のないだろう女性器。それを二つも――しかも美少女のを見ているともなれば興奮は止められないというものだ。
二人の女性器、いわゆるマンコというやつはどちらも綺麗だった。陰毛は整えられており、必死に尿意を我慢しているからか大陰唇とかいうのがヒクヒクしている。
「ん?」
そこでふとあることに気付く。同時に奏の女性器から一滴の尿がこぼれ落ちる。
「はぅっ!」
奏は大きく体を震わせる。だが、懸命に尿括約筋を強め耐え抜くことに成功する。
皆藤さんはそんな奏を横目でチラリと見る。勝負を有利にするために口で何かしら煽りたいところなんだろうが、彼女もそんなに余裕はない。というより、下手なことをすれば即決壊だ。だから、再び目と足をぎゅっと閉じて耐える。
「ひゃっ!」
だが、かすかに油断があったのか今度は皆藤さんが一滴漏らす。
よく見ると二人はもう我慢の限界だ。足がガクガク震えている。そりゃそうだ。いくら、膀胱や括約筋を無尽蔵に強化したところで、それを扱う二人が素人なのだから我慢できる時間も限られてくる。おまけに二人を襲っているのは二人の設定上、未だかつて体験したことのない未曾有の尿意だ。むしろ、よくここまで耐えられているものだ。
今なお耐えられているのは、ここで勝てば僕に抱かれるための大きな第一歩になるからだ。だけど、それもすぐに終わりを告げる。
「あっ! ダ、ダメエェェェェッッ!」
皆藤さんが不意に大声でそんなことを叫ぶ。奏はその声に驚いて体を震わせるが、すぐに強烈な尿意が襲ってきたため別の意味で体を震わせる。しかし、それさえ耐えきれてしまえば、もう勝ちだった。
「あっ…… ああぁぁぁっ……」
皆藤さんは虚な目で虚空を見つめる。その直後に我慢の堤防が決壊して凄まじい勢いで尿を放出する皆藤さんの女性器がモニターに映っていた。確認するまでもない。もう勝負はついた。
「皆藤茜様。十ミリリットル以上の放尿を確認。よって、勝者名護奏様。名護様。勝敗は決しましたので、もう開放しても構いませんよ」
「ふううぅぅ……」
奏はロナの言葉に一瞬きょとんとした顔になり、すぐに蕩けた顔になる。モニターを見れば、こちらにも、もの凄い勢いで放尿をする女性器が映っていた。
向こうでは絶対に見れないレベルの大放尿をする二人だがその表情は対照的だった。奏は気の抜けた――安心しきった表情で放尿してるし、皆藤さんはその瞳にうっすらと涙が溜まっている。だが、どちらも我慢から解き放たれて蕩けきった表情をしていることには変わりない。
これが僕の見たかったものだ。ようやく念願が叶った。
これからも当然これを続けていく。美少女もたくさん抱くことになるだろう。これからが楽しみで楽しみで仕方がない。寸分の疑いようもなくここは天国だ。
僕は未だに放出し続けている二人の