いろいろ狂った少年が欲望を満たすために世界を創り、物語を作ります 作:黒椿
土曜日になった。今日は雲一つない快晴で七月ということもあり、紫外線が相当に強い。出不精な人間なら天地がひっくり返っても外に出ることがないであろう日に僕は市内にある一つの駅の表口正面にある広場で突っ立っていた。
休日ということもあって、それなりに人が多い。しかし、混雑しているというほどではない。僕は広場の真ん中に植えられている木の木陰にいて時間が来るまで涼んでいた。
ここは『
御託はここまでにして、僕は今日なぜここにいるのか。それはヒロインの一人とデートするためだ。休日にヒロイン
不完全を補填するための足しにするために。
ふと広場に設置されている時計を見た。約束の時間まであと十五分。ここに来てから五分ほどしか経っていない。思っていた以上に時間の流れが遅く感じる。
でも、その辺も割り切るしかない。たとえ、この世界の全てを統べていようと正当な理由なしに女の子を待たせる気にはなれないしね。
それにどうやらこれ以上待つ必要はないようだ。僕の待ち合わせ相手である皆藤さんは駅から出てすぐに僕の姿を認めるとこっちに走ってくる。
僕の近くまで走り寄ってくると、肩で息をしながら話しかけてくる。
「待った?」
不安げな表情をしている皆藤さんを安心させるために僕はできるだけ朗らかな笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ。ていうか、皆藤さん早いね。まだ約束の時間まで十五分もあるよ。そんなに急がなくても、ゆっくり来ればよかったのに」
「遅れるわけにいかないから早めに出たの。でも、びっくりしちゃった。早く着きすぎちゃうかなって思ってたのに、空井くん、もう来てるんだもん」
「あはは。いや、今日が楽しみで楽しみで仕方がなくてさ。何しろ、皆藤さんみたいな可愛い女の子とデートできるなんて人生そんなにあるもんじゃないだろ?」
「かわ…… っ!」
僕の言葉に皆藤さんは顔を真っ赤にしている。よく考えるとこれ結構チョロいよね。いや、ちょロインだからこそいいのか?
まぁ、簡単になびかない女を落とすほどの甲斐性のない僕にはこれでちょうどいいか。それに可愛いのは本当だし。
白のノースリーブのシャツにピンクの半袖カーディガンを羽織り、下は水色のミニスカート。そして、左手には青い手提げバックを持っている。それなりに気合いの入った服装なのではないかと個人的には思う。
だからか、普段の制服とはまた違った可愛らしさがあった。
僕は彼女の姿を見ながらも、未だに顔を真っ赤にして静止している彼女に話しかける。
「あれ? どうしたの? ボーッとして。せっかく早く集まったんだし行こうよ」
「う、うん」
僕の言葉に皆藤さんはかろうじて再起動する。そういえば、彼女は昨日僕におしっこ姿を見られたという恥ずかしさも残ってるんだっけ。
いや、この様子だと残ってないのかな? やばい。この体になってからまだまだ感覚を掴めてないから、いろいろ綻びが出てる。
って、落ち着け。こんなの綻びのうちに入らない。何を一人でわたわたしてるんだ、僕は。
内心の混乱などおくびにも出さずに僕は皆藤さんに右手を差し出す。突然右手を差し出されて、皆藤さんはきょとんとした表情になる。
「せっかくだし、手を繋いで行かない? 皆藤さんが嫌じゃなければの話だけど」
僕の言葉の意味を理解したのか、皆藤さんはあっと声をあげると満面の笑みを浮かべる。
「うん。そうだね! そうしよう!」
嬉しそうな表情で僕の手を取ってくる。その表情を見ると彼女が僕に強い好意を抱いているのがよく分かる。
僕らは手を繋ぎながら街並みを歩いていく。
「さて、どこ行こうか?」
「そういえば、どこかに遊びに行こうって約束してただけで、どこに行くか決めてなかったね」
正直、僕はどこに行こうが構わない。少しくらいは
そうなると……。
「どこがいい? 皆藤さん、好きに決めていいよ」
「いいの? でも……」
「確かに誘ったのは僕だけど、どこかに行きたいってはっきりと決めてたわけじゃないんだ。だから、行きたいところがあったら皆藤さん、好きに決めていいよ」
「うーん。それだったら……」
皆藤さんは右手を顎に当てて考え込む仕草を見せる。そして、何か閃いたような表情をする。
「じゃあ、カラオケなんてどうかな?」
そう来たか。これはこれで好都合だ。
「いいね。店は…… 言うまでもないか」
「うん。ここからなら、あそこしかないもん」
来偉市内にカラオケは何個かあるが、雨降駅周辺となると一つしかない。
僕らはそのカラオケ店に向かった。駅からカラオケ屋までは歩いて五分程度の距離だ。そんなに大して歩くわけじゃない。
その道なりで僕らは適当に話していた。
「ふふっ。そういえば、初めてだったよね。空木くんとカラオケ行くの」
「そりゃそうでしょ。そもそも二人で出かけること自体初めてだもの」
「それもそうだね。それにしても、楽しみ。どんなのかな? 空木くんの歌声」
「僕は皆藤さんの歌声の方が楽しみだけどね。確かテレビ番組かなんかのカラオケ大会で優勝したんでしょ?」
「一回だけだけどね。あの時は調子がよかったから。自分でも信じられないくらいうまく歌えたから優勝できたの。あんなの、もう二度とできないよ」
口では謙遜しているが、彼女は歌がうまい。それに踊りもうまい。その容姿も合わさって街に出ればアイドル事務所からのスカウトをしょっちゅう受けてるという話だ。もし、彼女がアイドルになったら大ブレイク間違いなしだろう。
まぁ、今回は
「そうかなぁ。皆藤さんなら何度でも優勝できちゃいそうな気がするけど」
「もう。やめてよ。そんなこと言われたら照れちゃうよ」
「あはは。ごめんごめん」
皆藤さんは頬を赤らめて指をもじもじしながらこちらを見てくる。僕はうっすらと笑いながら謝る。
「あ。着いたね」
僕らの前には大きくそびえ立つ建物があった。ここがカラオケ店だ。都市部なんか行くとビルにテナントとして入ってるってパターンが多い。それは少ない面積で店を営業するためなんだけどここは違う。この辺も駅に近いのもあって地価は結構高いはずだから、この世界ならともかく現実世界でなぜ営業できてるのかは僕もよく分からないけどね。興味もないし。
とにかく、二人で店に入ることにする。受付をすませた僕らはマイクとドリンクバー用のコップを渡されたカゴに入れて指定された個室へと入る。
「まずはドリンクバーで飲み物でも取ってくる?」
「うん」
僕らは曲を入れるより前に飲み物を取りに行くことにする。僕はジンジャーエールをコップに注ぎ、皆藤さんはウーロン茶をコップに注ぐ。
そして、僕らは個室へと戻っていった。
僕らはまず交互に曲を入れることにした。僕は少し古めのポップス。皆藤さんは最近発売された恋愛ソングを歌った。
プロ級と言っても過言ではない皆藤さんほどではないが、僕もそれなりに上手く歌えたと思う。その証拠に僕が歌い終わった後、皆藤さんは感心したという顔をしていた。
「すご~い。空井くんって歌上手なんだぁ……」
「それなりに歌い慣れてるからね。初めて歌う歌だとこうはいかないよ」
「そっか。でも、本当に上手だったよ」
どうやら、かなり好評だったようだ。それから、皆藤さんは素晴らしい歌声で一曲を歌い終わった後、ウーロン茶を口につける。
それから、僕らは二曲ずつ交互に歌った。そこで皆藤さんがもじもじと太ももをすりあわせる。
「あの。空井くん。私、ちょっとトイレ行ってくるね」
「ああ、うん。いってらっしゃい」
僕は笑顔で皆藤さんを見送る。皆藤さんは小走りで部屋を出ていく。
さぁ、このまま彼女の後を追ってもいいけど、せっかくだからこいつを試してみよう。
僕は固執のモニターを見る。そこには先ほどまでのカラオケの画像ではなく、女子トイレの画像が映っていた。
すぐに切羽詰まった様子の皆藤さんが中に入ってくる。皆藤さんは三つある個室のうちの一つに入ると鍵を閉める。
するとカメラ画像が切り替わる。皆藤さんが入ったのは和式トイレだ。彼女は大急ぎで黄色のパンツを下ろすと便器にしゃがみ込む。
するとすぐに彼女の秘部からものすごい勢いでおしっこが放出される。
「ふぅ……」
皆藤さんは安堵のため息をつく。どうやら、結構ギリギリだったらしい。昨日ほどではないが、見事な尿線だ。
当然、これにはタネも仕掛けもある。だけど、僕自身は何もしていない。
昨日皆藤さんと奏に使ったあの利尿剤を使う手もあるにはあった。だけど、それを投入すれば彼女は歌うどころではない。もっと弱めのやつを使う手もあるが、それよりもカラオケ特有の現象を使うことにした。
それはカラオケに入るとおしっこが近くなるというものだ。
もちろん、これは人それぞれだが多くの人間は歌を歌えば喉が渇く。そして、ドリンクバーで取ってきた飲み物をがぶ飲みする。必然的に体内に多くの水分が入ることになり、おしっこが近くなる。極めてシンプルな図式だ。これを僕は利用した。
皆藤さんは歌い終わった後にコップ一杯分の飲み物を一気飲みする。そして、それを補充しまた口につける。
そんなことをしていれば、そりゃトイレも近くなる。だから、僕は何もしていない。彼女のキャラを利用しただけにすぎないんだ。
一応、このカラオケの女子トイレの個室は四つあり二つが和式、二つが洋式という風になっている。トイレとしてはそこそこ大きい方だろう。彼女に和式洋式両方使わせて、そのおしっこ姿を堪能するというのもありだけど……。
「次あたりで少しけしかけてみようかな」
ようやく全てを出し切った皆藤さんを見て僕はほくそ笑む。見られているとも知らずに、皆藤さんはトイレットペーパーを取り出して秘部を拭きパンツを上げて便器の水を流した。