21時劇場「けものお水」 24話
俺がマーゲイの手を触れてしまってから、彼女ははっきり言って様子がおかしく異常だった。そこに出かけていたヒグマちゃんが帰ったきた。
「ヒグマ、マーゲイが大変なんだ。俺は何もしていない。信じてくれ」
「ええ、分かっているわ。」
パニックになったマーゲイを見てもヒグマちゃんは
冷静だった。
「マーゲイ、もう大丈夫だからね。お薬う飲もうか」
ヒグマちゃんがどこからか薬を持ってきた。薬品名
レキソタン。ベンゾ系だった。それで察した。
「ごめんな、俺は出て行った方が良いかな」
「そうほうがが良いと思う」
踵を返して出ていこうとすると、過呼吸気味のマーゲイが弱弱しくつぶやいた。
「ごめんなさい。あなたに悪気はないってわかっていたのに。こんなの事になって…」
「気にしてないから。またゲームで遊ぼうな」
「うん」
一番辛いのはマーゲイだろうに、原因の俺を気遣う
彼女に、喉の刺さった骨のような嫌な罪悪感が強い。
レキソタン、つまり精神安定剤。彼女の過去に何がったのだろうか。色々と嫌な考えを振り払えず、
全てを忘れたくて愛車を飛ばす。そこに電話が入った。
「としあき、さっきは大変だったね。ゴメン」
「ヒグマちゃんが謝ることはないよ。大変なんだね」
「マーゲイは色々あったから」
「あえて聞かないでおくよ。なあヒグマちゃん。
俺ってマーゲイに会ってもいいのかな?」
電話の先のヒグマちゃんは無言だった。悩んでいるののだろう。
「難しいけど、としあき私はあなたにいて欲しいな」
「わかった、ありがとうな」
最近は衝撃的なことが多い。彼女はただの男嫌いではないらしい。今まで俺はフレンズの事を全然知らなかった。彼女たちも大変なんだな。それでも
「今の人生なんか楽しいな」と
不謹慎に呟いてしまった。
悩んでいてもしょうがない。違う子に会いに行こう。
「こんばんわー。ワシミミズクちゃんいる?」
「待っていたのですよ。としあきさん、良い話があるのです」
「え、何?」
「前の彼氏ときっぱり別れたのです。これからは
私はあなただけのモノなのです。」
「ありがとうワシミミズクちゃん。愛してる」
細身の彼女を抱きしめる。マーゲイにあれだけ拒まれていたから俺を受け入れてくれる彼女が愛おしい。
しばらくの抱擁のあと、ちょっと聞いてみた。
「フレンズって生きるの大変なか?」
いきなり聞くのはストレートすぎたかもしれない。
「正直に言うと大変なのです。我々は目立つので
色々あるのですよ」
その「色々」を知りたかったが、デリケートな問題なので追及はできなった。