※この作品はR-18です。

そっくりなアイツ   作:もっち~!

10 / 62
03/13 誤字を修正


消えた捜査資料

部屋に戻るとテッサとかなめがいた。俺を何故か睨んでいる。

 

「何?何か用か?」

 

「今日こそ、真実を話してもらいたいの」

 

って、テッサ。真実?何の真実だ?

 

「この前の話…矛盾があるのよ」

 

「矛盾?俺の記憶が曖昧だからな。それはあるだろうよ」

 

「あんたの妹分は左胸を撃たれたのよね?」

 

あぁ、そういうことか…宗介は右利きだものな。

 

「宗介が撃てば、右胸が被弾するってことか」

 

「そう…どういうこと?」

 

「じゃ、俺が撃ったんだよ。宗介のせいにして、すまなかった」

 

「アンタ…左利きでしょ?」

 

何故知っている…狼狽える俺。ニヤリとしたテッサ。

 

「あと、もう1点…宗介はエンジェルダストを打たれていたんだよね?」

 

「そうだけど…」

 

あっ!俺はやらかしていた。

 

「気づいたようね♪」

 

勝ち誇った表情のテッサ。押し倒してヒィヒィ言わして黙らしたい。だけど、かなめがいるので、そんな目眩まし的な誤魔化しは出来ない。

 

「宗介の死体は綺麗だった。首筋を斬り裂かれた以外はねぇ…」

 

あぁ、そうだ。俺に出来るのはそれくらいだ。

 

「あれを打つと肉体増強され、体格すら変わるはず。後、首筋を切った程度では死なない」

 

どう誤魔化すかな?

 

「真実は何?」

 

テッサの睨みはそうでも無いが、かなめの睨みは堪える。何かに耐える様な視線を送ってきている。

 

「本当は宗介が彼女に打ったんじゃないの?」

 

俺は無意識に天を仰ぎ見てしまった。

 

「そうなんだ。どうして、宗介が打ったの?」

 

「あのバカにエンジェルダストは効果がなかった。鎮痛剤程度の効き目だったようだよ」

 

「へ?マジ?」

 

テッサの質問に頷く俺。

 

「で俺と宗介がタイマンで戦っている処に、彼女が割り込み、宗介が誤射しちゃったんだ。怪我じたいは命に別状の無い程度だったけど、物凄く痛そうな声を出してね。動揺した宗介が鎮痛剤代わりに打ってしまった」

 

目が点になっているテッサとかなめ。エンジェルダストを鎮痛剤代わりに使うヤツなんて、宗介くらいな物だ。リョウでさえ変貌し、禁断症状に苦しんだそうだし。

 

「打った瞬間、彼女の肉体は変貌した。そのことに宗介は更に動揺して…アイツは彼女を…俺が仕留めようとした。だけど、ナイフではまるで刃が立たなかったんだ」

 

絶句状態の二人。まぁ、そのくらいの衝撃だよ。相良宗介というヤツが動揺するなんて、俺も信じたくないし。

 

「そして、モンスターを退治した後、アイツはしでかした事の重大性に気づき、自ら…だけど、自殺したら地獄行きだ。だから、アイツが引き金を引く前に、俺がナイフで喉をかっきった。それが真実だ」

 

彼女の変貌振りを見て気づいたんだと思う。軍部はアイツを更に化け物にしようてしていたことに…

 

二人を残してリビングへ降りた。

 

「自殺しなくても、傭兵は全員地獄行きだ」

 

って、リョウ。

 

「気休めだよ。リョウだって、海坊主に、塩をおくるだろ?」

 

「まぁ。1つ訊く。お前は復讐を望んでいるのか?」

 

「望んでいない。今の生活を大切にしたいだけだ。それをジャマするなら、全力で排除する」

 

「わかった。じゃ、リョウちゃんは夜遊びに行きま~す♪」

 

夜遊びなぁ…ドンキーにでも行くかな?

 

 

 

---江戸川コナン---

 

朝早くから事務所で揉めている声が聞こえた。盗聴器で会話を盗み聞きしている。

 

「警部殿…アイツ、生きているんですか?」

 

「毛利君、あの時のことを想い出しくれないか?」

 

「逮捕しましょう!アイツが犯人に違いない」

 

「それは無いわ」

 

知らない女性の声。

 

「どうして?」

 

「彼には証拠資料を隠滅せる動機も手立ても無い」

 

「いやいや、戸籍を売られたって、それこと信憑性が無いだろ?」

 

「今、特捜部で再捜査を始めましてね、当時の証拠品を1つ1つ再検証しています。それでわかったのは、自殺した少年のDNAサンプル及ぶ分析結果の資料が消えていたの。これはどういうことかしら?」

 

「アイツが処分したんだろ?」

 

「彼にDNAサンプルを提出して貰って、科捜研で調べてもらったら、心中した両親の子供であるって証明されたわよ。あぁ、これがその結果」

 

「なんだって…じゃ、あの死体は?」

 

「だから、それを知りたいの。あの死体は誰?で、彼が戸籍を奪われたことは、証明されたってことよ。そうでしょ、目暮」

 

え?あの女性、目暮警部より、上の階級なのか…

 

「えぇ、彼が戸籍を奪われたことは認めます。今更でしょうけどね…」

 

「そうよ!今更、認めても、彼の失った物は、もう戻らない。失った戸籍は二度と戻らない。妃弁護士、そうでしょ?」

 

蘭の母親もいるようだ。

 

「えぇ、無理ですね。前代未聞なこと。最高裁で審議しても結果が出るまで10年、20年はかかるかもしれない。前提条件として、警察が捜査のミスを謝罪することが必要です」

 

誰の話で揉めているんだ?

 

「彼が生きている間に戻る可能性は低いと思う。だから、特捜部としては、彼に犯罪被害者保護プログラムを適用させます。担当弁護士に妃英里を指名します。今後、彼に直接接触はしないでくださいね」

 

「はぁ?犯罪者かもしれないんだぞ!隠蔽するのか?」

 

おっちゃんがエキサイトしている。

 

「じゃ、訊きます。彼の両親のDNAデータは科捜研に残っていました。だけど、あの少年のDNAデータは残っていなかった。そもそも、科捜研ではあの少年のDNAを検査した記録が無いの。毛利元刑事に訊きます。どこで検査したんですか?」

 

「え?鑑識か、科捜研だろ」

 

「鑑識でDNAの検査は出来ない。それとも警視庁の鑑識は優秀で出来たんですか?ねぇ、目暮!」

 

「出来ません…せいぜい、血液型の検査程度です」

 

目暮警部が追い込まれている。誰だ、あの女性は?

 

「毛利元刑事、これは大事なことですよ。彼の戸籍を買った人物が誰なのか?そして、あの死体は誰なのか?で、どこでDNAの検査をしたのですか?この資料にはあなたの署名入りで、両親と死体の少年は親子関係であると断定しています。あなたは、どの資料を見て断定したのですか?」

 

まさか、おっちゃん、えん罪事件を起こしたのか?

 

「DNAの検査結果を踏まえてだ!」

 

「だから、どこで検査をしたのですか?」

 

「科捜研か鑑識に決まっているだろ?」

 

「はぁ~、目暮、千日手なんだけど…」

 

「すみません。毛利君、では誰がサンプルを、検査機関に持ち込んだのかね?」

 

「それは…捜査員の誰かでしょ。自分は持っていってません」

 

「目暮、誰に持っていけって、命じたの?」

 

「え?私は命じていません。毛利君の資料を見て、断定したんですから…あっ!」

 

「やっと、目暮も分かったわね。そう、偽の検査結果を紛れ込ましたヤツがいるのよ」

 

「では、再度、サンプルを得れば」

 

「はぁ~、今度はそこなの?目暮…いい?じゃ、訊くけど、あの少年の遺骨はどこにあるの?あと、彼の両親の遺骨はどこ?まだ、彼に返却されていないんけど。もっと、言えば、彼のお姉様の遺骨も返還されていないわ。どこに保管してあるの?」

 

「それは、墓地でしょ?」

 

「彼の両親が入る予定だった墓地はもうないの。お寺が処分したそうよ。何も入っていないし、相続人もいないから」

 

「なんですって…」

 

「だって、唯一の相続人の彼は戸籍が無いのよ。相続する権利さえ無いの。警察の犯した失態のせいでね」

 

「う~…」

 

「警察専用の無縁墓地は?」

 

「その4人が納骨された記録は無いの。持ち込んでいないってこと。どこに、持ち込んだの?当時の捜査陣は…ねぇ、目暮!」

 

ますます、目暮警部が追い込まれていく。この女は誰だ?

 

「妃弁護士、わかったかしら?再捜査しようにも、資料が残っていないのよ。どうすればいいの?」

 

「なるほど、警察内部で、何かあったってことですね」

 

「そうよ、理解が早くて助かるわ。そこの元刑事は使い者ならないし」

 

「なんだと~!」

 

「だって、そうでしょ?アンタの作った資料で、被疑者死亡で事件が終わったんだから。この節穴刑事め!」

 

「ねえ、お母さん…彼はどうなるの?」

 

何?なんで蘭がいるんだ?

 

「聞いた通りよ。最大限に手助けしても、犯罪被害者保護プログラムさえも受けられないかもしれない。これが現状…ごめんね。力になれなくて…蘭…」

 

まさか、アイツが、えん罪被害者なのか…

 

「でも、できる限り、彼を護れるようにする。だから、蘭は彼を支えてあげなさいね」

 

「うん♪」

 

どういうことだ?アイツは犯罪者でなくて、被害者なのか?

 

 

 

---マッキー---

 

いつもの様にドンキー詣で…今日はテッサもかなめもいない。なので、欲しい物を物色できていた。が…乾いた音、咄嗟に避ける。目の前の客の額に穴…吹き出す血液。店内は一瞬でパニック状態である。

 

店内で狙撃?どこのバカだ?

 

店を出て、ホテル街へ逃げ込む。乾いた音、避ける俺。目の前を走行していたトラックが爆発炎上している。狙撃手は3名か?トライアングル射撃?たぶん、俺を公園に誘導しているんだろう。巻き添えの被害者を避けるはずと読んでいるのであろう。

 

公園に急ぐ俺、ブルートゥースのヘッドギアを付け、香へ連絡をした。

 

「狙撃された。今のところ2発が誤爆だ」

 

「ドンキーのあれは、誤爆か?」

 

「そうだ。あと、西口で誤爆によりトラックが爆発炎上中。俺は公園に向かう」

 

「了解。反撃できそうなら、誤爆はするなよ♪冴子には連絡しておく」

 

「後、安室も…」

 

「あぁ」

 

よし、公園へ到着。俺だったら、あのビルの屋上か、ヘリ…ローター音が近づいて来た。それも民需用では無いローター音だ。相手は戦争のプロか?まさか、宗介の仇討ちでテッサか?

 

応戦できそうな場所を探す。

 

スマホに着信…安室だ

 

「生きているな。10分後に行ける」

 

「軍用ヘリが近づいている。機体はまだ目視できていない。スナイパーもだ」

 

「なるべく、応戦はするな。逮捕はしたくない」

 

「死ねばいいのか?」

 

「それはもっと困る。生き延びろ!」

 

通信が切れた。スマホを見ると圏外だった。アンテナを破壊しているのか…、そうなると、あのビルか?

 

乾いた音、振動する空気。俺は、反撃をした。

 

 

 

---キャンティ---

 

漸く、この日が来た。あのベルモットのお気に入りの工藤新一を消し去る日が♪スコープで彼を捉えている。確実の額に穴を開けてやる♪

 

引き金を指で引く。距離は1500…問題無い距離だ。

 

バリン!

 

有り得に音…有り得ない激痛…なんで…誰に狙撃されたんだ?破壊されたスコープが目に入った。スコープを撃ち抜いたのか、効き目から流れる血液、遠くなっていく意識…

 

 

 

---コルン---

 

有り得ない…軍用ヘリが…墜落している。ビルの屋上に目をやると、血の海にキャンティが倒れていた。あの距離で狙撃したのか?短銃で…有り得ない。墜落するヘリからヤツを狙い、ヒットする…目の奥に走る激痛…地面に激突するヘリ…俺の意識はそこまでだった。

 

 

 

---安室透----

 

現場に着くと、ヘリらしき物が大炎上していた。アイツの姿はどこにも無い。生き延びてくれたようだ。狙撃手のいたポイントへ行くと…血の海の真ん中にキャンティが倒れていた。効き目を撃ち抜かれ、弾丸は後頭部へ抜けていた。スコープは単なる筒になっている。まさか、アイツって…

 

凄腕のスナイパーの噂を聞いたことがある。狙撃専門のスナイパーでは無く、ガード専門のスナイパーだと言う。彼は相手のスナイパーのスコープを撃ち抜き、効き目から弾を入れて脳を貫通させて、相手を倒す凄腕らしい。『スナイパーキラー』と呼ばれているそうだ。

 

キャンティが相手ってことは、黒の組織は、彼を工藤君と誤認したのであろう。バカなことをしたもんだ。戦争のプロを相手に選ぶなんて…

 

次にヘリの検証をする。消火されたヘリを捜査していく。体格からするとコルンもやられたのか。スコープを見ると撃ち抜かれていた。アイツ、ドンキーに行ったんだよな?何を使って、逆狙撃したんだ?

 

うん?ヤジ馬達の中に冴羽を見つけたので、近づいた。

 

「相手は誰だ?」

 

冴羽に訊かれた。

 

「工藤新一君の命を狙っている黒の組織だ。ソックリだから誤認されたんだろう」

 

「そうか…どんな理由でさえ、俺達にケンカを売るなら、買うだけだ」

 

「おい!東京を戦場にするなよ」

 

「しない。アイツが哀しむ。ドンキーがなくなるとな♪」

 

そうだな。アイツはドンキーとポアロのナポリタンが大好物だし。

 

「それよりも、アイツは護身用に何を持っているんだ?」

 

「ナイフ…後、とある軍が開発した短銃タイプのリニアガンだ」

 

リニアガン?

 

「リニアモータを応用した、あれか?」

 

「そうだ。アイツ専用にカスタマイズされている。最大狙撃距離は10キロで、銃口からの射出速度は500キロを超える。へたすれば音速でターゲットを撃ち抜くぞ」

 

「スコープは何を使っているんだ?」

 

通常のスコープでは10キロなんて遠距離は覗けない。

 

「使っていない。銃の発射音と空気の揺らめきから、敵の位置を把握して、撃っているだけだ。あいつの位置把握能力は化け物クラス。難点は、反撃しか出来ないことだ。カウンタースナイプ専用だよ、あいつはな」

 

なるほど…ガード専門って、そういうことか…

 

「アイツを狙撃することは不可能だ。接近戦も難しいだろうな、あのナイフスキルは化け物だし」

 

「無敵だな」

 

「そうでもない。女に寝首を掻かれて死ぬと、俺は思っているよ♪」

 

あぁ、手癖が悪いもんな…アイツは…

 

 

 




マッキーの得物がちょっとSFチック…(^^;
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。