---野上冴子---
警視庁捜査一課、目暮班の警部補である佐藤美和子から、相談を受けた。
「工藤君と関係を持ってしまいました」
と…工藤君とは、警察に協力してくれている高校生探偵の工藤新一のことである。
「蘭ちゃんの彼氏なのに…」
蘭ちゃんとは、捜査一課OBである毛利小五郎の娘の毛利蘭のことである。工藤新一と毛利蘭が付き合っていることは、捜査一課では有名な話であるのだが…
「彼のことが忘れられないんです」
って…厄介な事件だな…捜査関係者との色恋沙汰は面倒である。
「どうして、そういう関係になったの?」
佐藤美和子は、身持ちの固さでは定評がある女刑事である。その彼女が簡単に恋に堕ちるとは思えない。
「彼、槇村秀幸って名乗っていまして、西新宿で何かの捜査をしているので、気になって近づいたら、近づきすぎちゃって…」
槇村秀幸…なんで、その名前がここで出るんだ?工藤新一は何を捜査しているんだ?槇村秀幸とは、私のかつての恋人の名前だ。警察を辞め、ある組織に殺されたのだが、選りに選って、その名前を使う意図はなんだ?
「わかったわ。私が接触して、何の捜査か訊いてみるわ」
「お願いします。で、私はどうしたら…」
「彼の真意を訊いてみる。結論はそれからにしましょう。彼が本気にあなたに走るって言うなら、あなたを応援するわよ♪」
「ありがとうございます」
笑顔が戻った佐藤美和子。さて、どう接触するかな?
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新宿…槇村の相棒だった、もっこり大王のヤサが近いので、槇村が逝って以来、余り近づかないようにしていた。なんで、工藤新一はこの街に、あんな名前で出没しているのよ~!
足は自然と、槇村と良く来ていたバーに向かっていた。バーの入り口はすぐそこ…その入り口から槇村の妹が出て来た。その後に距離を空けて工藤新一がいる。あれは、槇村の妹のガードのようだ。工藤新一にガードのスキルがあると思えないが…試してみるか…工藤新一と、すれ違い様に制圧をしてみた。結果、私は意識を刈り取られた。
意識が戻ると、どこかの地下室にいた。手足は拘束され、視界は奪われていた。
「あぁぁぁぁぁ~!」
下腹部を指が這っている。その刺激は、一気に私をいやらしいメスへと導いてくれた。
「なんだ…溜まっているんだな」
「うっ…うぅ~」
下腹部に口を付け、直に漏れ出た液体を吸われている。佐藤美和子はこれで堕ちたのか?私も堕ちそうだ…
「えっ!」
彼の舌が体内の入り口付近を舐めている。なんだ、この刺激…指で弄られるより、気持ちが良い。もっと奥まで…
「あっ…いいよ…突いて…」
彼が入って来た。お強請りする私。力強い波動により全身が揺さぶられていく。
パシッ!パシッ!パシッ!
と、乳房がアンダーバストを、ムチ打ちしている音がする。こんなに激しく乳房が踊ったことは無い。彼はテクニシャンなのか…マズい、私も堕ちたかもしれない。
唇に彼の唇が重なった。積極的に彼の口の中に舌を送り込む。私の舌は吸い込まれて行く。千切れそうな痛みが、気持ちいい。もっと虐めて欲しい。もっとズタズタにして欲しい。言葉には出せないけど、心が叫んでいる。
私はエムだったのか…首に縄が巻かれている。口で彼のモノを頬張り、股間に通された縄を自分で引っ張って、自分自身をいたぶっている。
「もっと、ください…」
「溜まり過ぎだな…男日照りか?」
「はい…そうです」
彼に対して、素直になっている私。
「どうされたい?」
「もっと、刺激をください、ご主人様」
今の私にプライドは無い。飢えたメス犬である。貰えるモノは全て欲しい。ご主人様にお強請りをしていく。
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いつの間にか意識が飛んだようだ。ここはどこだ?視界は奪われたままだ。
「なんで、冴子が…おい、これはどういうことだ?」
え?もっこり大王の声。まさか、彼はもっこり大王に師事していたのか?
「リョウの知り合い?夕べ、香さんをガードしていたら、いきなり襲撃されたんだよ。で、背後関係を訊こうと思ったら…美味しそうなボディで…溜まっていてね。つい、摘まみ食いを…」
「おい!これは摘まみ食いのレベルでは無いだろ?全身体液塗れで…俺はこいつに、もっこりの貸しが大量にあるんだぞ!」
「え?リョウの彼女?香さんじゃないの?」
「え…香は…いや、それは別枠だ!」
「うん?別枠って何だ?」
女性の声…槇村の妹さんか?
「え?いや…その…」
「マッキー、こいつか、昨夜襲って来たのは…え?冴子さん…」
「香さんの知り合い?」
「アニキの彼女だよ…」
「え…槇村さんの…マズい…」
「ねぇ!あんた達、どういう関係なのよ!」
目の前にいるらしい三人に訊いた。
「そんな姿で強気なんだ…さすが槇村さんの彼女だな♪」
工藤新一は槇村を知っているのか?
「あっ!」
彼の指が下腹部を這っている。ダメだ…堕ちる…
「どうして強気なのかな?」
「いえ…もっと、ご褒美をください…ご主人様…」
リョウの前で、言いたくない言葉を言ってしまった。それほど、彼の刺激が欲しいのだった。
「嘘…あの冴子が…マッキーに堕ちたのか…」
「命令口調じゃないし…マッキー、スゴい…」
案の定、リョウ達は呆れたような声だ。だけど、欲しいんだもの…
「ご主人様、何でもします。ですから、ご褒美をください…」
「リョウ…どうすればいい?」
「えっ?!俺に訊くのか…」
「もっこりの貸し分を返して貰えば?俺は香さんとデートしてくるからさぁ♪ね、香さん♪」
「リョウ…お前…どうすんだ?」
「どうもしないよ、香…」
「ご主人様…リョウはイヤ…淡泊だから…」
本音を言う私。リョウは入れるだけで、女性を楽しませようって気が、まるで無いのだ。
「えっ!」
「へっ!」
「そうなの?」
三人三様な反応…だけど、あぁダメ…悶絶死しそうだよ。早くください…
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暖かい…ここはどこだ?背中に、彼を感じている。頬でも彼を感じている。ここではどこ?入浴剤の香りが感じる。ここはお風呂の中か…股間に手を伸ばすと、彼が刺さっていた。してくれたんだ…
「冴子…大丈夫か?」
彼の声。頷く私。
「なんで、俺を襲ったんだ?面識は無いはずなのに」
うん?面識が無い?それはおかしい。何回か会っているのだが。
「本社で何回か会っていますけど…」
「だから、マッキー、変装しなよ~!」
浴室の外から、槇村の妹さんの声。変装?
「あぁ、そういうことか…良く間違われるのですが、俺は工藤新一では無いです。2代目槇村秀幸と申します」
え…まさか、西新宿にいたのは、槇村の妹さんのガード役か?
「この前も女刑事さんと女子高生に間違えられたし」
佐藤美和子と…まさか、毛利蘭か?
「それって、佐藤美和子と毛利蘭?」
「知り合いですか…ならば、誤解を解いてくれますか?」
「そう単純な状況では無いんだよ。あぅ…」
耳タブを舐められた。湯船なので、濡れても大丈夫かな?
「これで感じちゃうんだ…」
大丈夫ではなかった。彼にはわかってしまうのか…耳が熱い。う~ん、こんなにウブでは無かったはずなのに…彼に…
「あれ?赤いよ。のぼせたかな?香さん、ヘルプです」
ガラッ!
「のぼせたの?あっ!本当だ…」
彼と香という槇村の妹に支えられて、湯船から引き上げられた。あぁ~彼が抜けて行く…ちょっと残念である。脱衣所でタオルに横たわり、タオルで水気を拭ってくれる二人。
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バスローブを着て、リビングにいる。目の前には彼ら三人がいた。いや、彼は隣にいてくれている。
「で、どういうこと?」
リョウに訊いた。
「どうって…マッキーが密入国して、名前が無いから、マッキーの尊敬する槇村の名前を与えたんだよ」
密入国?
「なんで、密入国したのですか?」
口調が…リョウへの口調とは違う。
「俺は戸籍が無いから…この国では死んだことに、なっているんだよ」
戸籍を奪われたので、槇村の手引きで、海外で傭兵になったそうなのだが、彼の戸籍を買った人物が死亡したことで、彼の戸籍は消えたそうだ。
「だから今回、殺した相手の日本人の名前でパスポートを作って、入国したんだよ」
殺した相手とは『相良宗介』という名前だそうだ。
「あと数ヶ月で、あの相良某の死亡通知が来れば、また戸籍がなくなるんだよ。だから、新しい戸籍を与えたんだ」
って、戸籍を作れないだろ?お前では…リョウ!
「俺を逮捕するのか?冴子…」
彼が真っ直ぐな瞳で、私だけを見つめてくれている。
「逮捕しません。その代わり…付き合って下さい。槇村秀幸として、叶えられなかったことをする為に…」
槇村とは結婚の約束をした。だけど、彼は警察に限界を感じ、警察を辞めてしまった。
「ソレは、アニキと叶えられなかった結婚ですか?」
香さんに訊かれた。頷く私。
「でも俺は初代では無いよ」
彼の口を私の口で塞いだ。驚いた顔をする彼。そんな表情が出来るんだ…まだ、彼の心は死んでないようだ。
「あなたに惚れました。いや、堕ちました♪」
「え?じゃ、俺のもっこりの貸しは?」
「ご破算よね。あんな淡泊なプレイは二度とごめんよ!」
凹むリョウ。嬉しそうな香さんがリョウに抱きつく。二人はそういう関係なのね♪
「問題は、佐藤美和子と毛利蘭ね」
私にとってのライバルである。
「連絡を取らなければ良いよね?」
って、彼。まぁ、あの二人は工藤新一が、相手だと思っているから、それでもいいかな?
「変装術は教えますよ。これ以上、誤解されないようにね♪」
私の申し出に、彼は苦笑いしている。
---江戸川コナン---
蘭から意味不明のメールが多数来ている。どういうことだ?
『新一…初めては捧げました。そういうことだよ。早く帰ってきてね♪』
って…初めてを捧げた?誰にだ?俺は捧げられていない。小学生の身体では無理だし…誰かが俺に成りすまして、蘭と…くそっ!蘭の初めてを奪ったのか…俺の蘭なのに…
情報を訊き出したいけど、どう訊き出せば良いのだろうか?火に油を注ぐ結果は避けたい。
「蘭姉ちゃん、新一兄ちゃんとどこで会ったの?」
「うん?家の前よ。アイツ、素通りして、呼んでも無視して…詰め寄ったら…ちゃんと考えていてくれたのよ。アイツ考え込むと周囲が見えなくなるから♪」
ここの前で会ったのか…ここを探っていたのか?そうなると、黒の組織か?
そうだ…監視カメラ…喫茶ポアロに記録データがあるはずだ。ポアロへ行き、安室さんに見せて貰った。そこに映っていたのは、俺、工藤新一だった。
「うん?これって、工藤君だね。ここを覗き込んでいるようだな」
ポアロを?何の為に?
「あぁ、この日は臨時休業した日だ。休みかどうかを確認したのかな」
ポアロに用?やはり、黒の組織か?映像では、蘭が工藤新一に追い縋る場面までしか、映っていない。その後、どうなったかは分からずじまいだ。
「コナン君は、この工藤君がニセモノだと思っているのかい?」
「うん。新一兄ちゃんに確認したら、この日には来ていないって言うんだよ」
「う~ん…そうなのか…」
安室さんが何かのプログラムを起動して、映像を分析し始めた。
「う~ん…変装で工藤君になった訳では無いようだな。そうなると、他人の空似か…」
そうなると、蘭はまったく知らない相手に、初めてを捧げたのか…おいおい…
「どうしたんだい?顔色が良くないけど…」
「う…生き霊ってことは無いよね?」
って、誤魔化す。
「科学的では無いなぁ…」
---マッキー---
仕事である…ある人物の殺害…地下鉄の駅ですれ違い様に、喉笛を…大体30秒後くらいに血が漏れ出す筈だ。その後、首を動かせば、血柱があがるかな。なので、すれ違い様に斬っても、すぐに気づかれないのが、俺の殺しの特徴である。
仕事を終えて、帰宅中に腕をいきなり掴まれた。え?逮捕?罠か?相手を見ると、かなめだった。
「どうしたんだ?」
「駅で見かけたから…」
「どうしたいんだ?君は君で幸せに生きろ」
「一緒にいちゃダメ?」
「ダメだ…俺は地獄へ向かう列車に乗っているはずだ」
なんで?俺を見る目が暖かいんだ?俺は相良を殺したんだぞ…
「一緒に途中下車は出来ないの?」
「なんで、君まで乗るんだよ。ダメだ」
「宗介のやったこと…許して貰えないと思う…少し、私に償わせてください」
「それは相良で晴らした。そこで断ち切る」
「宗介は死んでお終いなんだよ。でも、あなたは、これからも生きるんだよ。それは不公平だよ。なんで、あなただけ苦しむの?」
「罪深いからだろ…きっと…」
「ねぇ、宗介が手に掛けた少女は、どんな子だったの?」
「明るくて…健気で…非戦闘員だよ。なのに…迷わず…くそっ!」
涙が止まらない。かなめが俺を優しく抱き締めた。
「ごめんなさい…彼は酷いことをした。私…代わりに償わせてください。少しでも、あなたが、安らかな人生を送れるように…」
「送れないよ。俺の手は血で汚れている。洗っても落ち無い」
俺の腕に抱きついて離れようとしないかなめ。俺の腕に頭を預けている。
「ジャマだったら、消していいよ」
「無意味なことはしない」
「私…ジャマで無いの?」
「君は君だ。俺にはそれしか言えない。学生が夜遊びはダメだぞ」
このまま連れて行けないので、窘める方向へ…
「どこに住んでいるの?」
「この国だ」
「連絡先は?」
スマホを渡した。操作がわからないから。かなめが器用に俺の連絡先をコピーし、自分の連絡先を転送したようだ。
「メール、送る。だから、返事はください」
「気が向いたらな」
かなめと、そこで別れた。早く帰らないと、冴子が心配をする。また、どこかで女とトラブルかと…実際にそうなんだが…