---マッキー---
公安ゼロ課からの依頼…安室の待つ部屋へ向かった。
「悪いな」
って、いきなり資料の束を渡された。それに目を通す。
「SAO事件って何だ?」
仕事の内容は、頭部にセットされている破壊兵器の撤去とある。
「VRゲームって知っているか?」
「知らない。遊ぶ暇は無い」
頭を抱える安室。
「そこからか?」
ソード・アート・オンラインっていうVRMMORPGゲーム内で、起きている事件だそうだ。意識はゲーム内に囚われていて、肉体は植物状態らしい。
「無理にはずそうとしたり、ゲーム内で死ぬと、脳が破壊されて死に至るんだよ」
ナーヴギアという装置を頭部にセットして、仮想現実世界で殺し合いをするゲームだそうだ。なんで、わざわざゲームするんだ?現実でも出来るだろうに…
「現実で殺し合いは法律で裁かれる。だから仮想現実の世界で、現実世界では出来ないことを体験するんだよ」
「それは仮想現実で、ポアロのナポリタンを死ぬ程食べても、満腹には成らないのか?なんか、もったいない気がする」
「お前は…まったく…」
頭を抱え放しの安室。頭痛か?男なのに、あの日か?
ナーヴギアの回路図を渡された。う~ん…制作時の物と殺人をした後の実測図もある。起爆スイッチは見つけた。たぶん、これだろうな。
「実際の捕虜を見たいのだが」
「あぁ…お前のことだ、女性がいいと思ってな。ご両親の許可は取って有る」
俺と安室と数名のゼロ課の刑事と共に、病院へと向かった。
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植物状態の捕虜は、個室のベッドに横たわっていた。名前は結城明日奈、17歳、女性。スレンダーでかわいい子である。
「家から病院に連れて来たってことは、電源はバッテリーか?」
「あぁ、基本はACアダプターから取っている。バッテリー切れでの死亡はマズいからな」
「通信はワイヤレス?」
「ナーヴギアに埋め込まれた通信装置で、サーバーへ接続している」
「サーバーはどこの管理?」
「ゲーム運営会社に置いてあるが、政府の管理下にある」
「バックアップサーバーはあるのか?」
「運営会社以外にか?無いはずだが…」
何の為に拘束しているんだ?そこが鍵になると思う。身代金の要求は無いそうだ。そうなると、可能性は人体実験かな?
「彼女の身体は毎日洗っているのか?」
「うん?どうなんですか?」
安室が主治医に訊いた。
「いや、迂闊に動かすと、問題が起きるとマズいので、代謝もおちていますので…」
「安室、身体をチェックしていいいか?」
「何かに気が着いたのか?」
彼女のご両親から、オーケーが出た。入院着を脱がせると全裸だった。
「下着は?」
「脱衣させています。検査機器をセットしますから。セットした後、軽くアルコールで消毒はしていますよ」
栄養点滴、水分点滴はしているが、あれが無い。
「水分をいれていますが、排出は?」
「尿管にチューブを…あれ?無い…」
ジャマだからな…
「安室、鑑識を呼んでくれ。彼女の唇乳首、割れ目を検査をしてもらってくれ。体液が採取できると思うぞ」
「まさか…院内レイプ?」
「相手は植物状態だ。拒否をされないし」
「まさか…」
医療関係者、両親、そして警察関係者がざわめいている。安室は鑑識を呼んでくれた。
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鑑識作業中に、廊下が騒がしい。婚約者がどうとか言っているようだが…
ガラッ!
扉が開き、知らない男が入って来た。
「おい!俺の明日奈に何をしているんだ?」
鑑識捜査員を退かそうとする男を、安室達が制圧をした。
「お前は誰だ?」
「彼は…明日奈の婚約者の須郷伸之氏です」
と、明日奈の父親が説明してくれた。
「聞いた通りだ。お前ら出て行け!」
明日奈の父親が須郷を説得している。だけど…
「俺は、彼女を助ける為に研究しているんだ!素人達は出て行け!」
研究?
「どうやって研究しているんだ?」
「うちの会社が問題のサーバーの解析をしているんだ」
コピーサーバーがあるんじゃん。安室も同じ考えが浮かんだのか、どこかへ連絡をしている。
「おい!出て行け!」
「お前、彼女の身体に何かしているだろ?」
俺が質問をすると、
「俺の婚約者だ。どうしようと俺の自由だろ」
と、当然のことのように言い放った。これには明日奈の両親の表情が歪んでいく。
「須郷君、娘に何をしているんだ?」
「お父さん、これは彼女と俺の問題です。首は挟まないでください」
って…他人の家の家族問題には関わりたく無いが、
「お前か?排尿チューブを抜いたのは?」
「あぁ、そうだよ。愛を確かめ合うのにジャマだろ?」
そうなると、振動程度では、破壊行為は発動しないのか。って、コイツ、発動条件を知っているのでは?医者達ですら、何も出来無いのに、確信犯だし。
「ジョン!ビンゴだ…おい!こいつを引っ張れ!叩けばほこりが出そうだぞ」
「何をするんだぁぁぁぁぁ!」
捜査員に対して、抵抗する男。意識を狩って上げると、大人しくなった。そして、連行されていく。
「アイツの会社で人体実験をしている証拠が見付かった。あとは、コイツの除去だな」
「うん?はずれたよ」
はずしたギアを安室に手渡した。
「どうやったんだ?」
「性的行為って、結構振動が生じるでしょ?それで発動しないってことは、手荒に扱っても大丈夫ってことだろ。で、外れたかどうかのセンサーを考えたんだ。ピストン運動時によるギアのズレで発動しないってことは、位置センサーでは無いってこと。考えられるのは、人体に装着しているかどうかってことだ」
安室にある物を手渡した。
「これは?」
「疑似生体だ。人工皮膚、人工筋肉で構成されている。微弱な生体電流も流れている。それを彼女の頭部とギアの間に入れて、彼女を引き抜いたんだよ。以前、あるテロ組織が似た起爆装置を使っていたから、一応持って来た」
彼女の両親に感謝された。
「これから、どうする?」
安室に訊かれた。
「ポアロでナポリタンセットだな♪」
頭脳労働の後は、栄養を取って寝るに限る。