※この作品はR-18です。

そっくりなアイツ   作:もっち~!

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反撃の糸口

夜、ステレスモードで病院の屋上に着陸した。事前に安室へ知らせ、承諾も得てある。俺は、蘭の部屋へ向かった。

 

寝いている蘭。寝顔…久しぶりだな。蘭の手を握る俺。

 

「誰?えっ…来てくれたんです…」

 

手の平の感触だけで、何故かスグに俺だと分かった蘭。

 

「蘭、久しぶりだな」

 

上半身を起こして、俺の傷跡を愛おしく撫でている。

 

「でも、私…」

 

「迎えに来た」

 

蘭の唇に俺の唇を軽く重ねた後、蘭に付いているチューブ類や電極類、針などを抜いた。そして、蘭をお姫様抱っこをして、屋上へと向かった。屋上に着くとアイへ蘭を載せる。後部ハッチには深雪と志保が待機していてくれ、俺から蘭を受け取り、電極や針を適切に装着していった。

 

「アイ!テイクオフだ」

 

『了解です』

 

そして、蘭を医療センターへ、極秘理に転院させた、

 

 

 

---工藤新一---

 

蘭の見舞い…だけど、肝心の蘭がいなかった。あんな身重な身体で、退院は有り得ない。ナースセンターで、蘭のことを訊いた。

 

「毛利蘭さんですか?あぁ、転院されましたよ」

 

転院?

 

「どこにですか?」

 

「言えません」

 

「俺の家族です」

 

「個人情報は、真実の家族にしか伝えられません」

 

どういう意味だ?

 

「俺の子供が入っているんだぞ!」

 

「だから何だ?」

 

安室さんの声。とても冷たい。振り返ると安室さんがいた。

 

「確かに子供達の父親は君だろう。だけど、ソレが何だ?孕ませただけで、家族って言うのは語弊が有るんじゃないのか?」

 

それはそうだが…

 

「悪いけど、彼女の身柄は、別の病院に委ねた。だから、迂闊には教えられない」

 

「それはどういうことだ?」

 

「言葉通りだよ」

 

安室さんが立ち去る。俺は後を追うが、途中で見失った。くそっ!

 

 

 

---マッキー---

 

蘭の部屋は大部屋にした。同じ部屋には英里と有希子が眠っている。

 

「お母さん、おばさん…」

 

「眠っているだけだ。死に至る状態では無い」

 

「ありがとうございます。私の為に…骨を折ってくださって」

 

「ほら、頭を上げろよ!お腹に負担になるだろ?」

 

「でも…この子達は…」

 

目に涙を溜める蘭。

 

「ナミ…妹か弟だぞ」

 

娘に伝えると、嬉しそうに蘭のお腹に耳を当てたナミ。

 

「元気で産まれるといいね」

 

ナミの言葉で、笑顔になっていく蘭。

 

「いいの?」

 

俺に恐る恐る訊く蘭。

 

「ナミはいいのか?」

 

判断を娘に委ねる俺。

 

「うん♪だって、私の弟か妹だよね」

 

嬉しそうなナミ。蘭にはナミの事を話してあった。俺の知らなかった俺と姉の間に出来た子供だと。

 

「そう…ナミちゃん…ありがとう」

 

ナミを抱き寄せようとする蘭。

 

「ダメだよ、お腹に負担になるから!」

 

ナミに諭された蘭が苦笑いを俺に向けてきた。

 

 

 

---工藤新一---

 

俺はおっちゃんの元を訪ねた。

 

「何をしにきたんだ?」

 

俺の顔を見るなり、機嫌が悪くなるおっちゃん。

 

「蘭はどこに転院したんだ?」

 

「はぁ?言える訳無いだろ?」

 

「なんでだ?!俺の子供が一緒なんだぞ!」

 

「お前の子供?何を言ってやがる!何度でも言う。お前は蘭にどう責任を取ってくれるんだ?」

 

責任…

 

「蘭を幸せにする」

 

「はぁ~?お前と一緒になったら、蘭は幸せには成れない。それは、お前もわかっているはずだよな?まだ、嘘で固める気か?!出て行け!このレイプヤロー!」

 

そこまで言われる筋合いは…だけど、俺は退散した。おっちゃんの怒りの意味が、理解出来たから。だけど、蘭に会いたい。どこに行けば会えるんだ?

 

 

 

----マッキー----

 

料理の授業…例の件の捜査で仕事の大半を断ってくれた香さん。だけど、この仕事はダメだったらしい。

 

「では、今日はコンビーフの作り方です」

 

芽衣にリクエストされてしまった。生徒会長として、この学校内に、あのコンビーフを広めて欲しいと…

 

「肉は、四宮牧場の肉を使います。この肉は通販でのみ販売しています」

 

叔母が芽衣のリクエストを受けて、『四宮牧場』というブランドを立ち上げてくれ、この学校の生徒限定で通販で販売していくれることになった。コンビーフセットを注文すれば、1週間位で作れるとは思う。

 

「このスープを寸胴に入れて、肉を煮込んでいきます」

 

熱心にメモを取る学生達。芽衣の宣伝で、受講生が増えている。基本、特別授業で、希望する受講生に教える形式であるのだ。

 

「で、1週間休み休み煮込んだ肉がこれです。これを肉繊維に沿ってバラして完成です」

 

完成したコンビーフを使ったサンドウィッチを受講生達に振る舞う。

 

「え!何コレ…」

 

「コンビーフってこんなにおいしいの?」

 

「そう…美味しいのよ♪」

 

絶賛の声に反応する芽衣。ちなみに俺の料理助手は柚子である。

 

「これって、バターとマヨネーズも教えないとダメでは?」

 

って、柚子。そうなるとパンもかな?

 

こうして、今回は大盛況な授業になった。

 

 

放課後…

 

「先生、小淵沢に引っ越されたんですか?」

 

って芽衣に訊かれた。

 

「いや、誰に聞いたんだ?」

 

「今朝、食材を積んできたから…」

 

あぁ、授業で使った食材か。

 

「あの…夢を見ても良いですよね?」

 

「夢?良い夢は見た方がいい」

 

そろそろ引き際の気がするが、契約期間が満了していないらしい。ここで、突き放すとまた百合に戻りそうかな…俺には心理戦は向かないと思う。

 

「はい♪」

 

笑顔で抱きついて来た芽衣。どうすればいいんだ?

 

---------

 

住処に戻ると、笑顔の香さんが

 

「マッキー依頼が来たんだが…ガードの依頼だ」

 

仕事を減らしたのに、新規で受けたのか?例によって、資料の束を渡された。

 

依頼主は名取 かずえ。元T大研究所に在籍していた博学な免疫学者である。恋人が生物兵器の開発に関わり、秘密保持の為に殺害され、その恨みを晴らすために、フロント企業に潜入中で命の危険を感じ始めたとある。

 

「元々リョウが担当だったんだが、ちょっと問題があって…」

 

「問題?リョウの好みでは無かったのか?」

 

「いや、好みだったんだが、生物兵器が問題なんだ」

 

「何?」

 

「殺人蜂」

 

「刺されたの?」

 

「次は無い…」

 

蜂は2度目に刺された時、アナフィラキシーショックに陥ることがある。

 

「依頼主って免疫学者だろ?どうにかならないのか?」

 

体内の免疫システムによるアナフィラキシーショックであるから。

 

「マッキーは、蜂は大丈夫だろ?」

 

「まぁ、子供の時、頻繁に刺されたけど、問題は無い」

 

「そういうことだよ」

 

ポンポンと肩を叩かれた俺。決定なのか…

 

--------

 

依頼主との待ち合わせ場所へ、愛車ビートルと共に向かった。

 

「君が槇村君?」

 

大人の女性に声を掛けられた。どこか冴子に似て無くも無い。リョウの好みだと思う。

 

「そうだけど…まぁ、載って」

 

助手席に載せた。

 

「で、最終的にはどうしたいんだ?」

 

「殺人蜂の開発、製造を阻止したい」

 

医薬品会社喜田川産業が、生物兵器メーカーのフロント企業だそうだ。

 

「なぁ、免疫システムのプロか?」

 

「そうだけど…」

 

「この案件が終わったら、頼みがある」

 

「何?」

 

「免疫系が壊れた者たちを、助ける手助けをして欲しい」

 

「どういう症状なの?」

 

美和子のカルテと英里のカルテを見せた。

 

「こんな薬剤が有るの?」

 

「あぁ…解毒剤が見付からない。身体システムは昏睡を選択して、今も眠り続けている」

 

「う~ん…わかったわ。協力する」

 

かずえをリョウに預け、依頼を熟す。喜田川産業の研究所へ入り、研究所で殲滅活動を始めた。そんな俺に殺人蜂が放たれた。俺に針を刺す蜂達。蜂って針を刺すと死んじゃうんだよな。全部が全部では無いが、役目を終えた蜂達が次々に命を落としていく。

 

「何?効かないだと?」

 

「あぁ、エンジェルダストも効かなかったんだよ♪」

 

「エンジェルダストが…お前、ジョン・スミスか?」

 

軍需産業界では有名な話らしい。エンジェルダストを投与されて、生き残っている者は、2名しかいない。俺とリョウだ。リョウは禁断症状に苦しみ、俺は異常性が増しただけだった。

 

「俺を知っているってことは、いけない武器を売る死の商人かな?」

 

防弾ガラスの向こうにいるようで、走り寄った俺は弾かれた。だけど、俺のリニアガンを舐めるなよ。連射モードで、ワンホールショットをして、防弾ガラスを粉砕する。銃弾の衝撃には耐えられるが、隕石並の衝撃には耐えられないガラス。そもそも、リニアガンの弾は、先端が銃弾の様に丸く無く、尖っている為、防弾ガラスには強いのだった。

 

ガッシャン!

 

粉々に飛び散る防弾ガラス。死の商人にナイフを振り上げた俺。

 

「おい!そこまでだ!」

 

安室の声…

 

「あとは、こちらで引き取る」

 

「依頼主の生命は守られるのか?」

 

「こんな企業、認め無い。だから、安心をしろ」

 

俺は安室のチームに後を託し、その場を後にした。

 

--------

 

痛い…かずえがピンセットで針を抜いてくれている。

 

「なんで、こんなに刺されているのか?化膿したらどうするの?」

 

針を抜いた箇所には消毒薬が撒かれていく。

 

「あの毒が効かないことにビックリよ。あなたの免疫システムを研究したいわ」

 

単に鈍感なだけって、誰かに言われた。テッサだっけ…遠い昔なので定かでは無い。

 

「これで、全部抜けた筈」

 

「筈なのか?」

 

「残っていれば化膿するから、わかるわよ」

 

化膿待ちって、なんだかなぁ~。

 

ここは小淵沢の医療センターの処置室である。かずえは、ここに就職してくれた。

 

「同僚が出来て嬉しいわ」

 

って、志保。志保はデータのかずえに見せた。

 

「う~ん、これは…この成分を排除できないのね」

 

志保の化学知識をもっても、分からない成分が神経伝達を、ブロックしているようだった。

 

「じゃ、後はよろしく」

 

「どこへ行くの?」

 

かずえに訊かれた。

 

「救えない女の元だよ」

 

「救えない?」

 

不審な顔をしたかずえが付いて来た。俺達はテッサの元へ…

 

「彼女は?症状が違うの?」

 

「自殺したんだ…顔面が潰れてしまった。脳も損傷している」

 

「自殺?」

 

「あぁ、この病院のベランダから飛び降りたそうだ」

 

俺はもう、テッサを見守ることしか出来ない。くそっ!

 

「悲観して?」

 

「屈辱を感じてだ。そろそろ行く。後は頼む」

 

俺はその場を後にした。そして、帰る前に、もう一部屋訪れた。蘭の部屋だ。

 

「お父さん♪」

 

ナミが突進してきた。俺は身体全体で受けとめる。腰に来そうな衝撃。元気でよろしい。

 

「どうだ?具合は?」

 

「たまに蹴られるんだよ~」

 

ナミが嬉しそうにプンプンしている。

 

「ナミちゃんがいてくれるから、安心していられるわ。母さん達もいるし」

 

未だに目覚めない英里と有希子が横たわるベッドを見つめる蘭。

 

「そうか…」

 

「どうですか、お仕事は?危ないことはしていませんか?」

 

「あぁ、注意はしている」

 

「気を付けて下さいね」

 

蘭の額に軽く口付けをして、ナミをモフモフしてから部屋を出た。

 

--------

 

「はぁ?刺され捲った?」

 

香さんが驚いている。そんな彼女の前に、取り出された針の山を置いた。

 

「こんなに刺されて、ピンピンしているのか?」

 

「まぁ、鈍感ですから♪」

 

「で、やったのか?」

 

リョウに訊かれた。

 

「いや、研究を優先してもらう。そんな気分になれないし」

 

「そうか…」

 

「何か進展はあった?」

 

「無い…なぁ、敵が2つの勢力って感じがするんだが…」

 

2つの勢力?

 

「あぁ、どうも被害者の関係性が見えないんだ。で、複数の勢力が、どちらかを真似たと考えると、辻褄が合う気がするんだよ」

 

模倣犯?

 

「蘭ちゃん、妃先生、工藤有希子は模倣犯だと思える。冴子、佐藤刑事、不二子、テッサ、メリッサは犯行グループとか」

 

「確かに…あの3人がわからなかったんだよ。毛色が違う人種だしね」

 

巻き添えでは無く、ターゲットだったのか…そうなると、模倣犯は、アイツだ!

 

「犯行グループの方は、動きが有りそうだぞ」

 

リョウのアンテナに何か掛かったようだ。

 

---------

 

1つ引っ掛かることがあったので、テッサの部屋に入った。う~ん…壁一面、窓にも…なんで俺の写真で埋め尽くされている。ダーツの的にしているのか?

 

本棚、机を調べるが、手がかりが出て来ない。ゴミ箱はどうだ…あった♪ショップからの招待状である。俺の疑問…テッサがなんで買い物に行ったかだ。買い物に興味無い女だったから。いや、俺と一緒に買い物へは行くけど。

 

このショップは、女性物の服屋か…香さんに見せてみた。

 

「うん?ここって、人身売買組織のフロント企業だよ。まさか、テッサちゃんは潜入捜査していたのか?」

 

そして、あんな身体に…でも、なんでテッサに招待状が?

 

「これって、招待状だよね?どういう基準で送られてくるの?」

 

「確か…依頼のあった女性だったかな。でも、この組織はもうリョウが壊滅させたけど…なぁ、リョウ!」

 

「うん?どれどれ?あぁ…ここはもう無いぞ」

 

「ルートは?」

 

「ルートか…それは、不明だ。地下に通路があったはず」

 

--------

 

俺はその店へ行ってみた。営業はしている。別の売買組織が入居したのか?マンホールから地下道へと侵入していみた。倉庫らしき場所、見張りの者達がいたので、音を立てずに命を狩っていく。倉庫を調べると、生きている女体を数体発見した。安室へ連絡…スマホは圏外だな。電波の入る場所まで戻り、安室へ通報した。

 

しばらくすると、安室達がやって来て、一緒に倉庫へと侵入した。

 

「あぁ、行方不明事件の女性達だな。ここに保管されていたのか」

 

って、安室。

 

「じゃ、ここは頼むよ」

 

「生き証人も頼むぞ。死人からは聞き取れない」

 

「考えて置く」

 

俺は地下道を進んでいく。これって、どこに繋がるんだ?しばらく歩いていると、鉄の扉を見つけた。用心しながら開けると、どこかの駐車場に出た。ここってどこだ?ここから物を運び出したのか?

 

「あれ?工藤君じゃない。どうしたの?」

 

知らない女性に声を掛けられた。誰だ、この人は…

 

「ちょっとねぇ、捜査中だよ」

 

新一になりきる俺。どこまで保つかな?

 

「捜査?警視庁の地下駐車場で?」

 

ここって、警視庁なのか…エゲツない場所から搬送していたのか…これは見付からない訳だ。

 

「あぁ、あの鉄の扉は?」

 

「機械室へ行く扉よ」

 

機械室?そんな物は無かったが…扉を開けて中に入る女性。

 

「あれ?機械室じゃない…なんだ、ここは?」

 

「おかしいと思わない?地下通路になっているんだよ」

 

なにかを考え込む女性。警察関係者かな?

 

「ねぇ、構造図と設計図って、見られるかな?」

 

「う~ん…そうね、気になるねぇ。これは…よし!見に行こう。庶務課にあった気がする」

 

女性に付いていく俺。

 

「宮本警部補、何用ですか?」

 

庶務課で声を掛けられた女性。警部補なのか。

 

「この建物の…いや、地下駐車場の設計図有る?」

 

「有りますが、どうしました?」

 

「機械室だと思っていた場所が地下通路だったのよ」

 

「え?地下通路?あったっけ、そんな場所?」

 

設計図を出してくれた。それを3人で見ていく。だけど、あそこは機械室になっていた。

 

「あれ?なんで?」

 

「そもそも、何の為の機械室なんだ?」

 

「確か、スプリンクラーなどの制御だったはず」

 

配管図を見る。配管は逆サイドの部屋に向かっている。

 

「こっちが機械室のようだけど…」

 

駐車場からは入れないようだ。

 

「あれ?由美さんどうしたんですか?」

 

目暮班の白鳥刑事がやってきた。

 

「いや、工藤君と警視庁にまつわる謎を、解明しているところだよ」

 

「工藤君?」

 

俺と目が有った。軽く頷いているが…

 

「なんか意味が有るんですね、工藤君♪」

 

俺と認識した上で、工藤新一として扱ってくれた白鳥刑事。

 

 

 

 

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