※この作品はR-18です。

そっくりなアイツ   作:もっち~!

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死もあれば誕生もある

 

「おっぎゃ~♪」

 

ついにこの日が来てしまった。今、分娩室に蘭がいる。そして今、その部屋から赤子の第一声が聞こえた。つまり、そういうことだ。

 

子供の父親は、俺ソックリなアイツである。俺としては複雑ではあるが、ナミが喜んでいるので良しにするか。

 

「凪さん…」

 

蘭の出産後の第一声は、俺の本名だった。

 

「わぁ~い、妹と弟が出来たぁ~」

 

無邪気に喜ぶナミ。

 

「がんばったな、蘭」

 

俺は月並みな言葉しか掛けて上げられない。もうすぐ、今度は深雪の出産にも立ち会わないといけないのに、父親になった実感はまるで無い。

 

◇

 

メディキュボイドを導入して、意識の戻らなかった者達は良好な状態になりつつあった。未だに意識は戻らないが、手を握ると握り返すという反応がある上、VR世界に行けば、彼女達との会話も可能になったことが大きい。

 

「そう…蘭が母親にねぇ~」

 

って、英里。

 

「ごめなさい…うちの新ちゃんのせいで…」

 

英里に謝っている有希子。

 

「本当よ!凪君の立つ瀬が無いでしょに…ねぇ、私と子供を作らない?」

 

英里が大胆なことを言う。ヴァーチャルな世界故、心が大きくなりすぎていないか?

 

「旦那がいるだろ?」

 

「そうなんだけど…凪君との子供が欲しいなぁ」

 

「それはダメだ。毛利探偵にも、何よりも蘭に申し訳が立たなくなる」

 

って、ことにしておく。実際問題、俺のDNAは俺で終わりにしたいのだ。

 

 

「ねぇ、GGOのイベントは無いの?」

 

って、不二子。身体を動かした気になりたいらしい。不二子クラスになると、ここでの交わりは満足できるレベルでは無いようだ。

 

「あぁ、あったら知らせるよ」

 

ここは仮想世界のサロンである。美和子は部屋の隅っこで、体育館座りをして、床を見つめていた。完全に精神までいっている感じである。

 

「冴子は、現世に戻ったのよね。何か負けてくやしいわ」

 

不二子が本当に、くやしそうである。

 

「まぁ、ここで愚痴を聞くから。のんびり静養してな」

 

って、ログアウトして、現世に戻った。

 

 

 

---小松原三男---

 

工藤優作の書いたドキュメンタリー小説『四宮牧場事件』が発刊されると、総理であった長兄が失脚した。次兄も失脚させられて、その後に行方不明になっている。俺は自分の身に危険を感じていた。凪が俺を消しに来る予感があったから。

 

やられる前にやるしか無いか。

 

人伝に殺し屋を数名雇って、四宮凪を処分してもらうことにした。

 

 

 

---マッキー---

 

小松原の上二人は消えた。後は三男だけだな。

 

「開発拠点がわからない」

 

「海にあったりして…」

 

俺の呟きに、テッサが反応した。ここはALOのアスナの家の俺の部屋である。テッサとメリッサは、医療センターで用意したサロンでは無く、この世界に居座って居た。

 

「海かぁ…潜水艦の中だと、探せないなぁ。処分するとしたら、海溝にポイされたら終わりだし」

 

「潜水艦だと難しいわよね。食料や資材の受け渡し時に浮上した時に、押さえないと」

 

P3CとかEP-3Eは持っていない。う~ん…うん?そうか…そういうことか…

 

「テッサ達が狙われたのは、海戦を避けるためだな」

 

テッサは潜水艦の艦長を務めたことがある。

 

「なるほど…じゃ、開発拠点は潜水艦だよ」

 

そうなるけど…そうなるともう探せない。テッサはこんな状態だし。

 

「ごめんね…大切な場面で役立てないで…」

 

俺に寄り添うテッサ。実物より柔らかすぎる身体。う~ん…

 

「まぁ、海溝でポイしたんだろうな。敵は、俺の殺しを依頼してきたし」

 

「殺し?誰に依頼があったの?」

 

「間抜けな話なんだが、シティーハンターに持ち込まれたんだよ♪」

 

笑顔で答える俺。

 

 

 

---小松原三男---

 

殺し屋に依頼をした。窓口になった女は良い女だったので、誘拐してきた。あの薬を使う。悶え始める女。女っ気の無い服を剥ぐと、極上の女体が現れた。股間は薄ピンクだ。上物の上未使用のようだ。これは楽しめるな。

 

パン!

 

これからって時に、乾いた音。うっ!右手が動かない。撃たれたのか?痛みは感じなかったが…

 

振り返ると、ボディーガードの黒服の男の眉間が、撃ち抜かれていた。1発しか銃声が聞こえなかったのに、数名のボディーガード達の眉間が撃ち抜かれていた。

 

「依頼主なら、なんでもしていい訳でないぞ」

 

大柄な男が言葉を走った。依頼主って言ったな。じゃ、コイツらがシティーハンターなのか?

 

「四宮凪は消したのか?」

 

「香さんを返せ!クソやろ~!」

 

うっ!左腕も動かない。何をしたんだ?

 

「三男よ、やっていいことくらい気づけよ」

 

なんで、工藤新一がいるんだ?

 

「香、大丈夫か?」

 

大男が何かの薬を女に注入した。

 

「あれは、解毒剤だよ。打った直後なら解毒出来る」

 

工藤新一が、銃を手にして、俺に狙いを定めていた。

 

「なぜ、ナイトバロンの息子が…死んだはずだろ?!」

 

次兄の率いた特殊部隊で殺したはずだ。

 

「だから、お前はクソやろ~なんだよ。俺は工藤新一ではない。四宮凪だよ」

 

何…アイツにそっくりでは無いか…

 

「工藤新一にそっくりだからな。そうなると、お前は工藤新一を知っているってことだな」

 

「知っているに決まっているだろ。ナイトバロンは、裏切り者だからな」

 

アイツ、裏切って暴露本を出しやがって…

 

「やはり、工藤優作が関わっていたんだな。で、父さんと母さんはどこだ?」

 

「さぁなぁ…お前が死んだら教えてやるよ♪おい、シティーハンター!四宮凪を殺せ!金は払っただろ」

 

「ふざけるな。仲間に劇物を注入して、更に、仲間を殺せる訳無いだろ?」

 

仲間?どういうことだ?

 

「三男、お前はバカか?殺す相手に依頼するってさぁ♪」

 

まさか、凪がシティーハンターなのか?

 

「俺の裏の世界での名前は、ジョン・スミスだ」

 

ジョン・スミス…最強クラスの殺し屋じゃないか…

 

「待て!殺すな!お前の父と母の居場所を教えてやる。だから、取引しようぜ」

 

 

 

---マッキー---

 

今更取引?ありえない…俺は引き金を引いた。リニアガンから弾丸が飛び出し、三男の額を撃ち抜いた。

 

「香さんに手を掛けた時点で、お前の死刑は確定したんだよ。取引になんか、応じられる訳無いだろ…」

 

「いいのか?」

 

リョウに訊かれた。

 

「あぁ…リョウ…俺…」

 

「死ぬなよ。テッサかかなめに殺される約束だろ」

 

そうなんだが…

 

「お前が死ねば、二人も死ぬぞ…お前は無意味な殺人はしないんだろ?」

 

そうなんだが…

 

「お前に無断で、俺はミスリルに依頼をした。東京湾の近くで、海底にへばりついている潜水艦を捕獲してくれってなぁ。費用が恐かったが、無償で引き受けてくれたぞ」

 

何だって…

 

「どうして?」

 

「テッサが指でモールス信号を送ってきたそうだ。ミスリル トウキョウワン センスイカン サガセってなぁ。深雪ちゃんが知らせてくれたんだよ」

 

「俺は…リョウに世話になってばかりだな」

 

「解毒剤、助かったよ。香を医療センターへ搬送してくれ。ここは、俺と冴子に任せてな」

 

「そういうことだよ。おい!資料を全部押さえ、直ぐに分析しなさい!」

 

「はっ!」

 

車椅子で来た冴子が、部下達に指示を出していた。俺は香さんを抱き抱え、アイの元へ向かった。

 

◇

 

解毒剤が効いて、2日程度昏睡した後に目覚めた香さん。

 

「これが、マッキーの子供かぁ…」

 

双子とナミとじゃれている。

 

「ねぇ、名前を考えてくれた?」

 

蘭が訊いてきた。マジぃ…考えていない。

 

「大五郎とナナは?」

 

「お父さんの名前とナミちゃんの名前を、もじっただけじゃない…」

 

俺を睨み付けている蘭。う~ん…

 

「じゃ…ラムとレムは?蘭に夢と書いてラムとか…」

 

「う~ん…蘭夢かぁ。うん♪息子はそうしよう。で、娘はレム?凪さんの名前を入れたいなぁ~。そうだ!レナにしようっと」

 

こうして、子供名前は決まったらしい。

 

------

 

数日後…ミスリルから報告が来た。件の潜水艦を見つけ、捕縛したと。内部を捜索した結果、全員窒息死だったそうだ。小松原の長兄が手配していた政府の補給艦から、彼の失脚により、燃料を補給出来無くなり、酸素が作れなくなったらしい。

 

で、そこには俺の両親の死体は無かった。窒息死する前に処分されたようだ。

 

更に数日後、小松原兄弟が保有していた隠し別荘を見つけ、そこであの交通課の女警察官が見付かったそうだ。直ぐに医療センターに移送された。その別荘の地下には、あの劇薬の製造工場が有り、興味深い品々も発見され、医療センターの研究員に引き渡された。

 

俺もそこで、父さんと母さんの手がかりを探していた。

 

「復元、修復術を研究されていたようですね」

 

かずえが母さんの研究ノートを見ながら言った。

 

「テッサ達に使えるか?」

 

「たぶん、持ち帰って試してみます」

 

無いなぁ…母さん達の手がかり…生死すらわからないとは…万が一、生きていたら、弔う訳にいかないしなぁ…

 

「凪…」

 

心配そうに冴子が寄って来た。

 

「必ず、見つけるから…ヤケを起こさないでね」

 

俺に優しく抱きつく冴子。彼女の顔は俺の股間辺りにいる。まぁ車椅子だからって事にして、スルーするけど。臭いを嗅ぐ仕草は止めて欲しい…

 

--------

 

そして…GGOでスクワットジャムが開催されるそうだ。これは団体戦だそうで、1チーム6名まで参加出来ると言う。

 

「ねぇねぇ、私を仲間にしてよ~」

 

って、ピト。

 

不二子とテッサ、メリッサが参加するから…後2名か…俺と目が合ったシノンとレン。

 

「う~ん…レンはフカと組むんだろ?」

 

「まぁ…」

 

「シノンは、ユウキ達か?」

 

「う~ん…」

 

「フカは真っ先に消さないとなぁ…愉しめないよなぁ~」

 

俺の発言で顔を赤らめる3名。どうして、ピトが含まれているのか不明である。コイツのアバター姿にそそる物を感じ無いのだが。

 

「まぁ、敵でも愉しめるから安心しろ。無理心中はカンベンして欲しいが…」

 

 

で、エントリーをしてきた。メンバーは俺、テッサ、メリッサ、不二子、冴子、シノンである。スナイパーであるシノンは、俺と相性が良くないので、仲間になりたいと熱望され、リアル体でのサービスで、俺が陥落したのだった。

 

「ずるい…ズルすぎる…リアル体で…」

 

リアル体も興味ないピトが、シノンに敵意をもったらしい。それは八つ当たりだと思うが…

 

-------

 

転移した場所は山の上だった。

 

「狙撃には持ってこいだけど…」

 

ウチのスナイパーはシノン、不二子、テッサ、俺である。まぁ、冴子とメリッサがガードに回るから、問題は少ないだろうな。問題があるとすれば、敵が寄ってこないと、どうにもならないってことか?

 

もう1つ問題が…フカのプラズマバズーカで、狙われたら終わりである。1回目のスキャンが重要である。近くにLFがいたら、逃げるか、フカを真っ先に消すかしか無い。

 

ファーストスキャン開始…フカ達の場所を確認した。よし♪遠いぞ。洞窟エリアだし。近くにいる強豪は…アマゾネスとピトかぁ~

 

一人、透明マントを着て、平原エリアにいる俺。リーダーしかスキャンされないから、囮である。空気が揺らめいた…なんで?空を見上げるとプラズマ弾が撃ち込まれて来た。アイツ、山に陣取ると予想したのか?

 

咄嗟に逃げる俺、フカだけ来たのか?エヴァ達が逃げた先に…共闘か…俺に向かって飛んで来た対戦車ライフルの弾。チートなP38で撃墜して、逃げる。今度は上空からプラズマ弾か…テッサ達からフカの位置は見えないのか?応戦してこない。

 

だけど、アマゾネス軍団への狙撃が始まった。俺に気を取られて、エヴァの仲間達が消えていく。対戦車ライフルは、テッサの対地スティンガーの餌食になっているし。俺はフカの元へ向かう。

 

 

 

---レン---

 

2回目のスキャン。マズい…フカに迫る凪さん。ピトさん達は、エヴァ達と交戦しているのだろうか?近いんだけど…

 

私のメンバーはフカ、ユウキさん、キリトさん、リーファさんである。主力はリーファさんの弓矢による狙撃である。銃では無いので、パレットラインが出ない為、有効な手段になっている。ガードはキリトさんとユウキさん。銃弾を剣撃で叩き落としてくれている。

 

「マズい…いやぁぁぁぁぁぁ~!」

 

無線からフカの叫び…襲われたようだ。喰われたのかな?速効かな?それが気になる私。死は確定だから。

 

 

3回目のスキャン。エヴァ達が消えた。ピトさん達は、移動していない。誰かと交戦中なのだろうか?

 

 

 

---ピト---

 

不利である。狙撃に最適な場所を、選りに選って、あの傭兵女に取られていた。エムの装甲が破壊され、エムはやられた。対地スティンガーって反則だろう。

 

狙撃手が3名いるようで、近寄れないし…

 

「ピト…イベントで無い時にしてやる」

 

耳元に彼の声。首には冷たい感触。彼女達は囮だったのか…次の瞬間、イベント会場から叩き出されていた。

 

 

 

---レン---

 

4回目のスキャン…凪さんが近づいて来ている。ピトさんは消えていた。誰にやられたんだ?あの近くだと凪さんかな?

 

「傭兵軍団が来るよ。警戒して!」

 

みんなに声を掛けた。テッサさんの対地スティンガーは要注意である。キリトさんでもダメかもしれないそうだ。戦車の装甲を撃ち抜くタンクキラーである。

 

「うっ!」

 

え?いきなりキリトさんがDEAD状態になった。狙撃…みんな、体勢を低くして、どこから狙撃されたかを探す。

 

「これ…凪さんのP38じゃないかな…」

 

って、ユウキさん。

 

来た…最強の軍団が…対地スティンガーが恐い。前回の大会のビデオ映像を見たけど、エムさんの戦車装甲を撃ち抜き、エムさんの頭部を粉砕していた。

 

「どうする?」

 

って、ユウキさん。このままではマズいよね。

 

「やめてぇぇぇぇぇ~!」

 

リーファさんの叫び声。来た!どこだ?透明マントはどこにいる?でも…リーファさんは凪さんにハラスメントコードを解除していないはず。なので、襲われる心配は無かったのだが…あれ?

 

 

 

---リーファ----

 

「それ以上、声を出すと、お前の醜態をみんなに晒すよ」

 

マントに引き摺り混まれ、耳元で囁かれた。ハラスメントコード…陵辱や強姦が出来ないはずだが、抜け道があった。それは、戦う為に戦力を剥ぐ行為であれば、問題ないらしい。

彼により着ていた防具が斬り刻まれ、防具と一緒に下着までも…要するに不可抗力で全裸にされたのだった。

 

「じゃ、ハラスメントコードをはずせ!これは強要では無い。お願いだよ♪」

 

強要、脅迫の類いはNG行動であるが、お願いは違うらしい。股間にナイフを突きつけられている。この体勢で殺されると、私の死体はモザイク表示になってしまう。それは、同意の上やったと判断されてしまう恐れがある。やっていないのに…

 

「まぁ、俺はどっちでもいいけどね」

 

どっちでもいい…強要では無いってことでセーフである。この人、ルールを読み込んで研究したのか?私とやりたいから…そんなに思ってくれるなんて…

 

「悪いなぁ…時間切れだ」

 

「えっ!ちょっと待って…」

 

 

 

---レン---

 

5回目のスキャン…凪さんが遠ざかっていた。まさか、そこにリーファさんが?私はそこに向かって。そして、そこで、リーファさんの惨い死体を見つけた。全裸にされ、股間には、リーファさんの矢が突き刺さっていた。だけど、死体にはシーツのような物を被せてくれていた。

 

まったく、あの人と来たら…

 

「いやっ!」

 

ユウキさんの叫び声…咄嗟に身を低くして後退をする。ユウキさんの上半身は無くなっていた。対地スティンガーだ。まさか、凪さんは囮…彼女達の本隊はじわじわと、せまっていたのか…

 

逃げないと地面に伏せて、後退をすると、股間に指が這ってきた。

 

「レンちゃん、遊ぼ♪後、レンちゃんだけなんだよ~」

 

私の背中に載る凪さん…えっ!残るは、私だけ?イベント映像を記録しているカメラが、全部私達を狙い、公開AV化にされる危険がある…咄嗟にメニュを開いて、棄権した。

 

 

 

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