---桐ヶ谷直葉---
お兄ちゃんには内緒で、明日奈さんに頼んで、リアルナギさんに、会わせてもらうことにした。リアルな傭兵で、裏の世界では名の通った人だと言う。どんなゴリラみたいな人なんだ?
米花街にある喫茶店ポアロに連れて行かれた。ここって、ケーキセットとコンビーフサンドが有名なお店だったよな~。店内は混雑していたが、店のカウンターよりの一角に、『予約席』と書かれた札が有り、そこだけ空いていた。そこへ迷わず座る明日奈さん。私は彼女の隣に座った。
「安室さん、コンビーフサンドのセットを2つ、紅茶でお願いします」
「はいよ。あぁ、アイツは仕事が入ったから、少し遅くなるそうだよ」
カウンターの向こうにいる、色黒のハンサムな方にオーダーした明日奈さん。あの人が店長さんかな?
「仕事かぁ…う~ん…」
寂しそうな明日奈さん。そんな表情を、お兄ちゃんの前では見せたことあるのかな?カウンターの向こうにいた男性が、コンビーフサンドと紅茶を持って、私達の前に現れた。
「はい、コンビーフサンドです。後、ラムちゃんとレナちゃんの成長の記録、見ます?」
「見せて下さい」
アルバムも置いて行った男性。ラムちゃんとレナちゃん?
「わぁ~、こんなに成長したんですね。いいなぁ…」
羨ましそうに見ている明日奈さん。
「この子達は?」
「彼の子供達…血はつながっていないの…彼の彼女はレイプされて…」
彼の彼女?
「彼女持ちを狙っているんですか?」
思わず訊いてしまった。
「そうよ。彼には愛人が沢山いるから問題は無いわよ」
いや、問題有るでしょ?無責任な下半身持ちなのか?
「それに、私はまだ出来ないから…」
あ…不感症…彼が見抜いたって、そういう行為をしたってことか…哀しそうな表情になる明日奈さん。
カラン♪
ドアベルが鳴った。ドアの方を見る明日奈さん。
「遅くなって悪ぃ~」
「仕事なら、しょうがないですよ。彼女がリーファちゃんの中の人、桐ヶ谷直葉ちゃんです」
「ふ~ん、けっこうかわいいじゃん」
想像とは違う…細身で優しそうな男性…耳が熱くなっていく。マズっ!一目ぼれ…お兄ちゃんとは違うタイプみたいだ。明日奈さんの目、私の目を真っ直ぐに見てくれている。伏せ目がちなお兄ちゃんと違い、イケイケなのか?
「安室!ナポリタン大盛なぁ。後、ブレンドコーヒー」
「はいよ」
あれ?名物のコンビーフサンドでは無いのか?
「で、何の用?って、安室…アルバムを見せたのかぁぁぁぁ~!」
「あぁ、彼女が見たいって言うからな」
狼狽えているリアルナギさん。
「かわいく成長しているじゃないですか」
「まぁ~あれだ…明日奈も治れば…」
「はい、お願いします」
子持ちの男性だよ。お願いしちゃうの?明日奈さんがわからなくなっていく。
「今日はどんなお仕事だったんですか?」
「冴子が退院して、職場復帰したから、それの送迎だよ」
「冴子さんって、女刑事さんでしたっけ?」
「刑事の枠に入るのかな?警察庁の警視正だよ」
スゴいキャリアでは無いですか。警察のエライ人の送迎までしているのか。
「まぁ、まだ無理は出来ないから…車椅子だしな。で、何の用?」
「直葉ちゃんが、リアル凪さんに会いたいって。ほら、彼女の兄を振ったから、乗り換えた相手を見たかったみたいなんですよ~」
いや、そこまで、あからさまには…概ね正解ですが…
「ふ~ん…柔らかそうなオッパイだな♪」
え!面と向かった言われたことは無いです。耳が熱い。
「凪さんは、正直だから。この後、どうですか?」
「この後?まぁ、予定も無いし。いいよ」
うん?この後?何をするんだ?
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「あ!いい…」
彼の指が股間を這う。それだけの刺激で、悶悶としていく。
「凪さんはテクニシャンだから。いいなぁ、感じて」
明日奈さん…そうか、この感触がわからないのか…
「いやっ!」
乳首トップを舌先でタッピング…それだけの刺激で、股間が大変なことに…
「アンダーは薄めなんだぁ」
股間を覗き込まれている。ダメ…あっ!プチ絶頂…うぅぅぅぅ~
「ふ~ん、普通はこれだけで、いっちゃうのか~」
明日奈さんの為の教材にされている私。
「明日奈も耳たぶの感覚は戻ってきているだろ?」
「あぅ…ダメ…あぁぁぁぁ~入れて…ください」
耳たぶをハムハムされただけで、目付きが蕩けている明日奈さん。
「まだ、ダメだよ。濡れてきていないだろ?」
「ですね…もぅ~!」
「あせるな。治るまで一緒にいてあげるから」
「治ってもいてください!」
「子持ちですが…」
彼も気にはしているんだ。子持ちってことを。
「問題ないですよ♪」
彼に抱きつく明日奈さん。私を放置しないでくださいぃぃぃぃぃ~!
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手首を拘束され、目隠しにされた。ただそれだけで、股間が…こんなにも飢えていたのか…こういう刺激に…
「悪く無い」
股間に顔を埋められている。舐められて、啜られて、甘噛みされている。試食されているのかな…
「私とどっちがいいですか?
「明日奈は濡れないから…わからないよ」
「そうか…濡れないとダメなんですね」
哀しそうな明日奈さんの声。
「では♪」
え!股間に感じたことの無い刺激が…うっ!痛っ!まさか、私の初めてを…身体の中で蠢く何か…気持ちが良い…もっと、刺激を下さい…
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何時の間にか意識が飛んだようだ。彼の上に私がいる。私の乳房が彼の胸に密着している。乳首は乳房に押し込まれ、それはそれで気持ちが良い。刺さっているだけで、幸せな気分になれる。明日奈さんが、彼を求めるのはそういうことなのか?明日奈さんは彼の横にいて、彼の腕に抱きつき、幸せそうな顔で眠っているようだ。
「お目覚めかね?」
彼に訊かれた。
「はい…」
「どう?初体験は?」
「悪くないです。もっと欲しいです」
「今日はここまでだ。こういうのって、体力を使う。きっと、明日は人に言えない箇所が筋肉痛になるぞ」
そうなんだ…って、私の身体の心配をしてくれている彼。明日奈さんがお兄ちゃんから離れた理由…その辺りが欠如していたのだろう。押し付けでは無い、相手を思いやる気持ち…
「優しいんですね」
「優しかったら、傭兵なんて仕事は出来ないよ。俺の手は血で汚れているんだから」
寂しそうに遠くを見つめる彼。
「本当に大切な女を護れなかった。いや、大切だと気づくのが遅かったんだ」
大切な女?誰の事だ?
「たぶん、リアルではもう抱け無いかもしれない。でも、一生寄り添っていこうとは思う」
その彼女に一途なら良い話だと思う。だけど…愛人が沢山って…
「私達は、その彼女の代わりですか?」
「アイツの代わりなんか、いない。明日奈の代わりだっていない。直葉の代わりだっていないよ。個々は個々だ。代わりなんかいないよ」
抱ける女って分類では無く、個人個人として認識しているようだ。それぞれの良い処を見抜く能力があるのかな?
「来る者は拒む場合はあるが、去る者は追わない」
そういえば、ピトさんはリアルでもアウトだと言っていたっけ。誰でも良い訳では無いのか。
「私の良い処は?」
「うん?直葉か?童顔にマシュマロオッパイかな…欲を言えば、ウエストを鍛えろ」
うっ!気にしていることを…でも、正直なんだなぁ。
「そういうお前は、俺の良い処は?」
「う~ん…兄に無い物を持っている処かな。思ったことをズケズケと言う辺り。後、悪者になってでも、護りたい者を護る辺りかな~。また、私の身体をお願いします」
「俺なんかでいいのか?」
「はい!で、私の身体の不具合を教えてください」
「そうだな。太股の内側の筋肉を鍛えておけ。締まりが良くなるぞ」
って、締まりが悪いってことか…
---マッキー---
冴子の送迎用に車を購入した。ビートルもカウンタックも、車椅子を想定していないから。今度のは助手席に車椅子ごと収納出来るように、改造してある。車種はベンツC111である。改造箇所はミッドシップエンジンだったのフロントに載せ替え、後部に車椅子収納の為のギミックを組み込んでみた。エンジンはロータリーエンジンなので、小型でかつパワフルなので、フロントにも収まった。
「私の為に車を新調って…」
「冴子には世話になっているし。ロータリーエンジンも欲しかったから」
「ベンツかぁ…って、こんなスタイリングのがあったのね」
冴子を横に乗せ、試運転中である。足回りを強化しているので、ブレは少ないと思う。アウトバーンが無いこの国では200も出れば御の字だろう。最高速は300だったが、速度を抑え、トルク重視のセッティングにしているので、発進時もスムーズである。
今日は冴子の検診日なので、小淵沢に向かっている。
「もし4台目を買うとしたら、オープンカーもいいなぁ。狙撃される危険性はあるけど」
「狙撃?まだ、狙われているの?」
「殺し過ぎているからね。どこで、恨みを買っているかわからない」
実際問題、そうである。どこで、恨みを買っているやら。
「完全復活したら、護ってあげるから」
「ありがとう」
お礼は言った。だけど、完全復活が難しい。筋力が低下しすぎていた。いや、下半身の筋肉組織がやられていた冴子。今、対処法で現状維持をさせている。押収した資料から、原因を割り出している。将来的にはわからないが、現状では完全復活は難しい。だけど、そんなことを冴子には伝えられない。
医療センターに着くと、ナミが乳母車を押してやって来た。
「お父さぁ~ん♪」
乳母車を横に置き、俺に抱きつくナミ。う~ん、姉ちゃんの面影が出始めている気がする。
「ねぇ、見てみて、ラムもレナもすくすくだよ~」
「そうだな。じゃ、冴子、後でな」
「はい」
冴子と別れて、蘭の待つ部屋に…蘭の待つ部屋には深雪がベッドにいた。出産間近の深雪の世話を蘭がしていてくれた。
「蘭、深雪、ただいま」
「「おかえりなさい」」
二人の声…元気そうだ。
「どう?」
「順調ですよ」
って、蘭。
「蘭さんにはお世話になりっぱなしです」
って、深雪。
「まぁ、二人共、無理はするなよ」
「ナミちゃんが手伝ってくれるから、大丈夫ですよ」
って、蘭。褒められたかのごとく、ドヤ顔のナミ。二人の元気な姿を見たので、テッサに逢いに行く。テッサのいる部屋には、メディキュボイドが数台並んでいる。テッサの他、ユウキ、メリッサ、英里、有希子、柚子、美和子、由美が横たわっている。
「凪先生…」
俺に気づいた芽衣が近寄って来た。将来の夢を持っていなかったのだが、看護師になる道を選んだそうだ。ここで柚子を看る為に。
「どうだ、柚子は?」
「身体的には問題は無いらしいんですが、精神がまだ…」
ヴァーチャルサロンでも、柚子、美和子、由美は、体育館座り状態で、殻から出て来ない。まだ、時間が掛かりそうだ。何か手は無いかなぁ…
「テッサさんは、握力が戻って来ていますよ」
テッサの問題…脳の損傷である。こればかりは、修復医療でも治せないそうだ。
「テッサ…」
両手でテッサの左手を包みこんだ。すると空かさず、指で信号を送ってきた。
『ミステナイデ』
「当たり前だろ。お前は俺の肉便器1号だ」
芽衣が隣で苦笑いしている。
『ウン』
耳で聞いて、相手の言葉を理解し、返事を返せる。治ってきてはいるが、手先以外、まだ動かないのは難点である。顔は修復が進んでテッサの顔に近づいて来ているが、手術痕が痛々しく残っている。これが消えれば、顔の修復は完了らしい。
「また、来るよ」
次の部屋へ向かう。かずえと志保に会う為だ。
「木綿季はどう?」
「順調です。再発もしていないし。問題は体力の回復ですね」
全身の筋力が落ちてしまい、ガリガリな姿の木綿季。
「栄養失調気味で、栄養が行き渡れば、意識は戻ると思います」
母さんが開発した修復術…かずえと志保が、それをマスターし、膣の再建、修復術を編み出していた。ただ、子宮の再建、修復は無理だったようだ。卵巣が再建出来ないというか…卵巣を除けば再建は出来るが、卵巣の無い子宮は無意味であるから…
「このまま、研究を頼めるか?」
「もちろんです」
「まかせなさい」
二人の研究者はヤル気満々のようだ。
---工藤新一---
ここはどこだ…白い部屋…病室か…身体が動かねぇ。口には酸素マスクか。記憶が曖昧だ。どうして俺は病室にいるんだ?
脳波計でも付いていたのか、俺が目覚めたことで、医者や看護師が俺を取り囲み、検査装置で何かを調べている。
「脳波は正常だな。一般病棟へ移そう」
ここは一般病棟では無いのか?横目で隣を見ると、父さんがベッドの上にいた。俺と同じ様に酸素マスクを装着している。
そうだ…想い出した。何者かに銃撃されたんだ。俺と父さんは…確か…小松原総理の手の者達に…誰かが助けてくれて、俺は入院をしているのか。誰が助けてくれたんだ?