※この作品はR-18です。

そっくりなアイツ   作:もっち~!

42 / 62
SS:マッキーの事件簿 Part4

夜中…緊急案件が入った。衣服を調え、かなめを置いて、リビングルームへ向かった。

 

「凪、直ぐにアイと共に向かって。データはアイへ転送して置く」

 

「何が起きたんだ?」

 

「プライベートジェットが墜落したのか、予定時刻になっても羽田に着かないって」

 

それは緊急だな。自衛隊や警察は夜明けにならないと動けない。まして、首相が失脚したので、政局は不安定だし。

 

俺は、装備を整え、アイに載った。

 

「アイ、テイクオフだ!」

 

『了解。飛行計画書に基づいて、逆に飛んでみます』

 

「頼む」

 

アイは飛び立った。漆黒なる世界へ…

 

--------

 

北海道から羽田への飛行計画書。搭乗員はパイロット、所有者の孫、その恋人、ガードが1名とある。積み荷は?

 

「香さん、積み荷は?」

 

『お嬢様の旅行の荷物くらいのはず…あれ?おかしいな、重量が重すぎるなぁ』

 

飛び立つ前に、積み荷の重量を量って、記録することになっている。

 

『なんか、ヤバい物で積んでいたのかもな…リョウに情報屋を当たらしている。追加情報が入り次第、知らせるよ』

 

知らず知らずのうちに、運び屋にされることがある。空港職員になりすまして、プライベートジェットに積み込む。個人所有の為、内容物の検査は無い。有るのは、最大積載量の検査だけだ。なので、空きのある機体に載せられるケースが有るらしい。

 

飛行計画書によると、海沿いを飛ぶことになっていた。だけど、レーダーでの消失地点は山沿いである。ハイジャックの末の墜落か?

 

レーダーによる消失地点のデータが送られて来たので、そこへ急ぐ。現場周辺の山は、熱探査装置で反応があった。何かが燃えたようだ。それも広範囲で。赤外線カメラで、動く物が無いかをチェックしていると

 

『ロックオンされました。ミサイルが来ます』

 

はぁ?ロックオン?空自に連絡していないのか?

 

「回避しろ。相手の所属をチェックしてくれ」

 

『了解!』

 

チャフと呼ばれる囮を撒きながらエレベータアップするアイ。

 

「香さん、撃たれたよ」

 

『こちら、安室。成田の管制に到着した。撃たれただと?空自へ連絡はしてある』

 

「安室、チャンネル切り替える」

 

『了解』

 

傍受されにくいチャンネルに切り替えた。

 

「安室、所属は空自じゃない。また来た…」

 

どっから撃っているんだ?機体が見えない。

 

『潜水艦から撃ち込まれています』

 

はぁ?どこの国だよ。

 

「安室、潜水艦から狙われている」

 

『なんだって…』

 

「反撃していいか?」

 

『俺の一存では…』

 

安室の困った声。だけど、こっちが危ない。

 

「安室、反撃する。こっちが危ないし、乗り組み員も危険だ。アイ、位置を特定したら、リニアガンで反撃だ」

 

『了解です』

 

何を積まれたんだ?おいおい…だが、チャフを撒いたことで、敵が撃って来なくなった。その変わり、軍用ヘリが5機飛来してきた。ライトも付けずに…

 

「アイ、カウンターで落とせ」

 

『了解です』

 

赤外線カメラの映像をチェックしていく。微かに光が見える。銃撃戦が地上では行われているようだ。

 

窓を開け、対戦車ライフルを構えた。空気の振動…来る…そこへ、2発撃ち込む。1発はミサイルに、もう1発はヘリにだ。遠くで大きな火の玉が二つ見えた。敵の僚機の姿も見え、そこに撃ち込む。戦車の装甲を粉砕するリニア式のライフルである。ヘリなんか柔らかいもんだよ。大きな火の玉が見え、また僚機を発見し狙撃する。

 

「アイ、敵の空軍はいるか?」

 

『ステルスがいるかもしれません』

 

可能性は捨てきれない。夜明けまでが勝負だろ。明るくなれば、敵の正体が判明するから、敵は逃げるはずだ。夜明けまで3時間もある。根気戦か?

 

「アイ、麓で降りられる場所を、探してくれ」

 

『了解です』

 

「安室、自衛隊に顔って効くか?」

 

『多少はなぁ』

 

「三沢のレーダーでなんかわからないか?」

 

『確認してみる』

 

「地上で銃撃戦を確認した。地上のバックアップに向かう」

 

『了解!』

 

-------

 

地上…真っ暗である。ライトなんか付けたら、狙撃して下さいって感じだよ。空気の振動を頼りに、山を登っていく。赤外線ゴーグルを付け、道無き道を登っていく。

 

「大丈夫か?」

 

日本語が聞こえた。要救助者か?

 

「僕を置いて行け…彼女を頼む」

 

「そんな訳には…あぁ、そうだな…」

 

この声、知り合いの声に似ている。

 

「クッキーか?」

 

声を掛けた。

 

「うん?まさか…ジョンかっ!」

 

元相棒の朽木三郎、通称マッドクッキーのようだ。

 

「状況はどうだ?」

 

「要人は無事、要人の彼氏は…そっちは?」

 

「俺一人だ。空を得体の知れないのが飛んでいる。積み荷はなんだ?」

 

「積み荷?そういえば、知らない木箱があったなぁ」

 

「それ狙いだよ」

 

「あぁ、疑似運び屋か…」

 

クッキーは事態を把握したようだ。彼らの元に着くと、要人の彼氏は、出血が酷い。ダメだな、これは…動かせないぞ。

 

「麓にヘリがある。そこまで行くぞ」

 

「彼は?」

 

お嬢様が、彼氏を指した。

 

「保たない。かわいそうだが…」

 

「なぁ…彼女を頼む…」

 

男はパイナップルを持っていた。一般人では無いようだ。

 

「クッキー、お嬢様を背負え。俺がガードする」

 

「あぁ、頼むぜ、相棒♪」

 

クッキーとはアフガンで出会い、コンビを組んでいた。短い間ではあったが。同国の者の同士、息も合い、気心も合った。

 

空気の鳴動…狙撃か。俺がそんなこと、許さない。スナイパー達を狩っていく。

 

「あの人も、傭兵?」

 

お嬢様が、クッキーに訊いた。

 

「あぁ、俺の知る限りナンバーワンの傭兵だ」

 

俺の知る限り、ナンバーワンはリョウだと思う。

 

-------

 

無事にアイに二人を収納した。問題は…積み荷か…

 

「クッキー、墜落地点を覚えているか?」

 

「あぁ…あの山の向こう側だ」

 

赤外線カメラで見る限り、火の手は無い。どうやって、持ち出すんだ?処分で有れば、火の手は上がると思うのだが。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。