三沢基地のレーダー情報を使い、警戒しながら上昇をし始めたアイ。
『ブラックホークを補足しました』
駐留軍の陸軍か?
「この国の軍では扱える代物では無いのかもな」
クッキーの見解。俺もそう思う。情報を共有している形跡は無い。
『アチラの軍から、無線が入りました』
「繋いでくれ」
『ジョンか?』
聞き覚えのある声…たしか、ジョージ・ウッズマン大佐だっけ?
「ジョージか?」
『そうだ。頼みがある』
ヤバい仕事だな。自分の所で出来ない仕事を発注するから、コイツは…
「内容による」
『積み荷をロストさせたい』
運べないのか?
「潜水艦での攻撃は、そっちか?」
『まさか…魚雷とICBMしか積んでいないぞ』
「敵はどこだ?」
『テロ組織だ』
テロ組織で潜水艦持っている勢力があるのか…
「どこの?」
『お前の預かり知らぬ処だ』
どこかの大国か…
「積み荷の内容物は?」
『粉だ』
麻薬か…爆薬か…
「燃えるのか?」
『グレネードは装着していないのか?』
「護身用程度の装備だよ。この国では、重火器は禁止されている」
『それは厄介だな…何?漏れているだと!』
漏れている?ヤバそうな展開である。粉じゃ無くて、菌じゃないのか?
「空気感染するのか?」
『する…近寄れない…』
「わかった。オイルとかライターはあるか?」
『積んでいるが、どうする?』
「オイルタンクにパイナップルを付けて落とせ。真上にだ。ピンを撃ち抜く」
『わかった』
「物に火が点いたら、オイルタンクをくべろ」
『了解だ。協力に感謝する』
ただ働きの予感…
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そして、合同作戦を終え、羽田にVIPとクッキーを下ろし、住み慣れた我が家に帰還した。
「ご苦労さん♪米軍から武器、弾薬がお礼にって届いたわよ」
香さんはご満悦のようだ。要人救護でたんまり貰えた上、武器、弾薬が補充出来たそうだ。いいのか?そんな物を貰って…おぉ、グレネード・ランチャー、そしてプラズマ・ランチャーじゃないか。GGOでフカの持っている奴だ。
「他にもあるわよ。使用禁止の武器が多いけどね」
使用出来る物はくれないと思う。
「で、敵の情報は?」
「テロ組織…」
あぁ、あそこか…つぶしてくるかな。
「ちょっと、散歩してくる」
「おい!帰って来いよ…」
香さんの顔から血の気が失せている。俺の顔って、そんなに凶悪な顔しているのか?俺は、アイと共に、貰った武器、弾薬と共に、散歩へ出掛けた。
---桐ヶ谷和人---
総務省の役人である菊岡さんに相談をした。
「う~ん、人殺しって言っても、傭兵なんだろ?」
「だけど、人を殺しているんですよ、現実世界で…」
「それに、キリト君の指摘した人物は、警察の協力者だ。死銃事件でも協力をしてもらったし。海外ではそうかもしれないが、この国では彼に助けられた者が多いのも事実だ」
「人殺しを野放しにするんですか?!」
「警察や軍の協力者だ。総務省の役人ではどうにもならない」
「警察はグルなんですか?」
「そういう言い方はどうなんだろうね。彼の能力を利用している点であれば、グルだろうな」
「どうすれば、摘発できますか?」
「摘発は無理だな。敢えて、彼を消したいのであれば、闇の世界に頼むんだな。その場合、君は犯罪者の仲間入りだがな」
殺人教唆か…
「他に穏便に排除できませんか?」
「君の手を汚さずにか?そんな都合の良い話は、リアル世界には無いぞ。彼は誰かを護る為なら、自分の手を汚すことを躊躇わないそうだ。悪いが役には立てない」
そんな…
「何があったかは、想像に難くない。君のリアル世界での行動が原因では無いのか?明日奈君や詩乃君が君から離れたのは」
菊岡さんは、何かを知っているようだ。
「何を知っているんですか?」
「彼は彼なりに、出来ることをしている。それだけだ。使えるコネを全て使い、誰かを助けようとしている。そういう男だよ。君が嫉みを持って接して良い相手では無い」
コネ?何のコネがあるんだ?
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北千住にある田沼平九郎探偵事務所を訪れた。ここは元刑事さんが所長をしているそうで、地道な捜査には定評があるようだ。
「で、この人物について、調べれば良いのですね」
青白い顔の男性が、話を聞いてくれた。安堂さんと言うそうだ。
「名前は凪で姓は不明かぁ…」
スマホで撮った顔写真を見せた。
「うぅん?これって、工藤新一じゃん」
工藤新一?それが本名なのか?
「何者ですか?」
「高校生探偵だよ。傭兵では無い。まだ高校生だからね」
え?傭兵では無い?では、みんな騙されているのか?安堂さんが、1冊の雑誌を見せてくれた。そこには、『高校生探偵、また警察に協力。難事件を解決へ』という、記事が載っていて、アイツの写真が掲載されていた。
「傭兵と言えば響きがいいから、知らない人間を騙しているんだろうな」
「それって、詐欺ですよね?」
「何か被害があれば」
「俺の大切な人々を奪われました。これって、被害ですよね」
「結婚詐欺か?う~ん…まぁ、着手金は貰いましたので、調べるだけ、調べてみます。証拠が出たら、警察に摘発で良いのですね」
「お願いします」
---安堂一意---
依頼者、桐ヶ谷和人は帰って行った。う~ん…傭兵の方だよなぁ~。アイツだよなぁ~。槇村凪は、ウチの事務所の依頼を受けてくれているし。裏の世界を知っている探偵ならば、知っていることだ。槇村凪は工藤新一にソックリだと言うことを…
警察に摘発…この国無くなる気がするなぁ…武力を以て、アイツと対峙したら、戦争は確実だろうな。
『あれ?ゲロゲロのあんどーちゃん?何か依頼かな?』
スマホで連絡をしてみた。あぁ、二つ名の『ゲロゲロの』は、消化器官に問題があって、嘔吐を頻繁にするからである。
「桐ヶ谷和人って、知っているか?」
『知っているよ。彼女と愛人と妹を、俺に寝取られたヘタレだよ』
そんな事しているから、摘発したがっていたのか。
「お前の犯した犯罪の証拠を掴んで、警察へ摘発してくれって」
『俺の犯罪?どれで、立件するんだ?』
そうだよな。有りすぎるし…って、言うか違法捜査の成れの果てで有り、警察は摘発を受理しないと思う。
「とりあえず、結婚詐欺は?」
『結婚詐欺?一番有り得ないだろ?俺は誰とも結婚をするなんて…あぁ、蘭にだけ言ったかな?』
「他の女性には?」
『言っていないよ。だって、俺はテッサかかなめに殺される為だけに、生きているんだぞ』
そうだよな。コイツの場合、裁判官では無く、その二人の女性しか裁けない気がする。
『そもそも、俺は生きていないことになっているんだよ。死人の犯した罪をどう立証するんだい、名探偵君♪』
そこだよな。問題は…コイツ、戸籍が無い。いや、有るには有るが、公安が発行した偽の戸籍だし。そもそも、公安が保証している人物を摘発出来るのか?
『その依頼は、無理だよ。断っちゃいなよ』
そんな気がしてきた。うっ…
「すまん、トイレに行く。かけ直す」
俺はトイレに駆け込んだ。胃が…リバースだ…
新たな探偵物を投入…(^^;