---マッキー---
偽装殺人…俺は殺された事になった。既に死亡扱いの俺が殺されるって、どういう事態だよ、まったく。
「すみません。これしか方法が無かったので」
深雪の兄の達也に謝罪された。残された者達がどうなろうと、お構いなしの処置である。
「皆さんには、私から伝えます」
と、深雪。生きていることは知らせておけよ。後追いなんかされたら、迷惑である。
「これ…軍部で用意した新しい戸籍です」
代羽蓮とある。代羽はヨハネで、英語読みするとジョンになるらしい。蓮は英語でロータスで、俺の好きな自動車メーカーである。
で、用意された愛車はロータス・ヨーロッパとは…せめて、ロータス・エリートなら4シーターワゴンで、使い勝手が良かったのに…
軍部は上からの命令で、俺の抹殺を命じられたようだが、その命令系統を怪しんだ達也の所属する部隊の隊長さんの機転で、俺は殺されたことになり、達也の所属する部隊の協力者という形で保護されたそうだ。
「住処はどうなる?」
「工藤新一として、あの家に住むのはどうですか?治療費として、あの家、土地はいただきましたから」
なるほど…顔はソックリ、問題は少ない。
「代羽蓮は、軍部でのコードネームと思ってください」
達也も軍部の協力者扱いで、軍部では大黒特尉と呼ばれているそうだ。三人で、あの家に向かった。一人で住むには広い造りである。隣の阿笠邸も手に入れたそうで、隣には達也と深雪とその子供が住み、俺のガード兼連絡係をしてくれるらしい。
「お金は?」
「深雪が生活関連をサポートします。一緒に住むと、バレる可能性があるので…隣に住みます」
一人暮らしか…まぁ、しょうがないなぁ。
「おい!飯はウチで喰えよ」
って、安室。
「相棒♪」
何故か、クッキーがいるし。
「これが、今回のメンバーです」
って、達也。今回の敵に対応するメンバーか。俺と達也、クッキーと安室の4名か。傭兵が2名、軍所属が1名に公安が1名か…結構な戦力だな。
「公安は、味方だ。情報は流す。後、さっちょうの特捜も味方だ。野上警視正の男だしな」
「身分はバレているのか?」
「俺と野上警視正だけ知る。後は秘密だ。スパイがいるとまずい」
って、安室。
「あのホテルは使えないのか?」
「あぁ、あそこは俺のチームで運営している。安心して使え。いや。あそこ以外ではするなよ。お前、ピンクトラップに弱そうだし」
あぁ、そうかもしれないな。寝首を掻かれるタイプだと思う。一度も搔かれた事は無いけど。
「後、あんどーちゃんが知っている」
って、クッキー。コイツとの共通の知り合いである。
「安楽椅子探偵がいるなら、謎解きも可能だな」
あんどーちゃんはゲロゲロ体質な為、外での活動だと、推理力が低下しまくる。なので、情報を前にして、遠隔地から推理を披露するタイプらしい。
--------
電脳空間は、スパイの入り込む余地が無いので、使って良いらしい。
「え?!リアルでは、死んだことになっているの?始めから、死んだことになっていたのに?」
不思議そうな顔でテッサに言われた。テッサの指摘は正しい。そうなんだけど…
「俺が戸籍が無いって、知らない連中が敵だと思うんだよ」
「じゃ、もう医療センターには来られないの?」
哀しそうな顔のテッサ。あそこで狙撃されたことになっている。張られている可能性はあるなぁ。
「当分は無理かな。まぁ、変装して行くカモしれない」
「こんな身体で無ければ、君の役に立ちたかったよ」
って、英里。
「俺の事はいいよ。それより、リアル体で動けるように、アレコレ工夫をしてみて。孫に会いたいでしょ?」
「孫なぁ…まだまだ、若いつもりなんだけど」
「で、新ちゃんは、どうなったの?」
有希子に訊かれた。
「刑務所にいるよ。優作が目覚めて、自白しない限り、えん罪は晴れない」
「そんなぁぁぁぁぁ~!」
コイツ、どんだけ息子を愛しているんだ?1回も見舞いに来ない息子を。
そして、サロンの隅で、体育座りをしている一団に近寄った。
「美和子、由美、柚子…ごめんな、巻き込んでしまって…必ず、元の世界に戻してあげるから…」
何か方法があるはずだ。俺はログアウトした。
-------
腹減ったなぁ…クッキーはあんどーちゃんの事務所で、働き始めたようだ。俺はする事が無い。高校へ通うって手もあるが…どこの高校へだ?転校しないとダメだよな。本物を知る奴らが多い高校では、偽物ってバレそうだし。
カラン♪
腹が減ったので、安室の店へと行った俺。予約席には関係者一同がいるがスルーして、カウンター席に。変装は完璧で、関係者一同様にはバレていないようだ。
「ナポリタンの大盛りとブレンドね」
「あいよ♪」
ガタっ!
隣に誰かが座った。横目でチラ見をすると、直葉だった。
「凪さんですよね?」
って…スルーする。
「工藤新一さんですよね?」
あれ?なんでバレていているんだ?安室が苦笑いをしている。直葉は確信したようで、
「後でね」
自分のいた席に戻っていく直葉。
「どうだった?」
明日奈が訊くと、
「違うみたいだよ」
って、明日奈に報告している。腹黒いなぁ、直葉は…
食い終わり、家に帰る俺。ここから徒歩15分って言うのは、良い立地である。
グニョ
腕に柔らかい物が当たる。直葉と明日奈だった。あれ?
「引っ越しして、別人になろうとしているんですか?お仕事でですよね?」
明日奈が訊いてきた。この二人はグルか?そして、工藤邸に二人を連れ込んだ俺。
「工藤新一って、表の顔なんですか?」
直葉が誤認してくれている。なので、頷く俺。
「あの…溜まっているんです…」
俺に抱きつく直葉。明日奈は見ているだけである。何をしたいんだ、この二人は?
「溜まっているって?宿題か?」
「何を…呆けているんですか?」
涙目の直葉。
「自分の指でなぞっても、あの感触が得られないんです」
性行為に目覚めたのか?エムに開化したのか?
「私も、自分ではダメです」
って、明日奈。いや、お前は俺でもダメだろ?
--------
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
荒い呼吸の直葉。壁に手を付き、俺の方へケツを向けている。俺は彼女が望む事をしている。根元まで入れて、手の平では胸を捏ねくり回している。ちなみに、直葉の足の裏は床に届いていない。
「う~ん、スグ、お前、今日は大丈夫な日か?」
「え!出してくれますか?大丈夫ですよ♪」
深雪に大丈夫詐欺に遭っているからな…まぁ、出たとこ勝負かな。スグの中に大量にぶちまけた。
「あぁ、この感触…いいですぅ~」
果てたスグ。ゆっくりと床に置いた。
「次は私ですよ」
って、明日奈。指を下腹部に這わす。凜と立ち尽くしている明日奈。感じ無いのか…クリを刺激するが、表情すら変わらない。では、耳をハムハム。
「いぃっ…これは感じます。乳首が引き締まる感覚がいいですね」
確かに乳首は反応して固く締まってきている。上半身は感覚が戻ったのか?乳首を舌先でタッピングしてみる。
「う~ん、これって気持ちいいものなんですか?」
乳首も乳房も反応が少ないようだ。あそこはどうだ?ワセリンをう指にタップリと載せ、明日奈の後の穴に塗っていく。穴の周囲も、穴の中も…
「え…ダメ…あれ?太股がへんな感じ…」
ここは狙われなかったのか、感覚が普通のようだ。ゆっくりと明日奈の中へ入っていく。
「胸が苦しい…悶悶としていく。何コレ…」
感じた事の無い刺激により、明日奈がプチパニック状態のようだ。
「止めるか?」
「いえ…続けて下さい」
って、言われてもなぁ。ここでは暴れられない。腸を傷つけるとマズいし。入れたまま、割れ目の中をマッサージしていく。
「ください…」
「何を?」
「後では無く…前に…」
股間を触るが濡れていない。
「ダメだ。こんな状態では無理だ」
「そんな…こんなにも悶悶としているのに…」
自分の手で、自分の胸を虐めている明日奈。上半身は正常になってきたのか。
ふと、謎の液体と目が合った。これって、ドンキーで買ったヤツだよな。コレを使えば…液体を明日奈の割れ目に振りかけてみた。
「あぅ…」
目がトローンとして、口元からヨダレが垂れている。効いたのかな?あのテッサにも効いた強力な誘淫剤だしなぁ。
おぉ、濡れてきたじゃないか。後の穴から抜いて、前の穴に入れて、ゆっくりと蠢く。
「あ…あぁっぁぁ~」
喘ぎ声が聞こえ始めた。そうか、潤いを与えれば、良かったのか。
--------
うなじをスグの谷間に挟ませ、背中にスグの割れ目を開いた状態で密着させ、俺の上で嬉しそうに明日奈が踊っている。
俺の受ける振動が、スグにも伝わり、三人同時に夢うつつな状況である。
「あっ!」
果てた明日奈が、俺の方へ倒れ込んで来た。優しく抱き締める。
ピンポーン♪
は?誰かが来た。明日奈をベッドに置き、バスローブを羽織って、玄関へ向かう。
「貴様!明日奈とスグに何をしたんだ?!」
キリト君が警官と共にいた。
「愛情を確かめ合っていましたが…」
「君、ちょっと来て貰おうか」
警官に連行される俺。有り得ない。自分の家にいるのに?
--------
バスローブだけを羽織って、警察署にいる。連行した警官が、不純異性行為がどうのこうの、都条例違反がどうのこうの言い、俺を逮捕だそうだ。バスローブの下が全裸の件は、わいせつ罪に当たると言い始めた。バスローブって、全裸で着る物だと思うのだが…
そして、留置場へ…捕虜になった気分である。何事も良き経験と受けとめるか。
翌日…安室が迎えに来た。
「保釈か?」
「いや、えん罪だ。お前の代わりに桐ヶ谷和人が逮捕だよ。不法侵入、暴行未遂だ。達也が止めに入ったから、明日奈も直葉も無事だ」
あぁ、力尽きてぐったりとした、あの二人の姿を見て、発情したのか?あのヘタレは。
「なぁ、バスローブって、全裸で着る物だよな?」
「あぁ、わいせつ罪の件か?あれ、おかしいよな。自宅でバスローブで寛ぐと、わいせつ罪になるって…あの警官は厳重注意だそうだ。ほら、服を着ろよ」
安室が服を持って来てくれた。バスローブで留置され、身体が冷え切っている。
「喫茶ポアロで、暖かい飯を食わせてくれよ」
「あいよ」
--------
喫茶ポアロで、ナポリタン三昧をして、幸せな気分になり、帰宅した俺。
「「お帰りなさい♪」」
三つ指を付いた明日奈とスグがいた。あれ?
「帰らなかったのか?」
「帰れないよ。キリト君に襲われて、ショックだったんだよ」
「まさか、お兄ちゃんが…もう一緒に住めないよ~」
で、俺と同居するって言う二人。
「ご両親の許可は?」
「取りました。凪さんと一緒なら、安心だって」
「取ったよ。うん、問題無い」
いや、俺の方に問題があるんだが。これでも一応、2度死んだ事になっているのだが…達也がフォローしてくれるかな?イザとなれば、クッキーもいるし、深雪もいるし。あっ!子供の名前って、どうなったんだ?
「明日奈、俺は凪じゃない。工藤新一ってことになっている」
「はい、注意します」
まぁ、部屋は一杯あるし、いいか。
「じゃ、家事は明日奈とスグにまかせる」
「「はい」」
---------
隣家の資料倉庫に、母さんと父さんのメモ類のコピーを収納した。手がかりを見つける為だ。精神の修復ってどうすれば良いんだろうか?
あれ?クローン関連のメモがある。誰が研究していたんだ?メモ類に目を通していく。そうか…正常な細胞を増殖して、クローンを作り、臓器移植すれば良いのか。倫理的な問題は有るものの、本人に使えば問題はないよな。って、iPS細胞の増殖法って、これの発展になるのか?
医療センターのかずえへ連絡をして、検討してもらうことにした。iPSよりも確実な気がする。臓器のスペアであるし。
『凪、倫理的な問題はどうするの?』
「まず、治すのが先決だ。責任は俺が被る」
『あなた、一応死人なんだけど…』
あ!罪に問われないのか?いや、実在しない存在である。別の誰かが罪に問われるのか…
「じゃ、ダメか…」
『院長に伝えるわ。検討するに値すると思う。倫理的な問題をどうにか出来ればね』
そこだよな。問題は…
---槇村香---
凪が彼の育ての父親と同じ結論に達したようだ。クローン体による臓器スペア計画。発想は違うけど。凪は仲間を救う為、彼の父親は、権力中枢者達の延命の為である。
後、凪の秘密もわかっていない。凪の育ての両親は、凪に何を埋め込んだんだ?工藤優作の意識が戻らない状況では、探るには手詰まりに近くなってきた。
「香、ヒントを得てきたぞ」
リョウが帰って来た。
「ヒント?」
「あぁ、アイツの能力は振動の感知だ。空気の振動で相手の位置、弾道を判断して、的確に補足している。もしかして、アイツは脳波の振動も感知できるんじゃないのか?」
脳波の振動?
「精神波だよ。相手と交わることで、同調出来るとしたら?」
「他者ではなく、自分の分身として精神が思い込んでしまうってこと?」
凪と交わったら、凪以外と出来なくなる事実。リョウの推論は遠からずの気がする。
「問題は、アイツの実の両親が誰かだ。アイツを護る為に動き出したら、戦争になる可能性もある。それだけは止めないとな」
実の両親に関しては、凪自身は興味無いらしいけど…そうだよな。実の親なら、凪を護りたいよな。既に2度死んだことになっているし。
「敵は、アイツがアイツの両親を知る前に、消したがっている。アイツの両親には勝て無い勢力ってことだ」
「それって?」
リョウは、思い当たったのか?
「母親の方は見当が着いたんだが、父親がわからないんだ」
珍しくリョウが難しい顔をして、悩んでいた。