---マッキー---
四宮町にある四宮タウンへと向かう車中。これまでのことが、記録用8ミリ撮影機で撮影されたように、脳裏ではセピア色で再生されている。
自分が普通の人間では無いと知った、あの日から俺は藻掻いた。少しでも長く生きられるように、少しでも長くみんなといられるように。だけど…1日1日と日々が経過する中で、自分で自分の変化に気づいた。勝手に意識が飛ぶ、目眩がする、記憶力が落ちてきている、性欲すら危ない。
確実に、身体の中で何かが、起きているのは確かである。
志保やかずえに相談は出来ない。心配を掛けてしまうから。俺はあんどーちゃんを頼った。まず、調剤してもらったのは、細胞の劣化を防ぐ為、細胞分裂の加速を抑える為の遅延薬、そして、性欲劣化を偽装するバイアグラの処方である。
そして、あの禁断の薬を調剤してもらった。生成方法と精製方法は盗んできた書類に記されている。そして、サンプルもある。あんどーちゃんを信用して、それらを託した。
「おまえ…大丈夫か?」
病人のあんどーちゃんに心配される俺。
「疲れがひどくてなぁ…」
「赤い玉は出たのか?」
「まだ、打ち止めじゃないよ。これから、精をつけて…」
精をつけてもダメなことは、俺もあんどーちゃんもわかっている。もう、そんなレベルでは無いのだった。
人間では無いので、普通の病院へは行けない。だけど、医療センターに行けば、俺の状況がみんなの前に提示されてしまう。ここが踏ん張り所なのだろう。みんなに心配は掛けたくないから。そんな俺の相談相手はアイとクッキー、そして、あんどーちゃんである。
「なぁ、みんなにバレずに消える方法ってあるかな?」
アイに相談をした。
『私も連れて行ってくれますか?』
「あぁ、アイだけ、いてくれればいいな」
『わかりました。考えてみます』
と…そして、アイは約束通り、考えてくれた。
『1つだけ、お願いがあります。イオンエンジンを4基増設してください』
「わかった。で、どこへ行くんだ?」
『凪さんを確実に消滅させる場所へご案内します』
「行き先は秘密か…楽しみだな…どんな場所だろうか…アイが一緒なら寂しくは無いな」
『ありがとうございます』
こうして、着々と、作戦を練っていく。アイと二人で…
◇
だけど、問題が生じた。大掃除の際、相手は狙撃できない場所にいることが判明したのだった。防弾ガラスで護られた部屋。1発でも衝撃を受けると、防弾シャッターが降りるらしい。その強度はバスーカー砲でも撃ち抜けない上、高層ビルの最上階、50階にいるらしい。天空の城壁で護られているそうだ。
ヘリから狙撃を考えていたが、無理っぽい。どうするか…屋上には脱出用ヘリが待機しているそうで、階下で火災があっても脱出が出来るようだ。
『真上から攻撃でどうですか?』
アイが提案してきた。真上か…テッサに頼むか…そうだ、バンカーバスターもあるな。アイに落として貰うのも手だな。
上に逃げられない場合、相手はどうするかな?そこに興味が移った俺。