---マッキー---
どうにか、俺が俺であるうちに、大掃除は終われた。今、アイの中にある生命維持装置の中にいる。細胞分裂の末、もう身体はなくなったようだ。培養液の中に浮かぶ俺…脳だけになってしまったそうだ。人工血液を循環させて、脳死しないようにしてくれている。
俺の身体だった部分は、アイの中に残されている。この細胞を消し去らないとダメだ。存在してはいけない物だから。
「アイ、目的地までどのくらいだ?」
『申し訳ないです。初めての航路な為、計算が出来ません。だいたい7年か8年か…10年くらいです』
アイに任せておけば、大丈夫だな。
「着いたら、起こしてくれるか?」
『了解しました。必要最低限の機能だけオンにし、スリープモードに移行します』
俺とアイは眠りに着いた。少し疲れたな。
---テレサ・テスタロッサ---
歌舞伎町の住処に帰り着いた。ジョンの部屋に急ぐ、私。だけど…
「テッサ!」
懐かしい声に呼び止められた。あれ?なんで生きているんだ?宗介…
「相良君?」
「あぁ、肯定だ」
「相良君♪」
宗介に駆け寄り、抱きつく私。これが、プレゼントか?サプライズ過ぎる…ジョンらしいけど。
「うん?でも、なんで生きているんだ?」
「千鳥には話したが、ジョンに救われたんだよ」
ジョンは…宗介の再生を試みてくれていた。宗介が生き返ったから、ジョンの願いが変わったんだな。
「で、ジョンは?」
「あぁ、海外で紛争が起きて、そこへ救援に向かったそうだ」
あぁ、ジョンらしいな。って、私に挨拶無しか?
「あのねぇ、テッサ…」
香さんから、更なるサプライズプレゼントの内容を聞いた。え?!私に中に、宗介と私の子宝がいる?何時の間に入れたんだ?ジョンの奴は…してやったり顔でVサインを向ける、ジョンの姿が脳裏に浮かぶ。アイツ、こういうこと、好きだからな。良い方向への隠密行動とか。
そうなると、ジョンと出来たのでは?あの時、しておけば良かった。う~ん…
かなめにも宗介との子宝が、香さんにはリョウさんとの子宝が埋め込まれているらしい。アイツ、こまめ過ぎるだろう。
「で、アイツの子宝は?」
うん?誰も埋め込まれていないらしい。なんで?
「たぶん、ナミちゃんだけでいいと思っているのかもね」
って、香さん。そうなのか?私は欲しい…欲しかった…ジョン…
---工藤新一---
俺宛に、手紙が届いた、差し出し人は工藤新二とある。アイツか…なんだろうか?
『約束通り、蘭と蘭の子供を頼む。俺は、海外で起きた紛争に向かう。いつ帰れるかわからない。それまでの間、頼むよ、アニキ♪』
って…傭兵稼業に戻ったのか、アイツは…罪なき子供達の為に、命を張っているんだろうな。俺は何をやっているんだ。今だに塀の中である。
数日後、蘭が面会に来た。
「子供達には父親が必要なの。ねぇ、罪滅ぼしに、槇村さんの代わりになりなさいよ!」
はぁ?アイツの代わり?なんでも、アイツが何も言わずに、海外へ行った為、子供達の夜泣きが酷いらしい。
「毎日は、うっとしいから、1ヶ月に1度、子供達に顔を見せなさいね」
塀の中の俺…毎日、保釈は無理かと思う。だけど、蘭の目付きは、以前ほど、怒りを持っていない。いや、どこか寂しそうだ。アイツがいなくなったからか?
「蘭、お前は、今も、アイツのことを?」
「勿論よ。私は槇村凪の妻ですから」
だと言う。う~ん、付けいる隙は無いのか?いや、アイツの代わりに…