※この作品はR-18です。

【とある魔術の禁書目録】敵役なりのジンテーゼ -Kihara-   作:白滝

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この章はあまり話の本筋に必要ないので、読む必要は特にありません。
恒例の自己満足回です。

次章が最終章となります。
最終章まで読んでいただけたら嬉しいです。


行間

 

 

 一つの疑問。

 『木原』とは、いったい何なのだろうか?

 彼らは常人とは全く異なる、異常すぎる程に醜悪な感性を有する。

 感性が異なるという事は、常識が異なるという事だ。

 常識が異なるという事は、生き方が異なるという事だ。

 生き方が異なるという事は、生存戦略が異なるという事だ。

 生存戦略が異なるという事は、もはや生物の種が異なるという事だ。

 そう。

 『木原』は既に、『人間』という枠組みを超えている。

 ならばそれは、別種の生物と評してもいいだろう。

 善良な倫理観を規範として生きる常人からすれば、彼ら『木原』は科学に溺れ理性を捨てた獣にしか見えない。退化したと言わざるを得ない。

 しかし、そういった『正しい意見』を保留とし、一旦、人類の繁栄のためのさらなる生存戦略について考察してみよう。

 今から七〇〇~五〇〇万年前。

 人類は、道具を扱うために鋭利な爪と四足歩行(走る速さ)を捨てた。

 二足歩行という自然界においてはどう見ても不恰好な姿に進化した人類は、繁殖に不都合な骨盤と他の種に劣る筋力・骨格を得た。もはや戦闘のための武器として発達したのは、『投擲』に関与する骨格ぐらいであった。獲物の肉を削ぐ爪も、獲物の肉を裂く牙も、片手で木々に長時間ぶら下がる事のできた筋力も、何かも、全てを犠牲にした。

 しかし、それでも人類が二〇万種の生命の灯がひしめく地球の頂点に立てたのは、偏(ひとえ)に発達した脳のお蔭である。

 そう。

 人類の武器とは知能である。これは揺るぎない事実だ。

 だからこそ、今更そこに議論の余地などない。

 

 では。

 

 ここからが本題。

 

 人類はその高い知能を用いて、様々な科学を発見し、利用してきた。

 過去も、現在も、そしておそらく未来でも。

 しかし、その技術革新の躍進が、いつからか徐々に減速していく事になる。

 

 生命倫理。

 

 人類はついに、自らの武器であった『知能(チカラ)』が、生物の共通概念である『理性(ほんのう)』と衝突してしまうという事態に直面する。

 「クローン人間なんて作ってはいけない」

 そんな事はない。クローン技術が発達すれば、様々な医療技術も連鎖的に発達するであろう。臓器や骨髄の移植などに、非常に役に立つ。人権のない人間を作れる、というメリットは、あまりにも大きい。

 「絶滅危惧種の生物を保護しよう」

 そんな事は無駄な労力だ。遺伝子バンクに登録し精子を冷凍保存すれば、iPS細胞による受精卵の作成によっていつでも復元できる。どこぞの保護団体の寄付金が浪費されるだけだ。

 「麻薬はいけない物だ」

 必ずしも断言はできない。これほど人の洗脳に有用な薬物は類をみない。軍事利用されたり医療に応用されたりと、その脅威の依存性は人類の歴史を紐解けば誰でも理解できるはずだ。タバコや酒に税をかけるよりも、もっと即物的な経済効果を期待する事ができる。

 「核爆弾を作るのを止めよう」

 これほどの抑止力がいったい地球のどこにあるのか?むしろ、他国を騙しててでも手に入れたい殺戮兵器だ。財力も技術もない小国が、それだけで世界を一変させるほどの影響力を得る。もちろん、生存戦略において善悪の概念など二の次だ。

 

 そうだ。

 人類は、善悪の概念を超えれば更なる進化を遂げる事ができるだろう。

 同じ種が同じ遺伝子配列まま淘汰される事なく、永遠に地球上に存在する事などできはしない。三億年間もの歳月を姿形を変えず進化さえしなかった脅威の生命力を有するゴキブリが、だからと言って、次の三億年も姿形を変えず進化せずに生き残れるとは限らないのだ。

 ダーヴィンの進化論が立証しているように、種は多様性を得ながら複雑怪奇に進化や退化を繰り返す。結果として、強者が生き残り、弱者が自然淘汰される。それだけだ。

 

 さて。

 

 ここで一つの命題(テーゼ)が生まれる。

 

 

 「人類は倫理を捨てて科学による進化に臨むのか、否か?」

 

 

 そこに一つの答え(ジンテーゼ)を出したのが、『木原』であると言えよう。

 常人の倫理感に縛られる事のない彼らは、あらゆる生理的嫌悪感を超越して科学に傾倒する。

 人類をここまで発達させてきた武器『知能(チカラ)』に傾倒し、特化する。

 リミッターとなる『倫理感』が、外れている。

 ならばそれは、ある意味で進化した人類と評する事ができるだろう。

 そこに善悪という概念はない。

 倫理という線引きもない。

 正誤の基準もない。

 彼らは食物連鎖の生態系の中で、より強者になろうと自らの種(ホモ・サピエンス)の武器である『知能(チカラ)』に特化しただけだ。

 水中での生活から陸上へ生活圏を転換する両生類の如く。

 倫理という生活圏から価値観を転換した人類。

 それが、『木原』。

 もしかしたら。

 それが、血で繋がらない血族、『木原』の正体なのかもしれない………

 

 

 

 

 




この章を書きたいがためだけにこの二次創作を書きましたww
「じゃあ、魔術サイドや一般サイドはどうなんだ?」と、ふと考えてしまった方は私と気の合う方かもしれませんww

次章が最終章です。
ここまでお付き合い頂いてありがとございます。
最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。
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