ムーンキャンサー、BBペレ。
あるいは水着BB、もしくはBBホテップ(自称)。
彼女の詳細を簡潔に解説しようとするのは不可能だ。
なにせ例外に起きた例外がイレギュラーを起こしたような産物である。
よってここでは彼女の正体ではなく、彼女が何をしでかしたのかだけを記そう。
率直に言って、彼女はちょっとした悪戯心で世界を支配したのだ。
“正しい歴史”とは少々違う方法と趣向で、彼女はカルデア全体の時間をループさせた。
終わらない一日。
カルデア全体を世界の時間軸から遮断し、力技で独立させた。
“この世界”には彼女にとって特別な人間はいない。
故に“正しい歴史”と比べて歪んだ結果で、暗躍は実行された。
邪神の権能を操る彼女の手にかかれば、ただの人間など何もできない。
何かされたと気付くことも出来ずに、カルデアは彼女の手に堕ちた。
適度に楽しんでかき回し、職員やサーヴァントを苛め抜いて遊ぶ予定だったBB。
しかし彼女にとって想定外だったのは、このカルデアが既に狂っていたこと。
「豚になぁれ」
とは、別世界の彼女の言葉だが。
このカルデアには、既に家畜と化したサーヴァントが存在する。
「……え?」
召喚された直後に支配を開始したBB自身、全容を把握した瞬間に硬直した。
組織運営という観点を大真面目に議論した結果生まれた混沌を、根は純情な彼女の脳は受け入れられなかったのだろう。
だから、彼女は失敗した。
家畜小屋の惨状に凍り付いていたBBは、家畜と化したサーヴァントたちに捕らえられたのだ。
同族を迎えるように、BBは彼女たちに拘束された。
神性を新たに得ていることが裏目に出た。
力を行使する前に、魔女によって彼女の力は封じられる。
無論、大魔女の力をもってしてもBBの権能を抑え込めるはずもない。
重ねて令呪を三画。
全力で、それでも一日が限界だ。
だが、このカルデアは一日を繰り返す。
一日自由を奪われるということは、つまり永遠に自由が来ないということだ。
過剰なほどに繋がれた鎖が、BBの自由を奪っていた。
身じろぎ一つとれない状態。
蹲踞の姿勢で、BBは拘束されている。
「ご、おぉっ……!」
備品として用意されていたバイブが、彼女の膣へとねじ込まれる。
豚のような悲鳴が、彼女の喉から搾り出された。
バイブは小刻みに振動を続け、彼女の精神を痛みと快楽で埋め尽くしていく。
必死に逃げ出そうとするBBだが、蓑虫のようにもがくことしか彼女には許されない。
「――ッ!」
愛液を噴き出しながら、彼女は絶頂する。
ピクピクと痙攣する肉体。
しかしバイブは振動を止めることはない。
倒れることも許されず、BBの全身から力が抜ける。
ジャラリと音を立てて鎖が揺れ、彼女の体重を支えていた。
心を折るための手荒な歓迎を、BBは日が変わるまで受け続けた。
彼女が絶頂し気を失った回数は、もはや数えきれないほどだ。
「あ、がぁっ……!」
日が変わり、五度目の初日がやってきた。
BBは歓迎を受け続ける。
気を失っている間に一日が始まり、BBは拘束を受ける。
彼女以外はループに気付くことはない。
ただ倒れている危険人物を拘束し、事務的に調教を行う。
繰り返す毎日に、BBの精神はすでに崩壊していた。
自分で作りだした現状を打開する方法を思考することもできず、苦悶の声を上げ続ける。
褒美を望むサーヴァントが、罰を恐れるサーヴァントが、従順となったサーヴァントが。
このカルデアにいる全てのサーヴァントが、彼女の敵だった。
「――ッ!」
もう何度目になるかもわからないBBの絶頂。
痛みと快楽を与え続けられた肉体は、電気が流れたように痙攣を繰り返す。
二度目の初日に、涙や懇願が意味をなさないことを理解した。
四度目の初日に、言語を話す余裕すらなくなった。
もはやBBは喘ぎ声を上げるだけの肉人形だ。
二十四時間、彼女は代わる代わる現れる職員とサーヴァントに趣向を変えて犯され続ける。
BBの脳内は苦痛と快楽で埋め尽くされている。
永遠に続く地獄を嘆くことすら、今の彼女には不可能だった。