英霊という存在は非常に自我が強い。
通常の人間では死、もしくは精神崩壊に至るほどの苦痛にすら容易に耐えることも多い。
英霊モードレッドの精神は強靭の一言に尽きる。
召喚された当初からカルデアに強く反発し、警告、及び“教育”を受け続けていた。
だが、未だモードレッドは反発を繰り返している。
職員七名が負傷する損害を経て、ようやく戦闘行為を行えないレベルまでの弱体化を確認。
現在は施設内への収監に成功していた。
「フゥ、フゥ――」
短い呼吸音が、小刻みに漏れる。
モードレッドの拘束は過剰なほど厳重に施されていた。
礼装の一種である首輪はモードレッドへ供給される魔力を数分の一にまで制限している。
拘束されながらも職員に噛み付き負傷させた事件から、その口には鉄製の枷が装着されていた。
左右の足は閉じることが出来ないよう鉛の棒が固定されており、両足は今も肩幅に開かれ続けている。
右手首は右足首に、左手首は左足首に磁力性の枷で永久に接着されている。
結果。モードレッドは立ち上がることもできず、無様に尻餅をついて芋虫のように体を揺らしていた。
正面からみればちょうどM字開脚の姿になっており、露出の多い服装も相まってやけに扇情的だ。
初期段階では職員の性欲処理に利用する案も出ていたのだが、今よりも軽度の拘束だったためにモードレッドは拘束を引きちぎり抵抗。喉奥に挿入されていたモノを噛み千切り、重度の負傷者を出す事故が発生した。
故に現在は拘束を厳重にし、人の介在しない責めを繰り返す日々だ。
魔力の制限と二十四時間の拘束による精神の衰弱。
定期的に行う肉体への責め。
その二つを繰り返し、強靭であるモードレッドの心を慎重に削り取る毎日が続いていた。
その日もまた、いつもと同じ一日だった。
天井から噴射された水がモードレッドの体を濡らす。
一応は汚れた体と衣服の洗浄を目的とした行為だが、その粗雑な扱いはおよそ人に向けたものではない。
濡れた体は急速にモードレッドの体温を奪う。
肌に張り付いたチューブトップとホットパンツは氷のように冷たくなり、胸と尻の膨らみを強調する。
「――――!」
声にならない叫びが、部屋中に木霊する。
それは悲鳴のようでもあり、怒りの咆哮のようでもあった。
その瞳は未だ死んでおらず、鋭く尖ったまま炎を燃やしている。
今職員が近づけば、厳重な拘束など無視して襲い掛かるだろうと予測できるほどだ。
だから彼らは接近を避ける。
手負いの猛獣を弱らせるように、淡々と責め苦を繰り返す。
先程の光景を焼き直すように、再びモードレッドの頭上から水が降り注いだ。
しかし今度の水は薄く色が付き、先程の洗浄とは目的が違うことを主張している。
「────ッ⁈」
モードレッドの瞳が困惑の色に染まると同時、彼女の体に電流が流れたかのような錯覚が走る。
頬が薄紅色に染まり、呼吸が短く荒いものへ変化していく。
モードレッドへ降り注いだ液体の正体は、即効性の媚薬だ。
数名の協力的なキャスターが作成した魔術品で、サーヴァント用に改良されている。
通常は性感帯に塗布するものを、モードレッドは全身に受けた。
結果、今のモードレッドには全身が敏感に反応するようになっている。
「フゥ、ゥゥゥ――――」
必死に踠くモードレッドだが、動けば動くほど空気に触れた皮膚がくすぐったいような快楽を引き起こす。
その刺激に耐え切れず体が動き、さらに快楽は増していく。
しかし、決して絶頂はしない。
増加する快楽を持て余したまま、モードレッドはどうすることもできずにただ踠くことしかできないのだ。
「あ、うぁぁ……」
結局、媚薬の責めは三日継続された。
試験的にモードレッドの拘束は一部が変更されることとなった。
口枷は対話のために外された。
今までは地面に転がされていたが、今は大量の機械が接続された椅子に座らされている。
肘置きの部分に両腕は固定され、椅子の根元に両足は縛られている。
椅子に座るというよりは、椅子に張り付けられたような格好だ。
数週間ぶりに自由になった口からは、声ともつかない声だけが漏れている。
苦痛には反抗するモードレッドだが、純粋な快楽には弱かったようだ。
人の介在しない快楽を受け続け、すでに自我は甘く蕩けている。
以前は罵詈雑言を飛ばしていた口からは、代わりに唾液が溢れ零れていた。
だが、職員たちは決してモードレッドへ襲い掛かりはしない。
ここで彼女を襲おうとすれば、崩れかけた戦士としての自我は容易に取り戻される。
故に、職員たちは辛抱強くモードレッドの方から折れるのを待っていた。
毎日新たに媚薬を塗布し、全身の感度を上げ続ける。
身動きが取れないように拘束し、性的欲求を解消させないように監視する。
ただそれだけ。
それだけのことを、一週間繰り返した。
一週間後、モードレッドは壊れた。
反応が目に見えて鈍くなり、あらゆる外的刺激への反射を行わなくなった。
ようやく、完了した。
職員の一人がそう呟くと、その職員はモードレッドへ近づく。
「――ヒ、ァッ!」
軽く胸へ触れただけで、モードレッドは絶頂した。
全身に稲妻が走ったかのように体が跳ね、小刻みに痙攣を繰り返す。
ひたすらに貯め続けられた快楽が解放され、涙と鼻水がだらしなく垂れた。
整った顔立ちが台無しだが、本人はそんなことを意にも介さない。
「アー、アァー……!」
動物のように快楽を求めるモードレッドの乳房を、職員は両手で揉み続ける。
起伏に乏しい体だが、女体の柔らかな肌は職員の指に合わせてその形を変えていた。
「あれ、終わ、り……?」
十度ほど絶頂を繰り返した所で、職員は手を放す。
意識を失いかけていたモードレッドは、それでも満足していない様子だ。
息は荒く、瞳の焦点は合っていない。
それでもモードレッドは、さらなる快楽を求めていた。
「な、なあ。知ってるぜ、お前らがオレたちに、その、“魔力補給”をしてるって」
虚ろな瞳で職員を見つめる様子は、まるで薬の切れた中毒者だ。
誘うように開かれた股からは、洪水のように愛液が溢れ出している。
「なぁ、オレにも、さあ」
顔を赤くしながらモードレッドは懇願する。
だが職員はとぼけたように、薄く笑って首を捻るだけだ。
「頼むよ、なあ。オレにもしてくれよ」
職員はただ、モードレッドを眺めている。
いったいなんのことだかと、惨めな懇願を肴に笑う。
「…………」
顔を真っ赤に染めて、モードレッドは意を決したように口を開く。
「お願いだ、オレを使ってくれ。いや、使ってください!」
その言葉を合図にして、モードレッドは快楽の渦に飛び込んだ。
「おッ……!」
挿入された肉棒の衝撃に、モードレッドの意識は一瞬断ち切られた。
濡れ切った秘部は一切の抵抗なく肉棒を受け入れる。
一突きごとに絶頂しているのではないかと思うほどに、モードレッドは嬌声を上げ続けた。
体はビクビクと震え続け、職員たちの精を絞り取る。
一人が精を放てば、即座に新たな職員がモードレッドへ挿入する。
便所の順番待ちをしているかのような姿に、モードレッドは喜びの声を上げた。
「あっ、ああっ、おぅ、ぐっ───!」
秘部から零れる白濁液を全身に掛けられ、モードレッドの全身が歓喜の声を上げる。
むせ返るような臭いに発情し、一際大きな絶頂が全身を駆け巡る。
今後、モードレッドはカルデアに全面的な協力を約束するだろう。
たとえそれが世界の存亡などではない、職員の精処理などであったとしても。
この瞬間にモードレッドは英霊ではなく、カルデアの備品となったのだ。