清姫と玉藻の前。
共に同じマスターを慕う二騎のサーヴァントは、同時刻に目を覚ます。
カルデアへ協力的なサーヴァントへの慰労。
飴と鞭であるところの飴を与えられた清姫と玉藻の前は、サーヴァント紅閻魔が運営する旅館『閻魔亭』に宿泊していた。
無論、彼女たちの愛するマスターと三人で。
「「おはようございます、マスター」」
両耳をくすぐるような声で意識を覚醒させたマスターが目を覚ますと、まず感じた感情は困惑であった。
三人は同じ部屋で眠った。
だが、布団は三つ。それぞれ別々の布団に入り就寝したはずだ。
だというのに、清姫も玉藻の前もいつの間にか己の布団から出てマスターの布団へと侵入していた。
視線を動かすと、ご丁寧にも二組の寝具が部屋の隅に片付けられている。
清姫はマスターの背後から抱き着き、玉藻の前はマスターの正面から抱き着いている。
着物越しに感じる柔らかな乳房の感触。
女性特有の蕩けるような甘い香り。
触れ合った手足から伝わる体温。
その全てがマスターの本能を刺激し、彼の下腹部へと血液を送る。
股間の膨らみに気付いた玉藻の前は、薄く微笑みながらマスターの耳元で囁いた。
「どうかご遠慮なさらず……この休暇は私達サーヴァントの慰労という体ですが、マスターに悦んでいただけるということは私達の悦びでもあるのです」
その言葉に肯定を示すように、清姫はより一層強くマスターを抱きしめる。
サーヴァントからのアプローチという免罪符を手に入れ、マスターという雄の理性が限界を超えた。
「ひゃっ」
マスターは両の手を眼前の柔肌へと這わせ、柔らかな温もりを堪能する。
尻や太股を撫で回され、玉藻の前は気の抜けた嬌声を発した。
「あぁ、ますたぁ……」
囁くように、清姫が主人の愛を懇願する。
発情期の雌犬のように血走った眼からは、かろうじて残った理性が燃え尽きようとしているのが見て取れた。
清姫は背後からマスターの下半身へと手を伸ばし、肉棒を両手で包み込む。
そしてそのまま、流れるような手つきで手淫奉仕を開始した。
その手つきはぎこちなく、緩く弱い刺激だった。
だが、この状況ではそんな微弱な刺激すら決壊の切っ掛けとして機能する。
清姫が触れるまでもなく雄々しくそそり立っていた肉棒は、導かれるように精を放つ。
ビクン、ビクン、とマスターの肉体が二度小さく跳ね、放たれた白濁液は目の前の玉藻を汚す。
「はぁっ……!」
着物を汚された玉藻の前は、しかし恍惚の表情を浮かべ顔を紅潮させる。
彼女にとって、それは褒美であるがゆえに。
そして、一度線を踏み越えてしまえば三人を止めるものは存在しない。
掛け布団を跳ねのけ、着物を脱ぎ捨て、待っているのは獣の交尾だ。
「んっ……」
マスターは全裸になった玉藻の前を押し倒し、その唇を奪う。
愛を確かめる接吻というには程遠い、征服欲を満たすためだけに行われる唇の接触。
蕩けたように脱力する玉藻の前の秘部へと、マスターは一息に肉棒を突き入れた。
「――ッ!」
すでに愛液で濡れ切った彼女の秘部は、いとも容易く肉棒を受け入れる。
唇を塞がれ声を上げられないままに、玉藻の前はその衝撃で絶頂した。
無論、挿入だけでマスターが満足するはずもなく。
荒々しいピストン運動によって玉藻の前の肉体は揺れ動き、パンパンといやらしく音を奏でる。
意識を保つのも精一杯の彼女だが、その脳内を埋め尽くす感情は至福のみだ。
「―─ッ!」
最奥に肉棒を突き入れたまま、マスターは彼女の膣へと精を注ぎ込む。
すでに三度絶頂した玉藻の前は、そのまま倒れ伏すようにへたり込んだ。
彼女からは微かな呼吸音だけが聞こえ、その音が唯一、意識を失っていないことへの証明であった。
マスターは肉棒を膣から抜き取り、息を荒げたまま後ろを振り返る。
背後では清姫が餌を待ちわびる犬のように、全裸になって瞳を輝かせていた。
「ま、ますたぁ……どうか、どうかわたくしにも……!」
マスターはその懇願を受け入れる。
玉藻の前にしたように、清姫を押し倒しすぐさま性交を開始する。
「あ、あぁっ……!」
ハート模様でも浮かびかねないほどに両の瞳を輝かせ、挿入された最愛の人物からの肉棒を堪能する清姫。
快楽にだらしなく顔を歪め、決して放したくないと細腕で必死にマスターへと抱き着いている。
「――ッ!」
両者が同時に絶頂した瞬間、清姫の意識は途切れる。
二度大きく全身を震わせると、そのまま彼女はぐったりとして動かなくなった。
だが、マスターの理性も清姫の意識と同様に失われている。
もはや相手の意識など関係無いとばかりに、気を失った清姫相手にマスターは腰を振り続けている。
人形相手に盛るような様を看過できず、慌てて玉藻の前が背後からマスターへと抱き着く。
「ま、マスター……? いくら相手が恋敵兼メル友であろうとも、それは流石に可哀想というか羨ましいというか……ひゃっ!」
マスターの性欲は一向に収まることを知らない。
組み伏せられ今にも襲い掛かろうとするマスターを、玉藻の前は恐れ、そして悦びながら迎え入れる。
むせ返るような性の臭いに包まれながら、肉と肉がぶつかり合う音は日が暮れるまで鳴り響き続けた。