MOD盛り盛りのスカイリムでドヴァキンの従者プレイ~雇い主が万年発情期なんだが~ 作:Ingwelsh
~ホワイトラン~
ストームクロークの野営地で暴虐の限りを尽くした俺とBeatriceは、ウェアウルフと化した将校と狐獣人に変えた一般兵士をその場に残し、ホワイトランへ向かう街道を歩いていた。
既にウェアウルフの変身時間は過ぎ、普段通りの
ちなみに俺はどうやら、人間になったり獣人になったりを自在に切り替えられるようになっているようだ。
ハーシーン様の話では獣人でいられる時間に制限があるという話だったが、もしかしたら俺は特殊な事例なのかもしれない。
唯一、人間の姿のままでもチンポだけはイヌ科のケモチンのままなのだが。
ストームクロークの野営地には、恐らくしばらく時間が経った頃に新しい兵士が派遣されてくることだろう。
その頃に、人間を辞めた二人がどうなっているかは俺の知るところではない。
将校はともかく、一般兵士の方はストームクロークを辞めることもあり得るだろう。ノルドではなくなってしまったし。
そうなったら果たして、彼女に行く場所はあるのだろうか。
俺はひょっとして、一人の人間の人生を滅茶苦茶に破壊してしまったのではないか。
それならいっそ、あの場で命を絶った方が慈悲なのではないか。
そんな答えのない、出口のない思考が俺の脳内を支配する。
「トージ、トージ、しゃんとしなさい」
「はっ……」
Beatriceに肩を叩かれ、ハッと前を向いた俺は、街道横の草むらに足を踏み入れ、崖に突っ込むところだった。
いつの間にかホワイト川にかかる橋の手前まで来ていたらしい。
「初めて人の命を奪ったんだもの、感傷に浸る気持ちは分からなくもないけれど……
そうはしてほしくないでしょう?」
Beatriceの言葉に、俺は再び俯いた。
街の中に留まっていれば、吸血鬼やミラークの手下が街を襲撃しない限り、安全に過ごせるだろう。
だが、それでは俺が元の世界に帰るチャンスはほぼ失われてしまう。
元の世界に帰るためには、世界各地を回り、色々なものを見て、手掛かりを探さなくてはならない。その為には、Beatriceに付いて回らなくては。
「ベアトリーチェ……俺は、俺の居た世界に、帰りたい。帰らなくては、ならない。
だから、手間をかけることと思うが……その……」
「いいわよ、最初から手間をかけるつもりでいるもの。
ウェアウルフの力を身につけて戦えるようになっただけでも儲けものだわ」
俯いたままでぽつりぽつりと言葉をこぼす俺の頭を、Beatriceは硬い爪のついた右手で優しく撫でた。
ウェアウルフの時と違い、鋭さはあっても人を傷つける力はない爪だ。 Khajiitともなるとその爪でダメージを上乗せすることも出来るが、そこまでではない。
そんな手を持つBeatriceが、力もなくひ弱な俺の頭を、まるで小動物を慈しむかのように撫でていた。
「まぁ、強くなってもらうに越したことはないけれどね!
さっきまでの諸々で、貴方もちょっとはレベルが上がったでしょう。今のうちにスキルポイント振っておきなさい」
撫でた手で頭をポンと叩いて、Beatriceはにこりと笑う。
俺は驚きと困惑を孕んだ瞳で、その顔を見返した。
しばし、沈黙が流れる。
「あー、Beatrice、非常にあれなんだが……」
「何?」
首を傾げながら不思議そうに見つめてくるBeatriceの視線を、俺は受け止めきれずに目線を反らして、言った。
「スキルポイントって、どうやって振るんだ……?」
「はぁ!?」
~ホワイトラン・大門前~
あの後Beatriceにスキルポイントを振る画面の出し方を教わり、レベルアップとスキルの取得を行った俺は、ホワイトランの街に戻ってきていた。
今までずっと気が付かないでいたが、レベル5まで上がっていたらしい。いつのまに4レベルも上がっていたというのか。
スキルは軽装に2、弓術に1、話術に1を割り振った。これで多少は動きやすくなるだろう。きっと。
近接武器に振らなかったのは、うん、悩んだんだが弓術の方が役に立つだろうという思いからだ。Beatriceが戦士だし。
ところでBeatriceのレベルも最初逢った時から2ほど上がっていた。
彼女は迷うことなく片手武器と重装に振っていたので、時間はかからなかったが。
そんな、ちょっとレベルが上がった俺とBeatriceがホワイトランの大門を潜ろうとすると、衛兵に声をかけられた。
「これはベアトリーチェ女史! 先程ホワイトラン西の平原、ブリークウィンド水源付近にて、ドラゴンの目撃情報がありました!」
「なんですって!?」
衛兵の報告に、Beatriceが語調を強めて言葉を返した。
ドラゴン。アルドゥインの帰還に呼応して復活し、スカイリムの空を我が物顔で飛び回る、古代より生きる不死の生物。
炎や氷のブレスを上空から吐きかけ、人々の息の根を根こそぎ止めにかかる、ドラゴンボーンでなくては確実に殺せない、空より来る災厄。
ブリークウィンド水源と言えば、ホワイトラン近郊の平原に位置する巨人の居住地域だ。ここからそんなに距離が離れていない。
下手をすればドラゴンがホワイトランに向かってくることもあり得る。
そうなってしまえば大きな被害が出ることは想像に難くない。早く倒しに行かねば。
俺と同じことを思ったであろうBeatriceが踵を返そうとしたところで、大門が開いた。
「あら、ベアトリーチェ。戻っていたのね」
中から現れたのは両手斧を背に背負い、重装鎧に全身を包んだ女性のArgonian。同胞団の導き手でもあるドヴァーキンの一人、Ingridだ。
後ろにはアエラとンジャダ・ストーンアームも控えている。
彼女らがこのタイミングで出て来たということは、その目的は容易に想像できる。我が意を得たりといった様子で、IngridがBeatriceに指をクイと向けた。
「ちょうどいいわ、ベアトリーチェ、その従者も。
首長の命令で、これからブリークウィンド水源に出現したドラゴンを討伐に行くわ。同行しなさい」
「分かったわ、イングリッド。
しかし大丈夫、トージも連れて行って? まだ戦士としては未熟そのものだけど」
Beatriceが心配そうに俺の方を見た。そしてその俺は、冷や汗がだらだらと溢れ出している。
ドラゴンとの戦闘の場に駆り出されるなんて、恐ろしいなんてレベルの話じゃない。
ブレスが飛んで来たりでもしたら一瞬でお陀仏なのだ。怖くないわけがない。
思わず、「俺はホワイトランで待っている」という言葉を発しそうになる。実際喉元まで登ってきていた。
それを見越したか、Ingridが優し気な微笑を俺に向けてきた。
「従者は傍まで寄らせずともいいわ、ドラゴンから距離を取って隠れさせていなさい。
ドラゴンは私とベアトリーチェが居れば方は付くでしょう。ンジャダは彼や周辺の人たちに被害が及ばないよう、警戒に当たってもらう。アエラは警戒をしつつ弓で援護。
ドラゴンへの直接攻撃はドラゴンボーンである私達に任せること。それでいいわね?」
Ingridの言葉に、アエラとンジャダが頷いた。
どうやらIngridは周辺の衛兵や人々、ついては俺の護衛のためにアエラとンジャダを伴っているらしい。
合理的な判断だ。ドラゴンへ近づいての攻撃や、矢を射かけての威嚇なんて、一般の衛兵や戦士にさせるには申し訳が無い。
ドラゴンと言う生き物は、それほど強大なのだ。
「いいわね? それじゃ行くわよ、皆。
ドラゴンは何としてもブリークウィンド水源で食い止める。ホワイトランに近づけさせてはならないわ」
改めて力強く、Ingridが宣言した。
その場にいる俺、Beatrice、アエラ、ンジャダが応える。傍で聞いていた衛兵たちも居住まいを正していた。
「イングリッド女史、ベアトリーチェ女史、武運をお祈りいたします! よろしくお願いいたします!」